2006年10月24日

KAMATAKI 窯焚 その4 インタビュー弐

信楽焼きについては皆様ご存知でしょうが、ここでちょっと簡単に復習。

k4.jpg信楽焼きは、釉薬をかけず、素焼きもしないまま1300度以上の高温の窯で焼くことによって、灰の一部が付着し、自然釉となって作品に思わぬ効果を生み出す方法をとる。
穴窯といわれる窯で焼かれ、高温を7〜8日保つために、昼夜を問わず7〜8分おきに薪をくべなくてはいけない。


・・・とまあ、窯焚はまるで行者の修行のように、1週間以上も不眠不休で火を燃やし続ける作業なんですね。


さて、その2でちょっと触れたのですが、jesterは公私共にラブシーンが苦手です。(爆)

最近の映画は映画を見ていてもお決まりのように入るので、そういう予感がすると「あ、これからこうなるの? う・・・やだなあ」なんて思っちゃいます。
はっきりくっきりと見たいとはめったに思わないんです・・・あせあせ(飛び散る汗)
(こういう話を書くのも苦手であります。)

この映画でも実は琢磨の行動が気になりました。
藤竜也さんは『愛のコリーダ』以来Sexカリスマ(?)のようなイメージがあるのかしら? ここでも彼は非常に活動的(?)です。

そして個人的には、吉行和子演じる刈谷先生とケン・・・・というのもかなり抵抗があったのでした。


jesterの場合はかなり性格のゆがみ(?)から来るものがあると思うのですが、それにしても、女性のSex感と男性のSex感には隔たりがあると思います。

女性にとっては行為そのものより、それ以降の生命が自分の体に宿ること、そしてそれを生むこと、育てながら子供と共感し、自分からあふれる愛を感じることなんかのほうが大きいもののように思うのですが、男性にとってはSexをするということ自体に大きな意味があるのでしょうか・・・・

映画を見て気になった部分ですが、インタビューの中で監督のお話をうかがっているうちに、監督の意図が分かってきたような気がしました。

k10.jpgまた、藤竜也さんの人柄を聞くうちに、自分の持っていた彼のイメージが少し変わりました。
ここまで一緒に働いたスタッフや監督にほめられる俳優ってそれほどいないですよね。

ぴかぴか(新しい)   ぴかぴか(新しい)   ぴかぴか(新しい)   ぴかぴか(新しい)   ぴかぴか(新しい)


j; まるで炎が呼吸をしているように見えて、すごい迫力でした。

Gagnon監督(以下 G );そう、でもそれは本当に神崎さんの窯だからこそなんですよ。

j; カナダにはああいう窯はないのですか?

G; ないです。(この映画をとる前に)いろいろ調査したときでも、私は日本のすべての陶芸学校を調べました。すべてのタイプを、4ヶ月かけて調べたんです。

私は、『美』というものと『醜』というものを越えたところからはじめました。
『美』とはなにか、『醜』とはなにか。
『美』はどこから始まり、『醜』はどこから始まるのか。
その違いはなんなのか。

私は信楽焼きが大好きです。なぜなら、信楽焼きの『美』は見てすぐ分かるものじゃないんですね。たとえば清水焼だったら、簡単です。誰でもその美しさがわかります。でも信楽焼きはそうじゃない。そこが大切なんです。
たとえば女性の美しさとはなんでしょうか。女性が美しいのはいつでしょうか。
若者は年取った人の美しさが分からない。
私は、ケンが、年取った人の美しさがわかるようになる過程を撮りたかった。


k9.jpgだから、映画の初めの部分では吉行(和子)さんはほとんど目立ちません。2〜3人の人と一緒にいて遠くにいます。
しかしカメラがだんだん近くなっていき、彼女の美しさが際立ってきます。
私は、映画の中で彼女はとても美しいと思います。
そして、ケンも年取った女性を美しいと感じるようになるのです。


j: う〜ん、なるほど… そういうことだったのですね! 
しかし若者が年取った女性を美しいと思うようになるのは結構難しいですよね。

G: そう、難しいです。でもね、信楽焼きの美しさも同じです。

前に一度、信楽焼きのお店で買い物をしていたんですけれど、つぼを見ていたときに、男性が近づいてきて「汚いでしょう」というんですよ。(苦笑)
もちろん彼は冗談を言っていたのです、だってそこは彼の焼いたものを売っているお店だったんですから。
彼は私が『美』というものを理解できているのかを知りたかったのですね。信楽焼きの『美』は分かりやすくないですから。



j; あなたの作品で、『Keiko』や『Revival Blues』では、『即興劇』形式をとられていましたよね。つまり脚本がないという方式で作られましたよね。今回の映画もそうだったのでしょうか。

G; いえ、今回は脚本も(決められた)台詞もありました。
そして、実際には『Keiko』や『Revival Blues』でも脚本はあったのです。台詞が決められていなかっただけです。ラフなストーリーがあり、このシーンはこんな会話で大体やってください、という感じでした。
だから台詞に関しては『即興』だったんですね。

この映画(Kamataki)は台詞の入った脚本がありました。
でも私は時々『即興』を使いました。もしいいアイディアがあれば、俳優さんにそれをどんどんやってみてもらいました。
「どうぞ、どんどんやってください」という感じです。

k13.jpg撮影が始まった頃、藤(竜也)は
「う〜〜ん、そういうのは好きじゃないなあ・・・僕はきちんと書かれた台本が好きで、なんでもやれといわれたら、それをやり遂げるのだから」なんていっていました。
でも次第に、かれは楽しみ始めました。

藤(竜也)はすごくいい人です。とても仕事熱心で、シナリオを熟読し、たくさんのメモを取り、たくさん質問してきます。
「あ、ちょっと〜〜ここは・・・この意味はなんなの?」て具合に。

彼は尊敬すべき俳優さんで寛大です。ビックスターなのにとても謙虚です。とてもとても優しいし楽しかった。
だから1週間後には、ここに一言、ここに一言、と彼の作った台詞が入るようになりました。

ええと、どのシーンだったか・・・そうそう、日本の徒弟制度について、2〜3の台詞を即興でやりました。
『外人』(映画の中でアメリカから陶芸家が訪れる)が来るシーンで、リハーサルをしたのですが、どうもリハーサルがうまく行きません。
どうも硬い感じで・・・。それで、彼はちょっと悩んだ顔をしてどこかにいった後、帰ってきて、
「寒くなってきたなあ・・・窯焚にはぴったりだ」という台詞をいいました。これが彼が作った台詞の一つです。

その前の、仏教の話(お茶に例えて『外人』を諭すところ)はもちろん脚本にあった部分ですが、あそこはとても難しいのです。
ちょっとだけでもやりすぎると、シーンは無意味になってしまう。だからそこをよく話し合いをしました。
藤の役柄はとても厳しいが礼儀知らずではない。彼は優しいけれど、拒絶する。「かえりなさい」という。
この辺の演技で藤はとてもよかった。彼の独特のタッチが生きていました。


j; 水の静かさと炎の勢いの壮観さ、命と死、若者と年取った人、たくさんの2つの対比するものがあるのを感じました。うまくいえませんが・・・それらが次第に融合され・・・

G; そういう風に見てくださったのがとても嬉しいです。
こういうことは映画で表現しようと試みますが、それを説明したりしません。
ただただ、観客が見て、感じてくれたらいいなと心から望んでいるだけです。だからしゃべるのは恥ずかしいのですが、バランスのとり方を見つけることということに尽きます。

そして、たとえば最後のシーンで、私は風がなく鏡のように静かな水面を撮りたかった。でもロケの時間は限られています。
しかし撮影に出かけたところ「バンザイ!」 準備していたときは少し風があったのに、カメラを回し始めた途端、風がやんで、とても静かになりました。
とてもラッキーでしたね・・・



インタビューはまだまだ続きます。
次回はMatt Smileyさんについての部分をアップしたいと思っています。ぴかぴか(新しい)

このインタビューの内容、写真などのコピーライトはガニオン監督、カナダ大使館広報部とjesterに帰属します。無許可の転載は絶対なさらないでください。文責はjesterにあります。
posted by jester at 13:25| Comment(2) | TrackBack(0) | か行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
作り手の方のお話って良いですね〜。作品への愛というか情熱というか・・・伝わってきます。読んでいるとスゴク映画を観たくなるというか、監督さんが好きになりますです。(笑)

>私は、ケンが、年取った人の美しさがわかるようになる過程を撮りたかった。

ふむむ!信楽焼きの修行をした若者は近くにおらんか〜〜(違)
Posted by DD at 2006年10月24日 23:21
DDさん、コメントありがとうございます。
そうなんです!
映画を見ただけでは分からなかったことがよおくわかりました!
ほんとにガニオン監督は映画が大好きなんですよね〜

>ふむむ!信楽焼きの修行をした若者は近くにおらんか〜〜(違)

いや〜〜もう、ロドリゴくんとか、ジョナサンとか、ヘンリー・カヴィルくんやらヘイデンくんやら・・・みんな信楽修行させなくちゃ!!(殴
Posted by jester at 2006年10月25日 08:54
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