2007年05月10日

こわれゆく世界の中で BREAKING AND ENTERING

アンソニー・ミンゲラ監督のBREAKING AND ENTERING(邦題は「こわれゆく世界の中で」ですって。うむむむ・・・・)です。

ロンドンのキングス・クロスって、10年ほど前にしばらく安ホテルに滞在したことがあるのですが、治安の悪いので有名とは知りませんでした。
改築に改築を重ねたおんぼろホテルで、火事になったら逃げられないな・・と思いましたけれど・・・。


そこに新しくウィル(ジュード・ロウ)がオフィスをひらくんですが、すぐに泥棒が侵入し、コンピューターなどが盗まれてしまうんですね。
ウィルはビーという障害のある連れ子がいるリヴ(ロビン・ライト・ペン)と10年近く暮らしていますが、関係はギクシャク。
続いて起こった窃盗事件に、夜オフィスの前で見張っていると、侵入しようとしている少年を発見し、あとを追う。
そして見つけたアパートには、少年とその母アミラ(ジュリエット・ビノシュ)が住んでいる。母子はボスニア難民だった。

というようなスタートを切ります。



ぴかぴか(新しい)ジュリエット・ビノシュはよかったわ♪
ボスニアから身一つで命からがら逃げてきた難民で、道を外れそうな息子を抱え、言葉も通じない中で必死で生きている、という感じが良く出ていました。
公式ホームページには「情熱的な未亡人」って紹介されてましたが、そうなんですか?(爆) 
jesterにはそう見えなかったけどな〜(公式HPに書いてる紹介文、これ以外もちょっと的を外れてるのが多い、って思ったんですけど・・・)あせあせ(飛び散る汗)

同じミンゲラ監督の「イングリッシュ・ペイシェント」のハナと比べて、ああ、この人も年とったな〜としみじみ思いますけれど、マイペースな感じの美しさとでも申しましょうか、若さにしがみついてない、年齢なりの美しさを感じられて、好きです、この女優さん。
(リヴを演じたロビン・ライト・ペンも年齢なりにナチュラルな感じでよかったですが)

10m.jpgぴかぴか(新しい)そしてその息子ミロを演じたRafi Gavron(ラフィ・ガヴロン)がなかなかでした。
ぴょんぴょんと身軽なアクションもすごいけど、なれない環境で生きぬく自信もなく、悪の道に落ちかける青年の頼りなさと甘えをよく演じてたと思います。
ベタニさんがでる「Inkheart」でFaridの役もするのね〜
楽しみです♪


ぴかぴか(新しい)ジュード・ロウは脱ぐとマッチョなのに、どうして服を着ているとあんなになで肩なんだろう・・・と不思議に思いますが。。。。

彼がなんでアミラに惹かれていくのか、・・・日常からの逃避?
その辺の男心はjesterには分かりませんでしたが、この役は結構彼にあっていると思いました。
「優柔不断な2枚目」(爆)の建築家にちゃんと見えましたもんパンチ
ミンゲラさん、「コールド・マウンテン」や「リプリー」のときもそうだったけど、ジュード・ロウを高く買っているんですね。
彼の演技は良かったと思うのですが、おっさん好きのjester的には、もうちょっとおっさんの俳優がやって下さったら、もっとリアルだったかも・・・(殴




女性は子どもを生むと、まずは子どもを育てていくことが生活の中心になり、「愛」の大半を子どもに独占させる。
良くも悪くも「母」になり、だからこそ子どもは育っていくのだけれど、男はいつまでたっても自分が中心じゃないとだめな、大人になりきれない不安定な部分を残していることがままある。

そして女性が大変なときに、パートナーである男性が未熟だと、ささえられずに逃げてしまう、というのは、こないだ「バベル」でもみたパターンで、・・・どこの国も同じだわなんて思って見てました。あせあせ(飛び散る汗)

ストーリーの流れは、ミンゲラさんらしく、細かいところの作りこみが丁寧で、まず安心して見ていられます。
ミンゲラさんのオフィスが何回か窃盗にあったことでヒントを得たというストーリーですが、見張りをしているときに出てくるコミカルででも哀れな娼婦など、ヨーロッパのボスニアや東欧からの難民問題も織り込まれていて、リアルです。


とはいえ、たどたどしい言葉、すれ違う心、通わない想い (あれ?バベルの「言葉が通じない、心も伝わらない、想いはどこへも届かない」という宣伝文句、こっちの映画のほうがあたってるかも) に見ているこちらまでやりきれない思いがして心も痛みます。

でもその辺はミンゲラさん、なんとか 『終わりよければすべてよし』 で希望の見える解決を見せておいてくれるので、後味はそれほど悪くないです。

見終わったあとにぐお〜〜んと重くならなくて、jesterはいいんだけど、・・・
ちょっと強引過ぎるところもあるから、気に入らない人もいるかもしれませんねえ・・・


ともあれ、「打ち壊す、そして入っていく」というテーマがいろんなところで繰り返され、大人の鑑賞に耐えうる、考えさせられる映画にしあがっていると思いました。


あと、音楽はミンゲラ監督毎度ご指名のガブリエル・ヤレドさんですが、この人の音楽で星が2つぐらい増えるんじゃないかと思うぐらい、目立ちすぎず、引き立ててるいいメロディがついてました。
ビノシュが音の出ない木製の鍵盤をたたきつつバッハを思うところで、「イングリッシュ・ペイシェント」を思い出したのはjesterだけではないはず・・・・。




posted by jester at 12:39| Comment(8) | TrackBack(6) | か行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。