試写会のあと、カナダ大使館広報室の方のご好意で、監督にお話をうかがうこともできました。


あらすじ;ケンは22歳の日系カナダ人。生きる意欲を失い、将来への希望もなく、飛び降り自殺を計る。しかし凍える冬の川から奇跡的に一命を取り留めたのだった。
母親マリー・フランソワーズは、ケンを助けることができるのは疎遠になっている亡夫の兄、琢磨しかいないと感じ、救いを求める。
国際的に著名な作陶家である叔父・琢磨は、ケンの亡き父とは対照的な人物だった。風変わりで、その行動は予想がつきにくく、世間体にとらわれない独自の道徳で生きていた。
酒、性、芸術、謎。琢磨によるショック療法は、ケンの心を揺さぶりつき動かす。その火花は、窯焚の強い炎のようにケンの心に再び情熱を呼び起こすことができるのか・・・?
(以上公式サイトから引用させていただきました)
出だしは、ケンが身を投げたのだと思われる、カナダの都市を流れる冷たい川が映り、Joraneの哀愁を帯びた歌声をバックに、母親が叔父に当てて書いた手紙のモノローグが流れます。
ここでもうjesterは一気に映画の世界に巻き込まれました。

一人ポツンと駅のベンチで待つケン(マット・スマイリー)を叔父の琢磨(藤竜也)が迎えにやってきます。
「いい雨だ。雨を見るのがすきか?」
「・・・まあ。」
ケンは日本語がまったく話せず、琢磨の片言の英語だけがコミュニケーションの手段。
「それはカナダのタバコか?」
「吸いますか?」
「いや、いらない。全部でどのぐらい持ってきた?」
「1箱と・・・・1パッケージ。」
「全部捨てろ。俺の家では、禁煙だ」
うまいですよね〜 このシーンで、琢磨という人がどういう人なのかが伝わってきます。

山、森、川、雨、そして炎・・・・
普段人工的な色彩に取り囲まれている私たちの目の汚れを取り除いてくれるような、すがすがしい映像です。
そこに吹いている風や、雨の匂い、土の匂い、滝を流れ落ちるマイナスイオンまで感じられるよう。

見ている人間もその過程を通じて癒されるのですよね。

Jorane(ジョラン)というフレンチ・カナディアンのミュージシャンが担当してらっしゃいます。
Vent Fou

独特の裏声とどことなくケルトの音楽を思い起こさせるような哀愁を帯びた旋律。
滴るような自然の映像とマッチして、画面の叙情性を盛り上げていました。
日本でもチェロを弾きながら歌っているものとか、何枚かが輸入版CDで手に入るようで、思わずアマゾンでポチしてしまいました。


初めて銀幕の中でお目にかかりましたが、それは美しい青年でした。
(この写真はIMDbからお借りしてきたものですが、この写真、写りが悪いです。もっとハンサム♪)
東洋系の血が混ざっているという設定でもおかしくない、オリエンタルな雰囲気のある顔だち。
(監督と一緒に歩いていると、すれ違う女の子がみんなふりむくそうです)
長くなりそうなので、続きます・・・・(またそれですか〜〜
