2007年12月06日

ウェイトレス 〜おいしい人生のつくりかた WAITRESS

「なんか『心温まる』映画をみたい」という、downな精神状態をうかがわせるコンセプト(汗)で映画を選びました。

「ここに幸あり」とどっちにしようかな〜?と思いつつ、邦題が気に食わないし、恵比寿より日比谷のほうが行きやすい(爆)ということで選んだのが、『ハートフル・ストーリー』が宣伝文句の「WAITRESS (ウェイトレス 〜おいしい人生のつくりかた)」でございました。

jester的には☆☆☆でした。

(昔やっていて自然消滅し、また突然復活した☆評価ですが、未見の作品でネタバレしたくない時、他の方のレビューを読むのに結構☆のところだけ見て「この人が☆☆☆☆☆なら見てみよう」なんて考えているときがあるので、自分もまたやってみようと思い立ちました。
☆5つ…傑作!一食抜いても ☆4つ…お勧めです! ☆3つ…価値あり ☆2つ…お暇なら ☆1つ…jesterはだめ でございます)

しかし見終わったあと、個人的には・・・なんだか落ち込んだのだ。
なんでだろう・・・・?



平凡な田舎町のウエイトレス、ジェンナ(ケリー・ラッセル)は、パイ作りが上手。
でも結婚後に態度が変わった夫アール(ジェレミー・シスト)から日常的に暴力を受けてびくびく生活し、逃げ出そうとして準備をしている。
けれど、アールの子を妊娠してしまったことがわかり・・・という筋立て。

たいていの人がラストが推察できるだろうという定番の話つくりで、あとは細かいエピソードがどのくらい生きているかが勝負の脚本です。


小雨「ジェンナ、何であなたは自分の思ったことを言わないの〜〜?」と映画を見てるほとんどの時間、とってもいらいらする展開・・・・。
DVがあって暴力が恐いし、一人で生きていく自信がないし・・・なのだろうけど。

とにかく、夫のアールの横暴がエスカレートすればするほど、鸚鵡返しに相手の言ってほしいことを繰り返すだけのジェンナに、「それじゃ駄目じゃんか!」といいたくなる。

そも、人間関係とは与えられるものではなく、築いていくもの。
ぶつかって摩擦して疲れながらも少しずつお互い成長するわけで。
アールの愛はとっても幼児的な自己愛がほとんどだけれど、それを結婚生活の過程で育てていかなくちゃいけないのに、ジェンナは逃げてるのよね。
ま、時と場合によっては逃げることも必要だけど・・・というか、ほとんどは「逃げるが勝ち」が現実かもしれないけれど、結婚とか、自分が真剣に生きてる場所では勇気を持って立ち向かわなくちゃいけない時もあるのに。
結婚がゴールイン、夫が幸せにしてくれるって単純に考えてたんだろうなあ・・・

ま、ここで観客がいらいらすればするほど、その後のジェンナの変化に期待が増すというところなんで、これもひとつの脚本家の計算で、まさにその思惑にはまっているわけなのでありますが。


クリスマスともすればず〜〜んと重くなりそうなシュチュエーションだけど、セリフ運びの軽妙さと、個性的な脇役のコミカルな演技に救われてます。

お砂糖が少なくとも1キロは入っていそうで(爆)見るからに甘そうな、時々は毒々しい色の「アメリカン・パイ」は、食べたいとは思わなかったけど。
「駄目夫から逃げ出したいパイ」とか、その時の気分に合わせて題をつけた創作パイをつくる過程を想像してるのが愉快でした。


ぴかぴか(新しい)ウエイトレス仲間のドーンに迫る、一見気が弱そうでじつは手ごわいストーカーのオーギーは気持ち悪くて笑えた!
(この人、オーシャンズ11シリーズに出ていた人でした)

あと、店のオーナーのへそまがり爺さん、オールド・ジョーは、とってもステレオタイプな「天使」だけど、出てくると安心します。


ウエイトレス仲間のドーン役、そして監督でもあるエイドリアン・シェリー・・・・。
ひょうきんな持ち味が、女性版ウッディ・アレンかな?と思っていたのですが・・・
エンドクレジットで「エイドリアンへ」ってでてたので、あれ?と思ったら、この作品を撮った後に、事故でお亡くなりになったそうです。
(ご冥福をお祈りします・・・)

ぴかぴか(新しい)ジェンナのW不倫相手、ポマター先生をやったネイザン・フィリオンは結構つぼでした。

話し方とか立派な鼻(?)、優柔不断でおどおどした態度や物腰の柔らかさが、なんとなく、どことなく、コメディにでてる時のディビッド・ウエナムを思い起こさせる気がjester的にはいたしました。



クリスマスそれと、ヒロインのケリー・ラッセル、キーラ・ナイトレーとダイアン・レインを混ぜて、ペコちゃん焼き(つまり丸顔ってこと?)にした感じだけど、どっかでみたな・・・と思ってたら、MI;3に出てたのね!!
あの、最初に死んじゃう、トムクルの教え子スパイ・・・
ジョナサンばかりみてたし、汚れてたので気がつかなかったけど、DVDで確認したら確かに彼女でした。
赤ちゃんを産んだ瞬間から5分間の彼女の演技にこの映画のすべての意味がこめられてると言えるほど熱演してました。
彼女の目の光・・・あすこは泣けたわ・・・。



猫で、家に帰ってから、『ハートフル・ストーリー』なはずなのになんで見たあと落ち込んだんだろう、って考えてみた。

(「レミーのおいしいレストラン」とか「幸せのレシピ」みたいなあまりにアメリカ的なまとめ方にちょっとがっかりしたっていうのもあったけど。)

もともと下向きな精神状態だったせいか、なんかジェンナに現実の自分が透けて見えて・・・・

「自分のいいたいこと」より、「人がいわれたいこと」を、言うジェイク。
それでその場を救うつもりで、実は現実をのがれている。
結果的にはその『逃げ』で自分を追い込んでしまうのがわかっているのに・・・

『言う時は勇気を持って言わなくちゃ』 

言い古されたメッセージなのに、それが今更ちくちくと痛くて。たらーっ(汗)


ま、おくびょうもんにはその痛みも薬になっていいのかな、ということで、☆☆☆でした。



posted by jester at 10:10| Comment(6) | TrackBack(2) | あ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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