「これからどこに連れて行ってくれるのだろう」
っていう始まる前のわくわく感と不安感がたまりません。
ネットで予約した席について、飲み物などもスタンバイし、眼鏡をかけて始まりを待つときは、本当に幸せな気分。
あ〜〜どんな映画に仕上がったかな♪
ま、この期待を全くはずしてしまうこともあり、その辺は監督への信頼と予告編などで予測して、駄作を避けなくてはいけないのですけれど・・・・。
さて、SHERLOCK HOLMES です。
これしかないでしょうという、ジェレミー・ブレッド@シャーロック・ホームズ像を、ロバート・ダウニー・Jr@ホームズがどこまでぶち壊して、楽しませてくれるか。
かなり期待して見に行きました。
の・・・・・・・。(汗)
最初のつかみはOK。
ベイカー・ストリートの人々の行きかう中を221番地に入っていくカメラワークもなつかしくて、かなりお祭り気分で「おおお!楽しめそうだ!」と盛り上がっちゃいました。
ジュード・ロウ@ワトソン君も、今までのワトソン君と全然違う、切れ者でかっこいい元軍人です。
ジュード・ロウは年とれば取るほど、額の線が後退すればするほど、いい味が出てくるな〜
つまり「2枚目」だけじゃ売れなくなったときが、俳優人生のはじまりっつうことかしら。
ジェントルマンからは程遠く、ヒゲ面もオテテもきちゃなくて、ボロボロのガウンを着てるホームズで、汚し放題の部屋で、デブの犬がいて、この辺のひねりは楽しかったんですよね〜〜
ロバート・ダウニー・Jrは、力はあるのに若い頃からいろいろあって、やっと最近花が咲いたという感じだけど、とっても上手いです。
ブラックウッドのマーク・アームストロングのほうがジェントルマンで、ずっとホームズっぽかったりして、この辺も笑えるし。
昔の、貧しくて猥雑な感じのロンドンも良く出来てまして。
ホームズが戦う賭けボクシングなんかのシーンもとても迫力があって楽しめました。
なのに・・・・・、
途中でしらけてきた・・・・
なので、今回 ☆☆ ぐらいかな。
どうも、脚本がjesterにはあわなかった感じです。
以下、ざくざくと酷評部分あります。
この映画がお好きな方はどうぞスルーしてくださいませ。
それとネタばれあります!
未見の方ご注意ください!!
まず、ブラックウッドの起こす犯罪が、「恐怖による世界征服の夢」なんだけど、なんだかリアリティがなさ過ぎて、アメコミみたいなんですよね。
(映画前に見たアイアンマン2の予告で、ミッキー・ロークとからんでるロバートを見たせいだけじゃなくて・・・)
だから、全然はらはらしません。
共感できないし、結末がみえちゃってて・・・・
ホームズにアメコミ感覚を持ち込もうというのは、いっくら発想の転換といっても無理があるのでは。
なら「SHERLOCK HOLMES」という看板を掲げないで欲しかったなあ。
既成のキャラクター設定で観客が持ってるイメージに頼りながら、それを壊していくなら、もうちょっとキャラクターに対する愛というか、敬意が感じられないと。
その上、謎解きがアクションに食われてしまい、まるで手品の種を明かしてるみたいに、最後にホームズがたらたらと説明するのだけれど、その種がオソマツで、小学生の書いた漫画か?というくだらなさ。
可燃性の液体を降らせて雨と間違えさせるとか(匂いはどうなるのだ)、ハチミツののりで砂岩をくっつけておいて、後で雨が洗い流すとか、フロオケになんか塗ってあったとか、鉤で引っ掛けといて薬で仮死状態にするとか、無理があるし、あまりに使いまわされたネタじゃございませんか。
そんなもんで恐怖をあおり、世界を征服しようって、無理だよブラックウッド。
その上、黒魔術とか「ダヴィンチ・コード」風の作りとか、インディ・ジョーンズ風などもあって、そういうのがなんとも安っぽい感じです。
ガイ・リッチーさん、なんか間違ってるよ・・・
スローモーションを多用したアクションは、テンポがずっと同じなので、最初は新鮮だけど、見てるうちにだんだんに飽きてきちゃうし。
ホームズとワトソンの会話も、「間」ちゅうもんが笑いを誘う前に、画面が先に進んじゃうし。
ドタバタ喜劇じゃないんだから。
ああ・・・そう、すべてがドタバタ喜劇ののりなのよね・・・・
この二人ほど「知的ジョーク」に使われるキャラクターもないんだから、もうちょっと知性を感じさせる応酬にして欲しかったなあ・・・・
いや、笑えたんですけどね。
とくに斧vsトンカチのへんとか。
ま、やっぱりjesterの期待値が高すぎて、自爆してしまったってところなのかもしれません。