2007年07月19日

明日へのチケット Tickets

とりあえず問題の画像をでかく貼り付けて見ましょう。
明日へのチケット
明日へのチケット


ポスターにもチラシにも使われた、この画像の、列車の窓から顔をだして叫ぶ青年たちの表情&ユニフォームと「明日へのチケット」という邦題で、「ああん、もう内容がだいたい読めたぜ」、と早とちりしてしまい、ぐずぐずしているうちに映画館での公開が終わってしまって、結局行けませんでした・・・
しまったなあ〜あせあせ(飛び散る汗)


でも、ケン・ローチ、アッバス・キアロスタミ、エルマンノ・オルミの三監督が作っているのだし、と引っかかっていたので、DVD発売で気を取り直して見てみたら、良かったんですよ♪

各監督の優しいまなざしが感じられる人間描写に、ああ、なんかこういう映画見たかったのだな、と思いました。
映画館で見たかった!


インスブルックからローマまでの鉄道旅行(途中乗り換えてると思うけれど)をするアルバニア難民の家族と、その列車に同乗した人々の話が淡々と語られます。
隣り合わせた人それぞれにドラマを抱えているのです。



オルミー監督の、食堂車に座る老人と取引先の秘書の女性の淡い想いを描いているエピソードが1つ目の話。
老人の子供時代の「ピアノを弾く少女」のほろ苦い思い出が現実にフラッシュバックします。

valeria.jpgヴァレリア・ブルーニ・テデスキがなんとも素敵です。ゆるくカーブした髪、男仕立てのシャツにパールのネックレス。こんな大人になりたい! (何かご質問は?)
「僕を葬る」でも良かったけれど、今回も素敵!
来月公開される「プロバンスの贈り物」にもでてますよね。(ラッセル・クロウが主演のラブストーリーというと少々考えちゃいますが・・・)

彼女の瞳の煌めきは、老人の妄想が大分入っているかなと思うけれど、彼女に宛てたメールを書いては消ししている老人が、最後、ミルクを片手に現実に立ち向かっていくのがいい。
こういう大げさでない、小さな行動ってかえって胸に響きます。
自分の孫をいとおしく思うおじいちゃんだからこそ、ただ座ってみているわけには行かなかったのですよね。
しかも最後まで見せないあっさりした終わり方が粋です!


ぴかぴか(新しい)次のエピソードは、キアロスタミ監督のもの。

わがままな中年女性と、その荷物を大量に抱えた青年。
最初親子?と思うけれど、さにあらず。


女性は今はなき軍隊の偉い人の妻で、この人に仕えるのが青年の兵役拒否のボランティアの仕事のようです。

この女性がすごい人で・・・、ド〜〜ンと太った姿だけでもかなりなのに、二等の切符で一等席に陣取りヒステリックに怒鳴り散らす、理屈の通らないとっても嫌な人。
後半、逃げた青年を執拗に追いかける女性の鬼気迫る姿には、「うぎゃあ、見つかる〜〜」とホラー並みにどきどき。

でもそれだけで終わらないのがさすが。
「この人、携帯も盗んだの?」という観客の思い込みを誘い、それをあっけなく覆して見せる。うまいなあ。

多分若かりし頃はほっそりして美しく、周囲の男性からちやほやされたために、わがまま邦題が通ってしまってここまで過ごしてきたのだろう女性の、夫に先立たれ、現実に直面してとまどう瞳。
男性の目を集める美しき若い女性を見る、彼女の目。
そして列車の行き止まりのコンパートメントでつくため息。
降りた駅でぼおっと荷物に腰掛ける姿は哀れです。

いやな人だな・・・と思いつつ見てたのに、いつの間にかちょっと同情してたりする。

お願い、誰か彼女にまっとうな人間づきあいを教えてあげて〜〜

無駄のない抑制された表現で、盛りを過ぎたのに精神的に成長していない人間の焦りととまどい、そして誰にも必ず訪れる老いの悲哀を浮き彫りにしています。


ぴかぴか(新しい)そして3番目は、ケン・ローチ監督のもの。
サッカーチーム、セルティックのサポーターの青年3人がスコットランドからサッカーの応援のためにローマに向かう途中、アルバニア難民にチケットを盗まれるエピソード。

あんまり「いけてない」若者の彼ら。
デオドラントをパンツの中までシュッシュしたり、(多分職場のスーパーで売れ残りの)サンドイッチを大量に持ってきて食費を節約したり。

命がけの難民も大変だけれど、スーパーに勤めてこつこつお金を貯めて、試合を見に行く彼らだって決して裕福なわけじゃない。
もう一人分の列車のチケット代を出すことも出来ないぐらい。

その中で、「自分たちにできることなんかないよ」と一番難民につらく当たっていたフランクが最後に彼らに見せる情け。
自分の無力を知りつつ、思わず手を伸べてしまう、その心に共鳴しちゃいます。


実はjesterは、「そのスポーツチームが好き同士」というだけで刹那的に周囲が見えぬほど盛り上がれる「サポーターの乗り」は、どちらかというと遠巻きにながめてしまうほうです。
(楽しい気持ちは分かるんだけど・・・・サポーターの方たち、ごめんなさいね・・・)

特にヨーロッパのサッカーのフーリガンと呼ばれる人たちの行動を見ていると、個人的な相互理解はないのに、あそこまで瞬時に熱狂できるのはなんとなく怖い・・・。
ああいう集団は悪い意図を持って扇動しようとすれば簡単に操作できますよね。

でもこの映画の最後の「サポーターのふれあい」は理屈抜きでちょっとすがすがしくてよかったな。

もしかしていろいろな難しい問題を片付けるのは、こんな簡単なコミュニケーションなのかも、と思わせてくれました。


最後に全部のエピソードがまとまるのかと思っていたら、なんとなく終わってしまったので、少し物足りない感じをもたれるかたもいるかもしれませんが、深いものを描いているのに饒舌になりすぎないところが、余韻をじんわりと味わうことが出来るラストで、ぜひ映画館で見て、もらった思いを抱えて帰り道歩きたかったな〜 なんて思いました。

残念!

せめて題名だけでも「明日への」をはずして「チケット」だけにしてもらえなかったかしらねえ・・・・・パンチ




posted by jester at 10:41| Comment(14) | TrackBack(8) | あ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月13日

あるスキャンダルの覚え書き  NOTES ON A SCANDAL

知人で、テディベアのシールを貼った手帳を見せびらかして歩いている人がいました。

彼女は夫のある身でしたが、どうもその手帳は、隠さなくてはいけない関係の人(つまり妻子ある別の男性)との交流を記録したものらしく、それなのに、それをわざと皆に見えるように取り出して、思わせぶりに周りの人に見せていました。

日付に貼られた謎めいたシールを「それ何?」と聞かれると「秘密〜」といいながら、頬を染めて(40近い人です)その関係をほのめかすのです。

電話した時とか会った時とかでテディベアの色を変えたりしていることまでそれとなく言っていました。(金色のピカピカテディは何だったのか・・・怖いです)

その後、彼女の異常な行動が次第に発覚し、ストーカーまがいのことまでしているのが分って、周りの心ある人は次第に離れてしまいました・・・あせあせ(飛び散る汗)



さて、先日、好きな女優の一人であるケイト・ブランシェットと、気になるジュディ・デンチの共演ということで楽しみにしておりました
「NOTES ON A SCANDAL(あるスキャンダルの覚え書き)」
が公開になり、早速見てまいりました。


とても見ごたえのある映画でした!


ロンドンのある学校に赴任してくる美しい美術教師シーバにケイト・ブランシェット。
そして彼女に関心を抱く年輩の歴史の教師バーバラにジュディ・デンチ。

実際に起こった事件を基に原作が作られたらしいですが、深い人間観察にもとずく脚本の練りこみかたが尋常じゃなく、見る人を引きずりこみます。


容姿が美しいということのほかに、何の自信もなく、どう生きていいのか、模索しているシーバ。
大切なものはなんなのか、それをどう守ればいいのかもいまだ分からず、そんな自分を否定する母との軋轢を抱え、まるで優しかった亡き父を求めるように、年上の教師と結婚したシーバ。
(夫は、POCのタコ船長、ビル・ナイが珍しく普通の人の役です)


一方、長い孤独な生活から抜け出そうとして、
「一人で死ぬなんて寂しすぎる」
と人生の最後を共に過ごす相手を探しているバーバラ。



この二人の生き方をみて、『気持ち悪い』『愚かしい』『不気味』とだけ感じた人は、もしかしたら幸せなのではないかと思います。
きっとたくさんの愛情に包まれて、またはとても強い心で、いまだ孤独を知らずに生きている人ではないかと思うから・・・。



ぴかぴか(新しい)シーバを演じるケイト・ブランシェットは本当に綺麗。

まるでボッティッチェルリの『プリマベーラ』から抜け出た女神か、『ビーナスの誕生』で貝に乗っているビーナスのように、すらっとして透明な、無垢な美しさです。 

抜群のスタイルで、カジュアルなファッションも素敵だし、髪型も自然で可愛い。
(どうやったらあんなふうにふんわりと後れ毛までキュートにアップに出来るのか、とっても気になりました。ねじってるの? それでピンでとめて?・・・やっぱりブロンドじゃないとだめかな・・・)

その伸びやかな姿の魅力にあこがれて、友達になりたいと思う女性や、恋愛の対象と捉える男性が続出するのもうなずけます。

多分、支えてあげないと駄目そうな脆そうな外観と不確かな精神性が、心弱き者の相互依存への欲望を呼び起こすというのもあるのでしょう。

彼女が教え子との愛情関係に溺れていく気持ちも、わからないではない。
相手は15歳の少年ですから、「犯罪」ですが・・・・
(実際は精神的には少年のほうがシーバよりずっとすれて老獪だったりします。)

しかし行動にうつすどうかは別として、まぶしい若さを求める気持ちは、己の老いをふと感じる歳になったら、男女を問わずに多少あるもんじゃないでしょうか。パンチ

(もちろん、正常に成長している人は願望や妄想は持つことがあっても、実行にはうつさないのですが・・・)




ぴかぴか(新しい)対するバーバラ。

彼女が克明に綴るノートが、この映画の重要な要素のひとつなんですが、
「嬉しい日にノートに金の星のシールを貼る」
というところで、jesterは一番上に書いた知人を思い出して、鳥肌がたちました
バーバラに似てるんです、すごく。目つきとか、しゃべり方とか。

(とここでやっと前フリとつながりました・・・間が長すぎだよ、自分(汗))

(ちなみに、この映画の前売り券のおまけが「いいことがあったときに日記に貼る金の星のシール」だったんですよね・・・すごいセンスだ・・・・映画ちゃんと見たのか、スタッフ・・・)あせあせ(飛び散る汗)


それにしても、最初はバーバラの視点からのみ話が語られるので、彼女の異常さに観客が気がつくのは、中盤以降じわじわと、です。

一人で生きていくのは寂しくて、誰か寄りそって生きてくれる人が欲しくなり、パートナーを求める気持ちは、年を取っても人間の中には存在するとおもいます。

でも不幸にしてそういうパートナーを得られずに年とってしまったとき、または死に別れてしまったときなど、たいていの人は新たな相手を捜すのを年とともに諦めてしまうのかもしれません。

自分のエゴも強くなるし、また体力も気力も、人を引きよせる魅力すら次第に衰えていくのかもしれないし。
そして何とか孤独との付き合い方をおぼえて、自分をだましながら暮らしていく人もいるのかもしれない。
バーバラはそうではない、のですが。

もしかして男性が見たら、バーバラを気持ち悪いと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、バーバラを年輩の男性と置き換えたら、この話はどこにでも転がっている話ではありませんか。

若く美しい女性に、孤独な年輩の男性が引き寄せられるって、なんて「フーテンの寅さん」をはじめとして、「アメリカン・ビューティ」などなど、良くも悪くもよくある話です。

一般に女性でこういう話があまり聞かれないのは、男性に比べるとさほどエゴが強くないので、年取っても、仲良くなくても比較的簡単に群れることが出来るからなのかなあ。
群れるの好きな人多いしなあ。
子どもを生み育む性だから、強いって言うのもあるかも。(平均寿命長いし)


とにかく、バーバラは諦めていません。

それはまるで女子中学生のように、「親友の契り」を結んだら、「トイレも一緒ね」というほど親密に付き合う特別な相手が一人欲しいのです。
来年が定年、という歳になっても、です。

眺めのいいお気に入りの場所で、ベンチに座り込んで音楽を語りあい、何時間もおしゃべりし、恋の悩みも打ち明けあって、何でも分かりあい、自分の飼っているネコが死んだら、相手がどういう状況であろうとも、すぐにそばに来てもらって、ずっと一緒にいて慰めて欲しいのです。

とまあ、ここまでは単に寂しがり屋で依存心の強い人、ともいえるかもしれませんが、次第に、バーバラの求めるものは常識で言う『大人の友情』を大きく越えたものだと分かってきます。

幼い子どもが親や家族に求めるような関係。

本当は自分のことしか考えていない二人の弱い人間が、お互い相手にどっぷり寄りかかってやっと生きていく危うい相互依存。
(実は心の奥底で嫌悪しあっているかもしれないが、離れられず、表面上は仲の良い振りを続ける、というような・・・)

バーバラがシーバの手をとって、さするシーンがありましたが、性的な欲望を伴っているかどうかは分かりません。(映画の中ではそれを示唆するような視点のカメラワークがありましたが・・・)
でも独占欲は強く、普通なら異性に抱くような情緒の交換を求めているのは確か。

しかし・・・自分の中を見つめてみると、バーバラを簡単に否定できません。

いろいろなしがらみを背負った大人になったら、そんな関係は「相手に負担」「在り難い」「破綻は必至」と思いながらも、もし、万が一、ムーミンを書いたトーベ・ヤンソンのように、そんなことが出来たら、どんなに居心地がいいだろうとも思ってしまう自分がいます。
(・・・自分の中に残る幼児性を指摘されたような気がしました。そのみっともなさも含めて。)


ましてやバーバラの歳になるまで独身で、家族から離れて一人で暮らして、親密な人間関係に疎く成熟できないままプライド高く生活しているのなら、そういう関係を望んでしまう人もままいるかもしれない。

女性として、男性をひきつける魅力(=生殖能力?)はなくなってしまっていても、人間として、気の置けない同性の友人を持つことは出来るし、その友人と親密に寄りそって生きたいと願うことは、無謀とは思えません。

ただ、バーバラの場合は対象が美しい若い女性(=自分より弱い、自分が優位に立てる相手)に限られているようで、その辺から「異常性」が匂ってきます。
相手を束縛しようという欲求も強すぎる。
相手の弱みを握って「これで貸が作れた」なんて考え方も根本的に間違っている。(それじゃ友だちはできないよね・・・)

その上、所詮自分のことしか考えていないので、最後まで全然失敗から学ばないし・・・。


そして、後半では、その「異常」な探るような目つきや、執拗なストーカーまがいの行動が、シーバを追い詰めていく。


形は違うけれど、共に成長し切れてない、自己中な幼児性を抱えた二人の大人が、周りのものを巻き込んで繰り広げる悲劇が丁寧に語られていきます。


オスカーもとっていて演技力抜群の二人が、『生きていく孤独と、それゆえ普通の人でもちゃんと腰をすえていないと、いつか陥るかもしれない狂気と哀れ』を緊迫感を持って、見事に紡ぎだしていきます。

特にジュディ・デンチの演技は鬼気迫り、恐怖、そしてそれを通り越して哀れをさそうのでありました。
切ない胸のうちを黙して表現するのがうまい人です。



考え考え書いていたら、だらだらと文が長くなってしまい、短く編集する余力がないのでとりあえずこのままアップロードしますけれど、とにかくこの映画は、味わい深い、大人の楽しめる、重厚な作品でございました。黒ハート






posted by jester at 21:58| Comment(14) | TrackBack(5) | あ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月01日

鬼が来た! (鬼子来了)

2000年カンヌでグランプリを取った中国映画です。
ずいぶん前の映画ですから、もうご覧になった方のほうが多いと思います。
jesterは最近、この映画に出演している香川照之さんの書いた本を何冊か読んだので、見ることにしました。

onigakita.jpg受賞当時jesterは日本にいなかったので、カンヌの受賞が日本でどのぐらい話題になったのかよく知りません。
香川照之さんはじめ、日本人の俳優が何人か出ている映画ですが、舞台は太平洋戦争の頃の中国です。

ただの「反日映画」とか「反戦映画」ではないのですが、日本の人にどのぐらい受け入れられたでしょう。
気になるところです。


軍艦マーチが流れ、旭日旗がはためく第二次世界大戦末期の中国。
日本軍占領下の寒村に麻袋2つ。
中には捕虜の日本兵、花屋小三郎(香川照之)と、日本軍で通訳をしている中国人の、トン・ハンチェン(ユエン・ティン)がいれられていた。

鉄砲を突きつけられ、この麻袋を押し付けられた馬大三(チアン・ウェン/姜文=監督・主演)は困って村の長老たちと話し合う。その結果、村人達は男たちを生かしておくことにする。

この辺の話し合いからして面白いんですね〜
ブラックジョーク満載のコメディを見ているような、背中をくすぐられるような感じ。

香川照之演じる花屋小三郎は、捕虜になってしまった自分がふがいなくて、やけになって、
「早く殺せ〜〜!! おれは中国人を殺した!犯した!」とか気が狂ったように怒鳴り散らしているのですが、殺されたくない通訳のトンはこれを、
「私は何も悪いことはしてません〜〜ただの料理人です〜」なんて訳すのです。

「あいつらを罵ってやる!罵り言葉の一番悪いのを教えろ!」と花屋はトンに要求。
一生懸命におぼえて、馬大三に浴びせかける言葉は、実は
「お兄さん、お姉さん、明けましておめでとうございます!!」だったりして、花屋が必死に怒鳴れば怒鳴るほど、滑稽さが増すのでした。

とコミカルに(ちょっと調子に乗りすぎの感もあります)つづられながら、物語は展開。
花屋は優しく接してくれる馬大三に心を開いていきますが・・・・



戦地の生と死のハザマで、ただの人間が簡単に鬼になり、そして人間に戻り、また鬼になり・・・
戦争という究極の状態の中で、「人間という生き物」をシニカルな笑いとともにじっくりと描いていきます。


香川照之は本当に熱演で、鬼気迫ってます。
(これはあとで撮影時のことを書いた本、「中国魅録―「鬼が来た!」撮影日記」を読んでみて、その理由が分かりましたが・・・)
自我を破壊して演技するその迫力に圧倒されます。
狂気すら漂わせる目つきに、才能ある役者さんだな〜と思ってしまいます。


タイトルの「鬼」は、単純に『日本』を意味するだけでなく、それに引っ掛けて、戦争で引き出されてしまう人間の心の「鬼」であり、それは誰の心にもあるといいたいと思います。

この辺、言葉にすると安っぽくなりますが、映画ではとても骨太にこのテーマが語られています。

中国では上映禁止になり、チアン・ウェン(姜文)監督は仕事を干され、中国政府は他国での上映にまで抗議するという有様。
よその国のことながら、相変わらずつまらないことにこだわって表現の自由を抑圧する中国政府に怒りを覚えます。


それにしても、たとえばホロコーストの作品を見ていると「ドイツ人ってひどすぎ!」と嫌気が差すのですが、これを見ていても、いつの間にか馬大三に共感してみてしまうので、「日本人、ひどすぎ!」と思ってしまい、
「あ・・・自分たちだった・・・」とショックです。あせあせ(飛び散る汗)

昔中国にいたとき、南京大虐殺に関する映画を見に行こうとして、「映画館で日本人だってばれたらリンチにあうからやめな!」と止められました。
それでも映画館の入り口まで行ったのに、その時その映画を見なかったのは、その日から違う映画になっちゃってたから(調べてから行け!)なんですが、今はこの映画を中国で見る勇気もないかもしれません・・・(・・・中国語がわかんないって言うのがネックですが)


この作品を見たのはまず、日本映画について彼が書いた本、「日本魅録」を読んで、面白かったので、でした。

そしてDVDでこの映画「鬼が来た!」を見て、そのあと、「中国魅録―「鬼が来た!」撮影日記」を読みました。

これがと〜〜っても面白かったです!!
この映画を見た方には読むことをおすすめしちゃいます。
この表紙・・・・香川さん、怒鳴ってますよ〜

炎天下で合計3時間半も『気をつけ!』の姿勢で立たされたり、匍匐前進の訓練やらランニングやら、こんなつらい訓練していたのね〜とびっくりするやら呆れるやら。

こんな苦労をしたのか〜
最後はこんなに追い込まれていたのね〜
とため息つきながらも、異文化体験&カルチャーショックに香川さんが打ちのめされ、絶望し、孤戦奮闘する様子が赤裸々に告白されて、笑いながらぐいぐいと読まされてしまいます。(爆)

映画では「チンピラのお兄ちゃんみたい」と思ってみていた酒塚隊長を演じる澤田謙也が、実は異国でとても頼りになるいいやつだった、なんていうのも良くわかって面白いです。

中国魅録―「鬼が来た!」撮影日記」の感想については、jesterの別ブログ、ゆきてかえりしひびにアップしたので、良かったら読んでみてくださいませ。



posted by jester at 12:34| Comment(6) | TrackBack(2) | あ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月26日

Open Season(邦題;オープンシーズン)

NZでみた映画レビュー、第6弾、Open Season(邦題;オープンシーズン)!
これ、ソニーピクチャーズが作った初めての長編アニメなんですよね。

CGアニメはなんだかんだいって大体見てますね。最近日本では吹き替えばっかりになっちゃって、なかなか字幕でやってくれないのでかなしい。
ハッピー・フィートまでほとんど吹き替えなんだもん。


さて、この映画、人間に育てられたクマが、悪いことばっかりして森に話され、仲良くなった鹿とともに成長していく、というお話。

子どもむけのアニメですが、なぜか〜 出てくる動物が可愛くない。

もともとアメリカのぬいぐるみなどは「なぜこんな不細工な顔・・・」というのがいっぱいあるので、可愛さのポイントが違うのでしょうが、ウサギとかリスなんて怖すぎです。(爆)

ま、主人公のクマ、ブーグはかわいくて、お菓子屋さんに忍び込んで、お菓子食べて盛り上がるところなんか楽しかったデス。でも小さい子向けの映画なので、「みんなは真似しちゃだめよ〜 こういうことすると森に捨てられちゃうよ〜」というメッセージなんでしょうかね。

Open Seasonというのが「狩猟のオープンシーズン」であって、野生の動物vs狩猟者(人間)たち、という図式になっているのがなんとも皮肉。
その辺のストーリーは練が甘くて、大人は笑えるけど、ちょっとさめつつ見ておりました。

でも川を流れるシーンなどのCGはとても美しかったです。あれだけでみる価値あり、かな。


posted by jester at 08:31| Comment(0) | TrackBack(0) | あ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月22日

The Golden Compass 黄金の羅針盤

The Golden Compass (黄金の羅針盤)の画像がネットに出始めましたね。
こちらなど。ぜひみてください〜黒ハート

二コール・キッドマンのMarisa Coulterの美しいこと・怖いこと。ぴったりです!

そしてLord Asrielのダニエル・クレイグ!! んも〜〜かっこえ〜〜! 
一時ポール・ベタニー説が流れたとき、嬉しいながらも「え?Lord Asrielがベタニーってちょっとあわないかも・・・」と思ったのですが、ダニエルさんなら最終巻までぴったりだと思います。

そのほか魔女のSerafina Pekkalaをエヴァ・グリーンもはまりすぎです〜!

それにIorek Byrnison の兜とかalethiometerとかの小物もよだれ物!!

すごく楽しみになってきたわ〜揺れるハート


お話のほうは、もう一つのブログゆきてかえりしひびで原作についてお話してますので、よかったら覗いて見て下さい。
posted by jester at 15:49| Comment(8) | TrackBack(0) | あ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月20日

The Illusionist 

NZで見た映画第4弾。

これもとっくに日本では公開されたかしらと思っていましたが、まだみたいですね。
なかなかあちらでは評判良かったみたいなのですけれど。
コメント欄でもレビューのご要望が多かったので早速取り上げてみました。

th-6.jpg舞台は20世紀初頭のオーストリア。貧しい若者、アイゼンハイム (アーロン・ジョンソン君。結構美形です。成人してからはエドワード・ノートンが演じます)は仲良しで身分の高い家柄の少女ソフィーを相手にいつもマジックをみせていた。
しかし身分の違う二人は親の手によって引き裂かれ、アイゼンハイムはイリュージョニスト(手品師)としてウィーンに現れる。人気になった彼の舞台に皇太子レオポルトが現れ、その婚約者はなんとソフィーだった・・・・
とまあ、こんなちょっと『シックスセンス』っぽい雰囲気もあるオカルト・ミステリーな展開です。


ネタばれしちゃうとつまらないお話なんで、これ以上はいえませんけど、恋人を取り戻そうと、権力に向かって全力を振り絞り、ついには死んだものの霊を呼ぶイリュージョンを始めるアイゼンハイムを、エドワード・ノートンが乗りに乗った鬼気迫る演技で好演してます。

仕掛けがあるマジックなのか、本物の降霊会なのか・・・どきどきくらくらの展開。

でもって、「人に取られるなら殺したほうがまし!」というほど嫉妬深い皇太子が
ルーファス・シーウェル!!
あの大きなオメメでじっとりと演じてます。やっぱり『悪やってなんぼ』のルーファスですわ〜黒ハート
(いや、『トリスタン+イゾルデ』のマーク王は永遠の恋人の一人なんですけど・・・・)

そして、狂言回しの警察官Uhlにポール・ジアマッティ。なかなかはまり役で、ラストでいい味を出しています。


アイゼンハイムのイリュージョンは映画のCGに見慣れちゃった目には新鮮な喜びがないんですけど、展開自体が面白いので、充分楽しめます。


日本でも早く公開されるといいな〜♪
posted by jester at 10:52| Comment(14) | TrackBack(0) | あ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月16日

愛という名の疑惑 FINAL ANALYSIS

今週はなんだか結構忙しくて、映画館に行ってる暇がなかったのですけれど、うちではぽつぽつと最近届いたDVDの山をくずしてみてます。
MI;3とかダヴィンチ・コードとか、テレビで見るとまた味わいが違いますね〜(DDさんに「特典映像見るとトムクルのための映画というのがよく分かる」と教えてもらったので、MI;3の特典映像はパスしました!)(爆)

それから昔のB級映画も少しずつ見たり。

愛という名の疑惑
昨日見たのは「愛という名の疑惑 FINAL ANALYSIS」。
キム・ベイシンガーとユマ・サーマンがターミネーターみたいに怖い悪女を演じてます。

1992年とかなり古い映画なので、以下、ネタばれ満載でいっちゃいます〜



サンフランシスコにすんでる精神科医アイザックを、まだ若すぎて、味わいが薄いリチャード・ギアがやってます。(爆)

一時期すごく下品な顔になっていたと思うリチャード・ギアですけど、最近とてもいい顔になってきたな〜と思うのであります。
でもこの映画の頃は、「真面目な精神科医」には見えないおばかさがにじみ出るお顔。普段の生活が荒れてそうな感じがにじみ出てます。(あくまで当社比)

まあこういう人ならだまされるだろうなあ・・・という雰囲気なので、これはこれでいいのかな。パンチ

彼は製作総指揮も兼ねていて、うける娯楽サスペンスを作ろうと、一生懸命だったんでしょうね。
う〜〜ん、でも、いろいろ凝ったつもりなんだと思うんだけど、どうも空振りっぽいなあ・・・・


対するへザーを演じるキム・ベイシンガーなんですけど、とっても綺麗!
優雅で、華奢で、いたわってあげたくなって、しかもセクシー黒ハート
だけど一皮剥くと鬼〜〜!!!(爆)な女を上手に演じてます。

この人、もともとボンド・ガールで映画デビューして、「ナインハーフ」とか「LAコンフィデンシャル」とか、わりと、セクシー&妖艶路線をひた走ってきたけど、最近の「セルラー」はカッコよかったし、「ドア・イン・ザ・フロア」も綺麗だったし、繊細な中にも賢さが感じられて、jesterは結構好きです。
年取ったら、ジュディ・デンチみたいな存在感のある女優さんになりそう。(目が細めなところも似てるか?)

しかしね、「少量の酒でも酔っ払うと記憶が残らない病的な酩酊症」っていうのがねえ・・・あせあせ(飛び散る汗)
(まあ家族Aなんかもかなりこの症状がでてますけど・・・)
これを使ってトリックを考えようとしたところに、この脚本の穴があると思う。
すごくまれで面白い症状だから使ったのだと思うけれど、誰も理解してくれないような、こんなもんつかって自ら手を下すなら、自分ででも、人を使ってでも、もっとスマートに殺せるはずです、ここまで用意周到で賢い彼女なら。

しかもアイザックの巻き込み方も、かなり強引・・・
ダイアナ(ユマ演じる妹)が患者に成りすまし、本を読んだとおりの症状を言って・・・なんていうのも、かなり偶然に頼っていて、すぐに気がついたらどうするとかよ、全然気がつかなかったらどうするのだとか、小心者のjesterは気になってしまいます。


灯台のシーンに至っては、2時間もののテレビサスペンスみたいで、画面が綺麗でもないし、なんだかちゃちいし、笑えますです・・・


が・・・   が・・・!!

キムとユマが怖い!!!
かなりいっちゃってる演技で、凄みがあります。

綺麗な顔してても女って怖いんだぞ、おら!
と、迷える青年を脅かすには、かなり効果的な映画なんじゃないでしょうか。
あんなにおしとやかで弱々しい女性があんなに恐ろしく豹変するとは・・・・(爆)
一応同じ女性のjesterもびっくりですわ。あせあせ(飛び散る汗)


ヘザーの悪者の夫役を演じるエリック・ロバーツは筋肉気ムキムキですけど、J・ロバーツのお兄さんなんですね。いろいろスキャンダルでも有名な人。
そういわれてみれば顔が似てるかも。

posted by jester at 10:20| Comment(4) | TrackBack(0) | あ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月09日

Unknown アンノウン

早く見に行きたいな〜と思いつつ、渋谷シネクイントって前に見た半券を持っていくと1000円で見られるし、なんてけちなことを考えて、半券探し(・・・もちろん出てきませんでした・・・・)をしてたら、こないだコメント欄でマダムSが「もう終わっちゃいますよ〜」とノーティスしてくださったので、あわてて次の日、いってきました〜(素直が売り物)(つまり単純)

(jesterのジム熱を熟知してるマダムS様、感謝!!!)

面白かったです〜〜揺れるハート


T0004845.jpg ふと目覚めると、荒れ果てた工場に倒れている。
周りには怪我をしたり、死に掛けたリ、縛られた男たちが倒れている。

でもなぜ? 自分は誰? ここはどこ? そして誰が味方で誰が敵???
・・・・突然電話がなる!!


きゃ〜〜!!(単純jester、もう入り込んでますだ!!)


・・・とまあ、これ以上書くとネタばれなんですけど、その密室にいる全員が記憶喪失(または忘れてるふりなのかも??)という状態で、しかも誘拐事件らしい犯罪の匂い・・・
「誰も信じられない!! とくに自分!!

その中で主人公を演じるジム・カヴィーゼルハートたち(複数ハート)を中心に全員がなんとかこの密室から出ようとする・・・というサスペンスです。


昔「マスターマインド」っていうゲームで遊んだことがありますけど、あれとか、「刑事と泥棒」遊びに近い感覚。

こいつの顔だちは悪者っぽいけど、服装はどう見てもこいつが犯人かな・・・・(しかし全員着替えさせたのか、服装ではわからん〜〜) ・・・でもこいつが嘘をついてるとすると、こいつが犯人だし、でもあれが本当だとすると、ああしたのはなぜなの?
 
・・・・と眉間をぐるぐるコルク巻きにして考えながら、はらはらどきどき。


一癖も二癖もある役者ぞろいで、低予算映画なのに厚みがある〜〜!

ぴかぴか(新しい)ジムはどうしても悪者に見えないんだけど、それが罠なのか??
その澄んだ瞳の奥の影はなんなの?? くお〜〜!あせあせ(飛び散る汗)

ととっても悩みつつ、何故か〜 (以下3行だけ、かなりネタばれ発言なので反転文字です。未見の方はご注意ください!)見ている最中から、ジムとトニー・レオンが似てるような気がして仕方なかったjesterです。あのおどおどした目つき、なんだかインファナル・アフェアーズを連想して・・・


(ところで最近ジムの首の線が気になる〜〜 すこしぷよぷよ・・・ 首のフィットネスして欲しいjester@首フェチであります)


cast_sagyogi.jpgぴかぴか(新しい)それに対して、どう見ても悪役顔(爆)のバリー・ペッパーちゃん。(ちゃんづけするな〜)

目つきがね・・・鋭すぎでかたぎに見えんやんけ。一見やくざですけん。 
でもかっこいいので許す・・・というか、ハードなのにどこか弱さを感じさせる泣きそうな表情がうまいのよね。 
そのかわいげに、女心が揺れます〜〜(爆)パンチ


逃げなくては殺されるかもという極度の緊張感と、誰を信じて誰を疑えばいいのかという疑惑渦巻くなかで刻々と迫る時間・・・・

T0004845a.jpg

普通のサスペンスは「誰が犯人か」を考えればいいだけだけど、これは「そして誰が被害者なのか」もわからないし、自分は犯人なのか、被害者なのか(逃げたらいいのか、逃がしたらだめなのか)もわからないという2重の謎が新鮮でした!

緊張の中で「喜びの歌」の口笛がささやかな救い、なんていうのもしゃれてます。


85分と最近の映画にしては短いけど、無駄なシーンがなくてテンポがいいのが嬉しいです。
早送りしたくならない貴重な映画ですだ黒ハート
ラスト、どんでん返しがありますので気を抜かないで見たほうが良いです♪



ところでね、鑑賞した渋谷シネクイントなんですが・・・

予告編で「パラパラ」という踊りの映画をやってたんですね。
日本の素人みたいな役者たちが「パラパラ」という踊り(ほら、昔のたけのこ族みたいな踊りですだ)を踊る、という映画なんですけど。
そこで字幕。

ギャル、ギャルオ、ヤマンバ割り引きあり。

う〜〜むむ・・・
jester、ギャル割引は物言いがつきそうだけど、ヤマンバ割引ならある意味いけるかも???

なんか渋谷ならではの割引制度でございます。猫


posted by jester at 09:59| Comment(10) | TrackBack(4) | あ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月05日

Life as a House (「海辺の家」)

ユナイテッド・シネマ豊洲が、今日、10月5日オープンなんですけれど、オープン前日の昨日、「あなたが選ぶ夕日ムービー」という上映会ご招待に当選した友人のおこぼれに預かって、「海辺の家」を見てきました。
(Eさん、muchas gracias !! )

ちょうど今日から、ロード・オブ・ザ・リングスのSEEヴァージョンを500円で次々にやってくれるのです。
しかも「国内最大級の」スクリーンで!(「最大の」、といわないところが怪しいが)

というわけで、jesterはここの一番大きい10番スクリーンで、ひさしぶりにFellowship of the Ringを鑑賞しようと思っているのですけれど、ちょうどその下見もかねて、オープンに備えてまだ工事をしている劇場に出かけてまいりました。

映画館の感想はまた書きますが、ファシリティや場所はかなりポイント高いです。
銀座から近くて、海に沈む夕日が見えるバーがある映画館なんて、すごくおしゃれで、便利で、大人な時間が過ごせそう♪



さて、「Life as a House」ですけれど・・・・

海辺の家

4年前の公開時、空から見下ろす夕映えの中の岸壁の家の映像をトレーラーで見て、それだけで感動して見に行ったのですが、心に響くところはなくて、いまひとつでした。

それが何年か経ってみたら、なんか今回は結構泣けました。
映画は変わってないので、自分の見方が変わったのですね・・・



猫最初に見たときは、「確かにケヴィン・クラインの演技はうまかったし、家の映像はすばらしいけど、脚本がぼろぼろ・・・・」と思いました。

死を覚悟して何かを作り上げる、っていうのは黒澤監督の「生きる」などなど、普遍的で感動的なテーマですけれど、『海辺の家』は人間観察がなってない。

コメディ的要素を入れて軽くしたかったのだろうけれど、隣家の娘は男の子がシャワー浴びてると脱いで一緒に入っちゃうような子だし(こういうの、男の人は嬉しいんですかね。私が男だったら、どんなに可愛い子でもひいちゃいますけど)、その母にいたっては娘のボーイフレンドと寝ちゃうような、しかも携帯に「いつまで待たせるの!私はベットで待ってるのに!!」と電話してしまうような、リアリティのない、現実にいたとしても友達になりたくないような女性。

元妻だって、自分の身勝手で息子がぐれてしまったと自覚はあるくせに、また同じ過ちを繰り返して、今の夫や子供を不幸にしてしまっても、元夫によろめいちゃう・・・・

男性はいいとしても、女性が全然かけてないのです。


猫 それに大体、主人公のキャラクターが魅力的じゃない。

どんなにケヴィン・クラインが一生懸命演じても、いや一生懸命演じれば演じるほど、暴力的で破壊傾向があるわがままな男、というイメージがぬぐえない。
そんな男が死期が近いことを知ってがらっと変わり、建設的なことを通じて愛を理解するっていっても、そう簡単にうまく行きますかいなと思っちゃいました。

長年働いた会社で、嫌な上司をぶん殴って怒鳴りつけて、自分の作った建築模型を全部叩き壊して会社をでて、残された人生を行きたいように生きる・・・
隣の16歳の娘が昼寝中に忍び込んできて、優しくキスしてくれたりもするし、隣人は手を貸してくれて、作品といえる家を完成し、息子は愛に気づき父のあとを継ぎ、愛する女に看取られて静かに息を引き取る・・・・

多分『人生経験の浅い男性が考えた、理想とする死に方(生き方)』なんでしょうね〜なんて思いました。


そしてヘイデン・クリスチャンセンは「泣き顔が情けない感じの不良少年」を上手に演じたお人形さんみたいな少年、という感じをその時は受けました。
(いわゆる『イケメン』とかいうものだけでは燃えない、湿った薪のわたくしであります)

最後のほうで人が集まってきて家を一緒に建ててくれるところなんて、もう見てて恥ずかしくて、照れちゃいました・・・・

なんで海辺の夕日のうつくしさに酔うこともできず、損した気分で映画館を出たのでした。
あせあせ(飛び散る汗)

だったのですが・・・・・


犬 スターウォーズを経て、あらたにヘイデンに注目して見てみましたら、いい演技してるんですよ〜〜

こういうのがあったから、アナキン・スカイウォーカーという大役を射止めたのね。
アナキンの演技よりいいと思いました。(殴パンチ
アクション物より、じっくり性格を演じていくようなものの方が向いている感じです。
狂気を演じるのもうまそう。

この映画では、素直に「自己嫌悪になりながらも、どうしようもなくて、ぐれてる愛情不足の男の子」を演じてて、好感が持てました。

で、ヘイデン演じる息子を主人公としてこの映画をみると、がらっと印象が変わりました。
いままで納得がいかなかったようなシーンの中にも、隠れていたチョコチップみたいなおいしい部分を見つけることもできました。

脚本の甘い部分(観客をなめてると思われる部分)があらかじめ分かっているので、その辺は軽く脳内で変換して、見たい部分だけじっくり見ると、なかなか良かったですよ。(ほめてるつもりです)

息子の、16歳にしては未熟でなんでも人のせいにして甘ったれてるところはむかつくけど、まあこういう高校生はいると思えます。
自分だってそうだったし。←ほらね。

そしてその根本は「愛に飢えてる」っていうのもありがちだけど、現実にもよくある話。

傷つくのを恐れて臆病になりながらも、遅ればせながら注がれた父の愛を必死で吸収し、やっと正常な発達段階のステップを踏めるようになる・・

そんな姿が可愛かったです。

ヘイデンは薄い殻に閉じこもり、それを破りたくてもがきながらも自分ではどうしようもなくて、しくしく泣いているだけの情けない青二才を、演じきってました。
(ほんとにそういうやつなんじゃないかと誤解するほどです)
(多分4年前にみたときはそう思ったのだろう、自分)パンチ


そして、夕日の沈む海の美しさ、その黄金の光の中で愛するものと踊る歓び、労働の後で風に吹かれながら太陽の下で食べるランチの幸せ、幼い子供をハグするとき身体に沸き起こる愛情の渦、自分の手で物を作りあげる充実感、体を動かすことの確かさ、などなど・・・

おいしい部分だけをじっくり共感して味わうことができました。


う〜ん、同じ映画でもこんなに反応が変わるなんて・・・・
しばらく前にDVDで家のテレビで見たときはこんな風に感じなかったのにな・・・・


ま、万物流転す、ということでしょうか。(爆)

posted by jester at 10:37| Comment(10) | TrackBack(0) | あ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月31日

イルマーレ The lake house

001i.jpgサンドラ・ブロックとキアヌ・リーブスの「The lake house」(邦題:イルマーレ)を試写会で見てきました。

良かったです♪

実はこれが韓流の映画のリメイクだとは知らず・・・・

jesterは韓流は良く知りません。

テレビドラマも見てないし、映画で見たのは「私の頭の中の消しゴム」だけ。
(しかもこの映画はjester的にはだめでした・・・・)


そしてサンドラ・ブロックもキアヌ・リーブスもそれほど好きな俳優さんではないのです。(↑この写真はすごく綺麗で素敵ですけど!!)

だもんで、あまり期待せずにいったのですが、結構楽しめてしまったのです♪(やっぱり期待しないで見に行くというのが映画を楽しむコツかも・・・特にjesterみたいなひねくれもんは・・・・)

公開されたらつじつまを合わせるためにも、もう一回見たい。黒ハート


お話はラヴ・ファンタジーとでも申しましょうか。

お手紙を書くと2年前の人に届いてしまう・・・
それで2年前の人が行動すると現在が変化していく・・・・

うまく現在を変化させるには、過去でどう行動したらいいのか?


タイムトラベル物のお決まりパターンだな〜とおもいつつも、はらはらどうなるの??と最後まで引っ張ります。


001i2.jpg
湖の中に突き出して建っているガラス張りの家。
風景がめちゃくちゃ綺麗です。あんな家に住んでみたい〜ぴかぴか(新しい)

001i3.jpg
二人が手紙を書きあうビルのカフェから見る美しい夕焼けや、スケートリンクが見えるレストラン、シカゴのアンティークな建築物なども、とても素敵。ぴかぴか(新しい)


あったこともない恋人に夢中になるって、女性心理から考えるとありです。
なんしろ女性の恋愛はムード先行ですからね〜〜
特に現実逃避したくなってる30代の女性なら、とても共感できそう。

しかし男性が見るとどうなんでしょう。
ああいうシュチュエーションで、実態のない女性にあそこまでのめりこむことってあるのでしょうか?
jesterのゆがんだ男性観によりますと、ああいう男性はいないのではないかと思うのですが・・・・(爆)


喫茶店作品の中で、Jane Austenの「Persuasion」という本が大事な役割をしてました。
(この本とは表紙が違いますけれど・・・)
父からもらったぼろぼろの読み込まれたペイパーバック。
母親が「最近お父さんの本を読むの。お父さんも読んでいたと思うと一緒にいるみたいな気持ちがして・・・」とかいう台詞が素敵。
この本「待つこと」がテーマだそうですが、読んでみたくなりました。


むかっ(怒り)サンドラ・ブロックって綺麗だと思うのですけれど、アップで見るとなんだか「整形したニューハーフ」を連想してしまうのです。パンチ(殴

目がぐいっとに引っ込んで幅の広い眠たげな二重。あごは割れ気味、鼻すじはあくまで高く広くす〜〜っと通っていて・・・・
つまりそういう人に整形のお手本にされるような、それほどの美人さんということなんでしょうね〜

でも何故かjesterには人工的な顔に見えてしまうのダ。


むかっ(怒り)キアヌは『スピード』(これでもサンドラと共演してましたね)のとき「かっこいい〜!」と思ってはまったのですが、その後『雲の中の散歩』でこけました。

でもこの映画のぶっきらぼうな中年男アレックスは似合ってました。
キアヌ、年取ってよくなったかもしれない。
台詞も棒読みじゃないし。パンチ(殴
美形の俳優さんは、年取ると全然だめになっちゃう人が結構いますから、この変化は貴重ですね。


むかっ(怒り)父親役ではクリストファー・プラマーがいい味を出してます。
父子の断絶は深いのですが、アレックスが父の写真集をみるシーンではほろりとしました。

001 th-EbonMossBa_Grani_9018376_400.jpgむかっ(怒り)キアヌの弟役のEbon Moss-Bachrach、美形ではないですけれど、演技は上手だし、目つきが癖ありそうでちょっと良かったです。
あまり癖がありそうなので、実はもっと不良なのかとも思いましたが。
そうではなく、いい弟でした。



ぴかぴか(新しい)そしてめちゃくちゃ熱演だったのは犬のジョージ!!
あのほよほよの毛並みといい、まん丸真っ黒な瞳といい、女の子なのにすごい寝相(爆)といい、最高!!
ひたすら走る姿はキュートだし、首をかしげてクン?と見るお顔が可愛らしい♪
なんしろチェスの相手までしちゃうんですから・・・・犬

あんな犬、飼ってみたいです!

犬好きの方はジョージを見るためだけでも、価値ありの映画かもです!(違
posted by jester at 09:08| Comment(10) | TrackBack(19) | あ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月29日

エルヴィス Elvis

ジョナサン・リス・マイヤーズが2006年のゴールデングローブ賞で
Best Performance by an Actor in a Mini-Series or Motion Picture Made for Television(テレビミニシリーズ最優秀主演男優賞)を受けた「Elvis」を見ました。

もともとがテレビ用のドラマなので、劇場でやってくれないのが寂しい。
ま、3時間近くあるので、映画館での公開はかなり無理がありそうですけれど。


エルビス・プレスリーご本人についてはjesterはあまりよく知らないのです。写真や画像では見たことがありますが・・・

エルヴィス

でもジョナサン、エルビスにそっくりだと思いました。
特に歌っているときの横顔!! 
少しうつむいて目を閉じた、DVDのジャケットにもなっているこの横顔が絶品です〜揺れるハート


01.jpg正面から見るとジョナサンの顔はほっそりしているのでそれほど似ているとはいえないのですけれど、その辺はセクシーさと演技力でカバーしてます。

プレスリー本人は、赤ちゃんみたいな可愛い笑顔を見せるのだけれど、ジョナサンは笑ってもどこかダークなところがあるので、笑い顔はいまいち似てないかな。

本物の動きを知らないのでよく分かりませんが、動きがいつものジョナサンとはかなり違うので、その辺良くまねしているのではないかと推測できます。


『キング・オブ・ロックンロール』と呼ばれたプレスリー。
その最期が、孤独な謎に包まれたものだったことは知っていましたが、このDVDでは、彼のデビューする前の生活から始まります。

歌と踊り(?)もたっぷり。

貧しくて、母親を深く愛する少年プレスリーが、独特な歌い方とカリスマ性で、スターへの道を駆け上りますが、巨万の富を稼いでからは、新しい音楽に進みたい自分と、エージェント(マネージャー)やファンから求められる「プレスリー像」のギャップに悩んでいきます。

酒や薬に依存し、見知らぬ黒人の年取った女性に突然車を買ってあげたり、14歳の少女と付き合ったり・・・・

最終的にはお金や名声を得ても人間は幸せになれないという、全体的に暗い展開で、エルビスの焦りと孤独感が悲しく、その辺は見ていてちょっとつらかったです・・・・


あとね、音声はプレスリーのものを使っていたのですけれど、それがジョナサンの声とあわないし、微妙に口がずれてたりして、今はやりのエアボーカルみたいな違和感がありました。

jester的には全部ジョナサンの歌でやってほしかった。
それが無理だとしたら、なんとか映像を細工して、口はぴったり合わせて欲しかったな〜





posted by jester at 08:42| Comment(2) | TrackBack(0) | あ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月30日

ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ 

ひたすら可愛いグルミットちゃんにほれ込んで、前の作品からずっとDVD(VCDなども)持っているのですけれど、今回は劇場版でしかもレイフ・ファイアンズが声の役で出演、ということもあって、前売り券まで買って備えていたのは前に書きましたよね〜

IMGP0992.JPG
・・・ところが、白状しますと、この前売り券とダヴィンチコードの前売りをどこかへやってしまい・・・(しくしく)
家中捜しても結局出てこなくて・・・

悔しいので、レディスディを狙ってこそこそと見に行ったのでした。(爆)



「ウサギ回収マシーン“BV6000”」っていうのが笑えましたね〜
グルミットは可愛くてかっこいい!!
ウォレスが情けないのに、グルミットがいつも助けてくれるの♪

やけに鼻の穴のでかいウサギ&ウサギの化け物に対して、果敢に戦う賢いグルミットには惚れ惚れです。

お話は劇場版用にダイナミック(?)になってるし、大人でも充分楽しめてげらげら大笑い。

「ハウルの動く城」を押さえてアカデミー賞の長編アニメ賞も取たんですよね。(まあ今までもアカデミーはとってますけどね♪)
いまや世界のグルミットですわ〜

このシリーズで好きなのは、「鶏に変装してダイヤモンドを狙う悪いペンギン」が出てくるお話。
ペンギンの悪巧みで家出するグルミットに思わずもらい泣きでした。
友達にも薦めまくって布教していたところでした。


ところで、消えた前売り券ですが・・・2枚ともまだ出てこない。

付録にもらったグルミットのストラップも出てこない〜〜!!
(ダヴィンチコードのボールペンだけあるの・・・)

posted by jester at 11:51| Comment(2) | TrackBack(1) | あ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月19日

インサイド・マン(少しネタばれあるかも・・・)

でだし、チャイヤチャイヤチャイヤチャイヤ〜♪♪♪

と、インド映画の
「Dil se・・・・」のフィルミーミュージックがド〜〜ンとかかったので、jesterの頭の中ではシャールク・カーンが汽車の天井の上で踊りだしちゃって・・・・パンチ

え、え、これ、何の映画だっけ? 
すごく流行ってたよね〜〜(インドでは)
お祭りのとき、みんなこれで踊ってたっけね〜猫
なんて、軽くトリップしてしまいまして、映画に集中できないったら!


で、気を取り直して映像に集中。(汗)

クライブ・オーエンがアップでぶつぶつ語る画面をじ〜〜っとみて、『踊るシャールク・カーン』を頭の中から追い出しました。

(ちなみに、シャールク・カーンは、インドでは大人気の国民的俳優さんです。名を冠した香水もあるぐらい。
『Dil se・・・』は日本でも公開されたんですよ。あまり話題にはならなかったらしいけど。
でもって、jesterは彼としゃべって、2ショット写真を撮ったことがあります←この写真を「あたしのボーイフレンドよ」とインド人に見せると驚くので、いつも携帯していた時期がありました)


ぴかぴか(新しい)銀行強盗物としては異色のねたですね〜
どうやって逃げ出すのか、どうやって盗ったものを運び出すのか・・・・

この辺を追うだけでも充分楽しめます。


ただしテンポは少々遅いです。
こういう緊迫した展開のものだったら、会話なんかをもうちょっと整理したらあと20分ぐらい短くできて、すっきりしたかも・・・


それと本筋のサイドストーリーが説明不足で分かりにくいと思います。
表面では語られない思惑がいろいろ交差している映画です。

ネタばれしないで語るのは難しいけれど、事件のバックグラウンド、どうして犯人は情報を得たのか、なんで銀行のオーナーは弁護士をやとったのか、オーナーの真意はどこにあるのか、誰と誰がグルなのか、などなどが、最後のほうでほのめかしのように言われるだけで・・・

しかしあの字幕だけで内容を全部把握するのは不可能じゃないか・・・・と思ったのですが、どうでしょうか?
字幕つけた人(あのしとですだ・・・)がストーリーのからくりを分かってない気がしました・・・・



まあすべてがすっきりと分からなくても、強盗の手口なんかは面白いから、それでいいのかなあ。



ぴかぴか(新しい)しかし・・・・デンゼル・ワシントン、太りませんでしたか?
(お前に言われたくないろう)

なんか体の線からシャープなストイックさが消えてる気がしたのは、年のせいか・・・普段の生活がリッチになりすぎたのか・・・

今回の役は『シャープ』『ストイック』というより『世慣れ』『しぶとさ』『頭脳戦』みたいなものを求められていたからかもしれませんけど、ちょっと気になりました。

そして、これも字幕にはあまり反映されてませんでしたが、すごい『汚い』台詞が多かったですね。(訳せないか、あんなのは・・・)

でも笑えるものもあったけど、あまり好感がもてなかったな・・・
あんなに緊迫したシーンで、あんなにくだけたスラングでジョーク言ってもいいのかなあ・・・・

(しかもあの恋人はなんなんだ。「いつでもOKよ〜〜 カモ〜〜ン」みたいなあんな女が警官にいるのか?? う〜むむむ・・・)


ぴかぴか(新しい)その点、ジョディ・フォスターは相変わらずシャープな姉御であります。
しかし、無駄にシャープかも・・・・パンチ
彼女の鋭さとかが活かされてない気がしました・・・・
もっと何かあるのかと思ったけど、匂いだけで、実像がない。

それはウィレム・デフォーも同じ。あれほど癖のある役者さんを使っているのに、ちょっともったいない使い方でした。


クリストファー・プラマーおじさまは素敵でしたけど・・・

足元がよろよろしてるところは演技の中の演技なんでしょうね。
陰があって、何考えてるのかわからない、って言う感じがよく出ていた気がします。


スパイク・リー監督ということで期待してみたわりに・・・というのを差し引けば、良い出来かな。

しかし、もしかしてこの監督さん、女優の使い方下手か? なんて気がちょっとしました。女嫌いなのかも。
デンゼルの恋人、ラジオ放送の翻訳で出てくる外人役の女性、そしてジョディ・フォスター・・・・
そこに愛はないなあ。(欲望とあざけりは見えたけど)
そういう視点で「マルコムX」「25時」「10ミニッツ・オールダー」など、手元にあるDVDを見直してみようかな、と思ってます。




しかし・・・・・・・・・

ネタばれだけど一言言わせて欲しい・・・・・
(未見の方、以下ご注意!!)



掃除する人は絶対気がついたはずだと思うけど・・・・。
家の広さを実感する時って、掃除するときだもん・・・・。
posted by jester at 14:35| Comment(9) | TrackBack(5) | あ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月10日

アイ アム デビッド  I am David

ジム・カヴィーゼルが「パッション」の主役を射止めたのはこの「I am David」での演技があったから、という前知識だけでDVDを見てみました。

アイ・アム・デビッド
少年のロードムービーでホンワカしてるのかな、と思っていたら、しょっぱなの強制収容所のシーンで
「あ、これってホロコーストものだったのね」とビックリ。

でもみているうちに「after the War」なんて単語が出てくるし、やけに途中通る国の街が平和なんで、???

と、最後まで腑に落ちなかったけれど、あとで解説を読んでみて舞台は1950年代のブルガリアの政治犯の強制収容所の話だと分かりました。


ジムは思ったほどたくさんは出てきませんが、彼が演じるヨハン、政治犯の青年で、少年を励まし、彼を守るためにその身をささげる、という役どころがぴったりすぎ!

やつれ汚れてもなお知性を感じさせる哲学的風貌と、絶望の中でも常に前向きなひたむきさが胸を刺します。ハートたち(複数ハート)

↓右下のポスターでは、Davidよりヨハンのほうが大きく写っていて、主役に近いのかと思いましたが、もうちょっと収容所のシーンとか、いろいろエピソードが欲しかった。(・・・単にジムをもっといっぱいみたかっただけという説もありですがパンチ

しかし、そのヨハンに対して、看守が、パッションで総督ピラトをやったHristo Naumov Shopovさんだったのがおかしかったです。
同じような関係ですよね〜


さて、ストーリーは、収容所を脱出したDavidがつらい旅を続けながら、凍りつき閉ざされた心を、次第に人に開いていく、という感動的なお話。
イタリア、スイス、とヨーロッパでも風光明媚なところをさすらうDavid。
音楽も静かで、一面のひまわり畑や紺碧の海、日差しの強いイタリアの町並みや、スイスの可愛らしい本屋さんなど、美しい風景にぴったりで心が和みますです。


でもですね〜〜 どこでも英語が通じてしまうのが・・・・・あせあせ(飛び散る汗)
jesterには完全に違和感ありでした・・・・。猫

「収容所にいたので、いろんな言語を知っているから、気をつけて聞けば意味が分かる」とかなんとか説明がついてましたけど・・・
 

イタリアなんて、全然英語通じないですよね。
ローマやミラノのホテルのフロントならまだしも、南のほうの田舎町のパン屋のおじさんとかワイン農家のおばあさんが英語がしゃべれるわけないと思う・・・

もしDavidがイタリア語がしゃべれてるという想定で、登場人物に英語をしゃべらせてるなら、さらに違和感がつのります・・・

ロードムービーで、ヨーロッパで国境を越える流れなら、言葉の障壁をどうこなしたか、ってかなり重要なポイントだと思うんですよ。

その辺の違和感が、リアルさを殺いでしまって、しらけてしまうところを、ジムやジョーン・プロウライトなどの重厚な脇役がかろうじて助けている、というかんじでしょうか。


まあ、言葉の問題を抜かしても、突っ込みどころはいくつかあり、ドキュメントのようなリアルさはないですね。
でも、「少年の成長の旅」という普遍的テーマを描いた映画としては、秀作にはいるんじゃないかと思いました。
謎の人物も出てきて、最後まで引っ張る力はあるし。


しかし・・・・
「デビッド」っていうのやめてくれよ、な邦題ですけど・・・・たらーっ(汗)
(せめて「デヴィッド」にして欲しい・・・)

posted by jester at 10:49| Comment(2) | TrackBack(0) | あ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月04日

オーロラの彼方に FREQUENCY

ジム・カヴィーゼル祭り第三弾は、ダサダサの邦題で1万人は観客が減っただろう??の「オーロラの彼方に」であります。
(FREQUENCY(周波数)のほうが断然かっこいいのにねえ・・・・)


この映画もjester飛行機の中で見たんでした。
前の席の背もたれにくっついてるA5版サイズの小さい画面&字幕なしで見たわけですが、かなり面白かったな〜と思った覚えがありました。


こういうタイムトラベルものによくある『理論上の無理』を突っ込むのはもうやめて考えると、 アメリカの空にオーロラがかかった夜、30年前の父とハム無線が通じる。それは消防士の父が死ぬ前日だった・・・ っていうアイディア、すごく素敵じゃないですか?

そりゃあ、父親だと分かった途端、「とうさん!! 明日、火事の現場で、女の子を救出して脱出するとき、逆の方向に行くんだ!!」と叫びたくなりますよね〜〜

オーロラの彼方へ
オーロラの彼方へ


でもそれで過去を変えたために、現在がどんどん変わってしまう・・・・というのはこういう映画のお約束であります。


traffic_f_dennis.jpgしかもその父親の消防士をやるのが、よき父、よき夫役ではこの人しかないでしょうという、デニス・クエイド。

Day after tomorrowでの、がむしゃらに雪原を進むお父さんでもかっこよかったし。
(全然関係ありませんが、この人、「インデペンデンス・デイ」のランディ・クエイドの弟なんですよね〜)

消防士ってなんてかっこいい、男らしい仕事なんだろうって惚れ惚れしました。

私生活では結構派手にくっついたり離れたりしてますけど、映画で見る限り、この人なら命をかけて家族を守ってくれるお父さんだし、可愛い夫であるだろうと信じてしまいますわ黒ハート


30年前と現在で、同じ犯人を追いながら、父と子が命を狙われ・・・という後半は、はらはらどきどきのサスペンス。
「ぎゃあ〜〜、どうしたらいいのさ!」と画面を見つめて手に汗握る展開になります。
父と子のふれあいシーンが心温まるし、はらはらして最後にはホンワカできるし、家族で楽しめる良作だとおもいます。


それと30年経った後のふけメイクがすごい。
う〜〜ん、ここにしわを寄せて、ここをたるませて、こうすると、こんなに年取るのか・・・・
しかし、メイクでこれほど人間をふけさせられるなら、若返りもできるはず! 
ぜひやってみたいと思ってしまいました。パンチ


ジムは「どおしてこのしと、こんなにまつげが長いの〜〜」というショット満載で頑張ってます。
彼独特の虚脱感というか、むなしさみたいのもにじみ出てます。

しかし何でこんなに虚脱してるの? 6歳でお父さんが死んじゃったからでもないだろうし・・・・ という現在のジムの役どころへの説明が足りないかも。
まあ、毎日の生活に疲れてしまっている、というところなんでしょうけれど。

それに、いつでもハイテンションで元気な「少年deおじさん」デニス・クエイドのがっしりしたあごとと交互にうつされて、比べると、その息子とは思えないあごの華奢さが目立ってしまい、ジム独特の持ち味が生かされてる感じは、残念ながらあまりないかもしれないですね。



ところで、DVDには特典映像があって、その中で、ジムが

「バーで犯人としゃべるシーンは、実はこの映画のオーデションで演じたシーンなんだけど、自分の父が危ないと思いつめて、感情を盛り上げたんだ。それでこの映画に出られたわけなんだけど」

なんていってました。
それを聞いてからもう一回このシーンを見てみたのですが、この人、感情を込めようという演技では、瞳孔が開きっぱなしの無表情になるんですね。
それで、そのでっかい瞳から、隠してる感情が少しずつこぼれるという・・・・

そういえば、「THE THIN RED LINE」でやられたのも、彼の無表情な顔からこぼれ出る悲しみだったなあ・・・・と再確認したjesterでした。


ちなみに特典映像には『「オーロラの彼方へ」の科学的背景』なんていうのもあって、オーロラが出たらコロナが何とかで、だから高周波がなんとか、とか必死で言ってますけど・・・・

しかしこういう話を科学的に証明しようなんてもくろみは、考える前から破綻してる(?)のでやめたほうがいいのでは・・・と思ったjesterでありました。猫

posted by jester at 09:23| Comment(4) | TrackBack(0) | あ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月01日

エンジェル・アイズ(少々ネタばれあります)

Jim_Caviezel.jpg
ジム・カヴィーゼル祭り、続行中です。


『エンジェル・アイズ』は日本でもアメリカでもそれほど話題にならなかった映画ですが、公開当時、jesterは結構好きでした。

立ち直れないほどの心の痛みを背負ったものが、どう癒され、立ち上がってまた歩き出すのか、という過程を追った映画って、結構好きです。

今回見直してみましたが、

「う〜〜ん、家をお片づけしたくなる映画だ・・・」

あ、これ、ほめ言葉ですだ!

なんか、見終わったあと、静かに家の中を見回して、脱ぎ捨てられた洋服だの、テーブルの上の汚れ物なんかを、ゆったり片付けたくなるんです・・・



心に傷を負った男と、少女の頃から抱える想いに押しつぶされそうになっている女の出会い・・・

喪失感や、疎外感を持つものが、どう係わり合い、それを克服してゆくかをじっくり描いています。
全体に静かな印象の映画なんですけど、それなりに動きのあるシーンもあって、最後まで飽きずに見られます。



ヒゲぼさぼさで、長いコートを着て、ふらふら街を歩き回ってる、ジム・カヴィーゼルが・・・ハートたち(複数ハート)
この危うさとうらぶれ方が、いいんですだ・・・・あせあせ(飛び散る汗)
(いや、jesterがこう思えるのも、「THE THIN RED LINE」を見たあとだからなのかもですけどね・・・)


「小さな親切(=余計なお世話?)」をところどころでしながら、でも人とはかかわらずに・・・・。
ただただ街を歩く謎の男、キャッチ。
ジャズの生演奏を聴いて、ふらふらと舞台にあがり、トランペットでブルースを吹いちゃうところなんか、まるで「ピアノマン」です。
(しかし指が音程にあってない気がしたのですが・・・・)

こういう陰を秘めた役って、たとえばピーター・サースガードなんかが演じると、やたらと湿っぽい目つきになるのではないかと予想してしまうjesterでありますが(爆)、ジムがやると、湿っぽくならないんですよ・・・

これは単に「目を細めない」という意味ではなく(ほんとか自分??)あせあせ(飛び散る汗)

ジムの、あまり強く感情移入しないでぽか〜〜んと見開かれている青い目が、自分を失うほどの感情をうまくあらわしてるな〜と思いました。
(あまり目に力を入れすぎると、『篠田三郎』になってしまう危険性のある髪型ですし・・・・)


哀しいという感情を通り過ぎてしまった重すぎる喪失感。
生きている実感がない、ただ息をしているだけの身のむなしさ。
それがあの透き通った目からあふれ出てるんですね〜

(だから、といってはなんですが、お墓の前でながながしゃべらせなくてもいいのでは・・・と思ったjesterです。)


何もなかった部屋が、シャロンとかかわるにつれて、少しずつ物が増えて、Homeらしくなっていくところもよかった。

(なんか和風なんですよね、これが。障子とか布団らしきものもあったりして。和紙が張ってあるスタンドなんか、今日東急ハンズにいったら、同じものを売ってましたもん(爆))

エンジェル・アイズ
しかしジムも良かったけど、ビックリしたのは、ジェニファー・ロペス。

結構はまり役なのでは。

心に癒されぬ思いを抱きながら、マッチョで短気な、正義感あふれる警察官、シャロン。

自分より図体の大きな悪者もバシバシぶん殴って、かっこよかったです!


他の映画をみたときも綺麗だな、と思ったけど、この映画では「うまいな〜」と思いました。
ダイアン・レインに似てないですか? ととりあえず言ってみます。

(でもブロンドは似合わないけど・・・・)


大体、父と娘の葛藤ものってjesterは感情移入しちゃうんですよ。

最後、シャロンのカメラの前の台詞に泣きました。

弱者に対する父の暴力はどうしても許せないけれど、でも愛された記憶もあって、愛したいし、愛されたいし・・・
そのハザマで揺れてしまう心。

父親と和解できない限り、男性に心を許せない。
どんなに優しい男でも、そのうち父のようになるかもしれないから・・・

そして、「Then I realized that ... it doesn't have to be perfect」という彼女の到達した気持ち。うんうん。
でも「It's not fair」という気持ち。うんうんうん!

うわ〜〜ん・・・・爆泣き。たらーっ(汗)


映画の中では父と娘は許しあっていませんが、きっといつか、手を取り合って語り合える日が来ると思ってしまうjesterです。
お父さん、階段降りかけてたもん。


そういえば、「クラッシュ」を見たとき、演出家役のテレンス・ダッション・ハワード、どこかで見たな〜とおもったら、この映画に結構重要な役で出ておりました。
シャロンの同僚の役ですが、ここでも優男であります。



あ、そうだ、ヴィゴの「オーヴァー・ザ・ムーン」をみた人は思わずどきどきしちゃう山の中の滝壷とびこみ(違)シーンがあります。

jesterも飛び込みた〜〜い!
飛び込むだけでいい。それ以上は望みません。(信じて)
ただ、高いところから、綺麗なお水の中に・・・・どっぶ〜〜ん!!
気持ちよさそ〜〜
(一緒に飛び込む相手はヴィゴでもジムでもいいから〜〜〜パンチ(殴)
posted by jester at 18:24| Comment(2) | TrackBack(0) | あ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月19日

陰陽師

ナルニアとA History of Violence にどっぷりつかってるはずのjesterがなぜ今頃「陰陽師」?? と思われるかもしれません。

陰陽師

もともと邦画はあまり見ないし、ホラーは天敵なんですけど、実は、来週半ばに京都に家族Bといくことにしてまして、で、そのテーマがなぜか「安倍晴明」なんですよ。 
なんしろ、泊まるのが、元晴明宅跡地に建った、ブライトンホテル。
御所の丑寅ですよ!


で、その予習(?)にDVDを借りてきました。

陰陽師って、テレビシリーズもあったのですかね?(実はよく知らない)
jesterが借りたのは(多分)映画のほうです。
野村萬斎さんと真田広之さんが出ているもの。

もともとjesterの陰陽師は岡野玲子さんの漫画。
陰陽師 (13)
を昔、友人に借りたことから始まってます。

で、その頃は途中までしか読んでなかったので、最近気になって、買い求めてボツボツ読み返してました。(いつもながらのろいヤツ)

この岡野さん描くところの安倍晴明に、野村萬斎さん、似てます。

萬斎さんは、下あごを突き出すとコロッケ(ぎゃ〜〜ファンの方ごめんなさい!)にも似てますけど、やっぱり芸の道を究めてますから、発声とかが堂にいっていて、安心してみてられます。

真田さんもすごい迫力。
気がふれたような笑い声といい、汚れた端正なお顔といい、完全にいっちゃってます。
いい役者だなあ・・・・

まあ、ストーリーとかは置いといて、パンチ この二人の役者さんたちを見るだけでもかなり楽しめます。
(源博雅は少々迫力不足ですけどあせあせ(飛び散る汗)



でもね・・・・ま、問題も・・・・
 
CGが・・・・・・たらーっ(汗)たらーっ(汗)


指輪やナルニアにすっかり馴染んでいると、日本のCGにはほんとに笑えちゃいます。

あの、どう考えてもぬいぐるみの鳥だけでも何とかならないんだろうか・・・・・
かなり重要な役なのになあ・・・・

真田さんがものすごく怖く演技してても、あの鳥が「かあ〜」って鳴くだけで、もういっぺんにどっちらけなんですが・・・・

posted by jester at 09:34| Comment(4) | TrackBack(0) | あ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月25日

『いぬのえいが』

jesterは小さいときから猫と暮らしてきましたが、犬は飼ったことがありません。
大きい犬はちょっと怖いデス。

代官山の名物犬「白さん」(近寄る人の帽子やマフラーを強引に採取するのが趣味の犬)にはロンドンで買ったバーバリの手袋取られたし。犬


『いぬのえいが』が公開されたとき、犬が大好きなお友達が絶賛してらして、日本映画はあまりみないjesterもそんじゃあ見に行こうかな〜 と思っていたけれど、あっという間に終わってしまいいけませんでした。

そこで、
DVDでみました。


最初「ポチ」のエピソードも、柴犬のひたむきな目つきにじ〜んとしてみてたんだけど、終わったのかな〜と思ったら始まった、付録みたいな「マリモ」はね・・・・

爆泣き・・・・たらーっ(汗)

途中から、これって違反だよな〜・・・・とおもいつつ、マリモの言葉が入る頃にはもうぼやけて画面が見えませんでした・・・・ アンドレ・ギャニオンのピアノがまたひたひたと心にしみて・・・・
家族Bとともに、しくしくしくしく、たらーっ(汗)(涙たらーっ(汗)(涙でした。


ペットロスの痛み、何回も味わってます。
愛したペットは家族同然なんですよね。

昨日銀座に出かけたのですが、それは、海外にいたとき動物愛護教会から引き取ってjesterが飼っていた猫を、その後、預かってくれていた人に会うためでした。
思いがけず猫の飼えないような別の国に引っ越すことになったときに、預けたのです。

日本に帰ったら引き取ろうと思っていたのですが、今回、猫のことを中心に考えながらいろいろ話し合った結果、私が引き取るのはやめて、その方に差し上げる、ということになりました。
もう8年も離れて暮らしている猫ですが、心はいつも一緒でした。
幸せに暮らしてくれるとうれしいです。


核家族の子供たちもぜひペットを飼って欲しい。
寂しい子供たちに、一緒にひたむきに育つ、守るべき愛すべき友達をそばにおいてあげて欲しいデス。
犬や猫に慕われ、愛して愛されて育った子供は(大人も)心が荒れることがないのではないのかしら。


大学の頃に飼った、猫のサンタは、生まれたときからずっと私の部屋を自分の部屋と思っていたし、寝起きもともにしてて、たくさん飼った猫の中で一番気があった猫でした。

晴れた日に2階のベランダで、
「彼の澄んだ瞳が見つめるのはなんなんだろう」って、
いつもサンタの横で視線を追っていました。


けれど、私が結婚して実家を出てしまった後に、ひっそりと死んでしまいました。
最後、具合が悪いと聞いて駆けつけたときは冷たくなっていました。

あの時、自分が悲しいばかりで、サンタの声は聞こえなかったけれど、もしかして今でも耳をすませたら、『マリモ』の独白のようなサンタの声が聞こえるかな、なんて思ってしまったjesterでした。


また猫、飼いたいな。
posted by jester at 20:59| Comment(2) | TrackBack(0) | あ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月09日

ヴェニスの商人 その2です(ネタばれあります)

はあはあ、ヴェニスの商人の続きです・・・・

この映画、公開されたばかりですが、原作がかなり有名ですから、ネタばれのお話を早くも載せています。
もしまだ映画未見の方が読まれるようでしたら、ご注意くださいませ。


さて、『キャスト編』!です・・・いや大文字にするほどのことではありませんが。

でも豪華なキャストでありました。


まずアル・パチーノ・・・・やっぱりすごいこの人。

金貸し以外の職業に就けない法律の下で、さげすまれ、つばを吐きかけながら耐えるユダヤ人。
娘を愛し、守ろうとしながら裏切られるおろかな老親。
最後に意地になって自分を虐げるキリスト教徒に一矢を報いんとする男。
この人なしにはこの映画は成功しなかったと思われます。

He hath disgraced me,
and hindered me half a million,
laughed at my losses,
mocked at my gains,
scorned my nation,
thwarted my bargains,
cooled my friends,
heated mine enemies;

and what's his reason?   

I am a Jew.
  
ううう、シャイロックのこんな台詞、アル・パチーノがいうと泣けます!
(このシーン、トレーラーで見られます。こちら。   日本語字幕つきの違うヴァージョンで裁判シーンのネタばれありのはこちらです。

実はjesterは最近ひそかに「一人ジェレミー・アイアンズ祭り」も開催してて、この映画の秘めたる目的はジェレミー・アイアンズだったのですけれど、アル・パチーノには圧倒されっぱなしでした。
(「一人ジェレミー・アイアンズ祭り」についてはぽつぽつとそのうちアップします・・・・)



そして、そのジェレミー・アイアンズなんですけど・・・・



「いつバッサーニオに襲いかかるんだ」 



ってなぜかはらはらしてるjester・・・・・。あせあせ(飛び散る汗)(ファンの方、ごめんなさい!!)

ジェレミー・アイアンズが実生活でゲイかどうか知らないんですが、『永遠のマリアカラス』なんかをみてから、どうも彼が男の人を見る目には欲望を感じてしまうあほjesterです。

だって、マリアカラス見るつもりなのに、しょっぱなからうるさい音楽に乗って飛行機から降りてきたジェレミーが若い男の子をナンパ、っていうのがショックだったんですもん。「え、これ、何の映画よ???」でした。
そんで、映画が気に入って、繰り返し見てるうちに、そのイメージが固定化してしまいました・・・・

だから、最初、お金の相談をしてて、バッサーニオがアントーニオと二人っきりの部屋でベットに横たわるところでは、



「あ、借金の代金を体で払うのか」


 
と素直に思ってしまったわたくし。パンチ(殴パンチ(殴パンチ(殴
(だって、なななな、なぜそこにベットが・・・・その上、なぜそこで横たわる???)

公式サイトのインタビューでジェレミーは

「アントーニオは、自分が若い男たちに囲まれているとき、とても幸福に感じていることを知っていると思う。とくに、自分がこうありたいと望むすべてを兼ね備えているバッサーニオと一緒にいるときは。アントーニオとバッサーニオの間には、ある種の奇妙な父子的な関係があるんだ」

なんていってますけど・・・・  
ほんとに『父子的な関係』なのか? そうなのか? 正直に言ってくれ、アントーニオ!パンチ(殴

1000367_03.jpg
 
胸をはだけられて、椅子に縛り付けられ、もだえ、苦悩しながらバッサーニオの手にKissするところなんか、すごくありませんでした??


もう色っぽくて、薔薇の花が散って、万感の思いがこもっているように見えました・・・・
(きゃあああ、ファンの人、ごめんなさい。わたし、ジェレミー・アイアンズ好きなんですけど、目が腐れてます・・・)



そして映画を見ていて、新たなる発見! 
最近のjesterが一人レイフ・ファイアンズ祭りを開催してたのは以前の記事を読んでいただければ分かるんですが、

バッサーニオをやった人、レイフに似てる・・・・

この人誰だっけ・・・・。 
えと、「恋に落ちたシェークスピア」の人だよね・・・・

Joseph Fiennes・・・・ファイアンズ????

確認したら、レイフ・ファイアンズの弟でした〜!  
しらなかったっす! パンチ(殴
(無知なjesterです、笑ってください)

う〜〜ん、なかなかいいぞ・・・ 髪型は気に入らなかったけど・・・
お兄ちゃんが気になってると、弟まで自然に射程範囲に入るらしい。(爆)


ポーシャ役のリン・コリンズは最初「眉毛ないジャン」と思ったけれど、とってもきれいでした。ケイト・ブランシェットを連想させる人デス。

シェイクスピアがぴったり、と思っていたら、テキサス出身なんですね! ぜんぜん南部なまりなんか感じませんでした〜
これからが楽しみ。
新作でまたジェレミー・アイアンズと共演するらしいですね。


それと、Hidalgoでうらやましい役を  しやがった してくれたズレイカ・ロビンソンも、シャイロックの娘役で熱演。
最後は捨てた親をおもって海を見つめる彼女のアップでエンドタイトルでした。
トルコ石の指輪(素敵なデザインでした)、お猿さんと替えたっていうのは、単なる噂だったのですね。たらーっ(汗)


まあ、ストレート・プレイの緊迫感というか、生のみたいのがない分、冷静に見られるので、この展開で、シャイロックを受難者としてみるのは、ちょっと無理があるのかもな、と今回思ったのです。

原作の台詞を全部残そうとすると、コミカルなシーンがシャイロックの苦悩とかみ合わないという気がしました。
シャイロックの解釈をああいう風に変えて撮るなら、もしかして脚本段階でもうちょっとカットしていい台詞があったかもしれません。


それと、『指輪』に関して、ポーシャたち意地悪すぎませんか?
責めるときの顔が怖すぎ!

あのへん、劇場で見ていると遠目だし、さらっと笑えるんだけど、映画の大画面で責められておろおろしてるバッサーニオのアップを見てたらかわいそうになったデス。

「Why, I were best to cut my left hand off and swear I lost the ring defending it. 」おろおろおろおろ・・・・・(かわいそうだよ、そこまで言わせたら!)

うちの家族Aにああいうジョークをしたら、絶対怒りくるってますよ。あせあせ(飛び散る汗)

アントーニオが「僕の愛するバッサーニオをコケにするなあ」ってポーシャに怒らないか、はらはらしちゃった。(それはjesterだけです〜パンチ


が、それにしても、ヴェニスの街でヴェニスの商人を演じてるって、すごいことでした! 
2時間10分と長い映画なんですが、まったく長さを感じさせない素晴らしさ。

お勧めの☆☆☆☆でございます。


aisyou
ちなみにjesterがみた、新宿のテアトルタイムズスクエアでは、衣装展もやってました。

これがバッサーニオの逆玉・婿入り衣装です。
もうとってもきらきら王子さまファッション。
写ってないけど、白いブーツまで力が入ってます!


posted by jester at 10:04| Comment(10) | TrackBack(1) | あ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月08日

ヴェニスの商人 その1

1000367_02.jpg 
ヴェニスの商人というと思い出すのは浅利慶太さんが演出した、日下武史さんのシャイロックです。
舞台の真ん中にひざまずいた日下シャイロックが判決に「なぜ・・・・・」と腕を広げると、そこにスポットライト。

日下さんの頬を伝う一筋の涙・・・・・

浅利慶太氏の「私には、どうしてもシャイロックが悪者に思えない」という言葉。
受難者としてのシャイロック。

ショックを受け、感激しました・・・・・

それまでの、ヴェニスの商人はどんでん返しの面白おかしい劇、シャイロックは醜くて背を曲げた悪役、という概念を根底から覆され、シャイロック側からの視点、ものすごく感情移入しました。

あの劇を見てから、何年経ったでしょう?


今回の映画化は、jesterのAlways Best Movieのひとつ、『イル・ポスティーノ』のマイケル・ラドフォードが監督だし、アル・パチーノがシャイロック。
その上ジェレミー・アイアンズがアントーニオということで、かなり期待してみたのです。


まず最初のシーンでやられました・・・・・。


真っ暗な画面に白い文字。そのバックに チャプチャプチャプ・・・・  と静かな波音が聞こえるのです。
もう一気に心はワープ。
venis.jpg 

 
Ciao! Venezia! !



舞台劇でみるのでなく、実写で見るということは、ヴェニスの商人が本当に「ヴェニス」で暮らしているのを見られるって事なんですよね〜

まさにこれが実写映画の醍醐味!

マイケル・ラドフォードは脚本を書くとき、ヴェニスに移り住んで書いたらしいけれど、あのリアリティはさもありなんという感じです。
監督の愛情を感じました。

愛だよな、やっぱり・・・


しかも、古楽器の哀愁を帯びた、ちょっとオリエンタルな音楽の素晴らしいこと!


大げさすぎず、しかし盛り上げるところはしっかり盛り上げて、たっぷり音楽を使ってます。
そして、それだけでなく、鳥の声、水音など自然音も効果的に使い、音響が秀逸です。

台詞は多少の変化はあるにしろ、シェークスピアの美しい英語がきちんと踏襲されていて、耳に心地よかったです。

そういえば、昔、英語劇で、ポーシャの役をやったことがあるのを思い出しました。(爆)「mercy」って単語の発音が難しかったなあ〜〜


そして、セピアがかった画像に、16世紀のヴェニスの町が美しくよみがえります。

ヴェニスって現実にも不思議な町なんですよ。
普通観光地って、歩いていると「セットからでちゃったな」みたいに現代のリアリティに引き戻されちゃうけれど、ヴェニスは歩いても歩いても『ヴェニス』なの。

水路と石造りの家と小さな広場、階段、教会・・・・
しかも何世紀も前のヴェニスのまま! 

家族Bと2人で夏中イタリアをふらふらスケッチ旅行したことがあるんですが、ヴェニスでは私が熱を出して1週間ぐらい寝込んじゃって、まだ小学生だった家族Bが必死に看病してくれたんですよね。

適当にネットで予約してたサンマルコの近くの安ホテルが最悪で、フロントに怒鳴り込んで部屋を替えさせたのもヴェニス。
そのホテルで家族Bが朝ごはんのパンをくすねて、毎朝サンマルコ広場で鳩に餌付けしてたのもヴェニス。
洗濯物をベットサイドのヴェネチアングラスのランプに引っ掛けて乾かしてたら、こげてくっついちゃって、焦りまくったヴェニス。
教会の階段に座り込んで、お昼のパニーニ食べてて、差し歯がぬけちゃったのもヴェニス。
何回もヴァポレット(船のミニバス)に乗り間違えて、全然違う島にいっちゃったり、逆回りのに乗っちゃったりして、最後は列車に乗り遅れそうになって走ったヴェニス・・・・。

・・・・ああ懐かしい。(爆)



閑話休題。(殴

この映画では、仮面をつけて歩いている人や娼婦まで、怪しく「ヴェニス」してるんですよ。
もう完全にタイムマシンです。

衣装も、小道具も、作り手の才能と入れ込み度が感じられて心地よかったです!


わ〜〜 書きたいことが一杯ありすぎで、1回で書ききれない。
これも続くになってしまいました。(ディジーのあらすじも続くなのに・・・・)
ごめんなさい・・・・・・というわけで、           続く。
posted by jester at 08:48| Comment(18) | TrackBack(10) | あ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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