2007年10月19日

幸せのレシピ NO RESERVATIONS

エンディングにもかかったパヴァロッティの美声の「もう誰も寝てはならぬ」に酔いしれて、映画館を出るときはいい気分だったのですが・・・・

「NO RESERVATIONS(幸せのレシピ)」の評価って、元になるドイツ映画「マーサの幸せレシピ」を見ている人と見てない人(か、元の映画への思い入れがあるかないか)で分かれるのかもしれないな〜って思います。

マーサの幸せレシピ

jesterは「マーサの幸せレシピ」が大好きだったので、どうしても比べてしまうという例の「リメイク現象」にはまりました。
リメイクは「シャイン」のスコット・ヒックス監督だったので、期待してしまったのも悪かったかもしれない・・・あせあせ(飛び散る汗)

でも、もし「マーサの幸せレシピ」を見てないでこれを見たらどう思うかを冷静に考えてみると(どうしても冷静になれないんだけど)結構好きな部類の映画なんじゃないかと思うのです。
見終わったとき、気持ちが明るくなってるのがいいし。

でも、見ちゃったものを見てない振りは出来ないので・・・

というわけで、2つの作品を比べてのレビューになってしまいます。

お許しください・・・・パンチパンチパンチパンチ



基本的に、二つの映画はとってもそっくりに作られているんですよね。
セリフも、衣装も、脇役の顔までよく似た感じだったりします。

よく似すぎているので、どうしても違う部分が目立つのよね・・・


そう、舞台がドイツじゃなくて、ニューヨーク

これが大きい違いなんだなと思います。

ニューヨークはイタリアと地続きじゃない! 車で行き来できない!

したがって、姪っ子のイタリア人の父親探しができない!

だから、姪っ子がイタリア人の副シェフに親近感を持ったり、パスタだったら食べたりする心理描写が出来ない!

で、預かったヒロインも「父親を捜してその元に送り届けるまで預かるだけの関係」からスタートできない!

それから、イタリア人気質とドイツ人気質の大きな違いと、両国間の心理的反発が、アメリカ人同士だとないから、単に性格が違うだけに見えておかしさが半減しちゃいます。

(jesterの知る限りですが、両国民は仲があまり良くなくてイタリア人はドイツ人を嫌いな人がよくいる。ドイツ人はイタリア人を馬鹿にしているときもある。
もうイタリア人の子どもたちなんか、インターナショナルスクールに来月ドイツ人が転校してくるっていうと、眉の間にしわを寄せて「ドイツ人には注意したほうがいいのよ」なんてほかの国の子供たちを洗脳しだすほど(爆)ライバル心みたいなもの?があるみたいです。)


この辺が、リメイクの限界部分かな・・・。

それなのに、セリフとか心理描写をそっくり同じにしようとするから、どうしても脚本に無理がでる・・・・あせあせ(飛び散る汗)


というわけで、ゾーイがケイトとニックをくっつけようとしているように見える行動とか、レストランに来ちゃだめといわれて、自動車に轢かれそうになりつつ走るほど動揺するとか、それまで人に心を開けなかったケイトが、初めから母性本能があるように見えちゃったりとか、なんか不自然な感じがしてしまったのだと思います。


大体、アーロン・エッカートがシェフに見えないんだ〜

(キャサリン・ゼタ=ジョーンズだって、普段からお料理している人に見えないんだけど・・・)
あの無精ひげとぼさぼさの髪型からして、お願いだからお料理を仕事にするなら、帽子ぐらいかぶって欲しい、って思う・・・
いくらオペラが好きでも、生のウズラを片手につかんで振り回しつつ、厨房で大声で熱唱、なんて、笑えないじゃないですか・・・

だからというわけじゃないけど彼の「おばあちゃん秘伝」のパスタがおいしそうに見えないの
(「マーサの幸せレシピ」のマリオの「マンマのパスタ」じゃなくて、グランマの、になっているところがまたそれらしくなくて説得力がないし)

そして、ゾーイが食べるバジリコとポモドーロのパスタも、麺が伸びて張りがなくて曲がってくっついちゃってるし、トマトソースはどろどろだし、バジルなんか、さっきフレッシュな葉っぱをちぎってたのに、パスタに載せるときはみじん切り(?)になって、塩もみしてるみたいに黒く変色して見えて、全くおいしそうじゃない・・・
(食いしんぼのjesterにとって、食べ物の恨みは大きいです・・・子供が厨房に入って料理を手伝うのもすごく気になったし。)

彼はイタリア人じゃなくて、高校卒業後イタリアで修行したアメリカ人、っていう設定なんだけど、ゾーイの父親がイタリア人じゃないんだから、「イタリア料理」の必然性がなくなっちゃってるのよね。


対する「マーサ・・・」のほうのマリオは、お調子者で陽気でいつも歌を歌ってる感じがまさにjesterのイタリア男のイメージにぴったり。
こういうイタリア人って多いんだもん。
リナがまだ見ぬ父のイメージをマリオに投影してしまうのがわかります。

そんで、黒髪+浅黒い皮膚+背は低め、のもろラテン系で、マーサがガッチリ体型の色白ゲルマン系っていうのと正反対なところも、外観からして二人の相性が悪いのがわかって笑えるのです。


ヒロインは料理は天才的だけど、柔軟性に欠けていて人間関係を構築するのが苦手、精神的に追い詰められると冷凍庫(リメイクでは卵なんかも入っていたから冷蔵庫かな?)に閉じこもるっていう精神的症状があるんだけど、ゼタ=ジョーンズは自信にあふれている感じで、「心が開けない」と悩むタイプに見えないのよね〜

だから、ただ姉が死んで、悲しくて泣く場所がないから冷蔵庫に入っているみたいに見えてしまう。
(ただしリメイクのほうが、息が白く見えて、気温が低いのがよくわかったけど・・・)

「マーサ」で印象に残った、マーサの
「イセエビを料理するとき、暑いお湯に入れるなんて残酷だ。一息に首を刺してやらなくては。」
「何を入れたかはわからないけれど、何を入れなかったかはわかるの」とか、マリオの
「太陽の輝くイタリアに残りたいはずがないさ。暗くて寒いドイツで暮らせるのだから」
なんていうセリフもなかったし・・・。

ラストにいたっては、まるで「レミーのおいしいレストラン」!!
アメリカ人ってほんとにああいう単純な終わり方が好きなのね・・・



ま、リメイクでゾーイ役のアビゲイルちゃんはさすがに演技が上手で、大きな目にうるうると涙がたまるところなんか、もらい泣き。

「かわいい女の子」のイメージじゃないんだけど、それがまたいいのよね。

それにしても、「リトル・ミス・サンシャイン」を見たのはお正月だったのに、少しの間にアビゲイルちゃんがすっかり成長しててビックリしました・・・。


でも、もし「マーサの幸せレシピ」を見てなくて、この作品をみたら、きっと全然違うレビューを書いたんだろうな〜と思いますので、未見の方にはあまり参考にならないレビューだったと思います。パンチ



posted by jester at 19:04| Comment(10) | TrackBack(1) | さ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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