・・・・・まあ予想できたといえばできた結果でしたが・・
主演男優賞とか(とかとかとか・・・(エコー・・)・・・・

アニメーションもネズミだったしなあ・・・(爆)
というわけで、カンヌ国際映画祭審査員特別賞受賞は取りましたが、ノミネートされたもののアカデミーは取れなかった「ペルセポリス」、忘れないうちにレビューをアップしようとおもいます。
見てからずいぶん日にちが経ってしまいましたが、忘れないうちに。
jester的には ☆☆☆ー (見る価値あり)でした。

イラン人の女性によって自伝的に書かれたコミックが原作のアニメ映画。監督も著者がやっています。
イラン人女性が内部からイランの社会事情を描いたものって珍しいですよね。
湾岸戦争の前後に、イラクの青年や女性がかいたブログがネットでアクセス数を獲得し、本にもなりました。
あれを読んだ時も、突然イラクの人々の日常が身近になった気がして目を開かせられた気がしたのですが、この映画もそうでした。
主人公マルジは、イランでは多分かなり裕福な層に所属してるとは思われますが、少女時代は現在の日本人のわたしたちとほとんど変わらないような暮らしをしているんですね。
チャドルやマグナエはつけていないし、ロック音楽が好きで海賊版のテープをこっそり買ったり、カンフー映画の真似をしたり・・・
それが革命により激変し、国民たちは自由を束縛され始める。
そんな中、学校で反抗的な態度をとるマルジを、両親はオーストリアに留学という形で逃がす。
ヨーロッパにのがれられるマルジは他のイラン人と比べたらラッキーです。
でも祖国を離れたものにとって、異国での暮らしは文化的な摩擦と挫折の繰り返しでもあるんですよね。
そして傷ついて帰ってきても、戦争で荒れ果てた祖国に安らぎはなく・・・・
少女が「普通のイラン人」ではなく、「オーストリアやパリにさっと出られる階層の人間」であるので、庶民の苦境などはわからない辺がちょっとjesterには物足りないですが、それでも歪んだ社会構造が人間の尊厳を犯し、抑圧する様子が伝わってきます。
そしてそんな抑圧下でも、当局の目をかいくぐってお酒を飲んだりパーティをする若者たちの姿なども垣間見ることができます。
仲間と徒党をくんでいじめ(かなり陰湿な)をする子供時代とか、失恋して放浪してしまう青春時代、結婚の挫折など、決して優等生ではないマルジですが、だからこそリアリティがあり、共感を持てるのかもしれません。
気風のいいおばあちゃんとの会話もほのぼのとしていて、しかも教えられることの多いものでした。
またテレビ番組(多分「おしん」)や映画を見た人のセリフ(「日本人ときたらハラきりだの怪獣だのばかり・・・」)を通じて、彼の国での日本のイメージがわかるのも興味深かった。
ただ、フランスで作られたアニメなので当然といえば当然ですが、全編セリフがフランス語なんですよ。
でもカジュアルな絵柄ではそのシーンがフランスなのかイランなのか、さらに言えば登場人物がフランス人なのかイラン人なのかがわかりにくいので、特に女性がチャドルなどを身につけてない最初のイランの部分ではかなり混乱してみてました。

新婚だったのですが、私も仕事をしていたので彼だけ単身赴任。
そのうち、イライラ戦争(イラクとの戦争)が始まり、電話をしていても
「こっちにいる野良猫はみんなペルシャ猫だよ・・・あ、爆撃だ・・・ザザザ・・ブツン!」
と電話が切れてしまうことも多々あり、当時はとても気がもめたのを思い出したり致しました・・・・

この歌はこの映画の中では一番気に入った歌で、CDでリピートにして一緒に歌ったりしてたjesterは大喜びでした。
そのおかげで、シネ・アミューズでまた再映(アカデミー受賞凱旋上映だとか)してくれるそうです♪
嬉しいな〜 春も見たい映画がいっぱい!
外は晴天なのに、ちとヤボ用でお家でのったりしております・・・・・・
アカデミー賞は何とな〜く「ネズミ」の予感がしてましたけど、「やはり!」でしたね。
(・・・実は未見なんですが、映画の完成度も高いそうだし何よりハリウッド受けするような気がしてましたよん)
マルジを取り巻く周囲の人がそれぞれ魅力的でしたね。
特におばあちゃん♪
何時も身なりをきちんとして首にはパール、とっても素敵でした。
「何時も公明正大に」という言葉もシンプルに心に残りますよねー・・・
>彼の国での日本のイメージがわかるのも興味深かった
劇場での前の二人の台詞には噴出しちゃいました。笑
そっか、我らはそんなイメージがあるのね。フフ
そうそう、ゴジラが人をムンズと掴んで食らうシーンがありましたが、実際はゴジラは人を食べないんですよね(・・・実はワタシはゴジラマニア♪過去の作品は全て観ておるですヨン)
きっと幼少の頃に観た時に「怖かった」というイメージがあってああいう風に描いたのかも知れませんね。
このアニメから彼らの国の歴史や思想の断片を垣間見れて興味深かったでした。。。
TB&コメントありがとうございました。
アカデミー賞は、ネズミさんにいきましたね。実は未見だったりします・・・
きっとネズミさんが獲るんだろうと予想はしてたけど、こういう作品にもオスカーをあげて欲しいなんて思います。
『千と千尋〜』の時のようなサプライズがあった方が楽しいのになぁ、なんて。
テレビ番組=多分「おしん」
そ、そっかー
何かもう忘れてしまいましたが(苦笑)、そんな感じのセリフだったのですね?
家族Aさんの電話の内容、凄いですね・・・
自分が直に聞いた訳でもないのに、ちょっとゾクッときてしまいました。
変な事件が多い今日この頃ではありますが、やっぱり日本は平和なんでしょーかね。
あっ、ペルシャ猫ばっかりという点にも後ろ髪引かれました。
私は、お毛毛の長い猫さんよりも、短髪の猫さんの方が好きなんですけど。
実際に会って、スリスリされたらルックスなんて何でもいいですっ♪思い込みであっても、気の合う猫さんが一番可愛いです。(実際には一方通行であっても)
jesterさんのレビュー、いちいち頷きまくりでした。
>アニメーションもネズミだったしなあ・・・(爆)
わたくしはこれを完全に予想しておりました。ああいうパリの雰囲気って受けるんですよねぇ。エディット・ピアフも同様。
「ペルセポリス」はフランスのセザールでは一応ちょこちょこ賞は獲ってましたが。
>少女が「普通のイラン人」ではなく、「オーストリアやパリにさっと出られる階層の人間」であるので
うんうん、そうなんですよ。
私もこの映画には勉強になったなあと思いつつも、「結局裕福な家庭の話だし・・・」みたいに思ってしまった部分がありました。
あんな状態でも国を出るに出れなかった人が大部分なわけだし。
ただオーストリアにいるときについ「私はフランス人」とうそをついてしまってバカにされるところ、あれは何とも言えない気分になりました。
>あ、爆撃だ・・・ザザザ・・ブツン!
新婚でこのような状況って・・・。jesterさん、ずいぶんご心配なさったでしょうね。今となってはすごい経験されたんだなーと思ってしまいますが。
どうもアニメというとディズニーとジブリ作品しか知らなかった私なんですが;凹
ジブリ配給の外国のアニメとか見るようになって、世界にはこんなにも魅力的なアニメーションっがあるんだなって今更ながら気がついたのでした;
確かに裕福な家庭で育ったマルジかもしれませんが、彼女は結構ハングリーなところがあるのが好感度大でした。
それとキアラのちょっとハズシタ熱唱がポイント高し。爆
またDVD化されたりしたら、子供達にも見せたいなって思ってます
>何時も身なりをきちんとして首にはパール、とっても素敵でした。
素敵でしたよね♪
でもあの服装を見ても、孫と海に保養に言ったりするところを見ても、きっとすごくお金持ちなんだろうなあ〜なんて思ってみてました。
女性がああいう風に年を取れるのって、多分にお金の力というのがありますよね。
>「何時も公明正大に」という言葉もシンプルに心に残りますよねー・・・
あの言葉、よかったですね。
最近「年寄りの知恵の一言」みたいなのにちょっと飽き飽きしてきてて(爆)「いつか眠りにつくまでに」とかをみてても素直になれない私。
でもマルジのおばあちゃんのはなんか素直に「はい!」っていう気持ちになりました。
>そうそう、ゴジラが人をムンズと掴んで食らうシーンがありましたが、実際はゴジラは人を食べないんですよね
へえ〜〜 Puffさん、ゴジラマニア!
そうですか、人は食べないんですか〜
勉強になります。うふふ。
>このアニメから彼らの国の歴史や思想の断片を垣間見れて興味深かったでした。。。
ネットでずいぶん世界が狭くなったと思いますが、こうして映画という総合芸術で見られると、いままで知らなかった世界を見られて良いですよね〜
>きっとネズミさんが獲るんだろうと予想はしてたけど、こういう作品にもオスカーをあげて欲しいなんて思います。
私はネズミはあまり乗れなかったので、マルジに取らせたかったんですけど・・・
私の望むようにはならないですわ、何事も。(涙
>何かもう忘れてしまいましたが(苦笑)、そんな感じのセリフだったのですね?
あのね、中東でも「おしん」ってすごく流行ったんですよ。
確か家族Aもそんなこと言ってました。
「ノラもペルシャ」っていうのは、猫好きな私への情報なのでバイアスかかってるかもしれませんが、さすが悠久のペルシャの地であるなあと思いました。
家族Aはその後も、内乱のフィリピンとか学生運動の韓国とか、911のときのマレーシア(イスラム過激派がいます)とか、危ないところばかりいってます。
そのたびにひやひやしてニュースを見てますだ〜
>実際に会って、スリスリされたらルックスなんて何でもいいですっ♪思い込みであっても、気の合う猫さんが一番可愛いです。(実際には一方通行であっても)
となひょうさん、感激!
私も全く同感です!
「ライラ」で一番感動したのは猫のダイモン(いつもそばにいるアウターエゴみたなもん)で、でてくるたびにごろごろノドを鳴らしちゃいましたよ〜
だって早く書かないと、結局書かないで終わっちゃうんだも〜ん・・・(殴
今も5つぐらい「書かなくちゃ」を抱えて・・・・(殴(殴
>ああいうパリの雰囲気って受けるんですよねぇ。エディット・ピアフも同様。
パリの雰囲気はネズミ、綺麗でしたもんね♪
そういえばピアフもそうですね〜
>私もこの映画には勉強になったなあと思いつつも、「結局裕福な家庭の話だし・・・」みたいに思ってしまった部分がありました。
あんな状態でも国を出るに出れなかった人が大部分なわけだし。
そうなんですよ。
そう思ってみると、所詮リッチなうちに育ったお嬢さんの苦労話か、って思います。
まあそれは「Namesake」のインドとか、「The kite runner」のアフガニスタンでも感じたんですけど、国外に出られる人って裕福な一握りの人たちで、その下に膨大な貧しい人々のあえぎがあるんですよね・・・
>ただオーストリアにいるときについ「私はフランス人」とうそをついてしまってバカにされるところ、あれは何とも言えない気分になりました。
あのへん、見ていてうなりました。
確かにあの気持ち、わかります。
>新婚でこのような状況って・・・。
実は、11月に結婚して、1ヶ月後にはかれはイランにいってました。
あの頃はね〜結構泣いたりして。今はどうなのかは聞かないでください。(爆)
>確かに裕福な家庭で育ったマルジかもしれませんが、彼女は結構ハングリーなところがあるのが好感度大でした。
「いいお話」にしようとしてなくて、自分の痛い部分もちゃんとさらしていたのが好感が持てましたね。
外国で馴染めない自分。
失恋して、相手を憎み、悪く思おうとしているボロボロな自分。
だからこそリアルな感じがしました。
>それとキアラのちょっとハズシタ熱唱がポイント高し。爆
うふふ。
あれは笑えましたね♪