2007年11月30日

2007 British Independent Film Awards 主演男優賞

すみませぬ。
またもや猛点線病(ヴィゴ・モーテンセンのファン・・・つか、マニアだな)患者の話題です。パンチ

EP_071019100833923_wideweb__300x417.jpg昨日、特に猛点線病の重症患者を含む3人が寄り集まり、日本では購入できない「ブツ」などの閲覧・授受を密かに行いつつ、息も荒くうわさ話にふけっておりますと、その中の一人が

「あ、そういえば、今朝BIFAとったよね」
(えりこさん、いつも情報ありがルンハートたち(複数ハート)

うぎゃああああ!

というわけで、某駅前のスタバは阿鼻狂乱の世界に・・・

この前からここで「日本で公開されるのか??」とぼやいていた、クローネンバーグ監督の「Eastern Promises」で、ヴィゴが2007 British Independent Film Awards 主演男優賞を授賞しました!

とりあえずヴィゴの写真にコーヒーで3人でかんぱ〜〜い!
いたしました♪

「Eastern Promises」、日本の某配給会社が買った、という噂もかなり確実(?)になったみたいです。
ロシアン・マフィアを劇場で見られる日は遠くない??
(あ、もちろん、ヴァンサンも〜)


その上、「Alatriste」はアートポートさんが買ってくれたということで・・・
「あの地味な歴史物の、スペイン語の映画を良くぞ・・・」と皆でアートポート社の方向を向いて手を合わせ拝んでおりました・・・。

キャピタンの入浴シーンは近い。パンチパンチパンチ
頑張れ!猛点線患者たち!!
posted by jester at 10:11| Comment(6) | TrackBack(0) | ヴィゴ・モーテンセン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月29日

マイティ・ハート/愛と絆 A MIGHTY HEART

ダニエル・パールさんの事件については本を読んでいましたし、それを『グアンタナモ、僕達が見た真実』『ウエルカム・トゥ・サラエボ』とか、『イン・ディス・ワールド』とかのマイケル・ウィンターボトム監督が撮ったといわれたら見に行かないわけには行きません。
(ただし、製作がブラピ、主演がアンジーというのに、jester的には少々不安が・・・あせあせ(飛び散る汗))

マイティ・ハート―新聞記者ダニエル・パールの勇気ある生と死
この本の映画化なんですが(わ、この副題、ネタバレですわね・・・ま、現実に起こった事件なんで、ネタバレも何もないですが)
書いたマリアンヌさん(アンジーがやった役)はこの表紙の方。
ちょっと似てますよね?(アンジーのほうがケンがあるかも・・・)

2002年、パキスタンで、ウォールストリート・ジャーナルの記者ダニエル(ダン・ファターマン)が取材に出かけ、姿を消す。
妻マリアンヌ(アンジェリーナ・ジョリー)は妊娠中で帰国の日も近かったが、友人たち、地元警察などと共同して懸命の捜索をするが・・・・
というおはなし。

前半はリアリズム描写に徹していて、メロドラマ的展開はありません。
君の涙 ドナウに流れ のレビューでも、社会問題を扱った実話ベースの映画にメロドラマっぽいことを盛り込むのってどうなのかなって書いたのですが、この映画はこの辺はドライで成功していると思います。

捜索を進めるパキスタンロケも緊張感があってよかった。
こてこてに飾ったバスで渋滞した道路、ペンキのはげた壁、サラートの時間を知らせる放送、英語とパキスタン語の看板など、街の様子から匂いまで感じられるような(それはあたしだけか)映像でした。

それから地元警察のキャプテンを務めるIrfan Khanが真摯な感じで迫力がありました。
この人だけが頼りなんで正義の味方みたいに見えるけど、実はかなり高圧的に取調べやら拷問をしてましたが、それがあの国の実態ということなんでしょうね・・・
(ちなみに、彼はjesterが公開を心待ちにしている映画「The Namesakes」でおとうさんのAshoke Ganguliの役をするのです〜 トリみどりさん〜〜)

ウィル・パットン演じるランダル・ベネットCIA捜査官も正体不明な感じが怪しくてよかったし。(爆)


ただ、パール夫妻がジャーナリストであり、使命感をもってこの国に滞在しているっていう辺の説明がちゃんとできていないので、「バベル」みたいに(?)危ない場所に観光に来ている物好きな白人夫婦に見えかねないんですよね。

もうちょっと最初の部分で、ダニエルにジャーナリストとしての心意気みたいなものを見せてもらうともっと良かった。
ダニエルの人柄の良さや夫としての優しさは充分わかるのですが、そればかりわかっても・・・

彼は人種的にユダヤ人でしかもアメリカのマスコミに勤めているわけで、そんな彼がユダヤ人やアメリカ政府に非常に反感が強い場所にいるのだから、そこをあえて選んで取材をしている危機感みたいなものがあるはずなのに、それが最初にあまり伝わってこないんですよね。
だからその辺の心理的緊迫感もいまいち盛り上がってこない。


こういう社会派の映画は個人的に見る価値があると思うし、この作品もそうでした。
その辺は評価しているんですけれど、関連の本を読んでいて、映画としていろいろ期待していた分、それにそえなかったなと残念に思うところがありました・・・


********実際にあった事件を取り扱っているので、ネタバレもないかな・・・と思うのですが、もしダニエル・パール事件について全然知らない方で、映画をまだ見てない方には以下、ネタバレがあります。ご注意ください*******





この映画の原作のマリエンヌさんの書いたほうの本は読んだことがなくて、jesterが読んだのは『誰がダニエルパールを殺したか?』という上下2巻のこの本でした。

ジャーナリストが戦場で死ぬことは少なくはありません。
つい先日も残念なことにミャンマーで長井健司さんが射殺されましたし、少しさかのぼれば、イラクで橋田信介さんだって銃撃を受けた後、車ごと焼かれ亡くなった悲劇がありましたよね。

それにしてもこの事件は、彼が戦場ではない場所でイスラム過激派によって騙されて罠にかけられ、拉致され、ビデオによるメッセージを発した後に首を切られて殺害され、その様子までビデオにとられていたなど、非常にショッキングな事件でした。

映画では、事件をパキスタンの街並みや喧騒のなかに時系列で再現させていて、これをみることによって、より事件に関しての理解が深まり、その悲惨さに胸が痛みます。

ただし映画としての作りは・・・・どうなのかな・・・。

こういう事件があったということを忘れて欲しくない、知らない人には知ってほしい、という意図は成功しているものの、ただ材料を並べただけという感じで、関連本などを読んでいない人にはドキュメンタリーとしての背景情報も不足しているし、かといって夫婦愛とか絆を描ききれているわけでもなく、どうもどっちつかずな感じが否めませんでした。

上にも書きました、イラクでなくなられたジャーナリスト橋田信介さんの「イラクの中心でバカとさけぶ」などを読んでも、こういった危ない地域に出向くジャーナリストって、「いつ死んでもおかしくない」っていう覚悟みたいなものを持っているし、命を危険にさらしても、多少は法を犯してでもスクープを撮りたいっていうジャーナリスト根性みたいなものがあると思うのです。

それは家族も承知のこと。
ましてや自身がジャーナリストでもあるマリエンヌが覚悟していなかったわけがない。

それなのにマリエンヌはジャーナリストに見えない。ただうろうろ家の中を歩いて、ヒステリックに怒鳴ったりしたかと思うと、仏壇に「な〜む〜みょう〜ほう〜れんげ〜きょう〜」なんて祈ったり、号泣するシーンを延々と見せられたりでは、見ているほうとしては戸惑ってしまいます。

もしかしたらマリエンヌさんが本当にそういう人なのかも、という線もありですが、ウィンターボトム監督ならもうちょっと別の撮り方を出来たのではないかしら、と思うのです。
その辺、もしや『製作;ブラピ』『主演;アンジー』の抑圧があったのかな・・・というわけで、不安な予感的中(?)でした。

ユダヤ人であること、妻が妊娠5ヶ月であること、などいろいろな事情を慮って尚、取りたいスクープであり、妻は覚悟の上で夫に取らせてやりたかった。
その辺の描写ももっとほしかったな。

それに、邦題の副題のように夫婦の愛情と絆を細やかに描いているのかというと、それを求めてみた観客はがっかりするだろうなと思います。
甘いシーンはほとんどなくて、特に前半はアンジーが困った顔をしてうろうろしつつ怒ってる、というシーンがほとんどですから。
その辺を強調したいなら、二人の回想シーンは後半でなく前半にもう少し入れるべきだったと思います。


アンジェリーナ・ジョリーは熱演でしたし、集客率を上げるためにはかなり貢献していると思われますが、行方不明の夫を心配して捜す古気丈な妻には見えたけれど、ジャーナリストには見えなかったです・・・。

マリアンヌというより、アンジーそのものに見えてしまったかも・・・
(とはいえ、アンジーはご本人と交流があるらしいので、もしかしたら本当にマリエンヌ・パールさんがこういう人なのかも知れず、それをアンジーが忠実に演技してるとしたら、アンジーのせいじゃないですけれど・・・)



最後のテロップにあった、ダニエル・パールの両親が「異文化相互理解」のための運動をしている、というようなこと、そして多分マリエンヌ・パールさんが著書で本当に訴えたかったことが、きちんとメッセージとして受け取れるようなつくりにして欲しかった。

じゃないと『見た人は「恐いね」といってランチを食べに行く』だけの映画になってしまいますもの。



ただ、と〜〜っても局地的・個人的には、マリアンヌが夫との思い出を回想するシーンで、パソコンに「Ferryboat to Elephanta」の文字のあとででてくる映像が、ちゃ〜んとインドのムンバイの突先のインド門から、エレファンタ島(石窟寺院がある島)へ行くフェリーの画像だったのにはプチ感激しました。(殴

あのシーンのために、ちゃんとあそこまでいってロケしたのね〜
(jesterも数回あのフェリーに乗ったことがあります♪)



posted by jester at 12:27| Comment(4) | TrackBack(1) | ま行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月27日

クリスチャン・ベールがターミネイターにでるんですって〜

bale.jpg
Batman himself Christian Bale is to become a part of the Terminator franchise next year.

というわけで、2009年公開の"Terminator Salvation: The Future Begins"(「ターミネーター」の4番目の映画)に主演(追記;ターミネーター役じゃなくてジョン・コナー役)する模様です。
(情報もとサイト&写真はこちらより

うき〜〜〜!!

「The Dark Knight(ダーク・ナイト)」(クリスチャンが再びバットマンを演じます)の情報をあさっていて見つけたのですが、次々といろんなサイトに出てきてる情報みたいです。
着々と日本で確実に公開される(爆)お仕事を契約してくれてて、嬉しいな〜〜♪



ところで、Terminator franchise 、「franchise 」ってこんな時にも使うんですね〜
posted by jester at 08:11| Comment(12) | TrackBack(0) | acter | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月24日

君の涙 ドナウに流れ ハンガリー1956 SZABADSAG, SZERELEM/CHILDREN OF GLORY

ちょうど東欧とソビエト関係の本を何冊か読んでいたので(たとえば「オリガ・モリソヴナの反語法」など)見たいな〜と思っていた「君の涙 ドナウに流れ ハンガリー1956」にいってきました。

1956年、ソ連の弾圧に民衆が蜂起したハンガリーでのお話。
政治には関心がなく、水球チームのエースとして活躍するカルチ(イヴァン・フェニェー)は、偶然学生デモを統率する女子学生ヴィキ(カタ・ドボー)を見かけ、ナンパを試みる。
メルボルン五輪に向けての練習に励む毎日だったが、ヴィキに惹かれ、革命を信じる彼女と行動を共にするうちに、カルチは運動に巻き込まれ、オリンピックを諦めて自由のための戦いに身を投じてゆくが…

というようなお話です。

ハンガリー動乱と、オリンピック水球史に残るソ連対ハンガリー戦、
メルボルンの流血戦といわれる試合についてはとてもよくわかりました。
「悪童日記」を書いたアゴタ・クリストフがスイスに逃げたのもこの頃なのね、なんて考えながら見ておりました。

つくづく平和な国/時代に偶然生まれた自分のラッキーさを思い知らされましただ。

でも映画としては、期待していたほど脚本などがあまりいいできとは思えず、でございました。
なので、ちょっと辛口レビューです。
ネタバレはありませんが、未見の方はご注意くださいませ。


破壊シーンや銃撃戦などは派手で、戦車なんかがお好きな方にはたまらないかもしれませんけれど、人間の心理模様がいまひとつ物足りない。

こういう実話ベースの映画は、地道にデータと人間観察を重ねて造ったほうが、見ているものの共感を呼ぶのでは、と思います。
半端なメロドラマ仕立てのサイドストーリーはかえって事実の重みを安っぽくしてしまう。
それは「ブラック・ブック」でも感じたのですが・・・

「悪者」のソビエトとかAVO(ハンガリーの秘密警察機関)の描き方が、まるで水戸黄門の「悪代官」ですし。

この人きっと死ぬんだろうな、それで主人公が変化するのかな、と思う人はそのとおりになるし。



カルチとヴィキの恋愛も、なんか突然に進行しちゃう感じで、納得いきませんわ。
ラブシーンばかり長いしねえ・・・

ヴィキ役のカタ・ドボーは、顔の上半分がソフィア・ローレン、下半分がヒラリー・スワンク、という顔なんですが、しゃべると品がなくてjesterはだめでした。

ヴィキの役をやっていても知性より自己顕示欲を感じてしまいました。


donau.jpg
一方カルチ役のイヴァン・フェニェーは、オールバックの髪型と、タートルネックセーターで、トレーラーを見たときはなんとなく「ハンニバル・ライジング」のギャスパー・ウリエル君を思い起こしてましたが、全然違いましたわ。

ハンサムだし、とてもガタイがよくて、水球選手にはぴったり。
でもこの役にはどうなんでしょうねえ・・・・
なんだか・・・ちょっと頭が悪そうに見えちゃうんですよね・・・・(殴パンチ

この人って「ジャー・ヘッド」に出てたんですね〜
思わずDVDで確認しちゃいましたが、そういわれてみると、兵士のなかにいるんですよ。
「ジャー・ヘッド」を見てると、ジェイク・ギレンホールとかピーター・サースガードばっかりみちゃいますけど、後ろとか横の兵士をよくみると、彼がいますので、よかったら探してみてください。


とまあ、jesterは醒めて見てましたが、最後の試合シーンはさすがに力が入りました。

選手役は本当に水球の選手がやっているということで、迫力あります。

この新聞記事の写真は本当のゲームを報道したもの。

実話ベースなのでシーソーゲームではなく、ワンサイドゲームなのが惜しい。
この辺は少し作っちゃっても、もう少しはらはらする展開だったらもっと盛り上がると思いました。


それにしても最後に流れる詩、“天使のうた”のメッセージが胸にしみました。



でも音楽が・・・・
jesterは全然駄目でしたわ・・・安っぽくて。

音楽の出来不出来と、脚本って連動していることが多いと思います。
結局は監督のセンス、ってことなのかなあ。
posted by jester at 10:07| Comment(10) | TrackBack(10) | か行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月22日

ヒッチャー  ショーン・ビーンの光る眼!


銀座を歩いてたら、「ヒッチャー」のたて看板を発見しました。

どうも振り向いた ボロミア ショーン・ビーンの眼が光るらしい・・・・

でもjesterが見たのは昼間だったので、眼が光ってませんでした。

さて、「夜にはどんな風かな〜」と、ネットをさまよっていたら、眼が光ってる画像を見つけました。
(画像はこちらからお借りしました♪)


恐いっす。

土砂降りの雨の中、カップルがヒッチハイカーを拾ったら、それが恐ろしい男で・・・というホラー映画のリメイクで、前はルトガー・ハウアーがやっていたその恐ろしい男を、今回はショーン豆さんがやってるんですよね。

ショーン・豆さんはLotRの時からの腐れ縁(?)で、しかも次々と日本でも公開してくれる(涙)映画に出てくれているので、(ヴィゴと比べれば)しょっちゅう見てますが、そういえば最近はあまり見かけてないわ。

なので、心が動きますが、それにしても恐そうなのと、監督のマイケル・ベイとあんまし相性が良くないので・・・・
(後註;マイケル・ベイはプロデューサーでした〜(汗) punktさん、ご指摘ありがとうございます♪)

体調が良くて、かつ時間があったら見に行くかもしれません・・・

posted by jester at 20:16| Comment(12) | TrackBack(0) | は行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月21日

潜水服は蝶の夢を見る マチュー・アマルリック♪

「ミュンヘン」からずっと気になっているマチュー・アマルリックが主演する「"Le Scaphandre et le papillon"(潜水服は蝶の夢を見る)」のトレーラーを劇場で見ました!

「君の涙 ドナウに流れ ハンガリー1956」を今日、有楽町シネカノン2丁目で見てきたのですが、(こちらのレビューはまた後日・・・)その前にこの映画のトレーラーが流れて興奮。

nouilles-sauteesさんところでレビューを読まさせていただいて、いつ日本に来るのかしら・・・と思っていたら、突然トレーラーが始まったので「おお!来た!!」とびっくりしました。


突然脳梗塞で倒れ、左目以外は動かせなくなってしまった男性が、20万回の瞬きで書き上げた自伝を元にして作られた映画・・・・

瞬きだけで本を書くというのもすごいし、それを手伝った人もすごいです。

映像にしたら一体どんなになるのだろうと思っていましたが、マチューの演技、トレーラーで見ただけで素晴らしかったですわ〜〜

ジョニー・デップも切望した役だそうですが、それもうなずけます。

来春公開ということで、とても楽しみです!

The Diving-bell and the Butterfly


ところで原作も読みたいと思っていたのですが、フランス語で読むとなると1年ぐらいかかりそうなので、(いや、1年ではすまないでしょう、きっと・・・・)英語訳で読もうかなと思っていたのでした。

英語版はいろいろな会社から出ています。

潜水服は蝶の夢を見る

でも和訳も再版が12月に出る模様です。
映画館でもらったフライヤーに書いてありましたし、トレーラーでも宣伝されていました。

映画がヒットしたので、なんでしょうかね?



posted by jester at 16:40| Comment(6) | TrackBack(1) | さ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月18日

4分間のピアニスト 

深い絶望の果て。
生きる力さえなくしてしまうほどの闇。
それでも、人に希望はあるのだろうか。

わずかな支えを手に立ち上がり、
一歩一歩
この寂しく荒れた道をたどっていく。

そこにはなにかが
待っていてくれるのだろうか。


このところ、音楽がテーマになっている映画を何本か見ていますが、「4分間のピアニスト」は「Once ダブリンの街角で」に続いての佳作でした。

といっても「Once」のほうが貧しい普通の人たちの心の美しさを描いているのに対して、「4分間」のほうは、底辺の人たちの心の暗闇を描き、その微かな反映が真に価値あるものを輝かせるといった描きかたで、とても対照的。

4hun2.jpgまた、ピアノの天才が主人公という点では「僕のピアノコンチェルト」と似ていますが、「僕の」が子供向けのファンタジーなら、こちらはリアリティに満ち、ものすごく重い。


囚人にピアノを教えるヴォランティアをしているクリューガー(モニカ・ブライブトロイ)は、ピアノのレッスンを希望しているジェニー(ハンナー・ヘルツシュプルング)と会うが、彼女の病的ともいえる暴力の発作に、冷たく部屋を離れる。

しかし歩き去ろうとするクリューガーの足を止めたのは、扉を閉じた部屋から流れてくる、ジェニーの弾くピアノの音だった・・・

精神的な疾患があるのでは?と思われるようなパニック発作を起こしたときのジェニーはまるで手負いの獣。

それと、彼女の紡ぎだす音楽の美しさはまるで別物のよう。


年のかけ離れた二人の無口な女が、音楽だけをその手段として危ういつながりを持つが、関係が深まるにつれお互いの傷口をこじ開けることになり、二人それぞれの悲しい過去が見えてくる・・・・

封印されていた過去の扉を開き、相手の心の琴線に触れるとき、その痛みを共感し、二人は次第にお互いを深く理解しあう。

暗い陰のなかで生きているような人々が登場するのに、見終わったあとは不思議な充実感があり、魂が美しい音楽で満たされたのを感じられます。

典雅なモーツアルトやベートーベン、シューベルトより、ジェニーの自己表現である、痛烈なこころの叫びのような演奏は、そういうものを「下劣な音楽」と言い放つクリューガーに受け止められるのか・・・

使われる音楽だけでなく、爆撃の音、ジェニーが机に刻んだ鍵盤をたたく音、サイレン、体育館のボールの音など、数々の音が、心に響く音として効果的に使われている。

4hun.jpg驚くべきなのは、ジェニーを演じたハンナー・ヘルツシュプルングの演技。
オーデションで残った新人らしいけれど、すごい迫力でした。
薄い色の瞳を怒りでぎらぎらさせて、体中から立ちのぼる激しい敵意とともに、鍵盤にたたき出す「自分」の演技にしびれました。

しかし、骨太のいかにもドイツ人らしい体格で、この人に殴られたら痛いだろうな・・・(殴

それからクリューガー役のモニカ・ブライブトロイも素晴らしかった。
寡黙で頑固で孤独な老女を見事に演じてました。


たまに「現代音楽」を聴きに行くと、正直jesterには理解不能で疲れることが多いのですが、ジェニーのコンサートは聞いてみたいです。

力あふれる4分間の演奏でした。



posted by jester at 09:53| Comment(10) | TrackBack(11) | や行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月15日

僕のピアノコンチェルト VITUS

『山の焚火』は1985年公開ですから、今から20年以上前の映画ですが、難解な映画ではあるけれど、とても印象深く、たくさんの静謐で美しいシーンが記憶に残っています。

蜂の羽音しかしない静かな山の中の、姉と弟が暮らす小屋で聞こえる掛け時計の秒針の音。
不気味な雪崩の前の地響き。
並べられて置いてある両親の遺骸など。
一度映画館で見ただけなのに、これほど印象に残る映画も珍しいかもしれません。


なので、そのフレディ・M・ムーラー監督が撮った「Vitus(僕のピアノコンチェルト)」はすごく期待しておりました。

vitus.jpgストーリーは素晴らしいピアノの才能を持ち、その上IQ180という頭脳をもつ少年が、それゆえ周りになじめず苦しむけれど、理解ある祖父に助けられながら成長していく、というもの。

前半、天才児の才能を伸ばそうと頑張る両親と、心は子供のままでありながらあふれる知能を抑えきれないヴィトスの葛藤は、子供のほうの期待される事に押しつぶされそうな気持ちも分かり、親のいらだつ気持ちもよく描けていて、双方に同情しながらも笑ってしまう、微笑ましいものでした。

しかし、心はまだまだ子供ながら知能は高く、高すぎて学校で浮いてしまうヴィトス。

中盤では飛び級して進学したものの周囲との距離のとり方もわからず、年上の高校生とも教師ともうまく行かず、ヴィトスはどんどん追い詰められていきます。
この辺の展開はとても上手でした。

けれども後半では、ヴィトスが普通児を装いながら、陰でネットによる株の売り買いを始め、
「将来のCEOの息子や父親がそれってインサイダー取引にひっかからんかい?・・・犯罪だよ???」
とちょっと疑問が浮かぶ展開になってしまいました・・・

いっくら天才児でも、祖父の名前を借りたとしても、12歳の子がオフィスを構え、自家用飛行機が買えるほどお金を儲け、しまいには・・・・
という展開はあまりに現実離れしすぎておりますので・・・

そのへんの脚本はちと甘い作りだなと思うのですが、それでも最後まで見てしまうのは、12歳の少年になってからのヴィトスを演じるテオ・ゲオルギューの天才ピアニストぶり

リストのハンガリー狂詩曲第6番を激しく弾くかと思えば、「ロシアのピアニストの真似」といって、粘ばりたっぷりのしぐさで弾いて見せたり、悲しみをこめて、モーツアルトのレクイエムの「ラクリモーサ」を弾いたり、その演奏があまりに素晴らしく、それだけでも見る価値があるというもの。

ピアノ教師に「ここはこう弾いてごらん」といわれても
「いや。退屈だから」
と自信たっぷりに言い放つ彼に、天才とは彼の如し、とうなずかされます。


vitus2.jpgもっと幼い頃のヴィトス役の少年もすごく愛くるしく、パーティで何か弾けと親に言われ、わざとたどたどしく「ちょうちょ」を弾いて見せ、親の鼻をつぶしたところで突然シューマンの『勇敢な騎手』を弾き飛ばすところなんか、とても面白かったです。

こうもりの羽をつけてよろよろ歩くところなんか、天使でした!


vitus3.jpg自分の才能をもてあまし、「普通の子になりたい」と悩むヴィトスを優しく受容してくれる祖父に、『ヒトラー 〜最期の12日間〜』のブルーノ・ガンツ。
自身も子供のような純粋な部分を持つおじいちゃんは、ヴィトスの唯一の味方。
彼が画面に出てくるだけで、ほっとさせられます。
こんな歳のとり方がしたいものです。

おじいちゃんがヴィトスに作ってくれるパスタがおいしそうでした♪

美しい自然の中での散歩のシーンなどはあったものの、そのほかにはスイスらしい風景はあまりなかったけれど、日常会話でドイツ語に英語が当然のように混じり、イタリア語とかフランス語もぽつぽつと入って、子供と母親、祖父までが普通に会話しているところが、やっぱりスイスだな〜という感じです。


そして最後、ヴィトスのシューマンのコンチェルト第3楽章の演奏。
まさに天才というしかない演奏ぶりです。

コンチェルトのソロ奏者とはいえ、オーケストラと音を合わせ、心を合わせてハーモニー(調和)し、一つの作品を作り上げていく、という共同作業が出来るほど、彼は成長したということなのでしょう。

(最近のインタビューの映像など見ると、テオ・ゲオルギューはもう少年とはいえないほど大きくなっちゃってますけれど)


というわけで、「山の焚き火」のような芸術作品を期待していくと期待はずれで肩透かしを食いますが、あれから20数年経って、フレディ・M・ムーラー監督の人間へのまなざしがずいぶん優しくなったなあ〜、と感傷にふけってしまったjesterでございました。

posted by jester at 14:52| Comment(8) | TrackBack(8) | は行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月13日

ボーン・アルティメイタム THE BOURNE ULTIMATUM

BOURNEシリーズの第三弾、「THE BOURNE ULTIMATUM(ボーン・アルティメイタム)」をみてきました♪

とにかく、ジェイソン・ボーンがかっこいい、ただそれに尽きると思います。
これって、マット・デイモン以外の役者だったら、こうはいかないかも。

あの、知的で地味な外観がいいんだと思う。
これが美形ばりに自己顕示欲満々で、タキシード着て、女スパイをくどいたりしたらかえってしらけてしまう。
地味だから変装しなくてもいいし。(そうなのか??)

ただのその辺にいそうな青年が、記憶をなくしおどおどしつつ、でも戦闘能力は異常なほどに高く、命を狙われ、「自分は誰だ??」と自分探し(違う)をするというストーリーだからこそおもしろい。

彼の記憶の危うさからくる怯えと、それにミスマッチな超人的強さがあいまって魅力がまた引き立つのだと思う。

マットのアクションは迫力と切れがあってすごい。
しかし首とか、鞭打ちになってないのだろうか・・・。
あまりに不死身すぎて、ターミネイターみたいにぐちゃぐちゃの車の中からけろっとして出てくるので、笑えました。

見ているだけでストレス解消になる人もいるかもしれませんね。

そして、不死身だけど、デッシュ(ジェイソンと同じぐらい強い敵)を殴って腫れた手をニッキー(ジュリア・スタイルズ)が冷やしてあげて、手を触ってあげると、弱音を吐くところが、迷える子羊か雨に濡れた捨て犬みたいで女性の心をきゅんとさせるのかもしれません。(あくまでほめてるつもりです)パンチパンチ

「グッド・シェパード」も良かったし、以外に素顔は『爽やかイメージ』だったし、なんかこれからは彼がでているということでその映画を見てしまうこともあるかも。
ちょうどトレーラーやっていたウィル・スミスの「I am Legend」みたいなSFもこれからは演ってくれるといいな、なんて考えてました。


画面は、トリノ、ロンドン、マドリッド、モロッコ、ニューヨークと激しく飛び、テンポ早く、飽きずに見られる。
3作目なのに全然だれてないところがすごい。
ちょっとスピードありすぎで、一休みシーンがあっても良かったかもとも思えましたが・・・。


リゾートしょっぱな、ダニエル・ブリュールが死んじゃった恋人のお兄さん役で出てきて、お、と思っていたら、あっという間の出番であっさり退場。
また出てくるの?と思ってみていたけれど、それでおしまいでした。
なんてもったいない。
しかしこのシリーズとダニエルは、彼が出ずっぱりだったらちょっと異質だと思うので、それで良かったのかも。主役を食いかねませんしね。


ぴかぴか(新しい)CIAのパメラ(ジョアン・アレン)が相変わらず知的で冷静で素敵だった。
不健康にみえるほど細身だったけれど、正義の味方にふさわしい。

ラスト・シーン、ニッキーと一緒ににやりと笑ってしまったのは、私だけじゃないはず。


位置情報ストーリーよりもアクション重視で、ジェイソン・ボーン誕生の『謎』も、一話から予想できたままでそれほど驚かさせれることもなく、一貫して勧善懲悪、特にひねりもなかったけれど、それはエンタテイメント映画なんだし、まあ安心してみられるのでよしとしましょう。
(もしかして最後にジェイソンは13日のジェイソンだったとかいわれたらどうしようかと期待していたのに・・・)パンチ


うっかりして、巨大スクリーンなのにわりと前方に座ってしまい、手振れのある映像やアクションシーンのアップと切り替えの多様などで、画像酔いしてしまいました・・・
(今みたら「スプレマシー」のレビューでも同じことを書いてる! 全く学習してないのね、わたくしというやつは・・・・)

そのせいもあるけれど、jesterにとってはアクションシーンもカーチェイスも(カッコよかったけど)、ちょっと長すぎたかも。
いやそこを楽しむ映画なんでしょうけど・・・(爆)

一緒に戦ったみたいで肩に力がはいっちゃってちょっと疲れたわ・・・


最後に、国家の機密を扱う諜報機関たるCIAって、あんなに簡単に潜入できるんでしょうか。
いっくら皆で追いかけてるからって、ビルに誰もいなくなっちゃうわけじゃないのにねえ・・・・あせあせ(飛び散る汗)
posted by jester at 09:39| Comment(14) | TrackBack(15) | は行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月12日

Eastern Promises

雨の土曜の晩、有楽町イトシアの賑わいからちょっと外れた飲み屋さんで、集まった5人の怪しいひとたち。

「やっぱり北米での公開の仕方がわるいんじゃないか」
「なまじA History of Violence が売れたので値段が高くて配給会社が買えないのでは・・・」
「しかし、DVDの発売時期はすごくいいようだ」
「秋葉原の海外DVD専門店で・・・」
「リージョンフリーデッキで」
「某メーカーのDVDデッキは裏技で・・・」

そう、ぼそぼそと語り合うこの人々は、猛点線病(ヴィゴ・モーテンセンのファンである病気)に掛かった人たち・・・

話題はクローネンバーグ監督の「Eastern Promises」の日本公開についての暗い展望・・・・
(といってもjesterはいろいろ教えてもらっただけですが・・・mizeaさん、ありがとう!)

パリからはcinephileさんところから興奮したレポートが入るし、これまで「劇場公開まではネタバレなし!」と画像も我慢して来たけれど、なんか箍が外れてしまった感じ・・・・

というわけで写真を少し覗いてしまったjesterです。

また昨日教えてもらった別の情報によると、日本でもT社が買い付けたという話もあるようで・・・

これが本当で、日本公開がされた暁には、ロシアン・マフィアのヴィゴを劇場で見られるかも?
(後記;調べてくださった方(Eさんありがとう!)がいて、これはないらしいです。(涙))


なおcinephileさんのブログでは、フランスのSTUDIOという映画雑誌のViggo Mortensen特集の翻訳までしてくださってます。
(cinephileさん、ありがとう!!)

追記;いや〜〜ん、nouilles-sauteesさんとこでもレビューがあがりました・・・・
「この作品にはかなり期待してたんですが、期待以上によかったです。」ですって!
nouilles-sauteesさん、ありがとう!(コメントもありがとう〜〜〜〜!!)
posted by jester at 10:09| Comment(4) | TrackBack(0) | ヴィゴ・モーテンセン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月10日

グッド・シェパード THE GOOD SHEPHERD

この映画、もう終わっちゃうんですね〜
いい映画だったのに、人気なかったのかしら?

というわけで「THE GOOD SHEPHERD(グッド・シェパード)」ですが、これ、公開されてすぐに見ました。
(レビューが遅い! 1つ書くのにすごく時間がかかってしまいます。(汗))

CIAの前身から活躍し、CIAの中枢になっていった男。
しかし、家族からは孤立し、友人との信頼関係もない『誰も信じられない男』になっていく苦悩・・・・

時間軸ががんがん飛ぶのに、ずっと主人公のエドワード(マット・デイモン)が同じ服装・同じ顔・同じ表情、に見えるもんで、時々画面の左下に出る日時をしっかり頭に入れていないと、今の話がどこの時代なのかわからなくなります。

それを踏まえていれば、アメリカの支配階級に君臨するエリートの秘密結社や、第二次世界大戦前後やその後の東西冷戦、キューバ危機・ピッグス湾事件等のころのアメリカの内情などがよくわかって、すごく面白い!!

情報の操作や漏洩が現実にこういう形だったのかはわかりませんが、ありえる話で、ぞっとしました。

なんか教科書で習ったのと違う、生きている人間が動いている歴史模様がたまらなく知的刺激になりました。

派手なアクションもなく、心理描写とドキュメンタリーのような事実の羅列なのに飽きずにみられるところは、脚本がどれだけ優れているかの証明だと思います。


耳の不自由なローラと出会う図書館のシーン、謎のVTRを少しずつ解明していくシーン、浮気した女がスパイと見破るシーン、二重スパイだとばれた男にヴァイオリンを弾かせて、それに聞き入るシーン、などなど、印象的なシーンがたくさんあり、3時間あまりの長尺ながら、飽きずに最後まで見られました♪


国家に忠実にあろうとしつつ、その陰謀の一端を担ぐことになり、次第にねじれていく、無口で頭はいいけどオタクっぽい(?)青年に、マット・デイモンがぴったり。

ラストシーンの小さな後姿。
背中が苦悩に満ち溢れておりました。決して幸せではないが、あそこまで来たらNo returnなんですね〜
せっかくフレデリック教授(マイケル・ガンボン)が命をかけて「早く足を洗わないとこうなるぞ」と教えてくれたのにねえ・・・


ぴかぴか(新しい)あとね、妻のクローバー役のアンジェリーナ・ジョリーがすごく綺麗だった・・・黒ハート
今までみた中で一番綺麗に見えました。

役柄としては共感できない女性で、初対面の男性をあんなふうに誘惑して強引に結婚に持ち込んだりしなくても、あれほど美しいのだからほかにいくらでも口はあるし、あんな強引な方法では幸せになれるはずがないとなぜ分からないのだ!!と思いました。

つまりはクローバーはおバカなんですね、はっきりいって。
自分で考える力がないの。
自分中心にしか回りのものを見られないから、自分の思い通りにならないと理解できない。

結婚してからも、仮にも諜報部員の奥さんともあろう人があんなに教育されていないってことはありえないと思う。
こういう関係の妻になった友人が何人かいますが、彼女たちは間違っても夫の職業に関しての失言なんてありえません。
というか、海外に赴任する夫についていく普通の会社員の妻だって、もうちょっとわきまえてますよ。

夫が情報の仕事につくとは思っていなかったとはいえ、結婚って愛情だけじゃなくて、一種の契約ですからねえ・・・

もし何も知らないから「私の夫はCIAよ」なんて友達にいっていたとしたら、それはそういうことを教えなかった夫の責任だと思いますが、とにかくありえないでしょう・・・・と思いました。
ま、夫も妻と相互理解しようという気が無かったのだから仕方ないか。

それにしても、アンジー、ファッションもメイクも綺麗でした。
見とれちゃいました・・・・


耳の聞こえないローラ役のTammy Blanchardも知的で素敵でしたけどね。


ぴかぴか(新しい)監督のロバート・デ・ニーロは、出演もしていて「スター・ダスト」での女装好きの海賊とは全然違う、糖尿病の男。
にこやかに「誰も信じるな」と繰り返して言う姿が、いかにも暗いイメージでした。


ぴかぴか(新しい)Michael Gambonさんがよかった!
Harry PotterのDumbledore校長先生よりこっちのほうがよかったわ〜
ゲイの(?)大学教授でスパイ・・・・というと、サー・イアン・マッケランがやったらどうなのよ、って感じですが、ガンボンさんがぴったりなんですよ〜


それから息子役のEddie Redmayneがコーラスで歌う声が美しかったです。
演技も、寂しさから父を激しく求めつつ、その陰で実は激しく憎んでもいる愛憎裏表一体の表情が良かったです。

そのほかの脇役もみんな良かったですが、アーチとか友人たちはもうちょっと個性的な人がいると、人間の見分けがわかりやすかったと思う。



実はこれを見たあと、dimさんとこで、「ボーン・アルティメイタム」のジャパプレでみたマット・ディモンがすごくかわいかった、という記事を読みました。

そのときはね、「ふ〜〜ん・・・」と思ったんですよ。正直申し上げて。

でも、そのさらにあと、テレビで「学校に行こう」とか言う番組にマットが出ているのを偶然見て、「ええ〜マットってこんなに爽やかだったの???」と驚きました。

なんか口笛を吹く少女と青年と一緒に、一生懸命口笛吹いているのが可愛らしくて。
日本人のタレントのほうが、出演者を馬鹿にしているような態度に見えたのに・・・疲れているだろうに、馬鹿にしたりせずに真摯に受け答えしてるのが、好印象でした。
(まあこの番組ではジョニデとかHarry Potterのダニエル・ラドクリフとか、どの人も素顔はとても真面目で真摯な感じで素敵なんですけどね。日本のタレントってなんであんなに擦れた感じなんでしょう・・・)

ですっかり、マット感を改めた私なんで、今日から公開の「The Bourne Ultimatum 」は心を入れ替えて鑑賞いたします。はい。

しかし・・・・
「THE GOOD SHEPHERD」を見てたときは、やっぱりいつものマットだわ、と思ってみてたんです。
マット、ごめん。

暗くて、表情がなくて、お宅っぽいヤツ。
「リプリー」のときとおなじじゃん・・・
そんな感想しかもてなかったのでした。

posted by jester at 12:36| Comment(11) | TrackBack(2) | か行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月08日

Once ダブリンの街角で

これ、すごく良かったです!
jesterの今年のベスト10、いや、Alwaysのベスト10に確実にはいりますね。

ぴかぴか(新しい)映画全体が、一遍の詩のように美しく、心に響くものでした。ぴかぴか(新しい)

ダブリンの街角でギターを弾きながら歌を歌っているストリート・ミュージシャンのguy(どこにでもいるような男)。
嗄れた声を張り上げて歌う歌は一瞬「ボブ・ディランみたい。上手だけど、あまり好きなタイプのミュージシャンじゃないな」と思ったのに、聞いているうちにぐいぐいと引き込まれる。
まるで「魂の叫び」のような切ない歌。

once4.jpgその歌に吸い寄せられるようにgirl(女の子)がやってくる。
質素なジャケットにマフラーをぎゅっと結び、Big Issues(ホームレスに仕事を与えるために出版されている雑誌)を売り歩きながら、彼の歌に足を止め、聞き入る。

ちょっとKY(空気読め)なところがあるgirlなんだけど、掃除機を引っ張って歩く姿になんともいえない味わいがある。

チェコから出てきた彼女もまた、ピアノと歌で自己表現する人間であるという一面を持っていた・・・・


ダブリンはアイルランドの貧しい地域というイメージがあるけれど、そこに流れてきた東欧人というと、まさに底辺の暮らしだ。
(日本でならさしずめ建前は日本語学校で勉強しているはずが終日ラーメン屋さんで働いている中国から来た人たちと同じような・・・)

薔薇の花を売っている姿は「マッチ売りの少女」みたいだし、子供と年老いた母の生活費を稼ごうと必死で働く姿は「Dear フランキー」の母、リジーのよう。


おずおずとほんの少しずつだけれど心を寄せ合う二人をつなぐのは音楽。

once2.jpg曲が断片的でなく、全曲歌われることもあって、ミュージカルのようだといわれるけれど、普通のミュージカル映画とはまったく違う。
Beatlesの「Let it be」にも近い、まるで音楽を作る現場のドキュメンタリー映画のような感じ。

ただの挿入歌ではなく、BGMでもなく、音楽はこの映画で確かに主役の一人だ。
だからコンサートを聴いたような、「耳の満足感」がある。


だからと言って、ミュージック・ヴィデオでもない。
そこにはしっかりした人間観察の目がある。
ジョン・カーニー監督は「マイク・リーやケン・ドーンのようなミュージカルを撮りたかった」といっているが、確かにうなずける。
だから「心の満足感」もあるのだ。

二人ともどこにでもいるような若者。
着ているものは『プラダを着た悪魔』だったら変身前のださださなカッコ、と言われかねない(でもjesterは大好きな)シンプルでトラッドで地味な服。

それでも・・・・決して美形ではないのに、見ているうちにとても美しく見えてくる。
そのひたむきな生き方がいとおしく思えてくる。
once3.jpg恋愛映画といっても、寝台シーンは愚か、キスシーンすらないのに、それでいて二人の心の揺れが見るものにしみてくる。
ずっしりと、そして生き生きと呼びかけてくるものがある。
(おしっこくさい中学生や高校生受けを狙ってちゃらちゃらした甘甘の恋愛映画をつくってるどこぞの国の映画製作者たちにぜひ見て欲しい!)

ラストも、決して甘いHappy Endではないのに、見るものをHappyな気分にしてくれる、素晴らしい終わり方。
私たちの時が止まることなく流れていくように、彼らの生活もまた流れていくのです。

お金は全然かけてないけれど、人生っていいなと思わせてくれる骨太の秀作映画でした

guy役のグレイ・ハンサートはアイルランドでは有名な「ザ・フレイムズ」の一員ということですが、初めて聴く歌声でした。
ギター弾きのjesterですが、とってもギターが弾きたくなりました。
優しそうで誠実そうな目つきの人です。
(あんな「擦り切れた」ようなギターでもとてもいい音がでるのですね〜。音が悪くなるから表の板は絶対傷つけてはいけない、と言われてきましたが・・・・)

また、girl役のマルケタ・イルグロヴァはチェコのミュージシャン。
ちょっと大人っぽく見えて19歳には見えないけど、細い綺麗な声のミュージシャンで、女優としての演技もとても自然でよかった。

出口でまた即サントラCD買いました。
帰ってからずっと聞いてます。

ワンス ダブリンの街角で オリジナル・サウンドトラック

どの曲もとても良かったけれど、Falling slowlyという曲は、jesterのテーマ曲になりそうです。

   Take this sinking boat and point it home
   We’ve still got time
   Raise your hopeful voice you have a choice
   You’ve made it now


せつないです・・・たらーっ(汗)
絶対また見に行きます!


しかし、渋谷シネ・アミューズ、めちゃくちゃ混んでました。 
公開されて始めての水曜日ということもあったのだろうけれど、朝一の回、40分前に劇場についたら、もう階段を下のほうの階まで伸びる長蛇の列でした。
もちろん満員、立ち見も出てました。

年齢層は厚くて、初老の男性やサラリーマンもちらほら。

アメリカでは最初2館の上映から始まって、口コミでどんどん上映館がふえ、140館になったそうですが、日本でもあんな狭いところじゃなくて、もっと大きな画面で見たいです!


あ、そうだ、guyの役は、当初キリアン・マーフィがやることになっていたんですって!(DDさん用太字。当然ご存知でしょうけれど・・・・)
パンフレットに書いてありました〜
この監督さん、「19歳のカルテ」でキリアンを使ってますものね。
キリアンがやっていたらどうなっていたでしょうか・・・?

posted by jester at 00:12| Comment(19) | TrackBack(17) | ら行、わ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月07日

スターダスト STARDUST

このところ、「黄金の羅針盤」「光の6つのしるし」「スパイダー・ウィックの謎」と、原作を何度も読んだおなじみのファンタジーが次々と映画化されて公開待ち♪嬉しい限り。

フレディ・ハイモア君の出る「スパイダーウィック」もこないだ初めて予告をみてわくわくしてました♪

しかしどんどん映画を見ているのに、レビューを書かずにたまってしまい、焦ってますあせあせ(飛び散る汗)

少しずつでも書かなくては(汗)忘れてしまう〜(汗)(汗)

というわけで、「Stardust(スターダスト)」でございます。

イアン・マッケランさんのあったか〜い声のナレーションと、Wallを超えたところにある不思議な街。

この出だしだけで、もうグッッとハートをわしづかみされました。
ファンタジー好きにはたまりませんわ〜
後はジェットコースターに乗った気分で楽しむだけ!

とはいえ、主役の二人は演技は上手だけど、主役としてのオーラが・・・うむむ。

トリスタンは・・・チャーリー・コックスはかわいいけど、好みの俳優さんじゃないです。長髪になってからのほうが素敵でした。

ヒロインのクレア・デインズは、北欧系って感じですが、いまいち線の太い人。

その点、脇役陣がすごかった♪

ミシェル・ファイファーやロバート・デ・ニーロはもちろんのこと、その他の人たち(主におっさん)も演技達者な人たちばかり。


デヴィッド・ケリーさん演じる、やけに強い壁の番人さんもキュートだし!

トリスタンのお父さんもかっこいい!

Skinny Pirate(やせっぽちの海賊)役のDexter Fletcher さんも存在感あったし!
(この人「トリスタン+イゾルデ」にもオリック役で出てましたね〜)

それから、セプティマスのマーク・ストロングさんも良かった♪
なんかルーファス・シーウェルの従兄弟さんですか?という雰囲気と役どころでした。

とにかく幽霊軍団がもうおかしくて、出てくるたびに爆笑でした!
(一人、アダム・バクストンさんかなあ・・毒飲んで死んじゃうお兄さん、幽霊になってからコリン・ファースに似てる気がして仕方なかったです)

それから山羊が変身したオヤジもおかしかったし、鶏声にされちゃう商人も笑えた〜〜!


ぴかぴか(新しい)そのほか、小物も楽しくて。

バビロンのロウソクとか、ルーン文字の占いの駒(欲しい!)でしょ、山羊馬車もおかしかったし!


というわけで、ハリウッドがファンタジーを作ったらこうなる、という見本のようなお金が掛かっていて、何でもありで、楽しませてくれて、でも後には何も残りません(爆)というファンタジーで、この前見た「パンズ・ラビリンス」の正反対の究極にあるような作品ですが、jesterは結構楽しみました。

まるで豪華な紙芝居を見ていたみたい。

彼女の気を引くために流れ星を見つけに行く、っていう動機がそもそも不純だし、海賊っていっても雷を捕まえて売ってる商売人で、なぜか女装が好きだったりして、おっとっとな展開ながら、大体、おばあさんが炉辺で語ってくれる昔語りってこんな風に荒唐無稽なのよね。
もともと歴史的にだって、王家のお世継ぎで兄弟が殺しあう、なんていうのも良くあった話だろうし、御伽噺では親が子供を殺して食べた、なんていうストーリーもあるし。
今良くあるような、ずっしと重いテーマがあるファンタジーではなく、ヨーロッパなんかにある伝承の昔話を寄せ集めたと言う感じのストーリーでした。


だから童心に返って楽しんでしまった。

ディズニーランドの乗り物みたいです。
子供向けだから、残虐なシーンは映らない(占いで動物を殺すシーンとか)し、一番上のお兄さんが流す血も赤ではなく青かったりして、安心してみていられますし、ラストだって何も心配なし。


しかし、ミシェル・ファイファー、すごかったなあ・・・
若く変身した顔でも、時々おばあさんに見えるのは演技なのか現実なのか・・・・

魔法を使うと若作りパワーが落ちて、手に老人班が出ちゃうところが笑えました。

とにかくある意味女優を捨ててる(?)汚れ役だったけど、迫力満点の魔女でございました。






posted by jester at 09:37| Comment(14) | TrackBack(3) | さ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月02日

アフター・ウエディング Efter brylluppet

2007年のアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたこと、マッツ・ミケルセンが出ていること、デンマーク映画・・・
ぐらいの予備知識で見に行ったら、どこかで見たような風景・・・・。

黒い車体に黄色い屋根のアンバサダータクシー。

映画はインドのスラム街から始まりました。

しかもjesterが昔住んでいたことのある都市の・・・・(ラストでドビーガードという洗濯場が出てきてわかりました。)
Oh-lala〜 (「・・・なつかしい」と素直にいえないが・・・)

マッツふんするヤコブは、スラムで食料を子供に配ったり、学校で教えたりするボランティア。

なんとこれは、jesterの娘がやっていたボランティアと全く同じでした。

娘はクラスメートたちと定期的にスラムに行って、自分が作ってきた食料を配り、英語や数学を子供たちに教えるボランティアを、小学校から中学にかけてやっていました。

だもんで、しょっぱなから、非常に親近感を持ち、物語に引き込まれてしまったjesterでございます。


さて、ストーリーはヤコブがデンマークへ、孤児院を運営する資金調達のため帰国するところから展開しだします。

交渉相手のヨルゲンは「まあ、金はあまってるし、興味はないけど出してやろうか」という資産家で、傲慢な態度にみえます。

これも、ボランティアで資金調達をやっていたjesterにはちくちくくる思い出を呼び起こしました。

当時かの地で、脳性麻痺やダウン症児のための施設のボランティアをjesterはしてました。
そして資金を集める仕事のお手伝いもいろいろしていましたが、こういう傲慢な態度の企業トップは時々いました。

とくに自分で起業して富を築いたような人の中には、自信と傲慢さに満ちている人がいます。
金さえあればなんでもできる、まずは金だ!というタイプ。
自分だけが正しいと信じ、人の意見は聞かず、口だけはわかったようなことを言うけれど、現場の痛みはわかっていないやつ。

それを思い出し、「あ〜〜こういうひと、いるよね〜」とヨルゲンには反感をもってしまいました。


ヨルゲンは当初と話を変えて、交渉を渋りだし、「ゆっくり考えるから娘の結婚式に来い」と言い出す。
しぶしぶ出かけたヨルゲンの娘、アナの結婚式で、ヤコブが出あったのは、昔の恋人、ヘレネだった・・・・


この辺から、話は急展開を見せます。

画面いっぱいの目や口元の大アップが続き、登場人物たちは大音響で怒鳴りあい、ヨルゲンの本心が見えないまま話は続き・・・・

そしてヨルゲンの告白。

「君は私の 昼であり 夜であり 海であり 山だった」・・・・

この辺と、アナがヤコブに子供のころのアルバムを見せるシーンは涙をそそりました。


48歳のヨルゲンのとった行動は、見方によっては非常に自己中心的だけれど、真摯な愛に貫かれていてヤコブを動かします。


ヤコブに感情移入しきって中盤まで見ていて、後半はヨルゲンに感情移入してみました。

完璧な人間は出てきません。
しがらみや後悔を引きずりつつ、迷い、悩み、傷つきつつ、それでも前をみて歩いている人々。

見終わったあと、いろいろなことを考えさせてくれる映画でした。



ヘレネ役のSidse Babett Knudsenさんが存在感のあるいい女優でした。

2007wed.jpgそしてマッツ・ミケルセン、ちょっと陰があるけれど、味わいのある男性を演じていて好感がもてます。
(あの視線に、きっとマッツファンのDDさんならずともノックダウンされる人続出だろうな〜と思ってましただ♪)

「キング・アーサー」のトリスタン役で始めて彼を見、「しあわせな孤独」「カジノロワイヤル」と見てきましたが、今回のヤコブの役は素晴らしかったと思いました。
最初と最後彼で終わるのだから、彼が主役、ですよね。
(実際はヨルゲンが陰の主役とも思いますが)

それとヨルゲンの住んでいたお屋敷、すごかったな〜。
部屋がつながっていて、両側にドアがあって、ヨーロッパでみた昔のお城そっくり。
絵や動物の首の剥製がたくさん掛かっていて、貴族か王族の住まいのよう。
もしかして本当にそうなのかも。


しかし・・なんか字幕がよろしくなかった気がしたのですが・・・
もともとのセリフもあんなものなんでしょうか?
デンマーク語、全然わからないのでつらかった。
(片言でもわかる言語だと、感情のノリが違います・・・)



インドでヤコブを待つ少年、プラモドの大きな瞳が印象的。

こんな映画をきっかけに、遠い地の貧困とその底辺にあえぐ子供たちに心を馳せる人がすこしでも多くなるといいな、などとも、jester的には思ってしまいましたですよ。
posted by jester at 09:52| Comment(14) | TrackBack(6) | あ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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