2007年07月05日

ボルベール 帰郷 Volver

小池百合子さんが防衛大臣になりましたね。

本当に才能を買われたのか、選挙前の工作じゃないのかと気になりますが、女性がこういう職につくという事実自体は見方によっては歓迎すべきことのひとつかなと思います。

ま、イギリスの鉄の女、サッチャーさんみたいな例外はあるとしても、一般論として、男性は「征服」「縄張り拡張」のために戦う遺伝子を持っているのではないかと思われます。

「300」のレオニダス王は防衛のために命を散らしましたが、スパルタといえば本来は侵略国家。
他の国(集落)を征服し、住民を隷属農奴(ヘイロータイという)にして、それを働かせて生活していた国ですもの。
スパルタ国民の男子はもっぱら戦争の準備をして、時に畑で働いているヘイロータイを練習で狩ったりしていたらしいし。

それに対して、女性は「侵入を防ぐ」「家族を守る」ために追い詰められないと武器を手にしないの人が多いのかなと、自分を省みても思われるので、小池さんは『防衛大臣』にはぴったりかもしれません。(ただし、傀儡でないのなら、の話ですが・・・・)
男社会といわれる防衛省で、女性として頑張ってほしいです。

(もちろん、男性、女性、ともに一般論でありまして、例外はたくさんあるとおもいます。)


vol1.jpgさて、「Volver (ボルベール 帰郷)」ですが、これも見方によっては『守るために戦う女たち』のお話でした。

しかも、くしくも↓で「黙秘」の「母の子への思い」について書いたばかりでしたが、この映画もまさに同じテーマであります。


吹き抜ける風の中を、墓地で夫の眠る墓を掃除する女、女、女。

もうこの辺から暗示に満ちていて、コミカルな味のある始まり方ですが、ライムンダ(ペネロペ・クルス)とその姉のソーレ(ロラ・ドゥエニャス)、ライムンダの娘、パウラが掃除しているのは、火事でなくなったライムンダたちの両親のお墓。


仕事を首になり、テレビでサッカーを見ながらビールばかり飲んでいる夫を横目に、必死に働くライムンダですが、ある雨の夜帰ると娘のパウラが震えながらバス停で待っている。
「どうしたのよ!」と家に帰ると、キッチンには夫の死体が・・・あせあせ(飛び散る汗)

という始まりから、死んだはずの母の幽霊(?)まで登場して、ドタバタ劇の始まりです。

でも、たんにドタバタコメディにならないのは、さすがペドロ・アルモドバル監督。
一見脈略のないように見える出来事が次々に起こり、それがある哀しい真実につながっていく・・・

その過程で女の営みが切なく描かれる手腕はさすがです。
全編にあふれる「チュッチュッチュッ」という頬へのキスの音と、暖かい抱擁。さりげないシーンに心暖まります。
傷ついた人の心が最後に帰る場所は、母の腕のなかなんですね・・・・。



ぴかぴか(新しい)ペネロペ・クルスはやっぱりスペイン語をしゃべっているときが一番良いです!
彼女が訛り満載英語でまくしたてるのを聞いていると頭痛がしてくるjesterは(お前に言われたくないだろう・・・)スペイン語をまくし立てるペネロペのほうが好きです。母国語のほうが演技もやりやすいのでしょうね。

ちょっと目の周りのお化粧濃すぎですが、スタイルいいですね〜彼女。
それに歌も上手です♪


vol2.jpgぴかぴか(新しい)でもjesterがすごく良いと思ったのは、姉のソーレを演じたロラ・ドゥエニャスでございます。黒ハート

「海を飛ぶ夢」でも印象的な演技を見せてくれた彼女、今回も、きらきらとやたら派手なペネロペの後ろで、おずおずと、でもしっかりとした存在感で映画を引き締めてくれています。
なんとも暖かい目つきと表情がいいんですよ。彼女の困った顔で何度爆笑したことか。
(何故かjesterが見たときは劇場内で他にあまり笑っている人がいなかったので、一人で笑ってるjesterはうるさかったかも・・・あせあせ(飛び散る汗)


ぴかぴか(新しい)それから、『幽霊母』イレネ役のカルメン・マウラも素晴らしくうまくて笑わせてくれました!
「ロシア女」「おなら」のエピソードなんか最高!

そのほかも、隣人のアグスティナを演じたブランカ・ボルティーショなどなど、演技上手の女優が集結して、女のための女の映画とでも言うような、予算、迫力、破壊力、繊細さなど、すべての点で『ダイハード4.0』とか『300』の対極にあるような映画作品に仕上がっております。(爆)パンチパンチパンチ


猫しかし、そういう映画であるのに、ペネロペだけはお色気むんむん。
胸の谷間が見えるブラウスにタイトなミニスカート+ハイヒールで登場。
何なのそのカッコ、という洋服も。
これは男性の観客へのサービスなんでしょうか?
女性的な映画では定評があるアルモドバル監督ですけれど、やはり男性の視点だな〜と思える『胸を真上から』とか『トイレ』などのショットが時々見え隠れします。
彼が女性を描くときの限界みたいなものも見えてしまったかな・・・?



しかし・・・スペインの男は腐ってるのか??(爆)
出てくるやつ、みんな「またそれかよ」っていう、どうしようもないやつばかりじゃないですか・・・・

ここまで男を悪く描く必要、あるのかなあ。
それに「黙秘」のレビューを書くために再見したばかりでこれを見たせいもあって、こういう『最低の男性』像は使い古されてる感じもちょっとしてしまった・・・


・・・まあ、(恨み骨髄?で)死んだものを悼む気持ちなどないように見える女たちも・・・困るけどねえ・・・・

救いは舞台がスペインで、バリバリラテンの明るさがあることかなあ。

一杯笑わせてもらったし、華麗な色合いと人間賛歌に傑作だし、こういう作品好きだなと思いつつも・・・・
正直、アルモドバル監督特有の濃ゆさと、セリフに頼っているようなちょっと意外な安直さに、ちょいと疲れも感じたjesterであります。パンチ






posted by jester at 09:00| Comment(12) | TrackBack(8) | は行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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