2008年05月28日

マンデラの名もなき看守 GOODBYE BAFANA

これ、ずっと見たいと思っていた映画でした。

トレーラーでみると、ジョセフ・ファインズが似てないとはいえ、おにいちゃんのレイフにやはり面影が似ていて、そういう腐った動機パンチもありましたが、マンデラさんの獄中の生活にも興味がありました。

(しかしですね、この映画の前に、ヴィゴ主演の「イースタン・プロミス」の動くトレーラーがあって、それまでネタバレ禁止のために静止画のトレーラーしか見たことがなかったjesterは、心の準備もなくぐわ〜〜んと打ちのめされ、最初は映画に集中できませんでした。(殴パンチパンチ

(ちなみにその数日後に「イースタン・・・」の試写を見に行った後は、放心状態でございました・・・)


とはいえ、こちらの映画もなかなかの佳作でした。
jesterのお気に入り度は ☆☆☆☆− でした!

自分の感性を信じて、どんな場所でも誠実に誇りを失わずに、ポジティブに考えて生きていくこと。
相手のいい部分を見るようにすること。
そうしているうちに、誤解があっても必ず解くことができ、いつか理解しあえるときが来る。
もしかして・・・理解しあえなくても、共存する道はある。
それを焦らずに模索していこう。


そんなメッセージが静かに伝わってきて、とても勇気付けられました。

アパルトヘイト政策や、ネルソン・マンデラ氏について知らない方にもぜひ見ていただきたいな〜なんて思ったことでありました。

まあやっぱりアップで見ると、レイフとジョセフって濃さが全然違うな〜と思いましたが、苦悩に満ちた演技はなかなかでした。


クリスマスデニス・ヘイスバートは24のイメージがとっても強くて、最初は「マンデラに似てないじゃん。モーガン・フリーマンを出せ〜」
とか心の中でわめいてましたが、次第に違和感がとれて、引き込まれました。
感情を押し殺した、背中での演技が泣かせます。

27年間の獄中生活でも背筋を伸ばしたマンデラさんの生き方はすがすがしいです。
その誇りと信念がちゃんと表現されてました。


クリスマスダイアン・クルーガーは「内助の妻の鑑」タイプの奥さんを演じてましたが、結構大事な役どころだったと思います。
それにしてはキャラクターの掘り下げがいまいちで、この人の心境の変化をもうちょっと丁寧に描いて欲しかったと感じました。
そうしたら共感できて感動が増したかも。

ダイアンは美人ですが、『トロイ』を初めとして、割とお飾り的になってしまい、演技力を発揮できなくて「役に恵まれてない」という印象がjesterにはあります。
見せ場なのに視線が他の役者にもってかれちゃう時もあり、主役をはるようなカリスマ性とか強さも今のところjesterにはあまり感じられません。
これから一皮むけて、伸びていって欲しいです。(えらそうに)


猫原題のBANAFAは、白人看守のグレゴリー(ジョセフ・ファインズ)の子供時代の親友の名前。
その頃の楽しかった思い出が、グレゴリーにマンデラを、一人の尊敬できる人間として見られるようにさせたんですね。


『マンデラの名もなき看守』はと〜〜ってもわかりやすい(爆)邦題ではありますし、某映画とちがって、おかしな誤解を招くようなものでもないですが、やはり原題の『GOODBYE BAFANA』のほうが、余韻が違います・・・・

遠い夜明け
遠い夜明け
アパルトヘイトというとデンゼル・ワシントン、ケビン・クラインが出た『遠い夜明け』を思い出しますが、『遠い夜明け』では、南アフリカ共和国の体制側白人はほとんど悪者っぽく描かれてました。
海外から来た白人ジャーナリストが自分も危険になりつつ、抵抗の様子をすっぱ抜く、という展開。

それが、この映画では戦いを描くというより、
「南アフリカ国内の、しかも政府側の白人の中にもいい人もいた」という視点でじっくり描かれていて、時代の流れを感じました。
こういう作品が撮られるということは、南アフリカにも新たな風が吹いてきているのでしょう。

イン・マイ・カントリー
イン・マイ・カントリー
そして時代的には『遠い夜明け』と、ジュリエット・ビノシュとサミュエル・L・ジャクソンの出た『イン・マイ・カントリー』の間の舞台設定が『マンデラの名もなき・・・』です。

(『マンデラ・・・』では、牢獄の中の話が中心で、実際にアパルトヘイトがどんなものであったかはあまり描かれていないので、その辺をご存じない方には、この2本の映画をお勧めします♪)





****以下、映画の内容に触れてます。未見の方、ご注意ください!****



少年時代のバファナとの交流で、コーサ語を覚え、それがグレゴリーにマンデラを引き合わせる・・・・

これはやはり『Goodbye Bafana』以外の何者でもないですよね。


本 個人的にグレゴリーが図書館で禁止文書を閲覧するシーンが好きでした。(図書館が好き♪)
でもその後、胸のポケットにしまった文書を、仕事場で出してこっそり見るシーンでは「おいおい、そこで見るなよ〜」とどきどきしてしまいました。
トイレに行け、トイレに!!

あと、棒術のシーン、いいですね〜
後ろで見てる息子の表情がまたいいんです。父と子の絆の強さなんかも感じてしまいました。
 
そして、グレゴリーと息子の別れ。
この辺は辛くて辛くて、たまりませんでした。たらーっ(汗)


マンデラさんの夫婦愛や家族愛も描かれるんですけど、現実では確かこの後、あの奥さんと離婚するんですよね。
もう一人の息子さんはエイズでお亡くなりになるし。
それを知っているので、やや複雑な思いで見ました。


映画の作り自体はごく地味で、「泣かせよう!」という安っぽくて派手な演出や、盛り上げすぎの音楽はありません。
トレーラーを見たときはもっと盛り上がるのかと思っていましたが、見終わって考えると、その辺もドライでよかったかな。

画像も結構地味で、こちらは、もっと南アフリカの国土の美しさを強調しても良かったかもしれないと思いました。

人間たちのおばかさ加減が引き立つし。



posted by jester at 21:42| Comment(10) | TrackBack(6) | ま行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ドモドモ、プチご無沙汰です〜♪

うふふ、わたくし、この兄弟、レイフももちろんですがジョセフもファンなんですよ〜
なのでそれもあってすっ飛びで観に行きましたですヨ。
でも、確かに濃いですわ・・・笑
お兄さんはあっさり系なのに兄弟でも違うんだな、と何時も思いまふ。
>胸のポケットにしまった文書を、仕事場で出してこっそり見るシーン
これはわたしも誰か来やしないかとドキドキしました!
何もあんな危険なところで見なくっても良いのにね。フ

デニス・ヘイスバート
うん、最初はわたしもこの役はモーガン・フリーマンのイメージがありました。
でも、どんどん老けて行くメイクは難しくないけれど、若づくりの方は大変なのかなー、なんて。笑
観ている内に引き込まれて違和感は全くなくなりましたよねん。

>マンデラさんの夫婦愛や家族愛
ね、その後、奥さんは告訴されたり、離婚するんですよね。
マンデラさんは再婚してしまうし。
ちょっと複雑な気持ちにはなりますよね・・・
でも、ホント良い映画でしたね。
お涙頂戴でな無く、静かに湧き上がる感動作でした。
Posted by Puff at 2008年05月29日 06:16
Puffさん、いらっしゃいませ〜 早速のご訪問&コメントありがとうございます!
とってもうれしいです♪

>うふふ、わたくし、この兄弟、レイフももちろんですがジョセフもファンなんですよ〜

おお〜、そうだったですか。
私はレイフ一筋(うそばっか)だもんで、ジョセフが出ているからといって、すっ飛んで見には行かないんですが、コレの予告を見てるとき、「え〜〜年とったら少し兄ちゃんに似てきたんじゃないの?」なんて思って、ふらふらと・・・(爆)

でも濃さが・・・ジョセフは濃いですなあ。遺伝子になにかが混ざってる(爆)気がします。

>何もあんな危険なところで見なくっても良いのにね。フ

そうですそうです。
トイレとか。←jesterのおすすめ。

部下を追い出さなくても、他にひとりになれる場所はあるでしょう。しかも部下はすぐに帰ってくるし。上官の呼び出しは食うし。はらはらさせないでよ〜 でした。

>うん、最初はわたしもこの役はモーガン・フリーマンのイメージがありました。
でも、どんどん老けて行くメイクは難しくないけれど、若づくりの方は大変なのかなー、なんて。笑

マンデラさんとデニスは顔の形が違うんですよね。マンデラさんはもっと長い。
しかもデニスより顔つきが穏やかな感じがします。
それなのに、抵抗運動の闘士というのが、アパルトヘイトへの運動が平和運動なんだっていう雰囲気(実際は違うかもだけど)をかもし出してる。
そう思うとモーガンのほうが向いてる気がしたんですよね。
でも確かに、老け作りより若作りのほうが難しいですよね〜
CGでシワとかたるみを消さないと。

>観ている内に引き込まれて違和感は全くなくなりましたよねん。

デニスの抑えた演技が良かったです。
だから違和感がなくなったのだと思います。
ま、映画は形態模写じゃないから、似ていればいいってもんじゃないですものねね。

>でも、ホント良い映画でしたね。
お涙頂戴でな無く、静かに湧き上がる感動作でした。

もっと感動的に盛り上げようと思えば、いくらでも盛り上げられたのに、ドキュメンタリーみたいなつくり方だったのが、わざとらしくなくて、大人の鑑賞に耐える作品になっておりました♪

業務連絡ですが、ダブったコメント、消させていただきました。
あ〜もったいない(笑
Posted by jester at 2008年05月29日 08:21
おはようございます。

地味な映画ですけれど、いい映画でしたよね。
アパルトヘイトという悪政ではなく、それによって翻弄されるさまざまな人間を浮き彫りにすることに重きをおいたのがよかったと思います。

ジョセフ・・・以前はあの「目がくっついている感じ」が苦手だったのだけど、段々好きになってくるわ・・・(汗)。
あ、でも彼も段々実力をつけてきましたよね。だから顔なんか気にせずきっと好きになってきたんだと思う(笑)。
Posted by dim at 2008年05月29日 09:06
おっとdimさん、ちょうどお宅に伺って、元彼さんのお話をすっごく感心して(まじに)読んでいたところでございました。

>地味な映画ですけれど、いい映画でしたよね。

うんうん、私も同感です。
やたら盛り上げられると下手するとしらけますからね。
特に現存なさってる方のお話だと。

>アパルトヘイトという悪政ではなく、それによって翻弄されるさまざまな人間を浮き彫りにすることに重きをおいたのがよかったと思います。

アパルトヘイトを告発するのではなく、舞台背景として使って、結果としてポジティブなメッセージを送る、って感じでしたね。

>ジョセフ・・・以前はあの「目がくっついている感じ」が苦手だったのだけど、段々好きになってくるわ・・・(汗)。

ああ〜なんかわかる。
なんか、より目っぽいっていうか?
視線が近すぎるような・・・?

jesterは胸毛の濃さが苦手(爆)なので胸毛が見えなかった今回は良かったけど(そういう問題か?)、やっぱりおにいちゃんのノーブルさのほうが好きです・・・

>あ、でも彼も段々実力をつけてきましたよね。だから顔なんか気にせずきっと好きになってきたんだと思う(笑)。

そうなんでしょうね〜
「キリング・ミー・ソフトリー」なんか、をいをい、って感じでしたもんね。
(意味不明。だから胸毛〜(汗))

Posted by jester at 2008年05月29日 10:40
>そして、グレゴリーと息子の別れ。

この展開は本当に辛かったですね。
これについての詳細は語られませんでしたが、そのシーンの少し前に、
女房の甥が犠牲になってマンデラを憎んでいる、という白人がグレゴリーに接近してきたでしょう?
あの辺で、もしかしたら、という可能性も示唆していたのでしょうか?
なんとも恐ろしい国ですよね…
Posted by zooey at 2008年05月29日 13:22
zooeyさん、コメントありがとうございます! 嬉しいですわ♪

>そのシーンの少し前に、
女房の甥が犠牲になってマンデラを憎んでいる、という白人がグレゴリーに接近してきたでしょう?
あの辺で、もしかしたら、という可能性も示唆していたのでしょうか?

そうそう、あれってどうだったんでしょう。
逆恨みしてってこともあるのかしら?
だとしたら辛すぎます。

>なんとも恐ろしい国ですよね…

国もですが、人間の気持ちがゆがむと、考えも見ない方向に噴出してしまうんですね・・・・
Posted by jester at 2008年05月30日 08:20
jesterさん、こんにちは。
こちらにもTB&コメントありがとうございました。
私も、鑑賞前は起伏の激しい作品なのかと思っていました。
実際には、地味で穏やかな感動作という感じでしたよね。
そうそう、できれば予習してから見た方が入っていける感じでもありましたね。

グレゴリーが初めて会った時のマンデラは、独房にいましたよね?
最初に映し出されたマンデラが後ろ姿だったため、何とも強烈に引き込まれました。
デニス・ヘイスバートの背中に。
体格が良いとか声が太いとか、そんなことではなくて。
何とも言えない存在感を発揮していたと思いました。

ダイアン・クルーガーは、私もjesterさんと同じような印象を持っているんですよね。
ずーっと『お飾り人形』してて、余り女優としては認識できなかったんすよねー
『トロイ』の時なんて、全然演技できてなかったなんて厳しい感想を持ってます。
そんな辛口な私だけど、この頃は少しずつ女優っぽいオーラが出てきたような気もしていたのでした。
何よりも、やはり経験がモノを言うのかな。とにかく、数をこなしていって欲しいです。
Posted by となひょう at 2008年05月30日 20:09
となひょうさん、こちらにもコメントありがとうございます!とっても嬉しいです♪

>私も、鑑賞前は起伏の激しい作品なのかと思っていました。
実際には、地味で穏やかな感動作という感じでしたよね。

そうでしたね。そこが結構気に入りました。

>グレゴリーが初めて会った時のマンデラは、独房にいましたよね?
最初に映し出されたマンデラが後ろ姿だったため、何とも強烈に引き込まれました。
デニス・ヘイスバートの背中に。
体格が良いとか声が太いとか、そんなことではなくて。
何とも言えない存在感を発揮していたと思いました。

わたしはなぜか、上野動物園の象の花子さんの後姿を思い起こしてました・・(殴
いえ、いい意味で。
とらわれの巨人という感じですか。

>ダイアン・クルーガーは、私もjesterさんと同じような印象を持っているんですよね。
ずーっと『お飾り人形』してて、余り女優としては認識できなかったんすよねー
『トロイ』の時なんて、全然演技できてなかったなんて厳しい感想を持ってます。
そんな辛口な私だけど、この頃は少しずつ女優っぽいオーラが出てきたような気もしていたのでした。

トロイのときは化粧が濃すぎて、「そんな美人か??」と思いましたが、ナショトレで、結構美人なんだな、とおもいました。
でも、「戦場のアリア」もなんか学芸会みたいだったし・・
「敬愛なるベートーヴェン」は彼女は比較的良かったけど、作品が今ひとつって感じだったのでした。
ほんと、もうちょっと心のうちを表現できるようになってくれると嬉しいです。
性格は良さそうな感じがしてます。
Posted by jester at 2008年05月31日 22:48
jester さん、こんにちはー。
こちらは漏れ聞こえてきた皆さんの感想からそんなに期待はしていなかったんですが、思いのほか強く心掴まれましたですー。
舞台はアフリカでも北欧の監督ならではの空気を切り取っていた感じで気に入りました。
棒術のシーンはすごく感動的でしたよねー!
ああいう場面を撮った監督のセンスも好きだし、あの技を見せきってくれた2人の技量もすばらしいなぁと。
私もねぇ、レイフ兄のカッコよさに比べ、ジョゼフの濃さには苦手感がありました。
でも、今回は役柄のせいか、暑苦しさがいつもより少なめだった感じで、演技のうまさに惚れぼれしましたー。
Posted by かえる at 2008年06月06日 22:03
かえるさん、いらっしゃいませ〜 ご訪問&コメントありがとうございます!うれしいです♪

>思いのほか強く心掴まれましたですー。

地味なつくりでも心にしみてくる出来でしたね♪

>舞台はアフリカでも北欧の監督ならではの空気を切り取っていた感じで気に入りました。

ああ〜 なるほど!
北欧の監督ならではといわれると、確かにあのシックなつくりはそうかもしれませんね。

>棒術のシーンはすごく感動的でしたよねー!
ああいう場面を撮った監督のセンスも好きだし、あの技を見せきってくれた2人の技量もすばらしいなぁと。

周りでまた看守や囚人が応援したりしてるのが微笑ましくて。
でも上役に見つかって怒鳴られないか、はらはらしましたけど。

>私もねぇ、レイフ兄のカッコよさに比べ、ジョゼフの濃さには苦手感がありました。
でも、今回は役柄のせいか、暑苦しさがいつもより少なめだった感じで、演技のうまさに惚れぼれしましたー。

うふふ。ジョゼフはやはり濃かったです。
でも確かに脱いだり、くねくねしたり(?)しなくて、演技が際立ってた感じがしましたね。
Posted by jester at 2008年06月08日 21:15
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