2008年11月29日

ちょっと留守します

またサボってしまいましたが、さらにサボってしまいます。(殴

しばらく留守します。

来月になったら帰ってきます。
みなさま、お元気で〜〜
posted by jester at 07:02| Comment(6) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月06日

レッド・クリフ

三国志、というと大昔に吉川英治の小説をとても楽しんで読んだことがあったのですが、もう詳細は記憶のかなたにぼおっと遠ざかっておりまして、映画を見る前に読み返したいなあ〜 せめて「赤壁の戦い」の辺だけでも、と思ってましたが、それもかなわず・・・

で、ほとんど白紙状態で見たのですが、それが良かったと思います。
『ほとんど白紙状態』でも劉備とか曹操とか孔明の印象が違うやんけ・・・と思ったのですから、多分読み返してから見たら、がっかりする部分が多かったかもしれません。

最初はじまって、日本語が流れてきたのにはびっくり!!
もしかして私は間違えて吹き替え版を見てしまったのでは、うぎゃあああ! と思い、最初にセリフが流れてくるまで、どきどきでした。
しかも鳥が飛んできたりしてセリフがないシーンが続き、ほんとはらはらさせられました。
(でもちゃんと字幕版だったのでよかったです。吹き替え版だったら早々に出ていたと思う・・・トニーの声が聞けないなんて!!)

あれは日本語版だけの特典映像(?)なんでしょうか?
なんかNHKの大河ドラマを見てるみたいな気分になりました。
あんな説明、はっきり言っていらないのではないかしら? 
三国志や中国の歴史を全く知らない人は、あんな簡単な説明を見たってあの複雑な話の理解が進むとは思えず・・・
中国語版でもあの映像があるというなら、せめてそっちを見たかったなあ・・・

とはいえ結構楽しんで見られたので、jesterのお好み度は ☆☆☆+ でした。


三国志っていうと、もっと人間と人間との駆け引きやら、善き者が裏切り、昔の友が敵になる・・という哀切が描かれるというイメージでしたが、今回の映画ではかなりその辺は省いて、戦闘シーンを多くし、英雄を活躍させ、誰にでもわかりやすい勧善懲悪ものになっておりました。

最近はこういうの多いです・・・ (大衆が派手で刺激的な戦闘シーンを望んでいるっていうことなんでしょうか。)
ま、戦闘シーンにしても最近のものにしてはあまり血が飛び散らず、頭がどさりとか腕が飛ぶとか『300』的な痛い演出じゃなかったから、流血シーン苦手なjesterでも結構我慢して見られましたが・・・


****以下、ネタバレないですけど、映画の内容には触れてます。未見の方、ご注意ください!****



でも「八卦の陣」が実写で見られたのには感動しました。
孫尚香が敵を土ぼこりの中に誘い込み、そしてとっかとして現れたあの亀の甲羅のような陣の中に引き釣り込む。
鳥瞰図でみた戦場っていうと、『アレキサンダー』のガウガメラの戦いがありますけれど、個人的にはこちらのほうが変化が面白くて好きでした。
でももっと「多勢に無勢で完全に劣勢だったけど、この陣のおかげで勝てた!」とはっきりわかる演出でもよかったかも。
なんかすごく味方が優勢にみえて、もう敵は全滅じゃろうと思ってみていると、まだまだ敵がうじゃうじゃ沸いて出てきて戦闘が延々と続くので、あれ? まだいたの? そんなに大軍だったの? と思っちゃいました。


ぴかぴか(新しい)『インファナル・アフェアーズ』にでていたフー・ジュン(趙雲)が阿斗(劉備の子)を救出するシーンがはじめに出てきますが、あの辺も、ありえんだろうと思いつつも、見せてくれます。
趙雲はその後の戦闘シーンでも馬上で飛んで来た槍を引っつかんだり、「そりゃあ、ありえんだろう!」連発の大活躍。(爆)
笑い顔は可愛いし、かなりおいしい役どころでした。


戦闘シーンを見ているといちいちLOTRと比べたがるのは我ながらほとんどもう病気・・・ですね。
いい加減やめなくてはと思いつつも、いつのまにか隊列の組み方とかね、馬を走らせるシーンでは「お前はエオメルか!」「とするとあなたはエオウィン姫?それともアルウエン?」「あ!ギムリが!」などとぶつぶついっていました。(汗)


猫さて、キャスティングについてなんですが・・・

トニーが!と大騒ぎしていたjesterですが、この映画って、確か最初は周喩はチョウ・ユンファで、諸葛亮孔明がトニー・レオンというキャスティングだったのですよね〜
それが変わって、諸葛亮孔明が金城武と聞いた時は、かなりショックでした。

だって孔明って神がかり的な大天才ってイメージですもん。
頭がスーパーコンピューターの1000万倍早く動く、みたいな・・・・
それがトニーならまだしも、金城武・・・うぬぬ。
金城武は、私から見るとやっぱりどう考えても可愛い子犬って感じなんですが・・・・
まだアンディ・ラウとかのほうが良かったかも?なんて思ってました。

でもま、その辺覚悟して行ったので(爆)実際に映画を見たときはそれほどショックじゃなかったです。
金城武は愛嬌があって、それはそれでほっとできました。アンディ・ラウじゃ、バチバチ緊張感が漂っちゃって、ああはいきませんね。

ぴかぴか(新しい)トニーは落ち着いていて知性と洞察力を感じさせ、演技の文句はもちろんないですけど、脚本的に「演習を中止して少年の笛を聞いて調音したり、馬のお産に走っていったり、軍師がはるばる来ているのにずっとお琴を弾いてたり、奥さんといちゃいちゃしたり」というのがやけに強調されてて、周喩のキャラクターとしては・・・微妙。

狙いはわかるんだけど、ちょっとやりすぎじゃないかなあ・・・ 
優れた軍師であり、兵士思いで愛国心厚く、しかも悲劇的に若死にするヒーローというイメージとは少々違うんじゃないの?なんて思いました。


それから曹操が、映画ではすっかり悪役で、また曹操を演じた俳優さんが、私の苦手な年上の従兄弟にそっくりだったものでパンチパンチパンチ(エリートで自信満々の居丈高な従兄弟なんです)ちょっと悲しかったです。

ま、それをいったら劉備もねえ・・・この人が一番原作とイメージが違ったかも。


キスマーク女優さんではリン・チーリンでしょうかねえ・・・
こういう映画ではありがちな「♪あなたの〜〜決してお邪魔はしないから〜 おそばに〜置いて欲しいのよ〜 ♪」(古い、古すぎる!)というステレオタイプの女性役で、それを演じるのにピッタリの薄い感じの台湾出身の女優さん。
チャン・ツィイーに似てるけど、彼女よりはノーブルな感じがあるかもと思いました。日本でも人気が出るかもしれませんね。


犬全体的に、個々の英雄の戦場での活躍シーンを盛り込もうとしていて、将軍たちが自ら一人で戦中に切り込んで大活躍、っていう見せ場たくさん。
その辺は楽しかったんですけれど。
しかしま、将軍が混戦に飛び込んでいって雑兵を数十人切り殺して見せてもねえ・・・と本音ではちょっとしらけました。
この辺は水戸黄門みたいで、おこちゃまや老人も含め広く大衆に受け入れられる映画にしよう、っていう目的があるからなんでしょうね・・・

そりゃあ中国で100億円もかけて作ったら、興行成績で元を取るために、たくさんの人に見てもらわなくちゃいけないから、監督に掛かるプレッシャーもすごいでしょう。
とにかくわかりやすくして、サービスに寝台シーンだっていれなくっちゃって感じ。
(トニーの『俺をチマキにするのか云々』はまいりました・・・(汗))
趙雲の阿斗救出シーンだって、あそこまで描いたら救出のあとに劉備が「将軍を危機にさらして!」と赤子を投げるシーンを入れて欲しかったけど、それは多分わからない人もいるだろうからという配慮からか、カットでしたし。


長すぎて2つに分けたそうですが、それにしても2時間40分は長い・・・たらーっ(汗)
ピーター・ジャクソンにしごかれたこの身ですが、途中何回か腕時計をかざしてみちゃいました。
もうちょっとカットしてもいいんじゃないの?というシーンもありました。


猫なぜか書いているうちに次第に辛口になってきちゃいましたが、それでもきっと来年の4月、Part2も見に行くと思います。
だってPart1であったシーンのお返しで関羽が逃げる曹操を見のがしてやる「関羽の義」(だっけ)シーンとか、きっとあるだろうし、とにかく「赤壁の戦い」といえば『火で攻める水上戦』をみなくては終わらないですもん。
こういう映画は映画館の大画面で見てなんぼの映画だと思います。

本を読み返すのはPart2を見てからにしよう。

そのほうが両方楽しめそうですもの。
posted by jester at 15:29| Comment(28) | TrackBack(9) | ら行、わ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月05日

ベティの小さな秘密 JE M'APPELLE ELISABETH/CALL ME ELISABETH

10月に見た中で一番良かった映画というと『JE M'APPELLE ELISABETH/CALL ME ELISABETH (ベティの小さな秘密)』でした。
暇を見つけては見に行っておりました。

(最終日にも見に行きましたが、もう渋谷のシネセゾンでは終わってしまい、今、神戸や京都でやっているのですね。)


こういう少女が主人公の映画というと、古いですけど、なんといってもスペイン映画の「ミツバチのささやき」なんかを思い出します♪
この映画はその道を正統派で継いでいる感じ。

それにjesterは「ロッタちゃんと赤い自転車」「ロッタちゃんの初めてのお使い」「やかまし村の子どもたち」「やかまし村の春夏秋冬」なんかも大好きです。(これはみんなスエーデン映画で子供向けのものですが)

少女と精神を病む青年の逃避行というお話の展開からは、ラストが大昔の「シベールの日曜日」なんかのようになるのでは、とどきどきもしました。(が『シベール・・』とは違う展開でしたが)

ストーリーも画面作りも音楽も音響もセリフも脚本もキャスティングは主役から脇役に至るまで、文句のつけようのない佳作でした。

ベティのかざりっけのない素敵な洋服、大きなお屋敷の少し不気味な感じ、森の美しさ・・・
すべてがわざとらしくなく、ごく自然で、しかもとても美しい。

その中でも大人で、ひたむきで、めちゃくちゃ可愛かったのが、ベティを演じたアルバ・ガイア・クラゲード・ベルージ
大人の思惑に汚されていない、人間というより天使に近い、神々しくさえ感じられる美しさ。

そして繊細で「生きるのに不器用」な青年イヴォンを演じたバンジャマン・ラモンがまた良かったです。
ポール・ベタニをナイーブにしたような外観と、ピュアな目つきにやられました・・・

その他の脇役も素晴らしい。

『アメリ』での未亡人役が印象的だったヨランド・モローは、戦争で子どもを奪われて、心を病んでいる口の利けないお手伝いさんで、ベティにそっと寄り添う役。

父親役のステファーヌ・フレスも、渋くて知的な顔だちで、落ち着いた演技が大変よろしかったです。


jesterのお好み度は ☆☆☆☆☆++ でございました。

そうそう、ちょうど最近フランスのアンティークのカフェオレ・ボールが気になっていて、一つ欲しいな〜とおもっていたのですが、この映画でもベティがお食事のシーンで大振りのカフェオレ・ボールを使っているんです。

で、映画館のショップで『ベティが使っていたカフェオレ・ボール』復刻版を売っていたのでやられた〜と思いました。

もう少しサイズが大きかったらjesterも買っちゃっていたかも。あせあせ(飛び散る汗)


****以下、ネタバレないですけど、映画の内容には触れてます。未見の方、ご注意ください!****



ベティは大人の都合も嘘も全部わかっている。
そして愛されるために「いいこ」でいる。

お化け屋敷を探検していて、妹を置いて逃げちゃうような勝手な姉だけれど、家族の中では一番信頼している姉が寄宿学校にいくことになり、ベティは一人ぼっち。

両親はベティを愛していて、いい人たちだけれど、毎晩けんかをしていて、ついにお母さんは家に帰らなくなってしまう。
お父さんは院長をしている精神病院の仕事が忙しそう。

ベティは毎日学校帰りに捕獲されたのら犬の『ナッツ』(でかいチョコレート色と白のぶちの成犬)に会いにいき、金網越しに
『必ず助けてあげるから』と約束するけれど、まずはお父さんを説得しなくては。

でもナッツは週末には処分されてしまうのに、お父さんは
『いつか買ってあげような。でもお前にはもっと扱いやすい子犬が合う』と、ベティの真剣な話に少しも乗ってくれない。

ある日お父さんが院長をしている隣にある精神病院から患者が逃げ出す。
それは青年イヴォン(バンジャマン・ラモン)。
だれにも告げずにイヴォンを庭の自転車小屋にかくまい、せっせとゴハンを運ぶベティ・・・。

・・・というようなお話です。


トレーラーを見たときは、ベティとイヴォンが二人で旅をするのが主題の話なのかと思っていました。
でもそれより、ベティの生活に焦点が当たっていました。
少女の日々が淡々と綴られます。

そのベティの生活がとても共感できるのです♪

頼みの綱の姉は家庭を離れて寄宿舎に行き、両親は「子供がいなかったらとっくに別れていたわ!」と喧嘩ばかり。

そんな中でベティは普段の生活もちゃんとこなし、あたらしくクラスに来た顔にあざのある友達には声をかけて話し相手になってやる。
逃げ込んできた青年を匿い、食事の世話をしたり、かいがいしく世話をやく世話好きなベティ。
母は家出、父は仕事、お手伝いさんは突然帰ってしまい、夜遅くまで暗い屋敷で一人で留守番していても、涙もこぼさず気丈なベティ。

でもそんなベティも切れることがある。

両親がとても大きなサッカーゲームを買ってくれる。
「わ〜〜い!」と喜んでみせるベティ。
本当に欲しいのは犬のナッツだけれど・・・・
自分を喜ばせようとゲームを買ってくれる親の気持ちが嬉しかったのかもしれない。

でも、そのサッカーゲーム用のテーブルを入れるために、イヴォンが隠れている物置を掃除することになってしまう。

それにショックを受けていると「わがまま言うんじゃない!」と父は怒る。

「お父さんは、何もわかっていない!!」


あ〜 この辺の気持ちがなんと上手く表現されていることでしょう。
親は子を思っていないわけじゃないけれど、子どもの本当の心の中の切望をわかっていないのです。

それをなんと上手にアルバ・ガイア・クラゲード・ベルージが演じていることか。

比べても仕方ないのですが、同時期にみた『パコと魔法の絵本』のパコを演じたアヤカ・ウィルソンとアルバ・ガイア・クラゲード・ベルージをどうしても比べてしまいました。

アヤカ・ウィルソンは、日本で使える日本語の話せる子役の中ではピカイチに可愛い女の子ですが、皆にかわいいね〜とちやほやされて、写真を撮る時にはこちらのほうから、こんなポーズでこんな笑顔が効果的、と教え込まれている感じがしました。
自分がかわいいと自覚しているあざとさがどこかにあるような。
『パコ』のレビューで「サンリオのキャラクターみたい」と書いたのは、こういう人口的な『媚』をすでに彼女が持っていると感じたからでした。

その点、アルバ・ガイア・クラゲード・ベルージは、きちんとしつけられた普通のどこにでもいる女の子という感じ。
演技は抜群に上手なのに、どこから撮られたら美しいかとか、こんな話し方が可愛く見えるだろうとかいう計算が全くない。
まったく素で存在している感じです。
その辺が「大人の思惑に汚されてない」「無垢」と感じられた大きな要因だと思います。

そんな彼女が、『地球は死に掛けている』ことに、長いまつげの影を瞳に落としておびえる。

父親に「病院に入っている人たちはどうして心の病気になったの?」と聞き、「生きることに不器用なんだよ」と父に言われて、
「私もいつか、心を病んでしまうかもしれない。だって私も『生きることが不器用』だもの」
なんてつぶらな瞳でつぶやくと、その小さな胸の痛みが伝わってきて、なんだかうるうると泣けてしまうのです。

だからラストの冷静な行動と「エリザベスと呼んで」と胸を張っていうベティには本当に癒されました。

あの年でも、もうしっかり大人なんです、女の子は。


猫監督の画面作りの細かいこだわりにも感服しました。
とにかく色使いがシックで綺麗。

美しい森が背景だけれど、全体的には暗い画面が多く、ぎぎ〜となりながら開く古い洋館のドアや、壊れた人形の目から出てくる蜘蛛、木の梢にぶら下がっている人形など、少女の繊細な感受性を震わせるような、これから展開する生と死を暗示するような小物たちが効いています。

ベティがイヴォンに渡す赤と緑の玉のついている髪留め。
それをずっと手に握って持っているイヴォン。
それに気づいて、そっと手のひらから取り上げ、手首につけてあげるベティ。

こんな感じの小さなエピソードの積み重ねが丁寧で、物語に厚みをくわえていたと感じました。


posted by jester at 20:19| Comment(4) | TrackBack(1) | は行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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