2006年11月04日

上海の伯爵夫人 White countess

S1.jpg

いつ日本では公開になるんだろう〜〜ってどきどきしながら待っていた、『White countess』がついに公開!
(しかしまたもや、邦題ですべる予感・・・このセンス、何とかならんかのお。)

ジェームズ・アイボリー監督で、原作がカズオ・イシグロっていったら「日の名残」のように、静謐で燻し銀の渋さだろうな〜と思って行きました。

少々テンポが遅めだけれど、期待通り!

宣伝では「激動の上海を舞台に、盲目のアメリカ人元外交官とロシアから亡命してきた美ぼうの伯爵夫人の運命を描くラブストーリー。」なんて安っぽいことをいってますけれど、
jesterは絶望と再生の物語だと思います。
深い絶望の淵から何が人間を再生させるのか。その過程をじっくり描いています。


暗闇の雪の中でワルツを踊る人たちをスローモーションで流す冒頭部分で一気に物語りに引き込まれます。


主人公の盲目の元外交官、トッド・ジャクソンはレイフ・ファインズ
ただ死ぬまでの時間をはかなくこの世に漂っているだけになっている男。

その柔らかい笑い、すべてに無関心な表情は非人間的に見え、不気味なほどで、救いようのない絶望がその抜け殻の底に重く静かに横たわっているのがわかる。

そしてもう一人の主人公、ソフィアは亡命してすべての財産を失なった伯爵夫人。
夫亡き後、プライドだけは高いのに凍るように冷たい夫の家族たちと、最愛の娘カティアを養うため、身体を張って色町で働らく。
落ちぶれた己の惨めさを感じないように無感覚になりながらも、人間の尊厳だけは保とうとしている心の美しい女性。

そんな二人が偶然のようにかかわりを持ち、バー「White countess」を作る。
それぞれの深い絶望の淵から、二人はRebornできるのか・・・・


日本侵攻直前の1936年、激動の上海を舞台に、静かに話は進んでいきます。

途中ちょっと話の進みがのろいと感じる方もいるかもしれませんが(jesterもそうおもいました)後半、港へ行くシーンあたりから緊迫感がどんどんと高まります。


S23.jpgレイフ演じるトッドも、ナターシャ・リチャードソン演じるソフィアもとてもおしゃれ。

ソフィアの着ている、深緑のコーディロイのロングコートと帽子がとても素敵です。
ナターシャ・リチャードソンは、テッドが求める「erotic&tragedy」というイメージではないように思ったけど、いぢめられっこの嫁さん役で、必死で一家を養っていたのに、さげすまれ、汚れ物扱いされ、裏切られ、最愛のものと引き裂かれる絶望・・・
階下に住むユダヤ人に「You belong to each other」っていわれて、娘を捜しに必死で走るところでは思わずもらい涙しちゃいます。

そして、謎の日本人、マツダを演じる真田広之さん。
英語、すごいトレーニングしたんでしょうね〜
とってもお上手でした!はらはらするような発音がほとんどなくて、安心して聞いてられました♪
分け目きっちり、ペッタンコの髪型はあまりお似合いではないですが、あれだけ台詞を堂々と言えれば、怖いものなしですわ〜


背景になる、第二次世界大戦直前の上海もオリエンタルでロマンチックで怪しくて、とても素敵です。
音楽や寸劇も東洋的なのにヨーロッパの匂いがしておしゃれ。

ロボットのように侵攻してくる日本軍がちょっと怖いけど・・・・あせあせ(飛び散る汗)


しかし『盲目の元外交官』ってレイフにはまりすぎです・・・揺れるハート
あの、今にも壊れそうな柔らかくて病的な笑顔がぴったり〜〜
絶望しているといっても、周りの人の同情を買うようにしょんぼりしているわけではなく、背筋を伸ばしてプライドは高い。
でも心の中は空洞なんです・・・

最後、泣けましたたらーっ(汗)

どうもjesterはどこか線の細い、繊細な陰のある俳優さんに弱いみたいですだ!パンチ


posted by jester at 09:17| Comment(10) | TrackBack(3) | さ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
うわあああ〜〜ん。
jesterさん、もう観たんですね〜〜。
先日、やきそばさんのところで「まだ観てない〜」と泣きを入れたところでやんす。。。やっぱりレイフ素敵なんですね、はあ〜〜〜。
実は真田のヒロくんも楽しみなんですわ。
jesterさんのレビューを読んだら、行きたくてたまらなくなったので、今週仕事の調整をつけて観に行ってきます(というかあくまで希望。。。)
Posted by dim at 2006年11月04日 18:31
dimさん、ぐふぐふぐふ(壊れてます)

見てる最中は「展開がおそい〜」なんてちょっと思っていたんだけど、でも家に帰ったら・・・・また見たい・・・・
レイフのおどおどした真ん丸い薄い色のオメメが鼻の先にちらちらしてます。(やめんか)

nouilles-sauteesさんのところも読んできました。
お忙しいのですね〜
何かお手伝いができるといいのですが、(猫の手も貸したい)しかしjesterは役立たずなので、こんなとき、お祈りしかできません。。。。。

(神様、dimさんがレイフのまん丸オメメを見に行けますように!!)

そうそう、渋谷のル・シネマは激混みなんで、豊洲のユナイテッドシネマのほうがすいてます。新宿武蔵野館よりはずっと音も施設もいいし♪
Posted by jester at 2006年11月05日 08:04
川崎のチネチッタもすいてますんで是非どうぞー!音響も良いですよ♪(って遠いですかね 笑)
最後、泣けますよね・・
あの嫁いびりも我々が思わず感情移入するのに効果的だし、二人の再生を予感させるラスト・シーンまですっかり引き込まれて観てしまいました。
衣装も素敵でしたね〜ちょっと太め?のナターシャさんにも似合うスタイルをちゃんと考えられてましたね(笑)
実は午前中「トリスタン〜」観て、ランチ後の鑑賞だったので眠くなるかと思ったら、全然ー!珍しいですこんなこと(自慢するな)
Posted by マダムS at 2006年11月05日 12:15
jesterさん、こんにちわ

おっ、行かれたのですね。私は11/1(水)に「ル・シネマ」で2本観た内の1本です。アイヴォリー監督、前作はガッカリしましたが、今作は8割方、元に戻った感じです。でも、アイヴォリー監督、これが最後の監督作のようですね。
Posted by matsumo at 2006年11月05日 18:37
matsumoさん、コメントありがとうございます。

私は11月1日、ユナイテッドシネマ豊洲でこれに行ってました〜
ルシネマは混んでいると聞いたので、豊洲まで行ってきました。
空いてるし、座席は快適だし!

>でも、アイヴォリー監督、これが最後の監督作のようですね。

アイボリー監督、1928年生まれですものね・・・
相棒の人も死んじゃったし・・・

前作がっかりって、「ル・ディヴォース/パリに恋して」かしら?
Posted by jester at 2006年11月06日 07:54
マダム、コメントありがとうございます。

川崎のチネチッタでもやっているのですね! 
豊洲も椅子や音響がいいけど、ル・シネマほど長くはやってくれないだろうなと思います。

>実は午前中「トリスタン〜」観て、ランチ後の鑑賞だったので眠くなるかと思ったら、全然ー!珍しいですこんなこと(自慢するな)

わ〜〜わかります! お昼をたっぷり食べちゃうと、映画館の暗闇が気持ちよくて・・・・
最近は映画の前にはなるべく食事はしませんけれど、そうすると今度は静かなシーンでおなかが「きゅうううう」と不埒な音を立てるので、冷や汗物です・・・
Posted by jester at 2006年11月06日 08:15
jesterさん、こんにちわ

そうです、前作のアイヴォリー監督作「ル・ディヴォース/パリに恋して」は、勿論、ケイト・ハドソンの出演作とのことで観たのですが、話が、何とパリまで来て、愛人になると言うものでしたから、ガッカリしてしまいました。

そう言えば、フランス映画と言うと、若い女性が金持ちの中年男性の愛人になると言うのが結構、多いような気がします。
Posted by matsumo at 2006年11月07日 19:45
matsumoさん、そうだったのですね。

>若い女性が金持ちの中年男性の愛人になると言うのが結構、多いような気がします。

そうですねえ、逆も結構ありますよ。
フランスは恋多きアムールの国だからかな?(爆)
Posted by jester at 2006年11月09日 09:51
ようやく観てきました〜。神戸は年明けてからだったんです(泣)。おまけに時間がとれずに逃してしまうか、と思ってたら3週間やってくれた。おかげで今日行けました。

再生。そうですよね。
絶望かと思ったけど、まだ先に続くものがあるんですね。
ユダヤ人のおっちゃん、いい人でしたね〜〜。ソフィアに下心?って思っちゃってたけど、辛い時をくぐってきた強さがありました。何より家族を大切にする、家族があれば、という強さですかしらん。

軍の侵攻で、トッドの夢の世界が終わるぅってとっても怖かったんですが、あのあと、また新しい時間が始まるんですね。

私、あんな環境の変化があったら、絶対だめ。「つぶしが利かない」ってヤツです。

トッドの、競馬を応援するかっこ、かわいかったです♪

Posted by MARY at 2007年01月31日 16:05
MARYさん、お返事おくれてごめんなさい!! 「上海」ご覧になったのですね〜
そちらは年明けに上映があったのですね。

そういえば、ソフィアの役の人、メイド・イン・マンハッタンではレイフを落とそうとして鼻も引っ掛けられないお金持ちの女性の役で、共演してたんですよね。
こないだDVDみててやっと気がつきました。

しかしレイフははまり役だったと思います。これも早くDVDでないかな♪
Posted by jester at 2007年03月13日 18:06
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Tracked: 2006-11-05 12:07

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