2008年03月03日

ライラの冒険 黄金の羅針盤 THE GOLDEN COMPASS

原作の大ファンで、去年から映画館に行くたびに何回も予告を見せられ、いやがうえにも期待が高まり迎えた公開初日。

映画の日ということもあっていつになく混んでいたjesterの行きつけのシネコンで鑑賞いたしました。


う〜〜〜むむむ。監督の愛はどこにあるのだ?

巨額の資金をかけたCGと演技力のある俳優さんにはうならされたものの、映画自体の出来は、導入編の1作目だとしてもかなり疑問が残ります。

というわけで、プラスマイナスすべて加味して、☆☆☆ ぐらいかな?


雪以下、映画と原作のストーリーに触れています。
未見の方はご注意ください!雪
(ちょっと辛口ですが、愛ゆえなのでお許しを〜〜  この映画がお気に入りでファンの方はスルーしてくださいね。)



The Golden Compass (His Dark Materials)
原作は、発売されるとほぼ同時に読み、次作を待ち望んでくらす・・・・という繰り返しで、3作目を読んだ時は、その世界観に打ちのめされ、しばらく浸りきってました。

それから何年か経って、映画化の話を聞いてまた読みたくなり読み返したのが、ちょうど今から1年前ぐらいかなあ・・・・

(その辺の様子はこちらの記事などで書きました。)

原作では、1ページ目から、突然ライラという少女と「daemon」というものがでてきます。
この「daemon」、辞書を引いてもでてこないし、なんなんだろう?と思って読んでいると、突然こいつがしゃべる。
しかも名前はPantalaimonで、「今は蛾の形をしている」と書いてある。
そういえば、古代ギリシャについての本を読んでいたとき、ダイモンという精霊の存在があったなあ・・・なんて思い出す。
二人は戸棚に隠れて、大人たちの会話を聞いているうちに「DUST」という言葉を聴く。
しかしその説明はされず、謎・・・・・

こんな展開で、どきどきわくわく謎を追って読み進んだり戻って考えたりしつつ、読者は独特の世界観を持つ物語の中にぐいぐい引き込まれます。


ところが映画では、しょっぱなからど〜〜んと説明されるんですね〜あせあせ(飛び散る汗)


「この映画は3部作です。
1作目は違う世界です。
2作目は私たちと同じ世界です。
3作目は・・・・

daemonというのは・・・・
dustというのは・・・・」


う??
ううう????
どうなのよ???
こんなに最初からはしょられて、説明されて、答をだしてもらっちゃって、見ている人はどうやって世界観を共感すればいいの?

まあさ、長い話を2時間以内にまとめてるわけだから仕方ないじゃないですかお客さん。
ということで少しぐらい説明しても、そこんとこ納得してくださいよ。


と、一人でぶつぶついっているうちにもうどんどん映画は進んでいく。
(まあ、あたしも原作の1作目を読み終わったときは、
「ええ!ここで終わりなの??? ロジャーはどうなったんだよ?? 続くって、酷すぎよ〜」
ってわめいたからなあ。
観客が暴動を起こさないためにも、初めからお断りを入れていくって事か・・・・)


ライラ役のダコタ・ブルー・リチャーズは、ハリポタ1作目のエマ・ワトソンのハーマイオニーと全く違って(爆)、ちゃ〜〜んと演技してるんですけど、観客はライラに共感を持っている暇がないの。
彼女の寂しさとか芯の強さ、賢さ、勇気を持って人生を切り開いていこうとしている辺は語られないので、観客は感情移入するチャンスも与えてもらえない。

これじゃあただ気が強くて嘘つきで口の減らないガキに見えるじゃないのさ・・・・たらーっ(汗)

そして説明は続く。

ゴブラーというのは子供をさらう恐いもの。
教権というのはねえ・・・
daemonを切り取られるのは・・・・


はいはい、でもそれ、見てて伝わってこないよ?


すべてにおいてそんな感じで、要らない説明が多いくせに必要な部分は説明されず、なんの溜めもなく会話は進み、味わうべきセリフもなく、見せ場のシーンはクマvsクマなどの戦闘シーンのみで、あっという間にエンドロール。

映画の写真を使って、大文字で1ページに4行ぐらいのあらすじが書いてあるダイジェスト版の絵本を読んだような・・・

もっと余分なところを刈り込んで、その分必要な部分は細かく描きこんで、30分ぐらい長くしてもいいから、観客がどきどきはらはらしていつの間にかライラの世界に入り込み、それぞれの登場人物に愛情と共感を持てるような、そういう映画をつくって欲しかったです・・・たらーっ(汗)


ぴかぴか(新しい)俳優さんたちもすごくいいんですけどね〜

ダニエル・クレイグは「Lord Asriel」じゃなくて、「ただのライラの叔父さん」に見えたけど(殴)(だって、Lordだよ!! LORD!)
でもjesterには007より素敵に見えました。黒ハート
ツイードのジャケットが似合うの♪
Lord Asrielはポール・ベタニーさんがやるという噂が流れたことがあって、「ぎゃああ」と叫んでましたが、それは流れちゃいました。
でもダニエルで満足です。


二コール・キッドマンは唇がプリッとしててすごく綺麗でセクシー。
見ていてため息がでます。
「美しくて怪しいコールマン夫人」にぴったりでした。


それから、エヴァ・グリーンは、「キングダム・オブ・ヘブン」「ルパン」「007」より、ず〜っと謎めいて綺麗だったし。
ふわっとした浮遊感がなんともいえない、魔女というより妖精のようでした。
当たり役かもです。


そのほか、デレク・ジャコビが「カドフェル、後頭部の毛がある!」と驚かせてくれるし、クリストファー・リー様がちらっと出たと思えば、イオレクの声の役でサー・イアン・マッケランまで出てくるし、声の役はそのほかにもフレディ・ハイモアやらクリスティン・スコット・トーマスやらキャシー・ベイツなど、うもお〜〜〜とうなってしまうほど豪華な顔ぶれなんでございます。

風景とか、小道具や気球、飛行船、映写機、アリシオメタ、dust、daemon、armed bearだとか、もうファンと致しましては涙が出るほどと〜〜っても良く出来ていて、それだけでも見た価値があり、なんで☆☆☆つけたんですけどね。

猫の姿のPantalaimonを見るためだけにでもDVDを買いますがな・・・



猫ああ、ファンタジー映画が出来るたびにロード・オブ・ザ・リングス・シリーズと比べてああだこうだ言うのはもういい加減にしてくれと思っているのですが・・・・

それにしてもですね、このシリーズは原作への監督の愛が感じられなかったです。

ただ子供向けに判りやすく説明して、大金をつかって豪華な映像を作っても、原作のどこが気に入って、誰に共感して、何を伝えたかったのか、作り手の愛情が見えなくちゃ!

ロード・オブ・ザ・リングスで儲かったからと、2匹目のドジョウを狙っても、まず原作への監督の愛(&才能)がないと駄目だ〜〜!!

ニューラインシネマさん、2作目、ぜひ監督を替えてください、お願い!!パンチパンチパンチ


posted by jester at 19:43| Comment(24) | TrackBack(8) | ら行、わ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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