レビューをサボってましたが、このところ、イタリア映画の秀作にあたってます。
「ミルコのひかり」、そして「題名のない子守唄」
見た順番とは前後してしまいますが、まず「題名のない子守唄」について書きたいと思います。

お勧めです!!
でもミステリーなので、ネタバレ厳禁。
何しろ一番最初に「このラストは誰にも話さないでください」なんて出るんですよ。
確かに、「何も情報をいれずに真っ白なままで見たほうが絶対面白い」とjesterは思います。
なので、未見の方は、なにも知らずに見ましょう〜
少々痛いシーンがありますが、流血苦手なjesterが大丈夫だったので、それほどでもないかも・・・。
不安な方は、とりあえず「監督が『ニュー・シネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレ。音楽がエンニオ・モリコーネ」ぐらい知っていればいいと思います。
***さて、以下は少々ネタバレありの、見た方専用のレビューです。***
イレーナを演じたクセニャ・ラポポルトがと〜〜っても綺麗でした!
ロシアの女優さんなんですね。
なんか、ケイト・ブランシェットを彷彿とさせるような繊細な美しさの持ち主ですが、とっても強いのです。
静かで暗い彼女が切ない目で手を握り締め、切望する何か・・・
その寡黙に働く横顔にフラッシュバックする残虐なシーンを見ていると、彼女の目的は復讐なのか、窃盗なのか、不慣れでどきどきしながらの彼女の行動に、観客はまたはらはらしながら引き込まれてしまいます。
そしてその予想を裏切る展開・・・・

巻き毛くるくるでちょっと予感がありましたが、そう来るか・・・
ヒモぐるぐる巻きのトレーニングも含め、ここまでやるか? と自問してみると、・・・彼女の立場だったら自分もするかもしれない、と思います。
それが母の子への想いだ、と。
しかしトルナトーレ監督、「マレーナ」のときも「女性をいたぶるシーン」が痛すぎだったのですが、今回もR-15でも足りないぐらい、惨い・・・・

ヨーロッパの貧しい地域の女性の現実はああなんでしょうけれど・・・ちょっとやりすぎ?と思う過激さでございました。
それにしても、存在そのものが「商品」になる女性って、本当に悲しい・・・
人間性は無視して、その体、その子宮が、心無い男たちによって売り買いされる・・・
けれど、母の思いは強いのです。
蹴られ、殴られ、踏み潰されても、また立ち上がる人間の根源的な愛。
ラストシーンが救いがあって良かったですわ・・・
でも、まだ疑問が残っているのですよ〜 誰か助けて〜〜

1*あの枯らさないように気をつけていた鉢植えはなんか意味があったのでしょうか?
2*ゴミ置き場の死体は「黒かび」の仕業?
3*その死体ですが、どうやって見つけたのでしょう・・・あの広いゴミ置き場から・・・
4*ゴミをあさっているときに天井からお金が落ちてきたのは、彼女が隠していたの?
5*あの別荘を片付けたのは何のため? お金を隠すためなら片付けなくてもいいのに。
6*嫌な思い出のはずの赤い靴を大事にしているのはなぜ?
7*その赤い靴と免許書を車に隠したのは「黒かび」?
8*ブレーキに細工したのも「黒かび」だったの?
9*ジーナにサインさせてたのは小切手だと思うんだけど、イレーナが自分で使うため?
10*ジーナの意識が戻ってからどうなったの? ジーナに関する罪もちゃんと背負ったの?
映画「題名のない子守唄」オリジナル・サウンドトラック


不安なシーンの重厚なベースの効いた響きや、エンドロールのヴァイオリンの高音の旋律に酔いしれました・・・・

音楽だけで聴きたくて、CDを買ってしまった・・・
何回か繰り返して見ることになりそうです・・・・
