2008年03月12日

地上5センチの恋心  ODETTE TOULEMONDE

大好きな作家の作品を読んでいると、いつの間にか別世界へワープ。
体が軽くなって、ふわふわ浮いている気分♪

本じゃなくても、映画でも、舞台でも、コンサートでも。

そんな気持ちを持ったことがある人なら、きっとオデットに共感しちゃうでしょう。


『アメリ』のもっと大人版といった感じ。
全体にちりばめられたジョセフィン・ベイカーのアンティークな雰囲気の歌と楽しいミュージカルのような踊り。

とにかくハッピーに笑うことが出来ました揺れるハート

☆☆☆☆でした♪


全体的に品のいい笑いがちりばめられていて、気持ちよく笑えます。
脚本の流れにちょっと問題ありなんですが、jesterはもう2回も見てしまいました〜

見終わったあと、今まで生きてきてオデットのような浮遊感を味わったのは・・・
と指を折って数えてしまった。

数えているうちに、なんとなく胸の辺りがほんのり暖かい。
幸せの記憶って、つらくなった時にいつでも取り出してつかの間暖まることが出来る、人間が生きていくのにとても重要なツールなんですよね。



以下、映画の内容に触れています。未見の方、ご注意ください!!!


リゾート   リゾート   リゾート   


jester的爆笑ポイントがたくさん。
まず最初の、張り切っておしゃれしてお出かけの道すがら、行きつけの美容師さん(これは後で、誰かがわかってくるのだけれど)にあって、
「どう?わたし。正直に言って!」
「・・・・・結婚式にでる、姑みたいだ・・・」

うぷぷぷ。もうここで爆笑でした〜

それから、寝室の壁紙!
ハーレクインロマンスみたいに、夕日の中で抱き合うカップルのシルエット! ありえないでしょう・・・・

新刊のレビュー番組で、ライバルが散々にバルザンの本をけなすところも、もう、めちゃくちゃおかしくて、一人でケタケタ笑っちゃいました!

あとね、息子の15歳の時のシッポ付きパジャマもおかしかったな〜


キスマークオデット・トゥールモンド役のカトリーヌ・フロがとっても可愛かったです。

鑑賞した映画館の銀座シネ・スイッチではこの映画の前に「譜めくりの女」の予告が流れていて、その中ではエキセントリックなピアニストの役をやっているカトリーヌなんですけど、オデット役はほんとにフェミニンで素敵。

柔らかいカーディガンとタイトスカート、ストッキングにハイヒール。
アップにした髪形やらお化粧まで、jesterとは全く「別の種類の女」なんだけど、楽天的なその性格やらおっとりした表情が、
「ああ、男性からみたらこういう女性は憧れだろうなあ・・・」と素直に認めてしまう、いかにも癒し系なんです。
ゲーテじゃないけど「永遠に女性なるもの、我らを引きて 往かしむ」に納得。

そのファッションはなんか懐かしくなるようなものばかりだけど、それがまた新鮮だったりして。
特にモヘアの綺麗な水色のや、薄赤紫の、白いシンプルなものなど、この春はカーディガンを着たいな、と思いました。

しかし、カーディガンは可愛かったけど、その下にスリップ、という姿はベルギーでは部屋着なんでしょうか・・・・?
娘の彼氏が来たとき、え、その姿でいいの?と思ったけど、その後も、スリップで料理したり、来客があっても堂々とドアにでちゃうし・・・あせあせ(飛び散る汗)

日本ではすっかり着る人もいなくなったスリップですけど、考えてみると、ヨーロッパ映画ではいまだに時々見かけるような気もします。

最初に大好きな作家、バルザンのサイン会に行ったはいいけど、緊張しすぎて自分の名前も言えず・・・後で泣く、という気持ち、すんごくよくわかります!
(それにしては2回目以降は唐突にすらすらしゃべるので違和感がありましたが・・・)


リゾート画像も華美ではなく、シックな感じ。
楚々としたベルギーの海辺。
波打ち際に面した砂浜にロウソクをたくさん置いて、長いすに座りくつろぐ星空の夜。

ある一晩の家族の姿を天井からゆっくり撮ったり、デパートの販売員たちの帰宅風景を男性の目から追ったり、カメラワークもしゃれていました。


犬後はもうちょっとバルザン(アルベール・デュポンテル)がカッコよければいいんだけど・・・なんか情けないキャラクターの男なのよね・・・・
なんでオデットがあそこまで惚れるのかが伝わってこなかった・・・


でも息子のルディ(ファブリス・ミュルジア)がよかったので許す。

身長低めで、痩せてて、おしゃれで、優しくて、美容師で、ゲイ。
でもあんな息子が欲しいです。
まるで女友達みたいに一緒にいて楽しい息子です。

しかも踊りのシーンのバ○○の腰ミノ・・・・笑いました〜!


クリスマス脇役も癖ありな人がたくさん登場します。

アパートの向かいの部屋に住む、筋トレマニアの夫婦。

恋人のドメスティクヴァイオレンスに悩む女の子。

それから謎の「イエス」という男。
オデットのアウターエゴという設定なんでしょうか。
水の上、歩いてたし??


猫しかし脚本は突然飛ぶところがあるのが残念。

オデットの同僚たちは突然全員一致して恐い人になるし・・・
どうしてバルザンは急にパリに帰ったか、それからどうして急に息子に会いに行き・・・etc.

登場人物の感情がご都合主義に突然変化したりするんですよね・・・
その辺をもうちょっと丁寧に書いて欲しかったな。

CGを使ってファンタジックになるシーンも、浮遊シーンはいいんだけど、お化粧道具なんかが踊る辺はちょっとリアルなシーンと上手く馴染めてない気もしました。

それとどうも字幕が良くなかった気がします。
字幕だけでは会話が追いきれないんですよね。
フランス語がわかったらもうちょっと深く判ったのかも。


犬「男がよそで遊ぶのをやめさせたかったら、犬を飼って鎖につないでおけばいいの」なんていうセリフには、「じゃあ男は性的モラルは犬と同じかい?」と突っ込みたくなったけど、
「みんな間違った場所で幸せを探す。幸せとは自分を受け入れること」
というとっても普遍的なメッセージはきっちり伝わった感じ。

「運命の人としか寝ないの。あなたはいつか通り過ぎる人」ときっちり胸を張るオデットは誇り高い女性で、そのメルヘンチックなフワフワキャラクターとは裏腹に、内面的にとても強いものを感じました。

突然踊りだす登場人物たちに「あれ?? インド映画・・・?」と既視感を感じつつ、「他人の幸せじゃなく、自分の幸せを生きなくちゃ黒ハート」と癒された1本でした♪



幸せを感じた時、たとえささやかなことでも、それを十二分に味わって、心にしっかりと刻み付けて、人生の冬に備えることにしましょう。

つらい吹雪の中でも、それをそっと取り出せば、凍死だけはしないですむように・・・・・




posted by jester at 10:08| Comment(8) | TrackBack(2) | た行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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