すごく間があいてしまいましたが、Miss Potterのレビューであります。
初めに悲しい告白を。
最初に見に行った日、友人と一緒でした。
しょっちゅう一緒に行動している友人なのですが、映画はあまり見ないヒトなので、わたくしのホーム・シアターの、とあるシネコンへ。
「ほら、ここでひざ掛けを借りてね、こっちのトイレが広くてすいてるの。」「この辺が座ってちょうど目線に画面が来て見やすいんだよ」「ここに荷物がかけられるんだよ」と甲斐甲斐しく世話を焼くjester。
さて、あたりが暗くなり、予告編が始まりました。
う〜〜ん、この映画も見たいなあ・・・などとつぶやきつついくつかの予告編を見ますと、まるで本編のように見える予告編が始まりました。
「これって予告編・・・?」などとささやきつつそれでも見てました。
なんか宇宙の画像から、日本の漁師たちが船に乗ってます・・・。
Miss Potterで日本が出てくるはずないから予告編よねえ・・・・
そのうち、ヨアン・グリフィズが出てきて手をぐいーんと伸ばして、網棚の荷物を取ったので、
「ああ〜、これ、『ファンタスティック4』の予告編だわ!」と友人にささやくも、その長さに微かに忍び寄る不安の影・・・・
予告編って、もう公開が始まってる?『ファンタスティック』って・・・・
そうなのか、ほんとにそうなのか・・・
ああ〜〜 私たち、見る映画を間違えてる・・・とやっと気づく。(註;正しくは「私」でした)
朝一の上映だったので、どのスクリーンのドアも開いていたのと、もぎりのおねいさんが「こちらで〜す」と指したドアが違っていた(と思った)のだ、と言い訳しても、ドアの横のポスターを見ないで何も考えずスクリーンの中に入ってしまったのは、わたくしの責任ですだ・・
一瞬「このまま『ファンタスティック4』を見てしまおうか?!」という強い葛藤が胸の中に湧き上がりましたが、
「いいや、今日は『Miss Potter 』の気分で来たのだから、『Miss Potter』を見よう!!」と決心し、友人と共に背をかがめて『ファンタスティック4』から抜け出し、『Miss Potter』のスクリーンに忍び込んだわたくしたちだったのでした。
ああ、はずかし・・・・というか、(いつもながら)
アホか! 自分!すんまそん、つまんない話長々としてしまって・・・・

そんなわけで1回目は始まって5分ぐらい経過してしまってからの鑑賞になりましたが、と〜〜っても良かったのでまた見に行き、結局3回見ました。

おかげで最初の時に見のがした、インクが水に広がる美しいシーンもしっかり見ることができました。

最初レニー・ゼルウィガーがイギリス訛りでしゃべってるところを聞いたときは、どうしても「ブリジット・ジョーンズ」に見えてしまって・・・・
破顔の笑顔も、間の取りかたも、ちょっとわざとらしく感じてました。
でも話が進むにつれて、ぐう〜っと彼女の演技にひきこまれました〜
レニー、本当に綺麗だし、あふれるような微笑は素敵です!
まず彼女をキャスティングしたのが大成功。
それと脚本も素晴らしかった。
本来「ヒトが死ぬ話」って
悲しくて当然だと思うのです。
だから、そういうものをえさに泣かそうとしている製作側の魂胆が見えると、一気にしらけてしまうことがあります。
(ま、それでも泣いちゃうけど・・・)
特に邦画とか韓国などアジア系の映画で多いですよね。
「やれ泣け!!」というあま〜い音楽と一緒に乙女の涙を絞ろうとする映画。
この映画でも「人が死ぬ」のですが、それでもしらけさせないのは、そこに至る恋心の切なさと、絶望、再起への努力、そして再生、という過程がきっちり書き込まれているからだと思います。
「死」に直面するシーンももちろん悲痛ですが、そこをしつこく描かずに、その後のPotterさんの頭を高く上げた生き方を描いていることに深く感銘を受け、勇気をもらった感じがします。
オルゴールで踊るシーン(ユアンの優しい声の歌!)、また、あとでそのオルゴールを聴くシーンなど、秀逸な美しいシーンがたくさんありました。
ユアン・マクレガーはどちらかというとあまり好きな部類の俳優ではないのだけれど、この映画のユアンはよかったっす。
それから、木漏れ日の中でスケッチするシーンや、窓辺でソファーを台に書き物をするシーンも素敵です。
あんな緑のあふれるところで、フィトンチッドたっぷりの大気を吸いたい!
イギリスの湖沼地帯に絶対行く! と決心を固めました。
(やれやれ・・・)
また、ノーマンの姉、ミリーとビアトリクスの友情も良かった。
最初出てきたとき、ミリーはエキセントリックに見えて、その座ったような目つきがちょっと怖かったけど、だんだんに二人が打ち解けると、ミリーは心はとても純粋でシンパシーを持てる人間だったのがわかってきて嬉しかったです。
それまで、少女時代からずっと、スケッチと自然研究と本を友とし、自分と異質な人間たちとのお付き合いのお茶会では微笑みつつも体を堅くして、孤独に負けずに一人で生きてきたビアトリクスが、自分で自分の人生を切り開き、仕事と、心通う友人と愛する人を見つける過程が、同じような悩みを持つ人々に勇気をくれます。
Pride and PrejudiceでMr. CollinsをやっていたDavid Bamberさんが、ノーマンのお兄さん役でチラッと出てましたね。
思わず「お! Mr.Collins! お元気?」と思ってしまった。

湖沼地帯の美しい風景は見ているだけで癒し効果があるし、財産家の家の生まれなのにシックでシンプルなビアトリクスの洋服も素敵。
同じ身分の人たちが華美で過剰に着飾っているのに対して、ビアトリクスの知性を感じさせるトラッドなファッションが良かった。
屋根裏のようなビアトリクスの画室は、続きの部屋への小階段を含めてすてき。
絵の具や筆やスケッチブックでいっぱいの机、飾ってある自分の絵、ブラインドから差し込む柔らかな光・・・
もううっとりです。あんなお部屋、欲しいなあ・・・
Bath roomだと思われる奥もどうなっているのか見たいです。
後半でビアトリクスが住む農家がまた素敵でした。
外の花が咲き乱れる庭やレンガの壁もいいけれど、テーブルに切り花を飾った室内が、彼女が生活をいとおしんで暮らしているのがわかるような、質素だけれど心のこもったしつらえがとても和みます。
またそれにくわえ、jesterのつぼである「お絵かきシーン」もたくさんあり、幸せです!
見終わったあとは「絵を描きたいな〜」という気持ちがむくむくと涌いてきて、早速スケッチブックを取り出してしまいました。
そういう意味でもとても嬉しかったな。

ビアトリクス・ポターさんの絵本は大好きで、昔から私の宝物ですし、彼女の伝記も読んだことがあったのですが、この映画を見てますます好きになってしまいました♪
本棚からほこりを被っていた絵本を取り出して眺めては楽しんでいます。
この映画を記念して、復刻版もでているようです。
それと、埼玉に「ビアトリクス・ポター資料館」というのがあるのですね。いつか行ってみたいです。

ちなみに私の大好きな登場動物は、Tom Kittenです。
ま、猫好きとして当然かと。
どうです、この腹!
お話として好きなのは、
「The Roly-Poly Pudding」です。
ネズミ夫婦の家に落ちてきてしまって「煙突掃除をしてた」なんていいわけするTomがかわいいし〜
ネズミの夫婦につかまってRoly-poly Pudding にされかかったTomの
「みぎゃああ!」と悲鳴をあげてるシーンの絵が大好き♪
Original Peter Rabbit Calendar 2008 (Calendar)

一時期こればっかり使っていた、ピーターラビットのカレンダーは、マンネリ化して最近浮気して使っていませんでしたが、また使いたくなって、来年度用のをオーダーしてしまいました♪
近所では26日に終わってしまいますが、それまでにもう一回行けたらいいな〜と思ってます。