また、つい読んでしまったレビューで
「魚市場のシーンが気持ち悪い」とか「広場のシーンが・・」
とか言うのがあり、なんとなく映画館に行く気が失せてしまった作品ですが、DVDでやっとみました。
パフューム ある人殺しの物語

結論から言うと、なかなか良かったです。
美しい悪夢を見た、という心持。
繰り返して何回も見たいとは思わないけれど・・・
基本的にマニアックな秀でた才能を持つ天才(で変人)が出てくる話って結構好きなんですよね。
「数キロ先の匂いも嗅ぎわけるという、類い希な才能を持った青年グルヌイユが、香水調合師となる。究極の香りを求める彼は、その“素”として女性の肉体にたどりつき、次々と殺人を犯していくのだった。18世紀のフランスを背景に、シリアルキラーの物語ながら、映画全体にはどこかファンタジックな香りが立ちこめる異色作に仕上がっている。」(アマゾン、エディターレビューより)
・・・という話なのですが、グルヌイユが殺人を犯すのが、純粋に「香りの芸術」を求めてであって、根底にあるのが『創作への情熱』というところに救いがあるような気がします。
相手を傷つけて喜び、苦しむさまを見て快感を覚えるというのではなく、ただ、自分の心がしびれる「香り」を保存したい、という理想を追求しているためなので、殺人の動機に陰惨さを感じさせず、カメラワークがひたすら美しいので、被害者の無念さとか、家族の痛みを感じない。
(それもそれで結構怖いことだけれど・・・・)
これが恨みからとか、己の快楽のために次々人を殺す、というのならjesterの心はかなりの確率で拒否反応を示しちゃうんですけれど、そういう反応をしないですんだのは、このせいかもしれません。
でもどこが違うんだ、といわれると、考えてみれば快楽殺人だって究極的にはもしかして同じことなのかもしれないんですよね。
うんうん。
結局『綺麗ごと』だからなのかなあ、自分。
とにかく、こんなことをする連続殺人犯の主人公なのに、不快感を覚えず、彼のわき目もふらない職人ど根性(?)に、なぜか共感してしまってるのでした。

死体ですらとても美しかったし。
多分わかりやすい「悪臭」を緻密に描くことによって、よい香りを浮き彫りにしたのかも。
男性にとって、若い美しい女性の香りってお花畑にも匹敵する素晴らしいものなのでしょう・・・ね・・・多分。
あの時代の貧しさ、汚さ、みだらさ、猥雑さが細密に描かれ、芸術的にまでなっていた。
とにかく画像の芸術性の高さに圧倒されます。
舞台がフランスなのにセリフが英語!・・・という違和感も、見ているうちになれました。
英語のほうがわかりやすいしね・・・(当社比)

ストーリーにはアナがあるし、ラストには賛否両論あるとおもいますが、これはホラーでもサスペンスでもなくて、ファンタジーですからね・・・・
現実にあんな香りがある訳ないとか、そういうことは言いっこなしだとおもいますです。

冷酷で異常な殺人犯なのに、なぜか捨てられた子犬みたいな目をしてて、その困った顔が母性本能をそそるのか、嫌悪感を感じさせない。
狂気というより、世が世なら巨額の富と栄光を得ていたかもしれない「嗅覚の天才」であり、彼にとっては香りを追求するのは生まれつきの必然であったとすんなり思わせるところがすごい。

この二人を要所要所に投入することで映画がしまっていたと思います。
被害者の父親のアラン・リックマンが悲嘆にくれるところで、やっと
「あ、これは殺人なんだ。香水の材料集めじゃなかった・・・」と罪の重さに気がつかされます。
Alan Rickman

しかし、アラン・リックマンの声ってなんて素敵なんでしょう・・・
考えてみれば、ハリポタのスネイプ先生でも、ダイハードの1でも、彼の声にやられっぱなしですだ・・・
彼が朗読している本のCDがないか、検索かけてしまいました。
そんでみつけたのが、伝記のこの本。
アラン自身、この本を評価してないみたいだけど、読んでみたくて朗読CDを買うついでに買ってしまった。
The Return of the Native

買ってしまったのは、こちらの朗読CD。
純粋にアラン・リックマンの朗読が聴きたいだけでございます。
ああ〜あの声をナイトキャップに眠るなんて、最高じゃございませんか♪
耳福、耳福


この繊細な天国的な音楽なしには、あの香りを感じさせることも難しかったかもと思われるほどでした。
鼻腔をくすぐる香りと甘い音、そして緻密に作り上げた画面に酔いしれ、幻想のたちこめる18世紀のフランスにタイムスリップできました。
散々いわれてる「魚市場」とか「広場」のシーンは、覚悟していたせいか、それほど気にならなかったです。
見終わったあと、洗面所の棚に眠っている香水の瓶をいくつか取り出して、ハンカチにしゅっしゅっとして振り回してみたjesterでありました・・・。
正にそんな感じでしたね〜
あんな大犯罪を犯しているのに不思議と嫌な感じを受けないのは、彼があまりにも純粋に人間から匂いを取る事だけに一生懸命になってるのが、気持ち悪いの通り越して滑稽ですらあったからでしょうね〜
運よく音響の良いシネコンで鑑賞出来たので、優れたオーケストラの演奏に酔えたせいもあるかと思ってます(^^)v
明日から旅行行って来ますねー! 色々アドヴァイス有難うございました♪
映画自体はどうも・・・だったんですが、ベン・ウイショーはほんとにいい演技でしたね。個人的に外見が「海外の渡部篤郎」って思ってるんですが、お二人とも演技達者!
アラン・リックマン・・・うふふ、この人もよかった。
>ああ〜あの声をナイトキャップに眠るなんて
確かにすごい贅沢かも。
ついでにスネイプ先生調で語ってくれると最高ですわ♪
DVD届いてますが、まだ開けてません。何だか分厚いんですけど・・・高かったのは箱代ぢゃないですよね?(殴打)
ベン・ウィショー君、売れておりますね〜。
ケイトがヴェネチアで賞を獲ったボブ・ディラン映画にも出演してるみたいですね〜。
ワタシはやっぱりクリスチャン・ベイルが観たい♪♪
アラン・リックマンの朗読CDのご紹介、ありがとうです〜。
ワタシには難しそうなので、熱帯雨林の同じページに出てきた別のをぽちっとしてみます♪
コメントありがとうございます!
>彼があまりにも純粋に人間から匂いを取る事だけに一生懸命になってるのが、気持ち悪いの通り越して滑稽ですらあったからでしょうね〜
あの必死な表情がね、殺人者という感じじゃなかったですよね。
そこがよかったのかもと思いました。
悲惨な感じがしなくて。
>運よく音響の良いシネコンで鑑賞出来たので、優れたオーケストラの演奏に酔えたせいもあるかと思ってます(^^)v
わ〜〜うらやましいです。
あの音楽を聴くためだけでも、やっぱり劇場で見ておくべきだったな・・・
>明日から旅行行って来ますねー! 色々アドヴァイス有難うございました♪
旅行、楽しんできてください!
お土産話、楽しみにしてますワン♪
コメントありがとうございます!!
nouilles-sauteesさんのレビューを読みたくて、お宅に伺ったのですが、読めなかった。
アメリカ映画ですかね?
2006年のところ、全部見たのですが・・(イギリス映画もみたのだった)
いつごろ書かれましたか?
で、見つけられなかったのに他のレビューを読みふけってしまった・・・(爆)
さすがnouilles-sauteesさんのレビューって品があって映画への愛があふれてて、すんごく面白いです。なんかその上視点がきちっとしてますよね、nouilles-sauteesさんのレビュー。幸せなひと時でしたわ。
それとそちらでは公開が早いことが多いので、「ネタばれしてもなんだし、後で読みに来よう」と思っていて忘れていたのが結構あったりしました。
>結局・・・この映画イマイチって言ったのは私だけだったみたいで・・・。自分が見てからあちらこちらで読んだレビューはどれも「よかった」というのばかり。jesterさんのレビューを読んで、「そうか、あれはやっぱりよかったんだ」という気になってまいりました(笑)。
私も残虐なシーンが一杯あるかとおっかなびっくりって感じでかなり覚悟してみたのですが、なんだ、ファンタジーじゃん!かなり傑作かも!とびっくりしてました。
>ベン・ウイショーはほんとにいい演技でしたね。個人的に外見が「海外の渡部篤郎」って思ってるんですが、お二人とも演技達者!
わはは! 「海外の渡部篤郎」って、いえてます〜!
あの目つきね、似てるわ〜
最近渡部さんはあまり日本では出ていませんけど・・(つか、テレビ見てないからもしかしてでてるのかもしれないけど・・・)
>確かにすごい贅沢かも。
ついでにスネイプ先生調で語ってくれると最高ですわ♪
みみもとでスネイプせんせがひそひそ語ってくれる・・・ああもう、夢見最高!
先生の授業中でも爆睡して、ハードカバーの教科書で思いっきり後頭部をはたかれてしまいそう・・・・(爆)
そうそう、別ブログのほうの「ハリーポッターを原書で読もう!」のコメント欄、ネタばれ解禁にしました。
ぜひお寄りくださいませ!
nouilles-sauteesさんのお話、聞きたいですわ〜
コメントありがとうございます〜〜
うれしいです!
>美しく哀しいファンタジーでした〜。
なんかあの世界に引きずり込まれた感じがして、しばらくボ〜〜ッとしてしまいました。
>ベン・ウィショー君、売れておりますね〜。
ケイトがヴェネチアで賞を獲ったボブ・ディラン映画にも出演してるみたいですね
そうなんですね〜。これから注目してみたいと思ってます。
>ワタシには難しそうなので、熱帯雨林の同じページに出てきた別のをぽちっとしてみます♪
あの、シェークスピアの、いろんな人が朗読しているヤツでしょうか?
私も迷ったんです・・・作者のトーマス・ハーディ嫌いだし。だって、ナターシャ・キンスキーのでた『テス』の原作者ですよね・・・あのめちゃくちゃ暗い・・・
でもあのCDだとアランが読んでるのはちょっとですよね? ケネス・ブラナーとかジョセフ・ファインズがテンペスト読んでるとか誘惑強かったけど(お兄ちゃんのほうだったらポチしてましたね・・・)
・・・
でもアランの声が聞きたかったし、彼が歌を歌っているというので、どうせ聞きながら寝ちゃうんだし、内容なんかどうでもいいか、と、こっちを買ってみました〜
そのうち、聞いてみた感想を、別ブログのほうかなんかで書きます。
(きっとすごい未来ですが・・・)
DDさんもシェイクスピアの聞かれたら感想教えてくださいませ♪
2006年の11月だったんですが、ドイツ映画になってました。TBさせていただきますね。
その他もろもろ読んでいただいたそうでありがとうございます。うれしいやらお恥ずかしいやら。
「ハリポタ」、ついにネタバレ解禁ですか。
早速お邪魔します!
そういえばTom Tykwerさんってドイツの人でしたね〜
英語しゃべってたから、アメリカかイギリスの映画だったかと・・・・(殴
最近の映画はどこの国の映画、っていうのの区別が難しいのがありますよね。
ありがとうございます〜
TB楽しみにしてます。
ついでにはりぽたのネタばれ会話でもお待ちしてますね♪
本当に香り立つような映画でした♪
ほんと、ベン・ウイショーもピッタリだったし、アラン・リックマン、ダスティン・ホフマンも良かったです♪
そう言われれば(言われなくても気づけよ、・・ですが(^^;;) )アラン・リックマンの声って素敵です!記事を読ませてもらって、あ〜、そうだった、ほんとに♪と思った次第です^^
TBさせていただきましたm(_ _)m
>なかなか見ごたえのある、映像と音楽とで本当に香り立つような映画でした♪
見る前は、悪臭漂っちゃうかとおもってましたが、そんなことなかったですね。
>ほんと、ベン・ウイショーもピッタリだったし、アラン・リックマン、ダスティン・ホフマンも良かったです♪
キャスティングがうまい!とおもいました!
>そう言われれば(言われなくても気づけよ、・・ですが(^^;;) )アラン・リックマンの声って素敵です!記事を読ませてもらって、あ〜、そうだった、ほんとに♪と思った次第です^^
もう、彼の声は最高とおもいます。
あとあのもそもそしたしゃべり方も好きなんですよ。
あれで耳元でささやかれたら・・・腰がぬけますだ・・・(汗)
腰が痛いのは辛いものです。
私も14年間悩まされました。
私が考案した腰痛解消法をお試しください。
【3分腰痛解消法】で、検索すると見つかります。
腰をお大事に。