
改築に改築を重ねたおんぼろホテルで、火事になったら逃げられないな・・と思いましたけれど・・・。
そこに新しくウィル(ジュード・ロウ)がオフィスをひらくんですが、すぐに泥棒が侵入し、コンピューターなどが盗まれてしまうんですね。
ウィルはビーという障害のある連れ子がいるリヴ(ロビン・ライト・ペン)と10年近く暮らしていますが、関係はギクシャク。
続いて起こった窃盗事件に、夜オフィスの前で見張っていると、侵入しようとしている少年を発見し、あとを追う。
そして見つけたアパートには、少年とその母アミラ(ジュリエット・ビノシュ)が住んでいる。母子はボスニア難民だった。
というようなスタートを切ります。

ボスニアから身一つで命からがら逃げてきた難民で、道を外れそうな息子を抱え、言葉も通じない中で必死で生きている、という感じが良く出ていました。
公式ホームページには「情熱的な未亡人」って紹介されてましたが、そうなんですか?(爆)
jesterにはそう見えなかったけどな〜(公式HPに書いてる紹介文、これ以外もちょっと的を外れてるのが多い、って思ったんですけど・・・)

同じミンゲラ監督の「イングリッシュ・ペイシェント」のハナと比べて、ああ、この人も年とったな〜としみじみ思いますけれど、マイペースな感じの美しさとでも申しましょうか、若さにしがみついてない、年齢なりの美しさを感じられて、好きです、この女優さん。
(リヴを演じたロビン・ライト・ペンも年齢なりにナチュラルな感じでよかったですが)


ぴょんぴょんと身軽なアクションもすごいけど、なれない環境で生きぬく自信もなく、悪の道に落ちかける青年の頼りなさと甘えをよく演じてたと思います。
ベタニさんがでる「Inkheart」でFaridの役もするのね〜
楽しみです♪

彼がなんでアミラに惹かれていくのか、・・・日常からの逃避?
その辺の男心はjesterには分かりませんでしたが、この役は結構彼にあっていると思いました。
「優柔不断な2枚目」(爆)の建築家にちゃんと見えましたもん

ミンゲラさん、「コールド・マウンテン」や「リプリー」のときもそうだったけど、ジュード・ロウを高く買っているんですね。
彼の演技は良かったと思うのですが、おっさん好きのjester的には、もうちょっとおっさんの俳優がやって下さったら、もっとリアルだったかも・・・(殴
女性は子どもを生むと、まずは子どもを育てていくことが生活の中心になり、「愛」の大半を子どもに独占させる。
良くも悪くも「母」になり、だからこそ子どもは育っていくのだけれど、男はいつまでたっても自分が中心じゃないとだめな、大人になりきれない不安定な部分を残していることがままある。
そして女性が大変なときに、パートナーである男性が未熟だと、ささえられずに逃げてしまう、というのは、こないだ「バベル」でもみたパターンで、・・・どこの国も同じだわなんて思って見てました。

ストーリーの流れは、ミンゲラさんらしく、細かいところの作りこみが丁寧で、まず安心して見ていられます。
ミンゲラさんのオフィスが何回か窃盗にあったことでヒントを得たというストーリーですが、見張りをしているときに出てくるコミカルででも哀れな娼婦など、ヨーロッパのボスニアや東欧からの難民問題も織り込まれていて、リアルです。
とはいえ、たどたどしい言葉、すれ違う心、通わない想い (あれ?バベルの「言葉が通じない、心も伝わらない、想いはどこへも届かない」という宣伝文句、こっちの映画のほうがあたってるかも) に見ているこちらまでやりきれない思いがして心も痛みます。
でもその辺はミンゲラさん、なんとか 『終わりよければすべてよし』 で希望の見える解決を見せておいてくれるので、後味はそれほど悪くないです。
見終わったあとにぐお〜〜んと重くならなくて、jesterはいいんだけど、・・・
ちょっと強引過ぎるところもあるから、気に入らない人もいるかもしれませんねえ・・・
ともあれ、「打ち壊す、そして入っていく」というテーマがいろんなところで繰り返され、大人の鑑賞に耐えうる、考えさせられる映画にしあがっていると思いました。
あと、音楽はミンゲラ監督毎度ご指名のガブリエル・ヤレドさんですが、この人の音楽で星が2つぐらい増えるんじゃないかと思うぐらい、目立ちすぎず、引き立ててるいいメロディがついてました。
ビノシュが音の出ない木製の鍵盤をたたきつつバッハを思うところで、「イングリッシュ・ペイシェント」を思い出したのはjesterだけではないはず・・・・。
わはは〜。同感。
これを読んだ瞬間、あのしゅっとしたなで肩が目に浮かびましたわ(白シャツ姿で)。
ちょっと前にあったフランスのセザール賞の時にジュード・ロウが来てて、なぜ???と思ってたらこの映画の宣伝だったみたいで。
フランスのタイトル忘れましたが、BREAKやらENTERとはなかなか惹かれるタイトルです。
大人の鑑賞にたえうる・・・見ればよかった。こっちではもう終わってます。
ジュリエット・ビノシュって名前を聞くとどうもかつての「ボーイ・ミーツ・ガール」の時代の彼女を思い出すのですが、ずいぶんと変わりましたよね。あの太い足なんかを見るとずいぶんと安心してしまいます(殴)。
フランスでは終わっちゃったのですね〜
>あのしゅっとしたなで肩が
ジュード・ロウって首筋から肩にかけてのラインがなんかなよっとしてるっていうか、女性的というか、(ぎゃあああ、ファンの方、ごめんなさい)jesterはその辺とか歩き方とか振り返った視線(?)などが気になって仕方ないのでありました。(殴!!
でもこの映画ではあんまり気にならなかったです。(一応フォローしてるつもり)
ビノシュ、日本の女優さんだったらそろそろもう恋愛物でのラブシーンはないかな、と思うけど、フランスだとちゃんと女性として魅力的だって風に描いてるので、なんか嬉しいです。←同年代熟女代表意見。
最初、音楽だけで鑑賞の選択をした私。笑
ガブリエル・ヤレドの音楽は大好きです♪
優柔不断な2枚目(爆)のジュード・ロウは良かったですよね〜私もオッサン好きなんですけど。笑
泥沼劇ではない美しさある演出に、大人さ加減を感じましたよ。
この映画、ジュリエット・ビノシュの出演作と言うことで、ちょっと食指が動いたのですが。ボニシュと言えば、私にとっては「トリコロール 青の愛」が一番で、後は「ショコラ」の好きな1本です。
>最初、音楽だけで鑑賞の選択をした私。笑
ガブリエル・ヤレドの音楽は大好きです♪
わ〜さすがシャーロットさんですね!
見る前から音楽も確認なさるなんて。
私は終わってから「あ、音楽いいと思ったらヤレドさんだ〜」って思いました。
ヤレドさん、邪魔にならずに、でも盛り上げるのが上手ですよね!
「トリコロール」のころのビノシュをイメージしていくと、ちょっと寂しくなるかもしれないです。
「ショコラ」も華やかさがあったけど、この映画のビノシュは、難民で苦労している感じで、お化粧っけもないし、とてもナチュラルなんですよ。
私も「ショコラ」大好きですが、あれを見るとチョコを食べたくなる(いつもにもまして)のが玉に瑕ですだ・・・
わたし的ビノシュベストは、
イングリッシュ・ペイシェント、
トリコロール 青の愛、
ポンヌフの恋人、かなっ。
今回のビノシュも素晴らしくよかったですよねー。
そうそう、息子のミロ役の彼も今後注目です♪
TB&コメントありがとうございます。
>バベルのテーマよりもこちらの壁(檻)なテーマの方が味わい深さを感じたのでした。
あ〜〜!同感です!
本文でも書いたのですが、結構テーマが似ていると思ったのですよ、バベルと。
で、私にはこちらの作品のほうが感情移入しやすかったです。ベースになっているものが病みきってないという感じで。。。
ビノシュ、私はイングリッシュとショコラかな・・・・。あ、でもトリコロールも、ボンヌフも、またみたくなって来ちゃった〜〜!(ごそごそ←DVDの山を発掘している)