いろいろなところでナルニアの評があがってきていますが、「絶賛」と「くそみそ」に分かれているみたいですね。
「くそみそ」評を読むと、「ストーリーがなってない」と、細かい矛盾点を突いているものが多い気がします。
確かに、子供が突然別世界にいって、戦って、王様になるっていうのは、大人がみると無理があるのかもしれません。
でもな・・・・
「赤頭巾ちゃん」を読んで「なぜ狼が寝てるのに、赤頭巾はおばあさんと間違えるんだ! 顔に毛がはえてるのに」とか、「狼はハラを切られてもなぜ気がつかずに寝ているんだ? ありえない!」と怒られてもねえ・・・・
と読んでてjesterは汗が出ます・・・

指輪後、ということで、ファンタジーでもあそこまで物語が掘り下げられている作品をみてしまった方たちには、児童文学といえども求めるものが違ってきてしまうのかもしれません。
比べるなといわれても、どうしても比べてしまうのかも。
でも、もともとナルニアは指輪と、対象年齢が全然違い、
ナルニアは小学校低学年から読み始めるようなお話なんですよね。
それと、映画では時間の都合上かなあ? ちょっと原作と違えてある展開があります。
*****以下、少々ネタばれあります
「あのエドマンドが何で正義王なんだ!」なんていう評があったのです。
映画では戴冠式の時に、「エドマンド、正義王!」って呼ばれますよね。
あれって原作では、ナルニアを統治し、成人した頃に、
『エドマンドは、ピーターよりも真面目でもの静かで、会議と裁判にひいでていました。それで正義王エドマンドと呼ばれました。』(岩波書店刊、和訳、P233より)
なんですよね。
小さいときは、あんな男の子でも、経験をつんで『真面目でもの静かな正義王と呼ばれる大人になれる』、っていう話なのに、戴冠式で言われると確かに???と思われる方もいるかも知れませんね。
さて、キャストなんですが・・・・
この映画をみるまで、何が怖かったかっていうと、子役の演技がへたくそでしらけちゃうこと。子供が主役なんで、下手すると学芸会の劇になっちゃう恐れあり。
ディズニーの「パイレーツ・オブ・カリビアン」なんて、しょっぱなの子役でこけてしまったので・・・・・
その点、子役さんたち、実力の差はあるものの、そこそこの演技力。
はらはらせずにみられました。よかった!
とはいえ、映画絶賛派のjesterなんですが、実はキャスティングには
少々物言いありでした。
原作への思い込みが激しい分、自分で作り上げたキャラクターと違うと、どうしても最初は違和感があります。仕方ないですね。
これはロード・オブ・ザ・リングスのときもそうだったので、何回か見ているうちに慣れてくるのかなとも思いますけれど。
そんな中で、一番違和感がなかったのはエドマンド役のスキャンダー・ケインズ君かもしれません。
あの、不安定で反抗的でまだ思慮が浅い少年の、揺れ動く心をうまく表現してました。
黒目がちのおどおどした瞳が可愛い。
ターキッシュデライト、あんなまずいもの、すごくおいしそうに食べるので、ついおばさんもだまされて食べたくなるじゃございませんか。
ピーターはそれほど思い入れがないせいか、ウィリアム・モーズリー君でOK。
ちょっと目に感情こめすぎの素人芝居でしけっぽくなってましたが、成長したらいい役者になるかも。
戦いのシーンではりりしかったです。
それに対して、女の子たちには馴染めず・・・・
ルーシーって、Pauline Baynesさんの本では三つ編みなんですよ。
そのイメージが強いし、ジョージー・ヘンリーちゃんは、
ディズニー映画に出てくる子役ではダントツに演技がうまいけれど、ちょっとルーシーには小さすぎかな、と感じました。あと1歳か2歳年上じゃないと・・・

jesterのイメージはラッセ・ハルストレム監督の「やかまし村の子供たち」のリサの役の子役ちゃんみたいな感じです。サイズもぴったり。
(この画像ではよくわかりませんが、右から2番目の子)
スーザンはjester的にはまったくだめ・・・・。
知的で、もうちょっとルーシーと年が近い感じがいいです。
アナ・ポップウエルを起用した理由がわからない・・・・
全然イメージ違うのにな・・・・
口元が個人的に品がなくてだめです。(ファンの方はごめんなさい!)
・・・・といいたい放題で「キャスト、動物編」につづきます・・・・。