それで、この「テス」という映画のタイトルが頭に焼き付いて○十年。
ゆきてかえりしひびのほうでヴィクトリアン朝の話を書いたので、その辺の映画を、ということで、まえにVTRにとってあったこの映画を見たのですが・・・・・。
テス
ナスターシャ・キンスキー トマス・ハーディ ロマン・ポランスキー

ヴィクトリア朝の初めのころは、「女性のモラル」がとても厳しかったらしい。
ファッションでも絶対に肌を出さない、婦人は家庭に入って貞淑に・・・・を強いられ、反対に男性は自由な生活を謳歌していたそうです。
これはだんだんに変わってきて、後半では女性の社会進出も増え、ファッションではパリを中心に、肌の露出度も増えたらしいですが。
トマス・ハーディの小説「テス」が出版されたのは1891年ですけれど、テスが生きたのは、まさに女性への抑圧が厳しかったヴィクトリア朝の初期なのかな。
そんな中で、メイドをしていて、お屋敷の息子の子供を身ごもってふるさとに帰ったテスが幸せになるはずがない。
実際当時は「誘惑するような容貌の女性のほうが悪い」と、テスを罪深い女だと評する読者もたくさんいたらしい。
でもね、でもこれほどいぢめなくてもいいんじゃありませんか?
最後の最後に救いがあるのかと思い、164分我慢して最後まで見ていて、家族Bと私は叫びました。
「なんじゃこりゃああああ!」
後味が悪いにも程がある。
確かに画像は絵画的に綺麗だけど、ナターシャ・キンスキーもたおやかな美女だけど、ポランスキー監督は何が描きたかったんだろう。
なんか救いがなさ過ぎて、かなり疲れました。
しかし中学生に理解できる映画じゃないよなあ。
・・・・『あほのよしかわ』は多分話が分かってなかったんだろうな・・・・・。