恋愛もので、この曲がず〜〜っと流れるなら、だめかもしんない・・・・
しかし腐ってもフランス映画だしなあ。
(フランス映画ならそういうことはないだろうという勝手な信頼関係)
あの、恋愛ものに限らず、あま〜〜い音楽が先走って流れたり、ここぞとばかりに繰り返されるとjesterはこけてしまうのであります。
告白すれば、『頭の中の消しゴム』もかなり音楽が邪魔してましたし、『エリザベス・タウン』も『インファナル・アフェアーズ2』も、
「ほら!!! 感動のシーンだよ! ハンカチの用意だよ!」
ってやられると・・・・

しかもそれがしつこかったりすると恥ずかしくなってきちゃって。
どうもへそ曲がりなんですね〜
このトレーラーで使われていたピアノは

ディディエ・スキバンという方のもので、単品で聞くととても美しいのです。
(実は早速CDをアマゾンで買いました)
(聞きたい方は公式サイトへどうぞ。トップから流れてます。トレーラーも見られます。)
でも、恋愛映画の画面との相性はいかがなものかな〜 とちょこっと思っておりました。
でも全然そんなことなかった!
素晴らしい音楽だった!
だいたいあのピアノ使われてなかったじゃない? と思ったら、あの曲はトレイラーだけで、本編の音楽はニコラ・ピオヴァーニさんだったのですね〜〜!!

ニコラ・ピオヴァーニさんといえば、『La Vita e Bella』の甘くないのに切ない(当社比)音楽を作ったお方。
さすがにイタリアーノと申しましょうか、要所要所で邪魔にならない、でも心に染み入る音楽を付けてくださってました。
ありがとう、ニコラ・ピオヴァーニ!
(一応お礼を言っておきます)
おかげでへそ曲がりも思う存分浸れましたです!
ケルト風な音楽も大好きなjesterですが、どこか異国風で、音楽としての完成度は高いのに画面を邪魔しないニコラのセンスに脱帽。
カメラワークも落ち着いていてよかった。あまりくるくると変化するカメラの動きは苦手デス。『ヴェルヴェット・レイン』じゃ酔っちゃったし。
そして演出も。
またまた天邪鬼jesterが出てきますが、観客を泣かせようという思惑で作られている映画で、泣いてる顔のドアップとか見せられると、かなり演技力のある俳優さんじゃない限り、しらけてしまうのです・・・。
う〜〜ん、顔がゆがんでる割には、涙の量、少なめ。
かなりドライアイ? パソコンのやりすぎかしら?
あ、鼻毛が・・・
などと余計な心配を・・・・(どこを見てるんだ〜〜!!)


これもこっちの感情がついていく前に先走られるとだめなんですね。
「ご覧ください、もうめ一杯泣いてますよ〜〜! さ、皆様ご一緒に〜〜」・・・といわれているようで、笑ってしまうというかですね、照れてしまうのです・・・・



しかし! この映画では、涙はうつさないんです。
台所に入ってきた子供がふと下から見上げて
「おばさん、なぜ泣いているの?」というだけ。
それだけなんです・・・
ううう、大人の映画なんですよ・・・・
誰にも見られたくない涙。
見せてはいけない立場で必死でこらえた涙。
でもどうしてもこらえ切れなくて落ちてしまった涙。
それを誰かに見られてしまう。
子供に無邪気に聞かれてしまう。
ありますよね・・・
女、いや、人間・数十年もやってれば、そんな涙の記憶が・・・・

ああ、またうずいてきた(ほ〜〜・・・・)
胸を押さえつつ、また続いてしまうのでした・・・・
きゃあ、ごめんなさい!!
あ、あ、座布団投げないで〜〜