アイ・アム・デビッド

「あ、これってホロコーストものだったのね」とビックリ。
でもみているうちに「after the War」なんて単語が出てくるし、やけに途中通る国の街が平和なんで、???
と、最後まで腑に落ちなかったけれど、あとで解説を読んでみて舞台は1950年代のブルガリアの政治犯の強制収容所の話だと分かりました。

やつれ汚れてもなお知性を感じさせる哲学的風貌と、絶望の中でも常に前向きなひたむきさが胸を刺します。

↓右下のポスターでは、Davidよりヨハンのほうが大きく写っていて、主役に近いのかと思いましたが、もうちょっと収容所のシーンとか、いろいろエピソードが欲しかった。(・・・単にジムをもっといっぱいみたかっただけという説もありですが


しかし、そのヨハンに対して、看守が、パッションで総督ピラトをやったHristo Naumov Shopovさんだったのがおかしかったです。
同じような関係ですよね〜
さて、ストーリーは、収容所を脱出したDavidがつらい旅を続けながら、凍りつき閉ざされた心を、次第に人に開いていく、という感動的なお話。
イタリア、スイス、とヨーロッパでも風光明媚なところをさすらうDavid。
音楽も静かで、一面のひまわり畑や紺碧の海、日差しの強いイタリアの町並みや、スイスの可愛らしい本屋さんなど、美しい風景にぴったりで心が和みますです。
でもですね〜〜 どこでも英語が通じてしまうのが・・・・・

jesterには完全に違和感ありでした・・・・。

「収容所にいたので、いろんな言語を知っているから、気をつけて聞けば意味が分かる」とかなんとか説明がついてましたけど・・・
イタリアなんて、全然英語通じないですよね。
ローマやミラノのホテルのフロントならまだしも、南のほうの田舎町のパン屋のおじさんとかワイン農家のおばあさんが英語がしゃべれるわけないと思う・・・
もしDavidがイタリア語がしゃべれてるという想定で、登場人物に英語をしゃべらせてるなら、さらに違和感がつのります・・・
ロードムービーで、ヨーロッパで国境を越える流れなら、言葉の障壁をどうこなしたか、ってかなり重要なポイントだと思うんですよ。
その辺の違和感が、リアルさを殺いでしまって、しらけてしまうところを、ジムやジョーン・プロウライトなどの重厚な脇役がかろうじて助けている、というかんじでしょうか。
まあ、言葉の問題を抜かしても、突っ込みどころはいくつかあり、ドキュメントのようなリアルさはないですね。
でも、「少年の成長の旅」という普遍的テーマを描いた映画としては、秀作にはいるんじゃないかと思いました。
謎の人物も出てきて、最後まで引っ張る力はあるし。
しかし・・・・
「デビッド」っていうのやめてくれよ、な邦題ですけど・・・・

(せめて「デヴィッド」にして欲しい・・・)
気になります・・ロード・ムービー好きですし。
あらすじ読ませて頂いてちょっと観てみたくなりました。ご紹介ありがとう〜♪
こないだはイライジャの映画でしたが・・・
この映画、すっごい期待しないで見たら、結構いける映画ですだ(ほめてるつもり)
どこかで見かけたら、見てみてください。
とにかく、ジム・カヴィーゼルはカッコ良いですよん♪