2008年06月25日

アウェイ・フロム・ハー 君を想う AWAY FROM HER

凍った湖の上の降り積もった雪に2本のトレイルを残しながら、クロスカントリースキーでゆっくりと進んでいく2つの影。

そのトレイルが別の方向に進み始める。

カナダの美しい大自然の中、肩を寄せ、寄りそって暮らしていた夫婦が病で別れていく時、長年連れ添った二人の想いが交錯してやがて離れていく・・・

人生の最後に「悪い人生じゃなかった」というのは、いつも男よ。

んだなや!パンチ

julie_christie1.jpg

静かな映画でしたが、しみじみと心に響き、考えさせられるものでした。

jesterのお好み度、☆☆☆☆でした♪


あらすじ: 結婚して44年になるグラント(ゴードン・ピンセント)とフィオーナ(ジュリー・クリスティ)の夫婦は、お互いを深く愛し、満ち足りた生活を送っていた。しかしある日、アルツハイマー型認知症の影がフィオーナの身に忍び寄る。物忘れが激しくなり、挙動に支障をきたしてきた妻を、グラントは辛抱強く見守るが……。(シネマトゥデイより)

ぴかぴか(新しい)とにかくジェリー・クリスティが美しくて
ああ〜〜美人は得ですわ〜 
もちろん、日常それなりの努力をなさってるんでしょうけど、70歳間近でもあれほどきりりと美しいなんて。

知的であった自分が会話も楽しめなくなり、記憶がどんどん薄れていく不安を、華奢で華麗で哀切を帯びた演技で見事にあらわしていて、ゴールデン・グローブ主演女優賞受賞もうなずけます。

上の写真でもわかるように、パジャマの襟まで立てて着るようなおしゃれさん(あれ?これは偶然立っちゃったのか? でもそう見えなかったし。)ですので、ファッションにも注目しました。

さりげない後れ毛が素敵。(jesterが真似すると、間違いなく乱れ髪になる・・・)


サラ・ポーリー監督は20代と若いのに、年輩の人の気持ちがよおく分かるんですね。感心しました。


****以下、映画の内容には触れてます。未見の方、ご注意ください!****


仲良くよりそって暮らしてきた老夫婦。
夫は妻に満足し、深く愛している。
妻は年取っても美しく、英知にあふれている。
けれど、そんな妻にかげりが。
洗ったフライパンを冷凍庫にしまってしまう。
言葉が出てこない。

やがて妻が、自ら率先してアルツハイマー患者用施設に入ることを決意するが、その前に車の中で夫にいう言葉は、甘くないです
若い頃に彼が繰り返した『浮気』を責めるのです。
「私は気づいてたのよ。あの時も、あの時も・・・」

彼女がその当時、『浮気』を指摘し、彼を責めていたら、結婚生活は続かなかったかもしれない。
彼女がひたすら耐えたからこそ続いた結婚。

最近の事は忘れる彼女も、若い頃の痛みは鮮烈に思い起こせるのです。

ああ〜〜わかる!たらーっ(汗)

いろんな結婚があり、男も女もそれぞれ我慢してる部分がある結婚が大半だと思うけれど、客観的に見ても、女が我慢している部分が大きいと思うのはjesterだけではないはず。

jesterだって・・・
ここだけの話、夫から投げつけられた言葉のナイフの数々、忘れてませんわ。(こわ〜〜)
たとえ彼はとっくに忘れていて、多分それほど悪意はなかったのだとしても。
まあ恨んでいるとまではいきませんです、お互い様ですから。
でもきっと彼は忘れているんだろうなあと思うと、ちょっと悔しいです。
きっとぼけたら、責めるかも。(覚悟しておいてくれ、夫。)


そして施設にはいったあと、夫の事は忘れ、患者で気のあった男性オーブリーと仲良くなるフィオーナ。

「もしかして昔の事の仕返しをするために、わざとやってるんじゃないか」
疑う夫に、介護士がいう言葉が、上に書いた「人生の最後に「悪い人生じゃなかった」というのは、いつも男よ。」

うんうん。

大体、彼女が施設に入るという決意をすること自体、夫に介護されることに気を使っているのですよ。
逆の立場だったら、きっと彼女は自宅で夫を看取ると思います。

それなのに、けなげにも「ホテルにいるみたいに、毎日ドレスアップするわ」なんて自宅を出る前に玄関で鏡を見つついう彼女が哀れです。

まあそういいつつも、彼女が入るのは、まさにホテルみたいに綺麗で広々とした素晴らしい設備の施設で、私も今すぐ入りたいぐらいですが(爆)、多分入るのに莫大なお金がかかりそうなので、庶民には無理なんでしょうね・・・


しかしその施設で、患者たちがコントラクト・ブリッジ(jesterが愛するカードゲーム)をやってるシーンがあって、ビックリ。
アルツハイマーになっても、コントラクト・ブリッジはできるのか〜

ぴかぴか(新しい)希望がふつふつと涌いてきている)


猫なんか字幕がぼろぼろで、「そんなふうに訳しちゃっていいのかしら・・・」と思うのがたくさんありました。

いっぱいあったと思う割に、jester自身アルツなのであまり思い出せないんですが・・・

例えば、彼女が新しく出来た彼氏のオーブリーが退院しちゃったのをすごく悲しんでいるシーンで、夫が相談すると、看護師が
「Short of memory is not always bad」
(記憶力がないっていうのも、そう悪いことばかりじゃないわ、(悲しいことも忘れられるから))みたいなことをいうのの字幕に、
「自力で努力しないと回復しないわ」とかなんとか出ていたような気がしました。


あとね、エンドロールにかかるのが「Helpless」。
確かにHelplessかもしれないけど、
Helpless、Helpless、He〜lpless♪って何回も繰り返されると、むむむ〜とうなって苦笑いしてしまったjesterです。


ラストの持っていき方は、日本ではありえないだろうって納得いかない人もいるかもしれないけれど、jesterにはリアルな感じがして、そういう展開もあるだろうなあと思いました。
だって人間は命ある限り、なんとか生きていかなくてはいけないしね。(そうなのか?)


密かに夫の過去の横暴さを恨んでいる妻は、この際、知らん顔して映画館に連れて行って、この映画を夫に見せたらいいかもしれません。(爆)(鬼か)

いや〜jesterはそんなことしませんけどね。はい。

しかしうちの夫に見せたら
「ほらな〜 男の愛は女の愛なんかより大きくて深いんだぞ!」とかいいそうあせあせ(飛び散る汗)



ぴかぴか(新しい)広大なカナダの美しい雪景色と、素敵な湖畔の家(雪かきなど手入れが大変そうだけど)、そして品があっておしゃれなジュリー・クリスティの演じるフィオーナの、いつまでも瑞々しい女心に酔いしれる110分でした。





posted by jester at 18:09| Comment(6) | TrackBack(4) | あ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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