2008年09月27日

イントゥ・ザ・ワイルド Into the wlid

また心の宝物になるような映画に出会えました!

映画を見る側にとっては、見終わったあと、心の中に切ない痛みを伴う何かが残る。
映画を作る人にとっては、きっと「こんな映画が作りたい!」と思わせるような。

ショーン・ペンが伝えたいと思ったことがダイレクトに伝わってきて心のピンポイントにビシ!っと納まるような映画でございました。

jesterのお好み度、☆☆☆☆☆+ でございました。

(一旦書いたのに、なぜかぜ〜〜〜んぶ消えてしまったので、かなりショック・・・・
本日、気を取り直して再挑戦してみます。はあ・・・・あせあせ(飛び散る汗)

intothewild_bigreleaseposter.jpg


『欲しいのはそれじゃないよ、父さん』

優秀な成績で大学を卒業し、将来を約束されていた若者が旅に出る。

旅の途中で若者が体験する出会いと別れ。

それでも若者は荒野を目指す。

たった一人で。



実話がベースになっているので、『めでたし、めでたし』では終わりません。

でも見終わったあとに重い気分にならないですむのは、主人公のみならず、登場人物たちが何らかの形で成長しているからかな。

年端のいかぬものも、年老いたものも、みな1歩を踏み出している。


主人公クリスの旅立ちは、純粋さゆえの無知から生じた、若さゆえの冒険といえるかもしれない。
けれど、その無謀さと傲慢さで成された行動は、別の角度から見れば逃避であるし、ある意味『自傷行為』にも見える。
そして、本人は意図していないかのようだが、実は緩慢な『自殺行為』でもあったのではといいたくなる。
ただの「自分探し」の旅じゃないのは確か。

どこにでもあるような家庭不和。
ホームドラマを絵に書いたような幸せな家庭なんてそうはないし、考えてみれば彼なんかかなり恵まれた環境なのに・・・

若いって、自分の痛みにばかり敏感で・・・(汗)

けれど、かつて同じような自分勝手な痛みを抱えた青春時代を送ったものには、身に覚えのある衝動であり、その通過儀礼をこなして何とか生きながらえた身から見れば、その砌を自分は偶然にも踏み外さずに、良くここまで来られたと感慨を持ってしまう。

そして、現在その痛みの真っ只中にいるものには、ある意味指標となり、視点を変えることが出来、受容し感謝する道へ進む指針となるかもしれないと思いました。

まあ実際に深刻な喪失体験をしなくては、なかなか受容+感謝って受け入れがたいのかも知れないけれど・・・


貯金を捨て、カードを切り、お金を燃やし・・・
そんな青臭い姿がやけにすがすがしくて、いつの間にか軽やかじゃなくなっている自分を思いっきり笑い飛ばしたくなります。

(家族Bがデートで『20世紀少年』を見るというので、デートで見るならこっちがお勧め、といっておきました。わははは。見終わったあとの2人の会話を知りたいです。盛り下がるかしら・・・?(汗))


本ソロー、トルストイ、ボリス・ パステルナーク、ジャック・ロンドンなどの本を何度も読み返しつつ、レフトハンドライティングでノートにメモを取りながら、旅をする・・・ この辺もjesterにはつぼでした。


ぴかぴか(新しい)主人公クリスを演じたエミール・ハーシュは素晴らしかった。
その繊細な視線、はにかんだピュアな微笑み、そして最後の壮絶な演技・・・・(CGも使われていたのかもしれないけれど、それにしても18キロ減はすごい。ショーンにビシバシしごかれて、走らされたのかな?)
いい役者さんです。
そして、俳優さんを伸ばしてくれるいい作品に出会えて、ラッキーでしたね。


『モーターサイクル・ダイアリーズ』を連想してしまうな〜と思いつつ見ていたのですが、それは若者を主題にしたロード・ムービーだからというだけでなく、なんと撮影監督がエリック・ゴーティエなんですね!
アメリカの大自然の美しさを堪能しました。
彼の画面があったからこそ、実話の過酷さが救われた部分があったと思います。


****以下、ネタバレないですけど、映画の内容には触れてます。未見の方、ご注意ください!****


人と人のふれあいが人間の内部に変化を呼び、年に関係なく目覚めさせることもある。

クリスが旅の途中で出会う人たちが、素晴らしい俳優さんたちで固められていて、キャラクターも鋭く深い人間観察によって作り上げられており、ありがちな安っぽいものでなかったのが良かった。

なかでも年老いたヒッピー夫婦の奥さん、ジャン(キャサリン・キーナー)が良かった。
女性の美しさって若さだけじゃないよなの証明であります。
クリスと海で泳ぐシーンが綺麗で感動しました。

ぴかぴか(新しい)それと、孤独な老人、ロンを演じたハル・ホルブルックはこの演技でアカデミーの助演男優賞にノミネートされたのですね。
うるんだ青い目から伝わってくる、戸惑いと愛情にしびれました。
彼にクリスを止めて欲しかった。


そしてクリスに思いを寄せるトレーシー。
『パニック・ルーム』の女の子なんですよね〜

この二人のエピソードは切なくて、jesterは好きなんですけれど、23歳の青年として、トレーシーに取った態度は自然なんですかね? まるで聖者のようにストイックに見えましたが。

その理由としては
1、同じぐらいの妹を持つ兄としての気持ちが強かった。
2、これから冒険の旅に自分を探して出かけるのに、想いを残したくなかった。
3、女性に興味がなかった。(殴

なんて考えてしまいましたが、・・・まあ、そんなことはどうでもいいのです。(汗)


ウィリアム・ハートの「父の慟哭」も胸を衝かれました。
朦朧とした目に映る苦悩に、思わずクリスを責めたくなったです。
お父さんだって人間なんだよ。間違ってることだってあるけれど、だからこそ生涯学んでいくもんなんだから。
「子どもは親に厳しい」って本当です。
ショーンの父としての心がこのシーンを入れたのだろうなと思われました。

残された家族への配慮で、きっと映画では書かれなかった、もっと複雑な家庭の事情などもあったのでは? とも思いますが、それにしても、子どもをなくす親の気持ちは、思って余りあります。


残してきた妹はもちろん、旅の間にも、彼に差し伸べられた手はたくさんあったのに、彼はアレクサンダーのままで、なかなか本当の名前のクリストファーに戻れなかった。

手が差し伸べられたのは、彼が純でいい人間だったからだろう。

それでも彼は北へと旅立つ。
彼にとっては、自分の中に筋を通すためにも、何を置いてもいつかは行かなくてはいけない場所だったのだろうか・・・・

それが青春ってもの、っすかね。ああ、まぶしい。


ショーン・ペン、良かったです。
『インディアン・ランナー』で表現されていた深遠な人間描写がなお研ぎ澄まされてきた感じがします。
メッセージはシンプルだけど、迷いがなくて、何が伝えたかったのかが心に直接響いてきます。
ラストシーンには彼の願いがこめられてると思いました。
ショーンは思っていたより、割とポジティブなんですね。

ま、反逆児のショーン・ペンとしては、荒廃したアメリカの精神を描くのが流行りの今だからこそ、こういった爽やかな、まっすぐなものを作りたかったのかもしれないとも思います。


そして最後の本物のクリスの写真の笑顔に息を呑みました・・・。

帰れたらよかったのに。
河を渡って帰ろうとしていたのに。

「気づいた」のにね。

残念です。


(あのバスの近くには食料を蓄えておく小屋があったらしく、地図さえ持っていたらそんな情報も手に入って、助かったかもしれなかったらしいです・・・)


Into the Wild

原作本は話題になっていたので『jesterの読む本リスト』にはずいぶん前から載っていたのですが、未読でした。
映画をみて即急に読む必要を感じました。
テアトル・タイムズ・スクエアでみて、即、隣の紀伊国屋の洋書売り場に直行したものの、すでに売り切れでした。

なので帰宅して、アマゾンで注文。

少し安いけど、ページ数が少ないペーパーバックがあったりして、どれを買おうか迷っているうちに、どんどん在庫数が減り、売り切れたり、取り寄せに8週間かかるという表示が、在庫ありになったり、どんどん動くんですね。
今、この本は日本で売れているんだな〜と感じました。

映画の一場面が表紙になっているものもありましたが、結局、実際に彼が乗っていたバスが表紙になっている、1997年に出たペーパーバックを買いました。
(が、いまこれを書いていてみたら、3日前に買った時より200円安くなっていた。またかよ、アマゾン。)
(元値が同じだから為替のせいばかりとは思えないんだけど)


jesterにも放浪願望がありますが、心身ともに実力不足で、ソローのように、クリスのように、「森の生活」を始める自信はありません。

せめて一人で海外旅行に出かけるぐらい。

一人旅は、持てる能力を極限まで酷使するし自分というものの真の実力が試されることがままあります。

耳を済ませて目を凝らして情報を収集し、自己管理しつつ、新しいものに心を開き、美しきものに感受性を震わせられるまたとない機会です。

そして帰った来た時、日常の平凡な生活の幸せさを実感できるチャンスでもあります。

また旅に出たくなりました・・・・Alex Supertrampになって。

でも今度は、旅の幸せを誰かと分かち合いたい気もする。
「Happiness only real when shared.(幸せは、誰かと分かち合った時にだけ現実になる)」んですもんね。


鑑賞後に、「深夜特急」を書いた沢木耕太郎さんが朝日新聞に書かれたこの映画のレビューを拝読しましたが、なんとなく、照れくさげに書かれていた気がしました。
ある年代以降は、きっと若い日の自分を思ってしまうのよね。



(しかし、あのバス、どうやってあそこにあったのだろう・・・・?)

後記;ただいま原作を読んでおりますが、理解がすすみます!
読み終わったら、ゆきてかえりしひびのほうにレビューは詳しく書きますが、バスについてだけ。

あのバスは、1961年にYutan Constructionという会社が持ち込んだ3台のうちの1台で、作業員の休憩所だったらしいです。
だからストーブがあったり、寝るための棚があったりしたのですね。
posted by jester at 12:39| Comment(21) | TrackBack(18) | あ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月13日

グーグーだって猫である

最初にお断りして置きますと、jesterは

1、大島弓子さんの大ファンで、中学の頃から彼女の書いた漫画は全部読んでいるし、セリフもほとんど暗記しているほど読み返している。
人格形成にもかなり影響があったと思われる。

2、いうまでもないけれど、猫が大好き。


でございます。

だもんで、この映画を冷静に見られるはずもなく、以上の2点をクリアしてない方が、この映画をみてどう思われるのかを想像することが難しいです。

そんなjesterのお好み度は ☆☆☆☆+ でした♪

グーグーだって猫である
原作はお読みになった方いらっしゃるかしら?

jesterの読書ブログでもご紹介したことがあるのですが、12回手塚治虫文化賞短編賞もとったし、こうして映画化されるということは、広く読まれているということなのかもしれませんね。

(ちなみに手塚治虫文化賞を受賞/ノミネートされた作品って、どれも傑作が多いです。
とくに少女マンガの分野でのこれらは、わかってるぅ!という感じで、どれも読んで損のない傑作ぞろいばかりです。 
なんか面白い漫画がないかな〜と思ったら、これらを検索してみてください♪)

最近の大島弓子さんは、こういうギャグタッチの猫エッセイみたいな作品が多いのですけれど、長年のファンとしては、それでも充分嬉しいのです。

彼女の独特の情緒ある空間処理の仕方、断片的な動きの捉え方、鋭い切り込みのセリフは、ギャグタッチのなかでも充分生かされてます。

まあ、漫画そのものについては、すでに読書ブログで少し書いてますし、これ以上はまた別のところでいつか語ることにするとして・・・・

とにかく、独特の世界を築きあげた漫画家さんで、jesterは新作がでれば今でも必ず買ってます。

グーグーシリーズは4巻まで出ているし、小さい版も売り出されたらしいですね。
(MARYさんに教えていただきました。)
(ただし個人的には、漫画は文庫版より、オリジナルに少しでも近い、大きいサイズで読むのが好きです。絵を楽しむのも重要な要素ですから。)

ストーリーは、猫を飼っている漫画家の日常が、他の猫を拾ったり、病気にかかったことなどをからめ、淡々と綴られています。

だから映画になるときいて、どうやって? と、興味深々でした。


映画は漫画と設定は似ていますが、エッセンスはところどころ使われているものの、ほとんど違う話に出来上がっています。

猫は出てくるし、大島弓子さんの漫画の原稿がいっぱい出てくるので、それだけで1ファンとしては満足でしたが、あの「グーグー」を再現してくれると期待しているとがっかりするかもしれません。


しかし、「西の魔女が死んだ」でも思ったのですが、原作ファンとはわがままなもので、原作に忠実に再現してくれれば満足するというものでもないのですね〜あせあせ(飛び散る汗)

原作を愛すれば愛するほど、自分の思い込みがあり、それと違うとがっかりすることがあるし、なまじ忠実に作ってあると、愛ゆえに複雑な心境で、まるで間違い探しのようなことをして、しかもそれが許せない相違だと、全体的に乗れなくなってしまう。

けれど、違えば違ったなりに、「ああ、そういう解釈なのね〜」って面白がれる時もあります。

今回はjesterは結構面白がってみることが出来ました。


小泉今日子は、キャストを聞いたときには「え〜〜〜下膨れじゃないのに」(殴)と少し不安に思ったのですが、見てみたらなかなか良くて、好きになりました。
落ち着いた話し方が好感が持てました。

もともと大島弓子さんは、お写真などを載せることを嫌う方で、jesterほどのファンでも、お顔を見たことがほとんどありません。
なので、途中からはもしかして小泉今日子さんみたいなお顔なのかも、なんて思い込んじゃってみてました。(ないって)

上野樹里は相変わらず達者で、安心してみてられます。

あと、梅図かずおさんとか、漫画家さんがカメオ出演してます。
ちょっと「内部受け」ののりも。

大体梅図さんって大島さんと仲がいいの???
マスコミに顔が売れているから?

しかし大島さんの漫画を映画にするのに出るなら木原としえさんだろう? なんて考えてました。
(でも木原さんは映画出演なんてお断りになるのかもですが)



****以下、ネタバレないですけど、映画の内容には触れてます。未見の方、ご注意ください!****



窓の外をそっと覗く猫、サバ。
そして家の中の人間たちの喧騒をみて、じっと静かに座っている。

出だしのサバとのシーンからじわ〜〜っときた私だったので、タイトル前に「もうお前はすでに泣いている」状態だったのですが、それからの展開は、最初は案の定、間違い探しみたいになってしまいました。

でもしばらくして、「これはまったく別のストーリーなんだな〜」と思って見だしたら、楽しむことが出来ました。

(ま、協賛の「ニャントモ清潔トイレ」とかいうのが何回も出てくるのはうざかったですが)

なんで外人が英語でナレーター?とか、突然出てくる双子みたいな占いのオバサン(「ゴーメン・ガースト」の双子のオバサンみたいでした)なんか、シュールで面白い。

吉祥寺という街も好きなんで、メンチカツが食べたくなったり、井の頭公園に行きたくなったりしました。


犬原作には全くない、麻子さんの恋愛についてのお話が結構大部分を占めているのですが、コレについては原作者の大島さんはどうおもわれたのでしょう・・・

若いお医者さんとなんとか、っていうのはまあないとしても、編集者とのあれこれとか、「実は実話だったりして?」なんて勘ぐられたりしないでしょうか。

わたしにとっての大島弓子さんはそういう次元の恋愛(どういう次元だよ)とはかけ離れている人なので、その辺は疑問です。

自分が恋愛をするようになった頃、大島さんの漫画を読み返してみて、「ああ、大島さんの漫画に出てくるような男性って、現実にはいないんだな・・・・」と思ったことがあります。

「こういう漫画ばかり読んでいて、これがリアルであると思っていると、一生恋愛ができないかもしれない」などとも思いました。

大島さんの漫画自体は、恋愛がテーマというより、恋愛を材料として使っていても、実際は少女のモノローグであらわされるピュアな心理とか、もっと深いところにテーマがあったりするのですが、出てくる男性は、心の汚れや生臭みがなくて、天使みたいに心と体が軽いと申しましょうか、発想が女性的と申しましょうか、とにかくあまり現実味がないキャラが多いのです。

なので、著者は血の通った人間なのに、なんとなく「この漫画を書いた人は、現実の恋愛をすることはないんじゃないか」みたいなことを、勝手に心のどこかで思っていた気がします。

それは決して欠点を指摘しているつもりではなく、どちらかといえばそういう人間への憧れみたいなものでした。
「少女趣味」とかいう言葉ではくくれない、ピュアで静謐な世界なのです。
だからこそファンであるともいえます。

なので、この映画のこの部分に関しては「これは原作とは違うストーリーの映画である」と思いつつも、違和感は残りました。

いっそのこと、恋愛要素は抜いてくれたほうが、jesterにとっては良かったのですが、それじゃ時間が持たないし、一般受けしないって事なんでしょうね。


猫それでも、最後近くのサバとの対話は良かったです。

暗い、寒い中をさまよったあげく、導かれてたどり着いた、誰もいないのにストーブのついた、夢の中のようなカフェ。
人間の姿をした、逝ってしまった猫と静かに語らうひと時。

あんなことを猫がいってくれるとは、自分のうちの猫を見ていても思えないけれど、でも、生き物(猫)と生き物(人間)が寄りそって暮らすって、ああいうことなんじゃないかって思ったのです

なんだか、映画館を出た後、いろんな生き物への愛が、自分の中にあふれてくるのを感じつつ家路をたどり、家についたら、猫を「ぎゅっとしてちゅ」したjesterでした。

(北京オリンピックフェンシング銀メダルの太田雄貴選手&そのお母さんのファンです♪)
posted by jester at 13:36| Comment(8) | TrackBack(3) | か行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月09日

崖の上のポニョ その2

さて、本編について。
前回前置きをたらたらやってしまったので、さらっといきます。
(下の記事からの続きです♪)


(****以下、映画の内容には触れてます。未見の方、ご注意ください!****)


出だし、慈母観音を思い起こさせるフジモトの画像。
この辺からも宮崎監督が意図していたことが読み取れる気がしました。

そして、海の中のリアルだけど不思議な映像に引き込まれました。

jesterは海にもぐるの大好きなんですが、海って本当に地上とは別世界で、まるでSFなんです。

ぽにょ2.jpgタンクを背負って潜ると、その3次元で上下にも移動できる独特の浮遊感と、生きてる生き物の奇妙な形、水の圧迫感と、自分の呼吸音に包まれる孤独感に、毎回驚かされます。
自分の手なのに、自分の手じゃないみたいな感じ。
すぐそこにありそうで、光が屈折してて実は遠かったり。
現実なのに、妙に非現実な世界があります。

でもテレビの画像なんかでみると、そういう感動があまり伝わらずに、ただ平面的な「海の中の映像」になっちゃうことが多いんですよ。

それが、この映画では結構伝わってきた感じがします。
それだけでかなり満足しました。黒ハート

洪水で海の下に沈んだ町の様子もシュールで素敵。
洗濯物がゆらゆら漂ってて。
あの、海中で感じる不思議な浮遊感が上手に表現されてると思いました。


猫登場するメインキャラクターはいつもの宮崎節。

元気のいい背筋の伸びたボーイッシュな女性、物分りのいい元気な子ども、可愛らしいおばあちゃんたち・・・・

宗介のお母さんのリサなんて、jesterはお友達になりたい♪
あんなまっすぐな余裕のあるお母さんばかりだったら、この世の子どもはみんなすくすく育ちそうです。

ま、jesterにとっては気持ちいい連中だけど、でも確かに見る人が見たら臭いし疲れるのかもしれないです。

宮崎監督は売れなかった時代、「トトロ」や「ナウシカ」など、今では名作といえるものたちでも、どこに企画を持ち込んでも採用されなかったそうです。

「宮崎の描くものは馬糞くさい」

といわれたそう。
(NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」という番組でいってました。)

彼の作品に拒否反応を示す人たちが引っかかるのはこの辺なのかもしれません。

jesterも気にならないといったら嘘になるんですけど。
わりとワンパターンですしね。

でも彼の描くものに同調する部分があるのです。

ストーリーの骨格の弱さも言われることがありますね。
確かにこの話も、最後に宗介に出される課題が課題といえないようなものだったり、そうなのに周りが大騒ぎしてるような気もします。

でも、洪水で街が水に沈んでも、やたらとポジティブで明るい人たちやら、おばあちゃんと子どもが、同じぐらい軽い心で人生を楽しんでいるようすなんか、日々現実の辛いニュース映像に、見まいとしてもなお、さらされている目には、眼福なんでございます。

そして、こんな風な世界になってほしい、生まれてくるこどもたちにこんな世界を見せたい、という監督の想い。

それは『老人の妄想』なんかじゃないですexclamation×2

jesterも宮崎監督に共感します!

こういう想いがどんどんつながって、小さな根になって広がり、やがて芽吹いて、世界中に広がって、どこの国でも、どんな紛争地域でも、大人たちが恨みや憎しみ、欲得やダークな心や武器を捨てて、子どもたちにポジティブで明るい安心して育つことができる地球を残せたら・・・・

ねえ、そんなこと、妄想しちゃうんですよ。

(BGM Imagine♪ by John Lennon)

酔いしれて臭くなっちゃってごめんなさい。パンチパンチパンチ
実際jesterも心底 馬糞くさい 猫○臭い(やめれ)人間なんでございました。
posted by jester at 20:22| Comment(8) | TrackBack(6) | か行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月07日

崖の上のポニョ その1

さて、今年の夏の「光」部分。

『崖の上のポニョ』です。

長く一つの世界でキャリアを持ち注目を浴びてくれば、それなりに批評にもさらされ敵を作りつつ、その才能ゆえに生き残ってきたと思われる宮崎監督。

アニメ好きの人の中には、彼の名前だけで反発を感じる人もいるようです。

jesterは子育て中、トトロとかいろんな作品でお世話になりましたがそれ以前から宮崎監督作品とは長い付き合いで、その癖も臭さも充分わかった上で、

☆☆☆☆☆ でございました。

公開されてすぐで、しかも夏休みだったので、いつも空いている行きつけのシネコンは超満員。
ネットで席をとっていったからよかったものの、当日チケットを買おうとした家族連れで、3時間待ち4時間待ちもいらしたようでした。

ポニョのスクリーンは1/3は子ども。1/3はその親御さん、それ以外が私のような大人で、年輩の男の方も一人でいらしてました。

普段はほとんど子どものいない時間帯に大人向け映画を中心に見ているので、これほど子どもの多い映画館は久しぶり。

なんかあま〜〜い匂いがするんですよね〜
劇場全体がホンワカしてて、なんだか幸せ♪

予告編に続いて本編が始まると、スタジオジブリのトトロのマークに、一斉に「トトロだ〜〜〜〜」とうれしそうな歓声が。

うも〜〜! かわいいったら!ハートたち(複数ハート)

その後も主人公が「どうしてだろう・・・」と悩むと「だってお魚だからだよ!」などとスクリーンに向かって叫ぶ子どもたち。
「し〜〜〜〜!!し〜〜〜!!」と必死で抑える親。

なんか癒しでしたわ・・・・


まあ、いまさらポニョのレビューかいって感じですが・・・
ヴェネチア映画祭で押井守監督に「老人の妄想」なんていわれてたので、ちょっと発奮して、jesterなりにレビューを書く気になりました。
(ヴェネチア映画祭では日本の作品の受賞はなかったようですね)


犬この映画をみる前に、宮崎監督の息子さんの宮崎吾郎氏の、この映画についてのインタビューを見ました。
吾郎氏は「ゲド戦記」で酷評され、宮崎監督も「ゲド」を評価していなかったようにみうけられました。
その辺の確執も感じさせられる内容でした。

「ポニョに出てくる宗介は吾郎さんがモデルといわれてますが」
という質問に
「子供のころ、父はほとんど家にいなかったので、映画館で映画をみるだけって感じでした。それも一回見るだけでしたし」とドライに答え、ポニョについて聞かれても口ごもり、
「くらげとか全部手書きですからね〜 すごいですよ」と、なんかよくわからない、いいたいことをいってないと感じさせられるコメントでした。

偉大な父親を持ってしまった息子が父と同じ土俵に上がろうとしたときにかかるプレッシャーは推して知るところがあります。

そんなインタビューをみてから映画館に行ったのですが、作品の中にあふれる宮崎監督の「親の目線」に
「あ〜〜お父さんは息子の事をこんなに思っているのになあ・・・」なんて思いました。

吾郎氏が育つ頃には、仕事で忙しく、自分の夢を追うのに精一杯で、家庭的な父親じゃなかったかもしれない。
でも、宮崎駿さんが父として吾郎氏に抱いている気持ちがポニョにあふれているような気が、jesterにはしてしまいました。

それは、ポニョの中で、船乗りで家に帰ってこない宗介の父親の耕一に反映されているのかもしれません。

宮崎さんは「スタッフに子どもが次々と生まれ、その子どもたちに見せたいという思いでこの映画を作った」ともおっしゃってました。

そういうポジティブな、
「子どもたちにいいものを見せてやりたい。生まれてきてよかったっていえる社会にしたい。そのために自分は自分のできる形でメッセージを送りたい」という宮崎監督の気持ちがダイレクトにjesterに伝わってきました。

パンフレットには監督のこんな言葉がありました。

「少年と少女、愛と責任、海と生命、これ等初源に属するものをためらわずに描いて、神経症と不安の時代に立ち向かおうというものである」

人間の中にある弱い部分、汚い部分、不条理な部分を描くのは割りと簡単です。
しかもインパクトが強い。
反対に、人間はいいなあ〜と思える、楽しくて希望がある展開は批評しやすくて、叩かれやすいもの。
それを怖れずに、こういう作品を生み出したことに感動しました。

だってね、子供のころにはこういうポジティブで楽しいお話に、しがみついて生きる力をもらって育つ子どももいるんですよ。

それに大人だって、くすくす笑って、真っ当でポジティブな力をもらって明日を迎えたい夜があります。

そういうものを素直に受け取れる、子どもの部分をまだ心の中に残している大人にも、この映画は天恵だとおもいました。


うわ〜〜前置き長すぎて、本編にまだ入ってない・・・・(汗)

この辺で一旦アップします。
本編についてはまたかかせてください〜

続く・・・・・パンチ


posted by jester at 11:35| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月01日

バイバイ、夏。

時々jesterの中でうごめきだす放浪癖(イメージは山下清画伯 by芦屋雁之助)
の呼び声に誘われ、スケッチブック片手に野良歩きを続けた夏が終わろうとしてます。

セミも自己主張力が落ちている並木道。

映画も見てたんですが、パソコンの前に座れなくて、ご無沙汰してしまいました。

夏の間で印象的だったのは、「ポニョ」と「ダーク・ナイト」かなあ。
jesterの中では明暗の対極にあった2作品でした。


またぽちぽちと映画のレビューをアップしますので、よろしくお付き合いくださいませ。

コメントを下さった皆様、お返事遅れましたが、こちらもそろそろとさせていただきます。
ありがとうございました♪
posted by jester at 09:32| Comment(8) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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