「ここに幸あり」とどっちにしようかな〜?と思いつつ、邦題が気に食わないし、恵比寿より日比谷のほうが行きやすい(爆)ということで選んだのが、『ハートフル・ストーリー』が宣伝文句の「WAITRESS (ウェイトレス 〜おいしい人生のつくりかた)」でございました。
jester的には☆☆☆でした。
(昔やっていて自然消滅し、また突然復活した☆評価ですが、未見の作品でネタバレしたくない時、他の方のレビューを読むのに結構☆のところだけ見て「この人が☆☆☆☆☆なら見てみよう」なんて考えているときがあるので、自分もまたやってみようと思い立ちました。
☆5つ…傑作!一食抜いても ☆4つ…お勧めです! ☆3つ…価値あり ☆2つ…お暇なら ☆1つ…jesterはだめ でございます)
しかし見終わったあと、個人的には・・・なんだか落ち込んだのだ。
なんでだろう・・・・?

でも結婚後に態度が変わった夫アール(ジェレミー・シスト)から日常的に暴力を受けてびくびく生活し、逃げ出そうとして準備をしている。
けれど、アールの子を妊娠してしまったことがわかり・・・という筋立て。
たいていの人がラストが推察できるだろうという定番の話つくりで、あとは細かいエピソードがどのくらい生きているかが勝負の脚本です。

DVがあって暴力が恐いし、一人で生きていく自信がないし・・・なのだろうけど。
とにかく、夫のアールの横暴がエスカレートすればするほど、鸚鵡返しに相手の言ってほしいことを繰り返すだけのジェンナに、「それじゃ駄目じゃんか!」といいたくなる。
そも、人間関係とは与えられるものではなく、築いていくもの。
ぶつかって摩擦して疲れながらも少しずつお互い成長するわけで。
アールの愛はとっても幼児的な自己愛がほとんどだけれど、それを結婚生活の過程で育てていかなくちゃいけないのに、ジェンナは逃げてるのよね。
ま、時と場合によっては逃げることも必要だけど・・・というか、ほとんどは「逃げるが勝ち」が現実かもしれないけれど、結婚とか、自分が真剣に生きてる場所では勇気を持って立ち向かわなくちゃいけない時もあるのに。
結婚がゴールイン、夫が幸せにしてくれるって単純に考えてたんだろうなあ・・・
ま、ここで観客がいらいらすればするほど、その後のジェンナの変化に期待が増すというところなんで、これもひとつの脚本家の計算で、まさにその思惑にはまっているわけなのでありますが。

お砂糖が少なくとも1キロは入っていそうで(爆)見るからに甘そうな、時々は毒々しい色の「アメリカン・パイ」は、食べたいとは思わなかったけど。
「駄目夫から逃げ出したいパイ」とか、その時の気分に合わせて題をつけた創作パイをつくる過程を想像してるのが愉快でした。

(この人、オーシャンズ11シリーズに出ていた人でした)
あと、店のオーナーのへそまがり爺さん、オールド・ジョーは、とってもステレオタイプな「天使」だけど、出てくると安心します。
ウエイトレス仲間のドーン役、そして監督でもあるエイドリアン・シェリー・・・・。
ひょうきんな持ち味が、女性版ウッディ・アレンかな?と思っていたのですが・・・
エンドクレジットで「エイドリアンへ」ってでてたので、あれ?と思ったら、この作品を撮った後に、事故でお亡くなりになったそうです。
(ご冥福をお祈りします・・・)


話し方とか立派な鼻(?)、優柔不断でおどおどした態度や物腰の柔らかさが、なんとなく、どことなく、コメディにでてる時のディビッド・ウエナムを思い起こさせる気がjester的にはいたしました。

あの、最初に死んじゃう、トムクルの教え子スパイ・・・
ジョナサンばかりみてたし、汚れてたので気がつかなかったけど、DVDで確認したら確かに彼女でした。
赤ちゃんを産んだ瞬間から5分間の彼女の演技にこの映画のすべての意味がこめられてると言えるほど熱演してました。
彼女の目の光・・・あすこは泣けたわ・・・。

(「レミーのおいしいレストラン」とか「幸せのレシピ」みたいなあまりにアメリカ的なまとめ方にちょっとがっかりしたっていうのもあったけど。)
もともと下向きな精神状態だったせいか、なんかジェンナに現実の自分が透けて見えて・・・・
「自分のいいたいこと」より、「人がいわれたいこと」を、言うジェイク。
それでその場を救うつもりで、実は現実をのがれている。
結果的にはその『逃げ』で自分を追い込んでしまうのがわかっているのに・・・
『言う時は勇気を持って言わなくちゃ』
言い古されたメッセージなのに、それが今更ちくちくと痛くて。

ま、おくびょうもんにはその痛みも薬になっていいのかな、ということで、☆☆☆でした。
これ、パンフレットを見て行こうかなあと思っている映画だったのですが、何だか暗そうな感じですね。私は明るいものが好きなので。ううん、同じ映画館でやっている「マリア」の方がいいかもと思いました。
>これ、パンフレットを見て行こうかなあと思っている映画だったのですが、何だか暗そうな感じですね。
シュチュエーションは重いですけど、決して暗くはないです。
コミカルな仕立てになっているし、セリフも舞台劇みたいにかけあうようになっていて、笑えるシーンも多いんですよ。
ヒロインはmatsumoさんにはちょっと年とってるかなだけど、結構好みかも。(爆)
いや、わかりませんが。
MI;3で最初に死んだ人ですよん。
ただ、jester的には身につまされて(?)なんかちょっと落ち込んだんですけどね・・・・
笑ってる人もいましたし・・・
男性の意見も聞いてみたい気がする。
出てくる男はみんな変人でたいしたのがいないんですがね〜
>「マリア」の方がいいかもと思いました。
そうそう、マリアもやってましたよ〜
宗教的なのはちょっと今回はパスでしたけど、今度見に行こうかなと思ってます。
言葉にするのは難しいんですが、なんか「暖かい」後ろに結構辛辣な世知辛い部分が隠されているというか。女性なら誰もが持っている痛い部分を突いていると言うか。
>ジェンナのW不倫相手、ポマター先生をやったネイザン・フィリオンは結構つぼでした。
むふふ、実はわたくしもです♪
コメントありがとうございます!うれしいです♪
>言葉にするのは難しいんですが、なんか「暖かい」後ろに結構辛辣な世知辛い部分が隠されているというか。女性なら誰もが持っている痛い部分を突いていると言うか。
ねえ〜〜
社会が特に女性に求めてる役割(な気がする)忍耐とか自己犠牲とか自分さえ我慢すれば・・・みたいなものを、あんなふうに見せられると、いらいらする分落ち込むと言うか・・・
若い人とか、思うように生きている女性はあまり落ち込まないかもしれないけど、長く生きてる人(自分(汗))には、なんか痛かったところがあって、それが最後に救ってもらえなかったのよね・・・
もっと最後の辺に時間配分を裂いてもらったらよかったのかも。
安易なラストも「いろいろあるだろうに、あんなにうまく行くか?」って思ってしまった感じですわ・・・
>ネイザン・フィリオンは結構つぼでした。
わ!!うれしい!!
ねえ〜なんか可愛くてよかったですよねえ♪これからの彼に注目です。
これ以上は太らないで欲しい。(爆)
何かお互いに今更な記事かもしれないけれど、jesterさんのレビューを拝見して思わず書き込みですー。
私も、何かジェンナには共感できなかったんですね。それが何なのかよくわからなかったんだけど、軽妙な会話を楽しむ映画だということにして考えるの止めてました。
私も、逃げてるジェンナにイライラしちゃったのかもしれないです。
オールド・ジョーの存在感は楽しかったですね。偏屈じいさんといったキャラなんでしょうけど、ホッとできました。
ところで、
>コメディにでてる時のディビッド・ウエナム
えっ、想像できない・・・・・
『ムーラン・ルージュ』にも出てるって本当ですか?今度ゆっくり確認してみようかな。多分、ユーモラスな登場だと思うので。
いらっしゃいませ〜 ご訪問うれしいです♪
実は・・・この映画、感覚が似ているな〜と思うとなひょうさんのところの評価をささっとみて、他の方のレビューもいくつか見て、見る事を決めましたのです。
なのになんか落ち込んでしまって・・・ご挨拶が遅れちゃいました。
これからそちらにうかがってコメントしますね!
>『ムーラン・ルージュ』にも出てるって本当ですか
彼はロード・オブ・ザ・リングスではシリアスなファラミアの役だったけれど、本来オーストラリアではコメディもこなす役者さんで、「情けない」感じの演技が上手です。日本で見られる「情けない」感じの演技では「ヴァン・ヘルシング」のカール神父が一番露出度が多いかも。
あと、「クロコダイル・ハンター」でも情けない森林警備隊の役がみられます。
「ムーランルージュ」は情けない・・・というかビックリの扮装です・・・。ごく最初に出てくるので捜してみてください。あっと驚きますよん。
あと、パソコンでは見られる輸入版で「モロカイ」(ハンセン氏病と戦う牧師さんの役)も良かったです。それから時々テレビで放映されている「ダスト」という映画では逆にとってもシリアスでダークな役を演じてます♪