2008年11月06日

レッド・クリフ

三国志、というと大昔に吉川英治の小説をとても楽しんで読んだことがあったのですが、もう詳細は記憶のかなたにぼおっと遠ざかっておりまして、映画を見る前に読み返したいなあ〜 せめて「赤壁の戦い」の辺だけでも、と思ってましたが、それもかなわず・・・

で、ほとんど白紙状態で見たのですが、それが良かったと思います。
『ほとんど白紙状態』でも劉備とか曹操とか孔明の印象が違うやんけ・・・と思ったのですから、多分読み返してから見たら、がっかりする部分が多かったかもしれません。

最初はじまって、日本語が流れてきたのにはびっくり!!
もしかして私は間違えて吹き替え版を見てしまったのでは、うぎゃあああ! と思い、最初にセリフが流れてくるまで、どきどきでした。
しかも鳥が飛んできたりしてセリフがないシーンが続き、ほんとはらはらさせられました。
(でもちゃんと字幕版だったのでよかったです。吹き替え版だったら早々に出ていたと思う・・・トニーの声が聞けないなんて!!)

あれは日本語版だけの特典映像(?)なんでしょうか?
なんかNHKの大河ドラマを見てるみたいな気分になりました。
あんな説明、はっきり言っていらないのではないかしら? 
三国志や中国の歴史を全く知らない人は、あんな簡単な説明を見たってあの複雑な話の理解が進むとは思えず・・・
中国語版でもあの映像があるというなら、せめてそっちを見たかったなあ・・・

とはいえ結構楽しんで見られたので、jesterのお好み度は ☆☆☆+ でした。


三国志っていうと、もっと人間と人間との駆け引きやら、善き者が裏切り、昔の友が敵になる・・という哀切が描かれるというイメージでしたが、今回の映画ではかなりその辺は省いて、戦闘シーンを多くし、英雄を活躍させ、誰にでもわかりやすい勧善懲悪ものになっておりました。

最近はこういうの多いです・・・ (大衆が派手で刺激的な戦闘シーンを望んでいるっていうことなんでしょうか。)
ま、戦闘シーンにしても最近のものにしてはあまり血が飛び散らず、頭がどさりとか腕が飛ぶとか『300』的な痛い演出じゃなかったから、流血シーン苦手なjesterでも結構我慢して見られましたが・・・


****以下、ネタバレないですけど、映画の内容には触れてます。未見の方、ご注意ください!****



でも「八卦の陣」が実写で見られたのには感動しました。
孫尚香が敵を土ぼこりの中に誘い込み、そしてとっかとして現れたあの亀の甲羅のような陣の中に引き釣り込む。
鳥瞰図でみた戦場っていうと、『アレキサンダー』のガウガメラの戦いがありますけれど、個人的にはこちらのほうが変化が面白くて好きでした。
でももっと「多勢に無勢で完全に劣勢だったけど、この陣のおかげで勝てた!」とはっきりわかる演出でもよかったかも。
なんかすごく味方が優勢にみえて、もう敵は全滅じゃろうと思ってみていると、まだまだ敵がうじゃうじゃ沸いて出てきて戦闘が延々と続くので、あれ? まだいたの? そんなに大軍だったの? と思っちゃいました。


ぴかぴか(新しい)『インファナル・アフェアーズ』にでていたフー・ジュン(趙雲)が阿斗(劉備の子)を救出するシーンがはじめに出てきますが、あの辺も、ありえんだろうと思いつつも、見せてくれます。
趙雲はその後の戦闘シーンでも馬上で飛んで来た槍を引っつかんだり、「そりゃあ、ありえんだろう!」連発の大活躍。(爆)
笑い顔は可愛いし、かなりおいしい役どころでした。


戦闘シーンを見ているといちいちLOTRと比べたがるのは我ながらほとんどもう病気・・・ですね。
いい加減やめなくてはと思いつつも、いつのまにか隊列の組み方とかね、馬を走らせるシーンでは「お前はエオメルか!」「とするとあなたはエオウィン姫?それともアルウエン?」「あ!ギムリが!」などとぶつぶついっていました。(汗)


猫さて、キャスティングについてなんですが・・・

トニーが!と大騒ぎしていたjesterですが、この映画って、確か最初は周喩はチョウ・ユンファで、諸葛亮孔明がトニー・レオンというキャスティングだったのですよね〜
それが変わって、諸葛亮孔明が金城武と聞いた時は、かなりショックでした。

だって孔明って神がかり的な大天才ってイメージですもん。
頭がスーパーコンピューターの1000万倍早く動く、みたいな・・・・
それがトニーならまだしも、金城武・・・うぬぬ。
金城武は、私から見るとやっぱりどう考えても可愛い子犬って感じなんですが・・・・
まだアンディ・ラウとかのほうが良かったかも?なんて思ってました。

でもま、その辺覚悟して行ったので(爆)実際に映画を見たときはそれほどショックじゃなかったです。
金城武は愛嬌があって、それはそれでほっとできました。アンディ・ラウじゃ、バチバチ緊張感が漂っちゃって、ああはいきませんね。

ぴかぴか(新しい)トニーは落ち着いていて知性と洞察力を感じさせ、演技の文句はもちろんないですけど、脚本的に「演習を中止して少年の笛を聞いて調音したり、馬のお産に走っていったり、軍師がはるばる来ているのにずっとお琴を弾いてたり、奥さんといちゃいちゃしたり」というのがやけに強調されてて、周喩のキャラクターとしては・・・微妙。

狙いはわかるんだけど、ちょっとやりすぎじゃないかなあ・・・ 
優れた軍師であり、兵士思いで愛国心厚く、しかも悲劇的に若死にするヒーローというイメージとは少々違うんじゃないの?なんて思いました。


それから曹操が、映画ではすっかり悪役で、また曹操を演じた俳優さんが、私の苦手な年上の従兄弟にそっくりだったものでパンチパンチパンチ(エリートで自信満々の居丈高な従兄弟なんです)ちょっと悲しかったです。

ま、それをいったら劉備もねえ・・・この人が一番原作とイメージが違ったかも。


キスマーク女優さんではリン・チーリンでしょうかねえ・・・
こういう映画ではありがちな「♪あなたの〜〜決してお邪魔はしないから〜 おそばに〜置いて欲しいのよ〜 ♪」(古い、古すぎる!)というステレオタイプの女性役で、それを演じるのにピッタリの薄い感じの台湾出身の女優さん。
チャン・ツィイーに似てるけど、彼女よりはノーブルな感じがあるかもと思いました。日本でも人気が出るかもしれませんね。


犬全体的に、個々の英雄の戦場での活躍シーンを盛り込もうとしていて、将軍たちが自ら一人で戦中に切り込んで大活躍、っていう見せ場たくさん。
その辺は楽しかったんですけれど。
しかしま、将軍が混戦に飛び込んでいって雑兵を数十人切り殺して見せてもねえ・・・と本音ではちょっとしらけました。
この辺は水戸黄門みたいで、おこちゃまや老人も含め広く大衆に受け入れられる映画にしよう、っていう目的があるからなんでしょうね・・・

そりゃあ中国で100億円もかけて作ったら、興行成績で元を取るために、たくさんの人に見てもらわなくちゃいけないから、監督に掛かるプレッシャーもすごいでしょう。
とにかくわかりやすくして、サービスに寝台シーンだっていれなくっちゃって感じ。
(トニーの『俺をチマキにするのか云々』はまいりました・・・(汗))
趙雲の阿斗救出シーンだって、あそこまで描いたら救出のあとに劉備が「将軍を危機にさらして!」と赤子を投げるシーンを入れて欲しかったけど、それは多分わからない人もいるだろうからという配慮からか、カットでしたし。


長すぎて2つに分けたそうですが、それにしても2時間40分は長い・・・たらーっ(汗)
ピーター・ジャクソンにしごかれたこの身ですが、途中何回か腕時計をかざしてみちゃいました。
もうちょっとカットしてもいいんじゃないの?というシーンもありました。


猫なぜか書いているうちに次第に辛口になってきちゃいましたが、それでもきっと来年の4月、Part2も見に行くと思います。
だってPart1であったシーンのお返しで関羽が逃げる曹操を見のがしてやる「関羽の義」(だっけ)シーンとか、きっとあるだろうし、とにかく「赤壁の戦い」といえば『火で攻める水上戦』をみなくては終わらないですもん。
こういう映画は映画館の大画面で見てなんぼの映画だと思います。

本を読み返すのはPart2を見てからにしよう。

そのほうが両方楽しめそうですもの。


posted by jester at 15:29| Comment(28) | TrackBack(9) | ら行、わ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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