この映画、ずっと東劇とか文化村ル・シネマなんかの予告編で気になっていた映画でした。
(A History of Violence を見るたびにこれの予告を見てたです・・・リトルランナーとかの時もやってましたね。だもんですっかり歌をおぼえてしまった・・・)
ブロードウエイのミュージカルを映画化したものなんですけれど、

525,600分 ――
あなたは一年をどう計りますか?
夜明け 日暮れ、
深夜のコーヒーカップ
笑い泣いた日々・・・
何で計って、
あなたは1年を過ごしますか?
キスの数、それとも愛・・・・
なんて優しいメロディラインの曲がかかるんですよ。これがとってもいい曲なんです。
(字幕は「1年をどう数えますか」でしたけど、「measure」といっていたので、数えるより、「計る」って感じだと思います。「時の流れをキスの数で計る」なんて素敵です

私は1年を何で計るのかしら・・・

朝のニューヨーク、橋の上を走るバスの中で、思いついた曲をメモする青年・・・
もうそんなシーンを見ただけで、見たい!!と興奮しちゃいました。
何しろjesterは今をさかのぼる○十年前、「コーラスライン」にはまってしまい、劇団四季で何回か見たあと、ブロードウエイのオリジナル・キャストのまで見に行ってしまいました。
もちろん映画のDVDも持ってて、歌は全部歌えるし・・・・というほどだったのです。
その後、キャッツとかレ・ミゼラブルとかもオリジナルキャストで見ましたし、最近はちょっと遠ざかってますけど、結構ミュージカルが好きなんですよ。
だから、「プロジューサーズ」もとっても楽しかったのです。
そんなわけで、絶対見なくちゃと思っていたら、運よく試写会のご招待を受けて、行ってまいりました。
まだ公開前なので、ネタばれは避けますけれど、「RENT」って直接的には「部屋代」のことなんですね。
思ったよりディープな、ゲイやドラッグやエイズ患者の苦しみと焦りなんかを描いていました。
この痛みってjesterにはあまりぴんと来ませんが、ニューヨーカーのクリエイターと呼ばれる人たちの中では、切実な問題なのでしょう。
メインキャストがミュージカル初演時のと同じということで、とても迫力がありました。
最高の技術の前に、まず素材がいい!声もいい!
旬のミュージカルスターの歌と踊りが見られるだけで、お金を払う価値ありです。
見終わったらブロードウエイに行きたくなること間違いなし。
試写会なのに終わった後に拍手が。(jesterはしませんでしたが)
この脚本、作詞、作曲を手がけたジョナサン・ラーソンという人、プレビュー公演の前日に35歳で亡くなったのですって。
まるでこのストーリーを地で行くようなドラマティックな幕開けしたこの舞台ですが、トニー賞どころか、ピューリッツアー賞まで取ったという伝説の舞台なんですね。
脚本的にはですね、厳しいことを言うと、ちょっとメッセージがストレートすぎるきらいがあるかなと思いました。
繰り返されるNo day but todayって、「いつかではなく今日を生きる」って言うメッセージなんですけど・・・・
うん、気持ちは分かるけどね。
でもそういうのは君だけじゃないから、そう歌い上げないでよ、みたいな・・・・

こういうメッセージはこっそりと見せて欲しいな、とjesterは個人的に感じましたが、いかがでしょうか。
年齢的なこともあるのかなあ・・・・
まあ、これがまたブロードウエイじゃあ新鮮なんでしょうねえ。
しかし・・・jesterはどうもクリス・コロンバス監督と相性がよくないらしい。
ハリポタもそうだったけど、「こんなもんだろう」って甘く見て作っているというか、人間観察の掘り下げに不満が残ります。
予告で期待しすぎちゃった、っていうのもあるかもしれませんが・・・・
というわけで、見たあとの拍手はしなかったjesterでありました。