2010年03月25日

しあわせの隠れ場所 THE BLIND SIDE

これ、実話ベースじゃないとしたら、きっと
「こんないい人ばっかりなんてこと、現実にはないでしょ」
と吼えていたに違いないのですが、実際にあった話なんですよね。

なので、見終わって素直に、
「人間っていいじゃん」と思えたのが、嬉しかったのでした。

なのでjesterのお気に入り度は ☆☆☆☆+ でございました。


大金持ちの奥様の気まぐれ(?)でホームレスの少年(体はでかい)を拾い、家に泊めてあげて、食事を与え、そうこうしてるうちに情が移って、保護者になり、少年は学業も伸びて、才能に花咲く。

ま、「マイ・フェア・レディ」的な、ベタな話なんですが、紙一重でべたべたになるのを免れているのは、全体を通じてコメディのスパイスが効いてること、そしてサンドラ・ブロックの上手さと、少年役のクィントン・アーロンの、無垢で「誰かを守ろうとするひたむきさ」にあふれた瞳の辺にあるのではないかしら。

クリントン・アーロンは善良で体格がいいことだけがとりえ、という役にピッタリでした(誉めてます)


そして、サンドラ・ブロックの末息子のSJを演じたジェイ・ヘッドの可愛いことったらないです
精一杯の善意を、ほそっこい体いっぱいにみなぎらせ、そばかすだらけの顔でにっこりされると、ほんとに心が和みます。
コミカルな演技もめちゃくちゃ上手いし。

よくいますよね、こういう男の子。
細くて小さくて、お調子者で、すぐその気になって、のりのりになっちゃうやつ。
お馬鹿なんだけど憎めない、うるさいけどかまいたくなるガキンチョ。

彼はきっと「ホーム・アローン」みたいな子ども主役のコメディ映画で、ヒーローが演じられると思います。
画面の端っこにいても、ちゃ〜んと演技してるんですもの。

「ハンコック」にも出てたんですね。
シャーリーズ・セロンの息子役だったかな?


それと、私の好きなキャシー・ベイツが家庭教師のスー夫人役で出ていたのも嬉しかった。
彼女が出てくると、なんか安心感があるんですよ。
どんな役をやっても芯がぶれない演技です。
真剣な顔で打ち明け話。
なんだろうと思ったら「知っておいてもらいたいけど、私は民主党を支持しています」が笑えました。


見終わった後、やりきれない思いになる映画とか、「これはお金の無駄遣いでしょう!」と怒りたくなる映画が多い中で、こんな風に見終わった後に暖かい気持ちになれる映画って価値があると思います。

自分はリー・アン・テューイ夫人のようにすごい経済力とか度胸はないけれど、誰かのために何かしたいな、なんて思わせてくれました。

なんか、いい家族なんですよね〜
大金持ちの家族にあるまじき暖かさ、礼儀の正しさ、思いやりの深さ。
きっと娘とかが意地悪するんじゃないの?なんて思ってみててたけど、そんなことないし。

(つか、実際はいろいろあっても映画に出来なかったのか??)

細かく見ていくと、ま、いろいろ突っ込みどころはあるのですが、この辺も「仕方ないでしょ、実話なんだから」と思うと我慢できるというものです。



サンドラ・ブロックはそれほど好きでもないのですが、この作品は儲け役でした。
ファッションも素敵だし、スタイルいいし、スラムやらスタジアムで啖呵を切るシーンではすっきりしました。
いつもなら鼻につくようなきつさも、笑える演技でかなり和らいで感じられました。


しかし。
いつもながら、邦題のセンスのなさにはがっくり。
これじゃ見に来る人が減るって!!!

posted by jester at 19:56| Comment(6) | TrackBack(4) | さ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月18日

シャーロック・ホームズ SHERLOCK HOLMES

映画って、観客は2時間ほどじっと座っているだけなのだけれど、

「これからどこに連れて行ってくれるのだろう」

っていう始まる前のわくわく感と不安感がたまりません。

ネットで予約した席について、飲み物などもスタンバイし、眼鏡をかけて始まりを待つときは、本当に幸せな気分。

あ〜〜どんな映画に仕上がったかな♪


ま、この期待を全くはずしてしまうこともあり、その辺は監督への信頼と予告編などで予測して、駄作を避けなくてはいけないのですけれど・・・・。


さて、SHERLOCK HOLMES です。

これしかないでしょうという、ジェレミー・ブレッド@シャーロック・ホームズ像を、ロバート・ダウニー・Jr@ホームズがどこまでぶち壊して、楽しませてくれるか。

かなり期待して見に行きました。

の・・・・・・・。(汗)


最初のつかみはOK。

ベイカー・ストリートの人々の行きかう中を221番地に入っていくカメラワークもなつかしくて、かなりお祭り気分で「おおお!楽しめそうだ!」と盛り上がっちゃいました。

ジュード・ロウ@ワトソン君も、今までのワトソン君と全然違う、切れ者でかっこいい元軍人です。

ジュード・ロウは年とれば取るほど、額の線が後退すればするほど、いい味が出てくるな〜

つまり「2枚目」だけじゃ売れなくなったときが、俳優人生のはじまりっつうことかしら。


ジェントルマンからは程遠く、ヒゲ面もオテテもきちゃなくて、ボロボロのガウンを着てるホームズで、汚し放題の部屋で、デブの犬がいて、この辺のひねりは楽しかったんですよね〜〜

ロバート・ダウニー・Jrは、力はあるのに若い頃からいろいろあって、やっと最近花が咲いたという感じだけど、とっても上手いです。

ブラックウッドのマーク・アームストロングのほうがジェントルマンで、ずっとホームズっぽかったりして、この辺も笑えるし。

昔の、貧しくて猥雑な感じのロンドンも良く出来てまして。
ホームズが戦う賭けボクシングなんかのシーンもとても迫力があって楽しめました。


なのに・・・・・、

途中でしらけてきた・・・・


なので、今回 ☆☆ ぐらいかな。


どうも、脚本がjesterにはあわなかった感じです。


以下、ざくざくと酷評部分あります。
この映画がお好きな方はどうぞスルーしてくださいませ。

それとネタばれあります!
未見の方ご注意ください!!






まず、ブラックウッドの起こす犯罪が、「恐怖による世界征服の夢」なんだけど、なんだかリアリティがなさ過ぎて、アメコミみたいなんですよね。

(映画前に見たアイアンマン2の予告で、ミッキー・ロークとからんでるロバートを見たせいだけじゃなくて・・・)

だから、全然はらはらしません。
共感できないし、結末がみえちゃってて・・・・


ホームズにアメコミ感覚を持ち込もうというのは、いっくら発想の転換といっても無理があるのでは。

なら「SHERLOCK HOLMES」という看板を掲げないで欲しかったなあ。

既成のキャラクター設定で観客が持ってるイメージに頼りながら、それを壊していくなら、もうちょっとキャラクターに対する愛というか、敬意が感じられないと。


その上、謎解きがアクションに食われてしまい、まるで手品の種を明かしてるみたいに、最後にホームズがたらたらと説明するのだけれど、その種がオソマツで、小学生の書いた漫画か?というくだらなさ。

可燃性の液体を降らせて雨と間違えさせるとか(匂いはどうなるのだ)、ハチミツののりで砂岩をくっつけておいて、後で雨が洗い流すとか、フロオケになんか塗ってあったとか、鉤で引っ掛けといて薬で仮死状態にするとか、無理があるし、あまりに使いまわされたネタじゃございませんか。

そんなもんで恐怖をあおり、世界を征服しようって、無理だよブラックウッド。

その上、黒魔術とか「ダヴィンチ・コード」風の作りとか、インディ・ジョーンズ風などもあって、そういうのがなんとも安っぽい感じです。


ガイ・リッチーさん、なんか間違ってるよ・・・

スローモーションを多用したアクションは、テンポがずっと同じなので、最初は新鮮だけど、見てるうちにだんだんに飽きてきちゃうし。

ホームズとワトソンの会話も、「間」ちゅうもんが笑いを誘う前に、画面が先に進んじゃうし。

ドタバタ喜劇じゃないんだから。

ああ・・・そう、すべてがドタバタ喜劇ののりなのよね・・・・

この二人ほど「知的ジョーク」に使われるキャラクターもないんだから、もうちょっと知性を感じさせる応酬にして欲しかったなあ・・・・

いや、笑えたんですけどね。
とくに斧vsトンカチのへんとか。



ま、やっぱりjesterの期待値が高すぎて、自爆してしまったってところなのかもしれません。


posted by jester at 08:43| Comment(15) | TrackBack(3) | さ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月25日

ジュリー&ジュリア(JULIE & JULIA)

こないだのゴールデン・グローブ賞で、メリル・ストリープが、この映画で最優秀主演女優賞(ミュージカル・コメディー部門)に選ばれてましたね〜

さて、jesterはこの映画が今年の映画始めでした。

1960年ごろに発売された、ジュリア・チャイルドの伝説的(?)なフランス料理の本のメニューを、その50年後の現代でジュリーというある女性が作って、それをブログに書いたところ、それが話題になって、本になり、さらに映画にまでなってしまった・・・・

という、実話ベースの映画です。

このジュリア・チャイルドという人、アメリカではすごい有名人で、アメリカの友人に聞くと誰でも知っているし、コメディアンは物まねのネタにしてるぐらいです。(映画の中でもでてきました)

20年ぐらい前にシカゴに転勤で暮らしていた日本人の友達も、
「ああ、あの太っていて、エプロンの脇に布巾を挟んでいるオバサンね〜〜。よくテレビで料理番組やっていて、見たわ〜」
といってましたので、日本で言うと、小林カツ代さんとか、もっと古いと江上トミさんとか、そういう感じの人なのですね。

といってもjesterは全く知りませんでした。


なので・・・猫

メリルはすんごいそっくりに演じてるんでしょうけど、本物を知らないjesterにとっては、メリルがやたらに語尾を引きずるアクセントが強い英語でしゃべってるのが聞きづらくて、だんだん苦痛に・・・・パンチ(殴

あの演技で、ゴールデングローブ賞を取ったのですから、きっと素晴らしい演技なんでしょうけれどねえ・・・・あせあせ(飛び散る汗)

そういえば『アヴィエイター』という映画でケイト・ブランシェットがキャサリン・ヘップバーンだっけな、の役をして絶賛された時にも、キャサリン・ヘップバーンの話しかたをよく知らないわたくしにとっては、
「なんかケイト、鼻が詰まったような変な話し方をしているなあ・・・」
ぐらいにしか感じられなかった(殴)という、ネコ小判ブタ真珠猫状態に、今回もまた陥ってしまいました。

(キャサリン・ヘップバーンよりもっとジュリア・チャイルドを知らないので、より深く陥りました。)


ストーリー自体は、時代を超えて二人の自己実現していく女性が描かれ、ほのぼのなんですが、これといってメリハリもなく、実話ベースのため、ラストにも不満が残る感じ。

なのでjesterのお気に入り度は ☆☆☆ ぐらいでした。



****以下、ネタバレないですけど、映画の内容には触れてます。未見の方、ご注意ください!****


ジュリア(メリル・ストリープ)は1949年に、夫の転勤でパリにやって来て、転勤族の妻ですからワーキングビザがない(=働けない)し、子どももいないので時間が余るのでしょう、帽子作りだの、いろいろ習い事を始めます。

コントラクト・ブリッジを習ってるシーンもあって笑えました。jesterも同じような感じでブリッジが大好きになりましたが、ジュリアはブリッジはだめ。
もともと得意だったお料理にのめりこんでいきます。

そしてプロの通うル・コルドン・ブルー料理学校に無理やりという感じで入り、せせらわらいやいじめにも耐えて、ついには本を書くまでになるのです。


一方、ジュリー(エイミー・アダムス)は現代の女性。

大学時代の夢やぶれ、今は会社の苦情受付係。
何事も続ける根気がないと自己嫌悪なところにjesterは共感しました。パンチ(殴

彼女は料理が大好きなので、それを今流行のブログにでもアップしてみようかと、題材をジュリアの本の料理にして、それを毎日作ってアップしようと決心します。


さて、このジュリーとジュリア、二組の夫婦の様子が時代を超えて交互に出てくるのですが、この夫婦たち、とっても仲がいいのです

ひらめき 仲良きことは美しき哉。

はいはい。
でもずっとマイダーリン・よき理解者・愛してるよ・べたべた・ちゅっちゅ・ばたん(?)というのを見ていると、jesterの現在の心境ではつらくなるというか、

この世の中に、あんな仲いい夫婦(つか、理解のある夫)ってそういるのか?? あ??

ブルー・フォントサイズ4ぐらいで叫びたくなってくるのでした。

(フォント6でもいいけど、6だとこのブログじゃあ綺麗に反映されないので4で。)

ごめんなさい、仲良い夫婦はこの世にいるのでしょう。

友だちにも
「あんな仲いい夫婦ってほんとにいる?! あんな夫って現実にいるの???」って聞いたら

霧霧霧「・・・・いるよ。確かにいる。・・・私今まで生きてきて、2組知ってる・・・」霧霧霧

といわれましたし。

・・・・・・・・・・あせあせ(飛び散る汗)
・・・・・・・・・・あせあせ(飛び散る汗)

ええとね、実在の人物をベースにしてるから、あまり夫婦間のどろどろしたものは映画には出せないというか、この映画はそういうのがテーマじゃないし、そういうリアルなのは観客は飽き飽きしてるのだからとか、まあいろいろな事情があるのだと思いますし。

(ぜいぜい・・・・ああ、この話題はもうこの辺でやめにしますだ)



閑話休題でございます。

エイミー・アダムスも「魔法にかけられて」の頃と比べて大分体格がしっかりしてきたというか、あれも役作りなんでしょうか。

メリルはまあもともと体格がいいですけど、これはフランス料理はダイエットには向いてないということの証明かも、なんて思ってしまいました。


ラストで世代の違う二人が出会い、肩を抱きあい、になるのかとおもっていたら、予想外の苦い展開。

実話ベースだから、めでたしめでたしにはならないのでしょうね。


でも単純なjesterのことですから、この映画を見て数日は真珠の首飾りをしてました。猫




posted by jester at 11:21| Comment(4) | TrackBack(0) | さ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月15日

ジュノ Juno

昔、三年B組では女の子が妊娠してしまい、担任の金パチ先生は生むのか生まないのかで大騒ぎするPTAにもまれていたもんでした。

今だって中学生や高校生が妊娠したとしたら、周囲は同じような騒ぎになるのでは?

最初の友だちの「重いものを持つと出るかも」のセリフにはぎょっとさせられましたが、あの年代の子どもならあんなことをいいそうですよね。

なので、どちらかというとPTA視線で見始めた映画でしたが、セリフの巧妙さと、ジュノのキャラクターが上手く描けていたので、結局気分よく見終えることが出来ました。

jesterのお好み度は ☆☆☆☆− でございました。



****以下、映画の内容には触れてます。未見の方、ご注意ください!****

オレンジジュースのガロン瓶(?)をがぶ飲みしながら向かうのは薬局。
どうどうと妊娠検査器を買い、店のトイレでやってみて、出てきて店主の前で「やばい!」と叫ぶ。
う〜〜ん、オープンである。
アメリカというお国柄を考えても、ジュノはオープンですわ。

妊娠検査器にでた横線をふっちゃうのには笑いました。
あれは形が体温計に似てるから、ついふってさげたくなりますよね。

まあふつうならここから「友だちにカンパをつのり」とか「親に誤りを入れて付き添ってもらい」とかいう流れになるのでしょうけれど、ジュノは『生んで、子どもの欲しい夫婦に育ててもらう』という選択をします。

中絶手術してしまえばそれまでのものを、命として生みたい、その命に育って欲しいと考えるのは、人間的な選択ではあると思いました。
こういう選択肢もあっていいと思うのです。

ただ本人は大変ですよね。
10ヶ月間大きなおなかを抱えて学校に通い、苦しんで生んで、そのうえ「あの子は10代で子どもを生んだのだ」というレッテルがはげることは一生ないし。

それでもごく自然に「生む」という選択をしたっていうのが、jesterには嬉しかったです。
ジュノの心のためにも、実は「生む」のが一番いいと思います。
もし手術したら、将来また新たな命を授かった時、それを生み育てることが出来たとしても、その命を慈しめば慈しむほど、過去にしたことは一生心の傷になると思います。

そしてそれを受け止める両親も、母とは血がつながらないとはいえ、よく出来た大人でございました。私じゃとてもあそこまで落ち着いてられません。
ちょっと良くできすぎですかね。(汗)

超音波検査の時、義母がバシッと言い返したのが気持ちよかった。


ぴかぴか(新しい)それと、ヴァネッサが良かったです。
ジュ二ファー・ガーナーはどうしてもエイリアスの女スパイに見えてしまい(爆)その上少々痩せすぎですが、それでもあふれ出る子どもへの愛を見事に演じてました。

jesterの人生の中で、子どもを生んだということは、とても大きな感動と愛と責任感の嵐のなかの激動の体験だったのですが、その辺も、生みの母と育ての母が違うとはいえ、そつなく表現されていて、ヴァネッサはきっといい子育てをするだろうなと思いました。


例えば
「When you get pregnant, typically, you'll have a baby…」などなど、すっとぼけたセリフの細かいひねりが随所で効いていて、それが笑えました。

それとヴァネッサの夫が「日本に行った時買った漫画だ」といって見せた「スーパーユキ」とかいうコミックの絵柄が、完全にアメコミなのにも苦笑。


クリスマス妊娠し、子どもを生むということの重さはなく、軽く明るくテーマを捉えていたのが、私には気持ちよかったけれど、逆に考えると「コレでいいのか」と思う方もいるでしょうね。

まあそういう風に多面的な物事の見方を紹介するという点でも、この作品の価値があるのではないかしら。


猫しかし・・・ジュノ、男の趣味悪すぎです。

妊娠して、あまりに子どもっぽくて無責任な相手の態度にジュノが怒り、男の真の価値に目覚めるのかと思ってみてましたが・・・・(爆)

相手の男の子の外観も、クラスにいてもあまりかっこいいとは思えないような俳優さんだったので、その辺はちょっとしらけていたjesterでございました。
(なんだか三年B組の時の赤ん坊の父になる男の子に、ぼ〜〜っとしてるところが似てる気がしましたが・・・・パンチ

posted by jester at 09:29| Comment(6) | TrackBack(2) | さ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月09日

スパイダーウィックの謎 THE SPIDERWICK CHRONICLES

「カスピアン王子の角笛」のレビューで、エドマンド役のスキャンダー・ケインズ君が成長が早くて
「うんま〜 人様んちの子はふんとに大きくなるのが早いわね〜」
なんてびっくらしたのですが、それとくらべて、フレディ・ハイモア君って、なんかいつまでも変わらないイメージがあるのですが・・・・

これって登場率が高いからそう感じるだけなんでしょうか・・・・

でも今回は性格の違う双子の兄弟を演じ分け、少し声変わりも始まった感じで、フレディ君も微妙に(殴)成長しているのね、なんて思いました。


あらすじ: 両親が離婚して母親と森の奥にひっそりとたたずむ屋敷に引っ越してきた3人の姉弟マロリー(サラ・ボルジャー)、ジャレッド(フレディ・ハイモア)、サイモン(フレディ・ハイモア)たちは屋根裏部屋から謎の書を発見する。そこには大叔父アーサー・スパイダーウィックの“決して読んではならない”という警告のメモが記されていた。(シネマトゥデイより)

という感じで、まさにファンタジーの王道です。

LotR以降「壮大さ」が売りのファンタジー映画が多い中、家の周りで起きた出来事を中心にしていて、その小粒さも悪くありません。

ファンタジー好きのjesterは大いに楽しみましたし、本好きにはたまらない、素敵な「妖精図鑑」が出てきますので、☆☆☆☆−でした♪


****以下、ネタバレないですけど、映画の内容には触れてます。未見の方、ご注意ください!****


ぴかぴか(新しい)フレディ・ハイモア君の演技上手はいまさら書くまでもありませんが、今回も見事でした。

『アーサーとミニモイ』も楽しかったけど、今回は途中から人形アニメになることもなく、ずっと実写のままで頑張ってます。

子役の演技のよしあしって、映画に入り込めるかどうかの重要なポイントなので、フレディ君が引っ張りだこなのも納得です。

もうすぐジョナサン・リス・マイヤーズが彼のお父さん役というため息もの(ジョナサンもそういう歳なんだ)の「奇跡のシンフォニー」も公開ですね♪ 楽しみです。
(もちろんこの邦題には物言いありですが・・・)

(しかし「スパイダーウィック」も見たのがやはり1ヶ月ぐらい前なので、レビューを書こうとしたらなんだか話がミニモイと混ざってしまい、
「おばあちゃんはミア・ファローだったな」
などと混乱しております・・・ううう・・・・)パンチ


犬脇役も演技達者が占めてます。

『マイ・ブルーベリーナイツ』で印象的だった、アーサー叔父さん役のデビッド・ストラザーン、そして、どのCGより本物の妖精っぽく見えたルシンダ叔母さん役のジョーン・プロウライト(爆)などなど、実写で出てくる俳優さんも安定した演技を見せてくれて、安心してみていられます。

CGの妖精たちも、蜂蜜を食べれば幸せになる本の番人のシンブルタックをはじめとして、楽しいキャラクターがそろっています。



ストーリー展開はわかりやすくて、お子さんが見てもよくわかる作りです。

また、サイドストーリーとして、親の離婚を受け入れられなかった子どもが母親との軋轢を乗り越えて成長していく様子なども描かれて、心理描写もちゃんとあり、大人が見ても見ごたえがあると思いました。


猫ただ、最後の戦いのシーンはかなり激しくて、妖精たちが襲ってくるシーンはまるで「アイ・アム・レジェンド」か!という感じで、子供向けにしては恐すぎじゃないの?と思いました。

最近の映画ではこういうのが『お約束』なんでしょうか・・・

今どきの子どもは、テレビやゲームなどでバトルシーンには慣れているのかもと思いますが、あまり小さい子が、暴力的な刺激に慣れてしまうのは良くないと思いますので・・・

悲惨な事件が起こるたびに、目撃者の証言で
「まるで映画みたいだった」
っていうコメントが出ますけど、あれがjesterは苦手です。

現実のようではなかった、という驚きからの発言だとおもうのですが、その中に、傍観者である自分と、すごいものを見てしまったという興奮の表情がどこかに読み取れることが多くて、被害者やそのご家族にとっては、「まるで映画みたいだった」どころではないのに、なんて感じてしまうんですね。

だからというわけでもないのですが、映画の暴力シーンやらバトルシーン、テロリズムのシーンなどには、
「見慣れたくないな〜。こういうものに鈍感になりたくない。」
と常日頃から思っているjesterでございます。


閑話休題。


しかし最近、ファンタジーなどはどこでもすぐに吹き替え版だけになってしまう・・・
六本木まで行かないと、字幕でやってくれないの。たらーっ(汗)
なんとかならんかのお。
子どもは字幕を読むのが大変? 
それと、字幕って誤訳が多くて当てになりませんからねえ・・・
(吹き替えが誤訳がないかどうか、見たことがないのでよくわかりませんが)

六本木も遠くないからいいんですけど・・・ぶつぶつ。
posted by jester at 22:12| Comment(6) | TrackBack(7) | さ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月05日

幸せになるための27のドレス   27 DRESSES

出る映画出る映画、振られ男No.1のジェームズ・マースデンは今回恋を成就させることが出来るのか?

なんてことを考えつつ、見てまいりました、「27 DRESSES(幸せになるための27のドレス)」。

あらすじ: 他人の結婚式を成功させることに生きがいと使命感を感じるジェーン(キャサリン・ハイグル)。そんな彼女が密かに思いを寄せるのは、優しい上司のジョージ(エドワード・バーンズ)。しかし、彼はジェーンの妹で美人モデルのテス(マリン・アッカーマン)と知り合い、短期間の交際を経て結婚することになってしまう。(シネマトゥデイより)

なんていう話なんですが、『「プラダを着た悪魔」のスタッフが・・・』 なんていう売り言葉があり、「プラダを着た悪魔」が駄目だったjesterは嫌な予感でしたが、うむむ〜

「結婚願望」も「白馬の王子様願望」も生まれてこの方持ったことがない、そういう意味の『乙女心』は皆無なjesterでございますので、この話もあまり乗れなかったです。

というわけで本来ラブコメはあまり得意でないjesterのお好み度は ☆☆ ぐらいかな。

時間があまれば見てもいいけど、まあワザワザ映画館に出かけなくてもおうちでDVDで見ればいいのでは? という感じでした。

なので、辛口レビューです。この映画、お好きな方はスルーしてくださいね〜


****以下、ネタバレないですけど、映画の内容には触れてます。未見の方、ご注意ください!****

『グレイズ・アナトミー』のキャサリン・ハイグルが、ヒロイン、ジェーン役。
まあテレビサイズの美女で、大スクリーンでヒロインを演じるならもうひとつ輝きが欲しいですが、こういうラブコメディなら上等でしょう。
ブライド・メイトって、日本の結婚式では出てこないから、なんかその悲哀がぴんとこなかったけどね。

ずっと片思いの上役ジョージ(エドワード・バーンズ)を、ひょいっと横から出てきた妹にさらわれ、帰ってこない妹を待って掃除をしつつ眠れぬ夜を過ごすジェーン。
この辺の切なさは身におぼえあり(爆)でよおくわかる! 
うんうん、つらいよね〜 と共感できました。

しかし、エドワーズ・バーンズは、「ホリディ」のときより格段にいいやつっぽい雰囲気だし、アメリカのヒュー・グラントかって感じで、結構格好良いですが(あの体格で、『昔ビーガン(厳しい菜食主義)だった』とは思えませんがね・・・)
なんであの妹に惚れるか?

あのきらきらの黄色いラメの超ミニドレスを着た、ファラ・フォーセット=メジャーズを角っぽくしたような妹、テスに、一瞬で恋に落ちる男ってどうよ・・・・と思ってしまったのがまず醒めてしまった敗因の一つでした。

でもなにより一番引いたのは、あのスライドショーですね。
あそこでああいうことやるか??いっくらお母さんのドレスを切られてショックでも。。。。
ジェーンとジョージの仲をテスが裂いたっていうわけでもないし、(ジェーンはまだ告白すらしてなかった) 若き日の恋愛に誇張や嘘はつき物よね。

親戚友人一堂集まってるなかであんなことをする、そんな勇気があるなら、せめてだめもとでも自分の気持ちを素直にジョージに伝えてみい! テスにも「私が昔から好きだった人なの」と告白したらどうなのさ!

そんでまた、仮にも「結婚」という人生の一大事をあのスライドくらいで覆すジョージもまたねえ・・・(汗)
一旦男が惚れた女だろう! 
そんなにすばやく醒めるな〜〜!

しかもあんなことの後なのに、その後の妹との関係修復がごまかされちゃってて、簡単な話し合いのあと、出てきたらもう仲良しに戻っていて、説明不足。


ま、「サリーはタクシーの中では絶対に着られません!」とか
「その着物の着方は〜 しかも日本人は全員そんなに背が低いわけじゃないよ!」とか
「落ちてたファイロ・ファックスを勝手に読んじゃって、中に書き込んで、破って、しかもそれを記事のネタにするような男、信頼できない!絶対いや!!」などなど、
突っ込みどころは満載で、あのバーで酔っ払って歌って踊って寝ちゃった、って辺も、な〜〜んかわざとらしくて安っぽいんだなあ・・・・・

船の上のマイクを使っての・・・もね、お約束なのかもしれないけど、なにもマイクで名前だけ呼んで、見つけたらあとは物陰で二人で話せば、って(おせっかいだね、自分!!)


低予算で無難に作った映画の、上っ面エピソードをお気軽に楽しむには、jesterは年とりすぎかもしれません・・・。(爆)


ところで、ブライド・メイトのドレスって、誰が衣装代払うんでしょう?
花嫁がわ? それとも友人側?
あれだけ仕立てると、かなりな金額になりそうですけど。
「すそをつめたらまた着られるのよ」なんてセリフが繰り返されるたびに、そんな変なことを考えておりました。

それと、豆腐ジャーキーってどんなもの?
食べてみたいっす。猫

posted by jester at 10:27| Comment(12) | TrackBack(7) | さ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月12日

最高の人生の見つけ方 THE BUCKET LIST

jesterが尊敬するお人の一人に、三浦敬三さんがいらっしゃいます。

山スキーをなさる方で、70歳でヒマラヤ、77歳でキリマンジャロ、99歳でモンブラン、100歳でスノーバードから滑降なさいました。

残念ながら去年101歳でお亡くなりになりましたが、そのポジティブな生き方がすがすがしくて、可愛らしくて、撮られたお写真も大好きでした。
(ご存知かと思いますが、プロスキーヤーの三浦雄一郎さんのお父様です)

毎日の生活をご本などで垣間見ても、年をとってもわくわくと楽しんで生きてらして、あんなふうに年をとりたいな〜 なんて密かに思ってました。


『死』というのは人間にとって、永遠のテーマです。
『いかに死ぬか』は『いかに生きるか』(『いかに年をとるか』)であります。
しかし、『いかに生きるか』がわかって生きている人なんてあまりいない。

ほとんどの人は毎日をじたばたと送るので精一杯ですよね。

jesterもそんな人間の一人です。
だからこそ、このテーマには惹かれてしまいます。
アルフォンス・デーケンさんの本なんかを読むこともあります。

死に直面するその日が来た時、
「違う、ここに来るはずじゃなかった!」とあたふたしないためにも。


エジプトの神話では、天国の入り口で門番に聞かれるそうです。

"Have you found joy in your life?"
(人生で歓びを見つけたか?)
"Has your life brought joy to others?"
(あなたが生きたことによって、歓びをもたらされた人はいたか?)




『最高の人生の見つけ方』という邦題、主演の2人の顔ぶれなどなどから、トレーラーを見て、「もうわかったよ。見ないし」と思った方も多かったかもしれません。

アメリカでも『映画評論家』のレビューではたたかれてました。
『ノーカントリー』や『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』にA+をつけた評論家はほとんどがCとかC-の評価でした。
(でも一般の人の評価はおおむね高かったのですが。)

そんな評価を横目で見ながら、あまり期待せずに、「あんまりお説教臭くないと良いけど」なんて思いつつ見てきたのですが、
jesterのお好み度は☆☆☆☆−でございました♪


芸術的に完成度の高い映画も確かに見ごたえがあるのですが、あまりに後味が悪いと気分がずしんと重くなってしまいます。
求めるものは人それぞれでしょうけれど、たまには映画を見て笑いたい、ほっとしたい、暖かくなりたい、明日からの生活にポジティブになりたいjesterでございます。

(業務連絡;MARYさん、ごめんなさい、今回酷評できませんわ・・・ご覧になって〜 きっとお気に召すと思います♪)


「BUCKET LIST」って、『棺おけリスト』なんて訳されてましたので、「Bucket」が「棺おけ」という意味にも使われるのかな?と思っていたのですが、調べてみたら、「Kick the bucket」という言い方があって、「死ぬ、とか、くたばる」という意味の俗語で、そこから作られた造語であり、「死ぬ前に(したいこと)リスト」なんですね。

というとちょっと前に「死ぬ前にしたい10のこと」というカナダ/スペイン映画がありましたが、あれは若い女性が主人公だったのに対して、こちらは「棺おけに片足を突っ込んでいる」(殴)おじいちゃんたちが主人公です。

(後述;コメント欄でDDさんがドイツ映画「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」との設定の類似を指摘してくださいましたが、そういわれてみれば・・・でございます。DDさん、あの名作を思い出させてくださってありがとう〜!
ちなみに「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」はjesterのお好み度、☆☆☆☆☆+の映画でした♪ 
どうもこういう系統に弱いんだな、自分。)


morgan_freeman14.jpg
しかし、モーガン・フリーマンが『実直な車の修理工で暖かい家庭を持ち、精神的に安定しているおじいちゃん』で、ジャック・ニコルソンが『一代で財を築いた大金持ちで、プレーボーイの成れの果ての孤独なおじいちゃん』って、そのままやんけ!!

これは『水戸黄門』か?? 


・・・・はい。ある意味。


全く期待を裏切らない展開なんです。わはははは。
確かに紋切り型で予定調和であります。
それを承知で見る映画かも。
(だから『評論家』には評判わるいだろうなあ・・・)


I know that when he died his eyes were closed and his heart was open (彼が死んだ時、目は閉じていたが、心は開かれていたのを知っている)

なんてね、ヒマラヤ登山をする人影に被るモーガン・フリーマンのナレーションで始まるんですよ。
そう、あの『ショーシャンクの空に』と同じ口調の、滑らかで温かい声のナレーション。

ここでもう、それだけで、密かにじ〜〜んと。(早すぎるし、自分。)


ぴかぴか(新しい)もちろん、モーガン・フリーマンは思ったとおりの演技でして、判っていてもやっぱり、とってもとっても素敵。
彼と香港のワンチャイの貿易センタービルでデートして、歴史の話やら山の話やらを聞きたいです。

ジャック・ニコルソンは最近「これ、CGじゃないの? 着ぐるみ?」などと思ってしまうjesterですが(殴)、今回は見てるうちに可愛く見えてきました。
やっぱりうまい俳優さんだわ〜
あと、彼がしていた、ベッドで寝ててテレビを見るへんてこな眼鏡が気に入った。その眼鏡に目が写ってるのがめちゃくちゃおかしかった。あの眼鏡が欲しい!


****以下、ネタバレあります。未見の方、ご注意ください!****




展開は、まさに思ったとおり。

病院で隣り合わせたベッドの、余命6ヶ月〜1年宣言を受けたジジイ二人が、「死ぬまでにやっときたいことリスト」を作り、それをやるうちに、心を開いていく、という。

幸せは、カーレースやサファリクルーズやスカイダイビングやプライベートジェットで飛ぶフランスの別荘にあるんじゃないよ。
もちろんそれも楽しいけど、でもほんとに死ぬ前にして置きたいことはそれじゃないだろ?


うんうん、その通り。


しかし、モーガン・フリーマン扮するカーターが最初にリストに書いた「見ず知らずの他人に親切にする」っていうのは、どこで達成したんだろう・・・・と思っておりました。

それが、エドワード(ジャック・ニコルソン)が教会で、リストのこの項目を消した時に、「あ、『見ず知らずの人』ってエドワードのことか!」と判って、さらにジワ〜〜っときました。

というのは、カーターみたいに愛のある家庭がある人が、たとえ『空の巣シンドローム』に陥った夫婦だとしても、ああいうシーンで、エドワードと即旅に出るっていうのが不自然な感じがして、引っかかっていたんですよ。
そんなに金持ちと豪遊するのが彼にとって楽しいだろうか? 最後に願うことなんだろうか?
それが判らない彼ではないはず、なんて。

でも、これって、リストに書いた願いを達成したってことだったんだな〜 と思ったら、かなりすっきり致しました。
もちろん旅の日々をカーターは楽しんでいたとは思うのですけれど。

そのほかに『世界一の美女にキスをする』とか『壮大な景色を見る』とかの達成が、予想をちょこっと裏切る展開で、その辺もしみじみ嬉しかったです。



笑えるつくりになっていて、さほどお説教臭くもなく、メッセージがまっすぐに伝わってくる。
かなりハリウッド的な作りで、画像のセンスはお金をかけてる割にたいしたことないし、テーマはベタだし、なんですけど、こういうものを折に触れて見るのは、デス・エデュケーションの一つとして、毎日の生活に気づきをもたらしてくれる価値があるのではないかと思います。黒ハート



ところで、キーワードにもなっていた「コピ・ルアック」は、日本人で知っている人が多かったのでは?
『かもめ食堂』で出てきましたよね、このコーヒー。喫茶店

posted by jester at 22:34| Comment(20) | TrackBack(9) | さ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月08日

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド THERE WILL BE BLOOD


成功すること。
山を掘り当て、巨額の富を得ること。

怪しげなお告げをして、人心をつかみ、操ること。
教祖として祭り上げられること。

そんな目標を掲げて、ひたすらわが道を歩いた男たち。
そこに人としての幸せはあったのだろうか。

登りつめた頂上から彼らが見たものはなんだったのだろうか。


バイブルではエジプトからのエクソダスで使われる言葉をタイトルに冠したこの映画、その『Blood』は孤独な男の血管を流れる成功を追い求める『血』か、親から子へ伝わる『血』なのか、殺人で流される『血』なのか、大地の血液ともいえる『石油』を比喩しているのか・・・・

真っ黒な石油が、どろどろと大地から沸いてくるシーン、噴出して飛び散り、爆発するシーンが印象的。
ああ、普段使っている石油って、本来こんな風に、まるで神からの贈り物のように、自然に地中にあるものだったんだな。
それなのに、それをめぐって地表に蟻のように群がる人間たちの利権争いが民族を巻き込んだ殺し合いにまで発展するようなものだったんだな・・・といまさらながら気がつかされた。

一角千金のサクセスストーリーのようでいて、実は一人の男の弱さや傲慢さ、競争心や依存心などをも細かく描いていく人間ドラマです。

最後の救いのなさは、やはりアカデミーでノミネート競争した「ノー・カントリー」と似ているかもしれません。

唐突なラストにあっけに取られている内に、エンドロールにかかったブラームスのヴァイオリン・コンチェルトの第三楽章に心を奪われ、途中で席を立つ人に「こら〜〜演奏中に席を立つな〜〜」と勘違いつっこみしてたjesterでしたが・・・(爆)

人間のネガティブな部分を執拗に描くことで監督が伝えたかった事。

そこがどうもjesterには上手く伝わらなかったような感じです。
なので、ドラマとしての面白さはあったのですが、感動には至りませんでした。

映画としては2時間38分、ドラマチックで飽きずにみられましたが、jesterのお好み度は☆☆☆3/4 ぐらいかしら・・・・☆4つには微妙に届かなかった感じです。


あらすじ: 石油ブームに沸く20世紀初頭のカリフォルニア。鉱山労働者のプレインビュー(ダニエル・デイ=ルイス)は、石油が沸く源泉があるという情報を耳にする。息子(ディロン・フリーシャー)とともに石油採掘事業に乗り出したプレインビューは、異様なまでの欲望で富と権力を手にしていく。(シネマトゥデイより)


なんしろ、この演技でダニエル・デイ=ルイスはアカデミー賞を取りましたからね〜
確かにすごい迫力で、アカデミー好みの熱演だったです。(悔し紛れにいってるわけではありませんあせあせ(飛び散る汗)


(****以下、ネタバレあります。未見の方、ご注意ください!****)


息子のH.W.(ディロン・フレイジャー)は、実は最初のほうのシーンで死んだ労働者の子供をダニエルが引き取ったんですよね。

そして、山師ダニエルは商売の成功のために子供がいると集まってきた人々からの信頼が増す、という観点から彼を連れ歩く。
一緒に過ごす時間が長いので、それなりに愛情も涌いてくる。

しかしその愛情も、やはり「自己愛の延長」で、子供っぽい自己中心的なもの。

所詮邪魔になれば切り捨て御免、眠らせるのにウィスキーをミルクに混ぜたり、手話を馬鹿にし侮るような態度も、心無い別れ際のセリフも、成熟した親の大きな愛情とは程遠い。


けれどそんな未熟な親であっても、子供からみればたった一つの愛情です。
すがるようなH.W.の表情が哀れでした。
汽車のなかで置いてきぼりになって、必死で父をおって降りようとするシーン、久しぶりに父と会って嬉しさのあまり泣きながら殴りかかるところを遠くから撮ったシーンが切なかった。


クリスマス「リトル・ミス・サンシャイン」でお兄ちゃんのドゥエーン役だったポール・ダノが二役で、カリスマ牧師、イーライをやってました。こちらも熱意は感じられましたが、カリスマ性ではダニエルにはかないませんね〜
なんか「うむ〜これで村人が狂信的に信じるだろうか?」と思っちゃいました。
やはりカリスマ宗教家にはそれなりの魅力がないと説得力がないです。

しかし、『狂信的になにかを信じること』の恐さは伝わってきました。
あの異常さを、あそこの教会に集まった人たちは異常だと感じていないんですよね。それでせっせと寄付をしている。

同じようなことはインチキ宗教だけでなく、狂信的政治集会や怪しげな信条のグループ、金もうけ主義のスピリチュアルセミナーや詐欺まがいの通販などなど、現代の私たちの周りにもごろごろしていて、そんなものに惑わされ、マインド・コントロールされ、他が見えなくなっている人は結構たくさんいます。

人間の心の弱さ、それを利用して上手く操るもの、信じてひたすら従うもの・・・・

しかしフタを開けてみれば、教祖はイーライのようにインチキだったりするわけです。


イーライとダニエル二人とも究極を行くようで、実は似たもの同士。
対比されて描かれれば描かれるほど、内部の似ている部分が浮き出てくる。
似すぎているから相手の中身が判りすぎてお互いを憎んだのかもしれない。


(ところで、ダニエル・デイ=ルイスがダニエル・プレインビューの役、ポール・ダノがポール/イーライ・サンディ役って、どちらも実名と同じ名前の役をやっていて、すこしばかり面白かった…?)


石油探し→掘り当てる→大金持ち→孤独→狂気→破綻・・・

猫「しかし、君たち、そこまでやっても判らないもんか・・・・?」
猫「いったい何を教わってきたの?」
猫「・・・・なにも教わってこなかったのね」

などとぶつぶつ言いたくなったjesterでございました。

そのあげく、狂気の沙汰から「I'm finished」って、まるで食事を終えたように、自らの終焉を使用人に伝えるダニエルには、憐憫を通り越して、茫然。

やっぱりこの人たちも、間違った場所にかけたはしごを必死で登って、上についてから途方にくれている感じです。

それでも狂いつつも自分なりに答を出したダニエルは、イーライよりましだったといえるのだろうか・・・・・



ちなみに、偽物弟ヘンリーのケヴィン・J・オコナー。
以前どこかの映画で出てたときに、誰かに似てないかとか言う話が何処かで出ましたが、似てません。(きっぱり)
単に奥目で眉毛が薄いってだけですわ。はい。
posted by jester at 10:20| Comment(11) | TrackBack(6) | さ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月22日

ジェイン・オースティンの読書会 THE JANE AUSTEN BOOK CLUB 

amy_brenneman11.jpg

実はjesterも今流行のBOOK CLUB なるものに入っていたことがございます。
各メンバーの家を順番に廻りながら、ポットラック・パーティ風に一品持ち寄り、話題は「今回の御題」の1冊の本について。
海外に住んでいた頃なのでメンバーはアメリカ人とヨーロッパ人中心。
とってもインテリジェンスな雰囲気で、楽しかったのですが・・・

語学力の問題で挫折しました・・・・(爆)
(本を読むのはまあいいとして、内容の深いところまで語り合う力がないのでした。いつも笑いつつ皆が話しているのを聞いてるだけになり・・・たまに意見を求められると、持論を話し出すのですが、ちゃんと伝えきれずに欲求不満〜という連続でした・・・)たらーっ(汗)

なので、この映画はたまりませんでした〜ハートたち(複数ハート)

ぴかぴか(新しい)あの本ももう一度読んでみたい、あの映画ももう一度見たい、こっちの本はまだ読んでないから読みたい、Book Clubも開催したい〜などなど、やりたいことのヒントをいっぱいもらってわくわく。

重症活字中毒患者なjesterのお好み度は ☆☆☆☆−でございます。

ジェイン・オースティンを読んでいない人でも楽しいし、読んでいる人はなおさら楽しいです。

(とはいえ、『やっぱり猫が好き』『ブリジッド・ジョーンズ』『セックス&ザ シティ』系統のお話が嫌いな人にはこれほど退屈な話もないかも。)


リゾート ストーリーは、友人たちでジェイン・オースティンの6冊の本を一月に1冊ずつ読み、感想を言い合う『Book club』をやろうということになり、いろんな年齢の女5人と若い男性一人=グリック(ヒュー・ダンシー)が集まります。

その6人を中心に、それぞれの登場人物の関係者たちが、恋の鞘当やら、離婚&復縁、女性同士の恋愛、などなどを繰り広げる様子が描かれます。

女性なら、この中の誰かに感情移入できるかもしれません。(できないかもしれません(爆))


喫茶店 読む本は6冊。

『Sense and Sensibility 』
『Pride and Prejudice 』
『Emma 』
『Mansfield Park 』
『Persuasion 』
『Northanger Abbey 』
(本自体の内容などについては、一番下のほうに書いておきます♪)


ぴかぴか(新しい)なんといってもグリックを演じたヒュー・ダンシーのあどけない笑顔が(33歳のあどけなさ♪)良かったですわ。年上の女性に思いを寄せる若き男性という役どころが『いつか眠りにつく前に』のバディと似てますね。
そういえばこないだ『ラブ&クライム』っていうDVDを見たんですけど、これでも年下の彼氏だったなあ。(この映画では彼はかなりセクシーでした。また別の機会に書きますね。)

「弟は犬と本で育ったの。優しい子なの」って姉に言われるような弟。
この映画の中ではjesterはグリックに一番共感したかも。
アーシュラ・ル・グゥインのSFを読め読めってジョスリンに薦めるところも、ル・グゥイン(『ゲド戦記』の原作者)好きなjesterにはつぼでした。
『The Left Hand of Darkness』を薦めてましたね〜
また読みたくなりました♪

彼にマリア・ベロじゃ年上過ぎじゃないの?と思ったけど、実年齢では8歳違いか。
若く見えるなあ〜この人。
ぴちぴちのサイクリング・ウェアのせい?
マリア・ベロがこの映画では結構年とって見えたからそのせいもあると思うけれど。


ぴかぴか(新しい)『トランス・アメリカ』でその可愛さにやられちゃったケヴィン・ゼガーズ。
今回も楽しみにしてました。
あの時は、意識しないけど漏れ出すフェロモン、という感じでしたけど、今回はフェロモン全開でしたね〜

ちょっと全開すぎてむせたほど。
そういう役柄とはいえ、やりすぎかなあ・・・
とjesterは思いましたです。

今後この路線で売るのかなあ? 
それはやめて欲しいな。



****以下、ネタバレないですけど、映画の内容には触れてます。未見の方、ご注意ください!****


ぴかぴか(新しい)オープニングの、日常の困っちゃうシーンが笑えました。
何回お札を入れても戻ってきちゃう自動販売機、よくあります!
切符なんかを買おうとして焦っている時ほどべ〜っとお札が戻るんですよね。
シワもないし破けてないのに〜
偽札じゃないのに〜〜と本人は泣けるけど、傍から見てると笑えるの。
あ、でもスイカが出来て、切符を買うのに焦るっていうことも減りましたけど。

そのほか、高速でチケットが取れなくて、ひ〜〜っと体を伸ばしても駄目で、安全ベルトをはずして・・・
などなど、「あるあるある!」のコミカルなシーンが連続して映され、この辺にも監督さんのセンスの良さを感じます。


猫映画のストーリー全体がジェイン・オースティン風味。
後味が収まりが良くて調和するのも同じかも。
まさに「人生の解毒剤」です。


バスケしか興味のない夫やらヒッピーの母に振り回されるブリーディもおかしかったし、オースティンの「エマ」みたいに人の縁結びばかり気にしているジョスリンもおかしかった。



猫さて、読まれる6冊の本、『人生の解毒剤』ですが。
jesterが読んだことがあるのはそのうちメジャーな3冊だけ。
しかも大昔に読みました。(英語で読んだので、さらに記憶が薄らいでおります・・・)
この3冊は映画やドラマにもなっています。

分別と多感

クリスマスすごい邦題だなあ。(爆)分別ってブンベツゴミ・・・じゃなくて「フンベツ」よね。パンチ

原題は『Sense and Sensibility 』
優しくて思いやりがあり賢いElinor (sense)と感情豊かで自由なMarianne(Sensibility)がそれぞれの恋を経て結婚するまでが書かれています。
Brandonも好きだし、好きな登場人物がいっぱいいます。
しかし英語は読みづらかった記憶が・・・・

いつか晴れた日に

この原作の映画はアン・リーが監督していて、こちらの邦題は『いつか晴れた日に』。
これもすごいぶっとんだ邦題ですね〜(汗)

アン・リー監督の作品ではかなり好きなほう。
しかも出てるのが、エマ・トンプソン、アラン・リックマン、ケイト・ウィンスレット、ヒュー・グラント、トム・ウィルキンソン、イメルダ・スタウントン(ハリポタのUmbridge先生よ〜)と、とても豪華なメンバーでございます。

そうそう、脚本をエマ・トンプソンが書いたのですよね。
アカデミー脚本賞をとってます。

それからBBCで今年、テレビシリーズ化するらしいです。(もう出来たのかな?)これも楽しみ♪




高慢と偏見

クリスマス原題は『Pride and Prejudice 』。
これがオースティンでは一番有名かなと思います。
人気ドラマだったし、最近も映画になったし。

エリザベスとダーシーのすれ違いに気がもめるもめる・・・
会話の巧みさも読み応えがあります。



高慢と偏見

なんといってもこの、コリン・ファースが世にでたテレビシリーズが有名ですよね。

このドラマをやっていた頃、イギリスでは時間になると街から人影が消えたとか。
それほど人気だったのですね〜

始まりの軽快な音楽を聴くだけでわくわくしちゃいます。
個人的には刺繍のタイトルバックも好き。


プライドと偏見

キーラ・ナイトレイが主人公になって映画にもなってます。
jesterはテレビのシリーズが好きだったので、映画はどうかな〜 キーラだし〜と思ってみたのですが、結構良かったです。

エリザベスとダーシーの階級にどれだけ差があるのか、なんていうところは、映画のほうがよくわかりました。

ただしなんといっても、エリザベスはジェニファー・エイルでなくては。
原作のイメージと比べても、ジェニファー・エイルのほうがあっていると思います。



マンスフィールド・パーク
マンスフィールド・パーク
クリスマス原題は『Mansfield Park 』。
jester未読です。

他のオースティンの作品と比べると、ヒロインは地味らしい。
一種のシンデレラストーリーかな・・・?




マンスフィールド・パーク

BBCでドラマになってるんですね〜
これも見たいな♪




エマ (上) (ちくま文庫)
エマ
クリスマス原題は『Emma 』

お嬢様のエマが縁結びしようと奔走する話。
軽い感じのコメディです。
わりとすらすら読めたかな。

『ジェイン・オースティンの読書会」のジョスリンが重なって見えます。


エマ
エマ
映画ではグウィネス・パルトロウが知識先行型で突っ走るエマをキュートに演じてました。着せ替え人形のようにとっかえひっかえのドレスも可愛かった。

ユアン・マクレガーがプレーボーイをやっていて、「ムーラン・ルージュ」ほどじゃないけど歌も歌ってます。



説得

クリスマス原題は『Persuasion 』
ジェイン・オースティンが死んだ後に出版された作品のひとつ。
岩波文庫では『説き伏せられて』という邦題で出ています。

オースティン晩年の作品だけあって、落ち着いた雰囲気ということですが、jesterは未読です。

周囲に反対され、8年前に分かれた恋人と再会したら、恋人は立派な人になっていた・・・・といった話らしい。

これもBBCでドラマ化したらしいです。


イルマーレ
この映画で、サンドラ・ブロック演じるケイトがお父さんからもらった「Persuasion 」を大事にしていて、それを駅に忘れ・・・・
という感じで重要な小道具になってました。

「イルマーレ」を見たあとに「Persuasion」読みたいな〜と思ったのを思い出しました。



ノーサンガー・アベイ
ノーサンガー・アベイ
クリスマス原題は『Northanger Abbey 』
jester未読ですが、ずっとNorthangerにある修道院で起きた出来事の本なんだろうと思ってました。(爆)
Abbeyって修道院だけじゃなくて邸宅(もと修道院だった?)のこともいうんですね〜
ひとつ勉強になりました。
(そういえば、字幕でも『ノーサンガー寺院』とかなってませんでした・・・・?)

しかしAbbeyって、アベイって読むのですか? アビィじゃないの??
それとも訛りかな?


これは映画化されていないみたいですね。



とまあ、読み返したい本、読みたい本、もう一回みたい映画やドラマが仰山ですわ。

ゆっくり楽しみたいと思ってます♪

posted by jester at 21:05| Comment(17) | TrackBack(2) | さ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月15日

ジャンパー  JUMPER

「どこでもドアーが欲しい!!」
って叫んだことが今まで何回あったことか。

ジャンパーだったら、遅刻はめったにしないですむし、飛行機で13時間もずっと座り続けて外国に行かなくても、ささっといけちゃうんですよね〜

20080117003fl00003viewrsz150x.jpgこの映画、映像は綺麗でした。
ローマのコロシアム、ビック・ベンの文字盤、スフィンクスに渋谷に銀座・・・
といったことのあるところ、ないところ、いろいろ見られて楽しかったデス。

見たあとしばらくは「一人ジャンパーごっこ」をしてしまいましたわ。(といってもその辺で飛び跳ねるだけ・・・)(爆)

☆☆1/2 でした。



前の記事でも書きましたが、「ジャンパー」は見る前の期待度が高くて、「バンテージ・ポイント」より先に見たんですよ。

だけど見終わったあとの充実感は、「バンテージポイント」のほうが高かったでした。

「ジャンパー」も楽しかったですけどね。

まるで富士急ハイランドで「ドドンパ」系乗り物に乗ったみたいに、世界中の景色を楽しんだあとは、どきどききゃああ!
ああ、おもしろかった。チャンチャン。

・・・・・・・・・という映画でございました。

なのであまり語ることもなく・・・終わります(おい)




というのは酷いので、気を取り直して書いてみることにしました。パンチ(殴パンチ(殴

(しつこいですが、去年は「ダイハード4」「ロッキーファイナル」「ブレイブワン」「ゴーストライダー」「ザ・シューター」などなど、あ、「ミルコの光」も「めがね」も書いてないや(汗)
という具合に、見たのにレビューを書かずに来てしまったのが多すぎ、しかもその内容をほとんど忘れてきてしまい、戸田奈津状態(映画をいっぱいみたのに記録してなかったのが惜しいとかなんとか言ってました。)だったので、今年は心を入れ替えてます。・・・いまんところですが・・・・)

(****以下、映画の内容には触れてます。未見の方、ご注意ください!****)


最初は引き込まれたんです。
とにかくジャンプするのにあこがれました。
ああ、あんなふうに出来たらなんて便利なの!

でも話が進むにつれて、画面は面白いけど、主人公にも、追う側にも共感できる人物がいないんですね〜
脚本が弱すぎ。
その辺が物足りなかった原因かな。

「どこでもドアー」は面白いけど、それだけではやはりどらえもんじゃないけど、子供向けで終わってしまいます。
もしかして続編を作ろうともくろむあまり、後半のストーリーで適当に力を抜いたのでは?などと邪推したくなりました。
(あのラストはなんなんだ・・・・・)


犬 「テラビシアにかける橋」のレスリー役だったアナソフィア・ロブがでてきて喜んだのはつかのま。
あっというまに別の女優さんに代わっちゃってがっかり。
しばらく見ない間に(?)けっこう大人に育っていたから、メイクを工夫すれば、そのままヘイデン・クリステンセンの相手にしても大丈夫なんじゃないの?なんて思いました。


猫 ダイアン・レインがもっと活躍するかと思っていたけど、せっかく演技が出来る彼女を使ったのに、活かしきれてませんでしたね。
設定もいまいち謎。彼女もジャンパーだったのかとおもったら・・?
それにやけに年とって見えたし。撮り方へたです。


サミュエル・L・ジャクソンは恐いだけで、よくわからない存在。
狂信的に残酷に襲ってくるのが、なぜそこまでするのかがちゃんと説明できてない。
ジャンパーの才能がうらやましいのだろうか・・・・?
いや、なんか昔々からいた「ジャンパー狩り人」らしいんですが・・・・

もしかしてヘイデンが暗黒面に飲まれてダース・ベイダーになる前にやっつけたいのか?とかつまらないことをいいたくなりました。


でもダース・ベイダーのほうがまだ共感できる部分があったかも。

今回のヘイデン・クリステンセンは銀行で人のものを盗んで(カジノのチップまで倉庫に溜め込んでたし)、その金でリッチな生活をして女の子引っ掛けて、あげくにつかまって壁に縛られて情けなさそうにして、怒って、戦って・・・とあまりに単純なおばかさんで、演じる部分がなくて、かわいそうでした。
とはいえ、撮影はいろんなところにいけて楽しかったかもと思いますけど。


ぴかぴか(新しい)そんな中でジェイミー・ベルはまあまあいい味出してました。
スコットランド訛り(ビリングハムってすごい訛りなんですね〜)も飄々としてる感じでよかったです。
「リトル・ダンサー」の彼も大きくなりました!

彼がいままでどうやって生き延びてきたのか、もっと知りたいな〜と思いました。
そっちのほうが面白そうかも・・・あせあせ(飛び散る汗)



猫 最後「そんなところに置き去りにしないでサメに喰わせとけ! じゃないと2作目でまた生きてでてくるぞ!」と怒鳴りたくなったのは私だけではないはず。(爆)


posted by jester at 22:22| Comment(14) | TrackBack(11) | さ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月19日

潜水服は蝶の夢を見る LE SCAPHANDRE ET LE PAPILLON

e0093293_19195799.jpgいままでだったら亡くなっていた重篤な患者が、先進技術によって奇跡的に生きながらえる。

しかしジャン=ドミニック・ボビーの場合、体の機能は左目を残してすべて奪われたLocked in syndrome状態でだった・・・

動かぬ体に閉じ込められた正常な精神。
それによって彼に与えられた「時」は彼にとっては苦悩の時であっただろう。

しかし彼の思考したことや彼の存在は、わたしたちにたくさんのことを気づかせてくれる。

まさに彼の「時」は、彼に与えられただけでなく、そのほかの人類に与えられた祝福だったのかもしれない。

  ☆☆☆☆−でした!


去年、マチュー・アマルリック・ファンのnouilles-sauteesさんのところで記事を読んで以来とても気になって、jesterも原作を読んだりして待ちわびておりましたが、(その様子はこちらの記事にかいてあります♪)やっと日本でも見る事が出来ました。

潜水服は蝶の夢を見る
アルファベットを順番に読み上げてもらい、使いたい文字で瞬きするという方法で、20万回の瞬きを繰り返して書かれた本。

この本を読むと、書いた本人のジャン=ドミニック・ボビーとそれを手伝った人の、気が遠くなるような生の営みにまず感嘆します。
人間が生きるということを考えさせてくれます。
(原作のレビューはjesterの読書ブログのこちらの記事です。)

でも映画を見ると、よりそれがクリアになりました。



雪   雪   (以下、映画の内容に少し触れています。未見の方はご注意ください!)




冒頭シーンで、観客はまず、「ロックト・イン・シンドローム」というのがどういうものなのかをつかのま体験することになります。

ぼやけた視界、そして目をそらしたいのにそらせない医者のヒゲ面の毛穴まで見えるドアップ。
自らの拍動、呼吸音の大きさが、患者の不安で混乱する気持ちを伝え、息苦しくなってくる。

このシーンを見つつ、思わず自分も目をぱちぱちさせたり、舌を動かしたりしながら、潜水服(正確には頭からすっぽり被るタイプの潜水用のヘルメットのようなもの)に入っているような患者のつらさと、それに引き換え今の自分にはどれだけのことが与えられているのかがじわじわとわかってくる。

初めて綴った言葉。
「ぼくは死にたい」

それを書き留めた言語療法士アンリエットが「そんなことをいうなんて失礼よ!」といって立ち去る。

閉まったドアを見つめる、絶望。

永遠だと信じていたのに、もろく崩れて海に戻る氷河のように、冷たくゆっくりと崩壊していく精神。

そんな中で、人はどうやって人として生きのびていけるのか。

昔、飛行機でジャン=ドミニック・ボビーが席を譲り、その後ベイルートで人質になって暗い地下に5年間閉じ込められた友達がやってきて彼に言います。

「わたしの体験はきっとあなたの助けになる。
わたしは幽閉されている間、ずっと毎日大好きなビンテージワインの名前を思い出して過ごしていた。
だから気が狂わないで過ごせた。
人間性にしがみつけば、生き抜ける


そしてジャン=ドミニック・ボビーが見つけた答えは、「瞬きによって、自分の心を文字として表現すること」。

眠れぬ夜、長い長い待ち時間に、書きたい事を考えてそれを暗記しておき、あとで時間をかけて書き取ってもらう。

麻痺した肉体に閉じ込められた精神が自由に羽ばたく様子を、選び抜いた鮮明に描写して・・・・


90歳を過ぎた父とのひと時の回想、「人は皆子供だ。認めて欲しいのだ」なんて言葉が心にしみます。
そしてその父がむせび泣く電話が切ない。


でも彼の想像は美しく、時にはセクシーに展開する。

女性と一緒にオイスターを食べ狂うシーンでは、思わずオイスターを食べたくなりました。(マチューに食べさせてもらって(殴パンチパンチ


クリスマス彼の環境はまた彼にとっては幸運だったと思いました。

サポートしてくれる元妻や子供たち、言語療法士のアンリエット(マリ=ジョゼ・クローズ)や女性編集者のクロード(アンヌ・コンシニ)、友人たちに恵まれ、美しい海辺の病院という環境で過ごせたからこそ、心をより自由に飛ばせられたのかもしれないと思います。


ぴかぴか(新しい)そして役者さんたちがまたいいんですよ〜〜!
マチュー・アマルリック!
病気になる前の知的でちょい悪なカッコよさから180度転換して、目をひん剥き、口を曲げてよだれをたらし、それでも必死で生きている患者の演技がすごい!

父親役のマックス・フォン・シドーの存在感も大きかった。息子にひげを剃ってもらう時の「若い頃はさぞかし遊んだんだろうな」というセリフも彼だったら納得。
そして電話で彼が泣くシーンではそのつらさに思わずもらい泣きしました・・・

それからアンリエットはマチューとは一緒に「ミュンヘン」に出てて恐ろしかったマリ=ジョゼ・クローズだし、「灯台守の恋」のCamille役だったアンヌ・コンシニが女性編集者のクロードをやってます。

そのほかに、元妻のCéline Desmoulinsなど、女性陣はみんな大人っぽくてとても素敵。


リゾートそれから、色調を抑えた画面がシックで綺麗です。

ファンションも、さりげなくシンプルなのがいいの。(日本女性のファッションはまだまだ作りすぎててわざとらしいとおもうjesterである)

白衣の下のチェックのシャツ、シンプルな柄物のワンピース、飾り気のないざっくりしたセーターやカーデガン・・・・シックです。
(しかしお医者さんたちのチェックのシャツに柄物ネクタイというのは、どうなんでしょう・・・)


猫見終わったあと、しみじみ自分がどれだけの奇跡に恵まれているのかを感じました。
言葉がしゃべれる幸せ、歩いて好きなところへ行ける幸せ、本を自分の手でめくって読める、映画を見に行ける、ランチを食べられる、どれもどれも、実はすごいことなんですよね・・・・

大切にしなくては!
(もし脳卒中になっても、左目だけは動けますように・・・)

・・・そんなことを素直に思うことが出来る映画でございました。

アカデミー賞でいくつかノミネートされてますが、幾つ受賞できるか楽しみです♪



posted by jester at 21:18| Comment(20) | TrackBack(8) | さ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月02日

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師

スプラッタ系は苦手のjesterですが、どうしてもジョニデとアラン・リックマンのデュエットが聞きたい! と覚悟を決めて「SWEENEY TODD: THE DEMON BARBER OF FLEET STREET」をみてきました。

ところところ目をつぶりつつ、ティム・バートン・ワールドに浸りきって、☆☆☆☆でしたわ黒ハート


出だしの、地底から響いてくるようなオルガン、あれは劇場の音のいいところで聞きたいですね!

モノトーンの美しい画像と、メロディアスな曲、そして達者な役者たちの演技。
この辺にはもう何もいうことはありません。

なんしろスィニートッドなんだから血がドバとか人肉パイなんかでひ〜ひ〜いってたら楽しめません。(いったけど)

ゴキブリがいっぱい歩いているパイ屋も、強烈なブラック・ユーモアだから、笑えます。
でもつぶしてパイに入れるのは・・・ティム・バートン、悪乗りしすぎだよと思いましたが・・・(当分パイは食えんぞ・・・)
舞台と違ってアップになるので、グロいシーンがきつくて、笑えない部分もあったけど、そういうところではすばやく目をつぶり・・・

ヨーロッパの御伽噺ってとっても残酷なんだけど、これも一種の御伽噺ですね。

jesterはダンスの入ったミュージカルの映画化は、生の舞台とくらべると「気」が伝わってこない気がして駄目なことが多いのだけれど、これはダンスがなかったせいもあるのか(殴)抵抗なく見られました。


ぴかぴか(新しい)ジョニデはさすがにこういう癖のある演技が上手い。
チラッとでてくる回想シーンの若い頃のピュアな感じがまた、スウィニーの凄みのある狂気を引き立ててました。
「アカデミー主演男優賞」とられても仕方ないかも・・・・あせあせ(飛び散る汗)
(ヴィゴの映画を見てないのでちょい弱気・・・)

でも唇を片側だけひくひくさせるところとか、ジャック・スパロウ船長にみえちゃって、ちょっと損かもしれません。

ま、「カリブの海賊」があったからこそ、この映画を見に行った、っていう乙女のファンも多いと思うけど。
(今までのティム・バートン&ジョニデ作品を見てなかった人は気分が悪くなったかもしれませんね・・・・)


雪アラン・リックマン、役どころとしては「パフューム」のお父さんとちょっと似てるけど、すけべな判事の役。水戸黄門でいうと悪代官様です。
もうぴったりだわ〜(殴パンチ
無精ひげを伸ばして、なんかとっても楽しそうにやってましたね♪
歌も頑張ってました!


ハートたち(複数ハート)それと、若い恋人二人もみずみずしくて良かった♪
ジョアナ役のJayne Wisenerも色素の薄い顔と柔らかそうな体つきでよかったけど、アンソニー役のJamie Campbell Bowerがとりわけ綺麗でした。
彼の写真をあさってたらお化粧してるのがいっぱい出てきたけど、もしかしてそういう人なのかなあ・・・?


その他の脇役もみんな上手。
トビィ少年役のEd Sanders も上手い。
ハリポタでも悪役やっていたTimothy SpallやHelena Bonham Carterがまたこれ絶妙!

とここまで書いて気がついたけど、アラン・リックマン、Timothy Spall、Helena Bonham Carterと、配役がハリポタとダブってますね〜
Snape先生は無理としても、あとの二人はそのままの衣装でハリポタにでても違和感ないかも。


クリスマス画面がとても凝っていて、例えばスウィニーの部屋の窓ガラス、ちゃんと表面が微妙に波打っていて、外の景色がゆがんで見えるのです。
あの時代の窓ガラスってそうなんですよね。
ロンドンの古い建物にはいまだにああいうガラスが入っているところがあります。
日本でも長崎の古い建物でこういう窓ガラスがありました。
あの辺まで心を砕いてるところがすごいなあ。


スプラッタ苦手だから、血がドバ!シーンや、指が〜〜・・・では目を薄目にしてましたが、それでも食欲は減退しました。(爆)

音楽もよかったし、DVDは買いですが、毎日かけていたらダイエットになるかも・・・?


猫余韻を残す終わり方も切なくて、もしもスプラッタが大丈夫だったら、けっこうリピート鑑賞していたかもと思いましたです。
(劇場でもう一回見るか?自分・・・・
・・・見るかも・・・?)

posted by jester at 19:12| Comment(14) | TrackBack(7) | さ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月20日

再会の街で REIGN OVER ME

想像もしていなかった突然の不幸が襲い、もう立ち直ることが不可能と思われる絶望の日々・・・

息をするのも苦しい、思い出すぐらいなら心臓が止まってしまえばいいと、それだけを望む毎日を、人はどうやって生き延びるのだろう?

生きてさえいれば、いつか絶望に光が差すことはあるのだろうか?

懐かしい音楽と共に、そんなテーマで撮られた映画。
jesterは☆☆☆☆でした。

20070925006fl00006viewrsz150x.jpg人影もないマンハッタンの夜明け・・・そして夜更けのネオンサイン輝く摩天楼の底を、一人原付キックボードに乗って危うげにすべる男。

バックに流れるグラハム・ナッシュのつぶやくような「Simple man」
I am a simple man
so I sing a simple song
never been so much in love
and never hurt so bad at the same time.

I am a simple man
and I play a simple tune
I wish that I could see you once again
across the room like the first time.
(僕はシンプルな人間
だからシンプルな歌を歌うよ

熱烈な恋愛はしたことがない
だからすごく傷ついたこともない

僕はシンプルな人間
だからシンプルなメロディを弾く

もう一回だけでいいから君を見たい・・・
あの最初の時みたいに、部屋の向こうにいる君を・・・)


なんかこの出だしでやられました・・・・

彼は911で家族を失っているってネタバレしてしまってたのですが、歌詞と大都会の孤独な人間の画像の美しさがあいまって、この時点から一気に主人公、チャーリー(アダム・サンドラー)に感情移入してしまいました。

チャーリーは「たまたま」911で妻と娘を失ってしまいますが、原因は、阪神大震災でもハリケーン・カトリーナでも酒酔い運転が引き起こした交通事故でも・・・、誰の身にも起こりうる出来事。

表情を失った彼の姿に、悲しみで紡いだ心の琴線が震えます。

そこから暫時這い上がれる『強い人間』もいるし、悲しみに負けてしまう人間もいる。

彼は悲哀に打ちのめされて、自分自身の存在すら否定してしまい、ただこの世に漂う、幽霊のような存在になっている。


それからもう一人の男。アラン。(ドン・チードル)
学生時代から、「人に合わせる」ことが上手だった。
社会的には歯医者として成功し、それなりの生活を手に入れ、家族にも恵まれている。
だけどなんだか死んでいるような気がする毎日。
アランもまた、どこかひりひりと乾いた、幽霊のような自分を感じている。

そんなアランが、歯科大学時代のルームメイトのチャーリーを街で見かける。
新聞で彼の家族が亡くなった事は知っていて、気になっていた。

チャーリーの現実を知って、なんとか手助けしたいと思うアラン。

そして・・・・

一緒にテレビゲームをしてモンスターと戦ったり、バンドごっこをしたり、コメディ映画を見たりしているうちに・・・
彼の表情もほぐれていく。
癒そうとしている自分が癒されていくのを感じる・・・・。

他者を癒そうとする真心が、実は自己の傷も癒す=人間は深いところでつながっている存在だ、みたいなメッセージを感じました。


雪アダム・サンドラーはコメディから一挙にシリアスな役に挑戦。
そういえばロビン・ウィリアムズもジム・キャリーもそうでしたね〜

外観はがらっとかわってボブ・ディラン張りのぼさぼさの長髪。
「レインマン」のダスティン・ホフマンや「アイ・アム・サム」のショーン・ペンのような演技で、後悔と悲しみから無感覚・幼児的になった(なろうとしている)人間を演じています。
すべてを否定しているように見えるチャーリーですが、じつは彼なりになんとか生きていこうと必死の努力の上の、これしか方法がない、無感覚。

映画では説明されませんが、彼がしがみつくようにやっているゲームは、モンスターを倒して恋人を救出するゲームなんですって。

そして、それでもなんとか、藁にもすがる思いで、アランに向けて心を開こうとする・・・

後半の「悲しみの表現の撮り方」が少々直接的過ぎてjesterはちょっと・・・と思いましたが、まあそれは演出の問題ですね。


雪対するアランを演じるドン・チードルは、「ひどく心を壊した友人に対する寛容と慈しみ」の表情と、彼のお得意の
「生真面目だけど、だからこそ傷つきやすい人」
の表情が生きてます。
旧友チャーリーを見捨てず、とことんその絶望に付き合っていく真摯な姿に打たれるし、社会や家族が望む自分の姿と、本来の自分像のずれに悩む現代人の演技がうまい。

とはいえ、脚本段階で、アランの人間造形を職場や家庭を絡めて、もうちょっと繊細に掘り下げてくれたら、もっと彼の心情がうまく伝わったのではと思います。(☆一個マイナスはこの辺です)


それと後半の裁判のシーンの検事(弁護士?)もちょっとわざとらしい。
ドナルド・サザーランドふんする判事が素晴らしい味を出していて場を救ってはいますが・・・・

この辺は誰にでもわかりやすくするためにでしょうが、少々強引な脚本の持っていきかただなと思いました。


猫『911で・・・』と言う辺にそのヴァリューをねらっているのかなとも感じますが、巨額のお金をかけて悲劇を再現することで911をエンタティメントに仕上げた『ワールド・トレード・センター』を見たときに感じた、製作側のあざとさや対イスラム政治臭は感じられず、それよりも、時間をかけて傷を癒していく人間たちの営みに向けた、
「時間がかかっていいんだよ。自分のやり方でいいんだよ。時には人を頼っていいんだよ。心を開いて、差し伸べられた手を握ろう。」
というやさしい監督の視線を感じました。

posted by jester at 11:57| Comment(2) | TrackBack(3) | さ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月29日

その名にちなんで The Namesake

密かに一人で盛り上がっていた「The Namesake (その名にちなんで)」を見てきました。
原作ファンだもんで、どうしても原作の内容と比べながら見てしまいます。
その辺、ちょっと批評的になっちゃいますが・・・・

全体的な評価は☆☆☆☆でした。

騒音と色彩に満ちた南国インド・コルカタ(カルカッタ)からモノトーンの冬のアメリカに移住してきた二人の若者、アショケ(イルファン・カーン)とアシマ(タブー)。
お見合いで結婚した二人が異文化の街でおずおずと心を交わしつつ、生活していきます。

やっと生活になれた頃、妊娠して子供が生まれる。
名前をインドにいるおばあちゃんに付けてもらおうと思うけれど、退院するのに名前がないとできないと言われ、じゃあニックネームのつもりで、とつけた名前が「Gogol」。
アショケの好きな、そして彼の運命を変えたロシアの作家、ニコライ・ゴーゴリにちなんで、ゴーゴリ(発音はゴーゴルですが)ととりあえずつけます。

ところがおばあちゃんからの手紙がインドからつかず、この名前が定着してしまうんですが、この辺は映画でははしょってあります。

というか、全体的に細かい部分はかなりはしょられてます。
このデティルの描写にこそ、ジュンパ・ラヒリの持ち味があるのに、とちょっと残念。

例えば原作では、アメリカにわたり妊娠したアシマがインドの味を懐かしんで、コルカタの駅で売っているスナックに似た味のものを苦労して作ろうとしているシーンで始まりますが、このシーンも映画では途中で一瞬映るだけ。
原作を読んでいない人が映画だけみたら、ただのクッキングに見えてしまうでしょう。
その時のアシマの心の揺れを原作では事細かに書いているけれど、映画ではその描写はありません。

ま、全部を映像化するのは時間的には無理ですがね・・・・あせあせ(飛び散る汗)
それにしてはテンポが遅い部分もあって、ミラ・ナイール監督、どうしちゃったの?という感じ。


Gogolはアメリカで育ち、アメリカ英語をしゃべり、イェール大学に進学するほど優秀ですが、親たちの持つ文化と、自分の育った環境の文化のギャップに違和感を覚え、自分は親とは違う文化に属すると信じてアメリカナイズされていくけれど・・・・

という展開。

Gogolに視点が移ってからはどんどんはしょられて、原作を読んでない方は話についていけないのではないかと余計な心配をしてしまいましたが・・・・どうでしょうね?


クリスマス以前に「マイティ・ハート」で俊敏な刑事役を演じたイルファン・カーンが、寡黙で実直な研究者を演じてます。

この映画では丸いめがねとくるくる髪の毛でまるで別人のようです。
学生のシーンはさすがにちょっと無理があるかなと思ったけれど、なんとも暖かい夫&父親役でした。

家族旅行したタジ・マハルの前で、
「死んでまでこんな建物を建ててもらえるなんて、シャー・ジャハーンは本当に奥さんを愛してたのね」とアシマにいわれ、
「どの夫も妻を愛してるよ。財力があったら、みんなタジ・マハルを妻のために建てると思うよ」
と朴訥な彼が真面目に答えるところが可愛い!!(原作ではこのシーンはありませんでした)


ぴかぴか(新しい)アシマ役はタブー。
日本ではあまり知られてませんが、インドではたくさんの映画に出ている有名な女優さんです。
とにかく綺麗!!

アメリカについたばかりの頃、なれない生活に戸惑いがちな表情はアショケじゃなくてもかばってあげたくなる!
セーターを洗って縮ませてしまい、夫に責められてトイレに立てこもって涙をポロリとこぼすシーンなんか、可憐の一言!
(そりゃそうだよね、インドじゃ洗濯は奥さんの仕事じゃないもん。全部洗濯屋にだして洗濯するし!)


クリスマスGogol役のカル・ペンは、「スーパーマン・リターンズ」にちょい役ででていましたが、ここまでアップで見るのは初めて。
いや〜〜立派な唇ですわ。
最初は暑苦しすぎる顔だわ〜と思ってましたが、そのうち見慣れました。
後半で髪を短くするとちょっと雰囲気がよくなります。
普段はアメリカ英語なのに、父と話す時は少しだけインド訛りが出たりするところはうまいな。


ぴかぴか(新しい)ズーレイカ・ロビンソンがGogolの結婚相手のモウシュミ役。
ズーレイカは「Hidalgo」でヴィゴの相手役をやったのでjesterはとっても良くおぼえてる女優さんですが、そのあと「ヴェニスの商人」にもシャイロックの娘役で出てましたね。
確かインド系ではなかったはずですが、インド人と言われればそうかもしれないと思えます。
今回はとっても色っぽい役でしたが、モウシュミの心の動きはあまり描写されてませんでした。


ぴかぴか(新しい)それと、IMDBをみていたら、キャストの中に原作者のJhumpa Lahiri(ジュンパ・ラヒリ)の名前を見つけてびっくり
「Jhumpa Mashi」の役ででていたのね〜〜
ちっとも気がつきませんでした。
Jhumpa Lahiriって、すんごい美人なんですよね。
そういわれてみれば、親戚一同の中にいたかな・・・・と必死で思い出してみますが・・・・もしかして今は写真のころよりもうちょっと太っちゃったのかなあ・・・?
あの人かな、とおぼろげに思ったりもしますが・・・・ずいぶんずんぐりしてたような気がします・・・あせあせ(飛び散る汗)


しかし、インド映画ではありえない「ラブシーン」が何回か出てきて、しかもかなり濃厚でビックリ。
インド映画では恋する二人が見つめあうとすかさずダンスが始まって、ラブシーンはなしだし、裸体どころか、バスタオルでちらりでも大騒ぎになるぐらいなんですよね。
う〜ん、これはアメリカ映画なんだな、と思いました。

インド映画のお決まりのフィルミー・ダンスも、Gogolとモウシュミが初夜のシーンでちょっと踊ってましたが、そのぐらい。
あのシーン、インド人へのサービスかなと笑えたけど、インド映画を見たことのない人は「なぜここで踊る??」と不思議だっただろうなあ・・・・


ぴかぴか(新しい)インドの色彩と音、町の様子などが丁寧に描写されているので、原作を読んだ方はこの映画を見られると、映像的に理解が深まるかも知れないと思います。

インドでは父親が死ぬと長男が頭を剃る伝統がありますが、それも画像で見ると印象的。

死者の火葬された灰をまいてる横で、泳いでいる子供がいる風景、あれこそインドであります。

ストーリーは細部の追い方がJhumpa Lahiriほど丁寧じゃないですが、その辺は脳内変換して・・・・



全編に流れる音楽もセンス良く盛り上げてくれてます。


原作を読まれてない方は、原作を読まれてから見るのもひとつの手かも、と思います。

そういうのって映画としてどうよ、とも思うので☆☆☆1/2ぐらいかしらとも思うのですが、原作のファンだったので、ちょっとおまけして評価は☆☆☆☆をつけました。(汗)


The Namesake

 原作の本については、jesterの読書ブログ(こちらの記事です)でご紹介させていただいているのでよかったら覗いて見て下さい。
posted by jester at 21:27| Comment(11) | TrackBack(3) | さ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月21日

潜水服は蝶の夢を見る マチュー・アマルリック♪

「ミュンヘン」からずっと気になっているマチュー・アマルリックが主演する「"Le Scaphandre et le papillon"(潜水服は蝶の夢を見る)」のトレーラーを劇場で見ました!

「君の涙 ドナウに流れ ハンガリー1956」を今日、有楽町シネカノン2丁目で見てきたのですが、(こちらのレビューはまた後日・・・)その前にこの映画のトレーラーが流れて興奮。

nouilles-sauteesさんところでレビューを読まさせていただいて、いつ日本に来るのかしら・・・と思っていたら、突然トレーラーが始まったので「おお!来た!!」とびっくりしました。


突然脳梗塞で倒れ、左目以外は動かせなくなってしまった男性が、20万回の瞬きで書き上げた自伝を元にして作られた映画・・・・

瞬きだけで本を書くというのもすごいし、それを手伝った人もすごいです。

映像にしたら一体どんなになるのだろうと思っていましたが、マチューの演技、トレーラーで見ただけで素晴らしかったですわ〜〜

ジョニー・デップも切望した役だそうですが、それもうなずけます。

来春公開ということで、とても楽しみです!

The Diving-bell and the Butterfly


ところで原作も読みたいと思っていたのですが、フランス語で読むとなると1年ぐらいかかりそうなので、(いや、1年ではすまないでしょう、きっと・・・・)英語訳で読もうかなと思っていたのでした。

英語版はいろいろな会社から出ています。

潜水服は蝶の夢を見る

でも和訳も再版が12月に出る模様です。
映画館でもらったフライヤーに書いてありましたし、トレーラーでも宣伝されていました。

映画がヒットしたので、なんでしょうかね?



posted by jester at 16:40| Comment(6) | TrackBack(1) | さ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月07日

スターダスト STARDUST

このところ、「黄金の羅針盤」「光の6つのしるし」「スパイダー・ウィックの謎」と、原作を何度も読んだおなじみのファンタジーが次々と映画化されて公開待ち♪嬉しい限り。

フレディ・ハイモア君の出る「スパイダーウィック」もこないだ初めて予告をみてわくわくしてました♪

しかしどんどん映画を見ているのに、レビューを書かずにたまってしまい、焦ってますあせあせ(飛び散る汗)

少しずつでも書かなくては(汗)忘れてしまう〜(汗)(汗)

というわけで、「Stardust(スターダスト)」でございます。

イアン・マッケランさんのあったか〜い声のナレーションと、Wallを超えたところにある不思議な街。

この出だしだけで、もうグッッとハートをわしづかみされました。
ファンタジー好きにはたまりませんわ〜
後はジェットコースターに乗った気分で楽しむだけ!

とはいえ、主役の二人は演技は上手だけど、主役としてのオーラが・・・うむむ。

トリスタンは・・・チャーリー・コックスはかわいいけど、好みの俳優さんじゃないです。長髪になってからのほうが素敵でした。

ヒロインのクレア・デインズは、北欧系って感じですが、いまいち線の太い人。

その点、脇役陣がすごかった♪

ミシェル・ファイファーやロバート・デ・ニーロはもちろんのこと、その他の人たち(主におっさん)も演技達者な人たちばかり。


デヴィッド・ケリーさん演じる、やけに強い壁の番人さんもキュートだし!

トリスタンのお父さんもかっこいい!

Skinny Pirate(やせっぽちの海賊)役のDexter Fletcher さんも存在感あったし!
(この人「トリスタン+イゾルデ」にもオリック役で出てましたね〜)

それから、セプティマスのマーク・ストロングさんも良かった♪
なんかルーファス・シーウェルの従兄弟さんですか?という雰囲気と役どころでした。

とにかく幽霊軍団がもうおかしくて、出てくるたびに爆笑でした!
(一人、アダム・バクストンさんかなあ・・毒飲んで死んじゃうお兄さん、幽霊になってからコリン・ファースに似てる気がして仕方なかったです)

それから山羊が変身したオヤジもおかしかったし、鶏声にされちゃう商人も笑えた〜〜!


ぴかぴか(新しい)そのほか、小物も楽しくて。

バビロンのロウソクとか、ルーン文字の占いの駒(欲しい!)でしょ、山羊馬車もおかしかったし!


というわけで、ハリウッドがファンタジーを作ったらこうなる、という見本のようなお金が掛かっていて、何でもありで、楽しませてくれて、でも後には何も残りません(爆)というファンタジーで、この前見た「パンズ・ラビリンス」の正反対の究極にあるような作品ですが、jesterは結構楽しみました。

まるで豪華な紙芝居を見ていたみたい。

彼女の気を引くために流れ星を見つけに行く、っていう動機がそもそも不純だし、海賊っていっても雷を捕まえて売ってる商売人で、なぜか女装が好きだったりして、おっとっとな展開ながら、大体、おばあさんが炉辺で語ってくれる昔語りってこんな風に荒唐無稽なのよね。
もともと歴史的にだって、王家のお世継ぎで兄弟が殺しあう、なんていうのも良くあった話だろうし、御伽噺では親が子供を殺して食べた、なんていうストーリーもあるし。
今良くあるような、ずっしと重いテーマがあるファンタジーではなく、ヨーロッパなんかにある伝承の昔話を寄せ集めたと言う感じのストーリーでした。


だから童心に返って楽しんでしまった。

ディズニーランドの乗り物みたいです。
子供向けだから、残虐なシーンは映らない(占いで動物を殺すシーンとか)し、一番上のお兄さんが流す血も赤ではなく青かったりして、安心してみていられますし、ラストだって何も心配なし。


しかし、ミシェル・ファイファー、すごかったなあ・・・
若く変身した顔でも、時々おばあさんに見えるのは演技なのか現実なのか・・・・

魔法を使うと若作りパワーが落ちて、手に老人班が出ちゃうところが笑えました。

とにかくある意味女優を捨ててる(?)汚れ役だったけど、迫力満点の魔女でございました。






posted by jester at 09:37| Comment(14) | TrackBack(3) | さ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月19日

幸せのレシピ NO RESERVATIONS

エンディングにもかかったパヴァロッティの美声の「もう誰も寝てはならぬ」に酔いしれて、映画館を出るときはいい気分だったのですが・・・・

「NO RESERVATIONS(幸せのレシピ)」の評価って、元になるドイツ映画「マーサの幸せレシピ」を見ている人と見てない人(か、元の映画への思い入れがあるかないか)で分かれるのかもしれないな〜って思います。

マーサの幸せレシピ

jesterは「マーサの幸せレシピ」が大好きだったので、どうしても比べてしまうという例の「リメイク現象」にはまりました。
リメイクは「シャイン」のスコット・ヒックス監督だったので、期待してしまったのも悪かったかもしれない・・・あせあせ(飛び散る汗)

でも、もし「マーサの幸せレシピ」を見てないでこれを見たらどう思うかを冷静に考えてみると(どうしても冷静になれないんだけど)結構好きな部類の映画なんじゃないかと思うのです。
見終わったとき、気持ちが明るくなってるのがいいし。

でも、見ちゃったものを見てない振りは出来ないので・・・

というわけで、2つの作品を比べてのレビューになってしまいます。

お許しください・・・・パンチパンチパンチパンチ



基本的に、二つの映画はとってもそっくりに作られているんですよね。
セリフも、衣装も、脇役の顔までよく似た感じだったりします。

よく似すぎているので、どうしても違う部分が目立つのよね・・・


そう、舞台がドイツじゃなくて、ニューヨーク

これが大きい違いなんだなと思います。

ニューヨークはイタリアと地続きじゃない! 車で行き来できない!

したがって、姪っ子のイタリア人の父親探しができない!

だから、姪っ子がイタリア人の副シェフに親近感を持ったり、パスタだったら食べたりする心理描写が出来ない!

で、預かったヒロインも「父親を捜してその元に送り届けるまで預かるだけの関係」からスタートできない!

それから、イタリア人気質とドイツ人気質の大きな違いと、両国間の心理的反発が、アメリカ人同士だとないから、単に性格が違うだけに見えておかしさが半減しちゃいます。

(jesterの知る限りですが、両国民は仲があまり良くなくてイタリア人はドイツ人を嫌いな人がよくいる。ドイツ人はイタリア人を馬鹿にしているときもある。
もうイタリア人の子どもたちなんか、インターナショナルスクールに来月ドイツ人が転校してくるっていうと、眉の間にしわを寄せて「ドイツ人には注意したほうがいいのよ」なんてほかの国の子供たちを洗脳しだすほど(爆)ライバル心みたいなもの?があるみたいです。)


この辺が、リメイクの限界部分かな・・・。

それなのに、セリフとか心理描写をそっくり同じにしようとするから、どうしても脚本に無理がでる・・・・あせあせ(飛び散る汗)


というわけで、ゾーイがケイトとニックをくっつけようとしているように見える行動とか、レストランに来ちゃだめといわれて、自動車に轢かれそうになりつつ走るほど動揺するとか、それまで人に心を開けなかったケイトが、初めから母性本能があるように見えちゃったりとか、なんか不自然な感じがしてしまったのだと思います。


大体、アーロン・エッカートがシェフに見えないんだ〜

(キャサリン・ゼタ=ジョーンズだって、普段からお料理している人に見えないんだけど・・・)
あの無精ひげとぼさぼさの髪型からして、お願いだからお料理を仕事にするなら、帽子ぐらいかぶって欲しい、って思う・・・
いくらオペラが好きでも、生のウズラを片手につかんで振り回しつつ、厨房で大声で熱唱、なんて、笑えないじゃないですか・・・

だからというわけじゃないけど彼の「おばあちゃん秘伝」のパスタがおいしそうに見えないの
(「マーサの幸せレシピ」のマリオの「マンマのパスタ」じゃなくて、グランマの、になっているところがまたそれらしくなくて説得力がないし)

そして、ゾーイが食べるバジリコとポモドーロのパスタも、麺が伸びて張りがなくて曲がってくっついちゃってるし、トマトソースはどろどろだし、バジルなんか、さっきフレッシュな葉っぱをちぎってたのに、パスタに載せるときはみじん切り(?)になって、塩もみしてるみたいに黒く変色して見えて、全くおいしそうじゃない・・・
(食いしんぼのjesterにとって、食べ物の恨みは大きいです・・・子供が厨房に入って料理を手伝うのもすごく気になったし。)

彼はイタリア人じゃなくて、高校卒業後イタリアで修行したアメリカ人、っていう設定なんだけど、ゾーイの父親がイタリア人じゃないんだから、「イタリア料理」の必然性がなくなっちゃってるのよね。


対する「マーサ・・・」のほうのマリオは、お調子者で陽気でいつも歌を歌ってる感じがまさにjesterのイタリア男のイメージにぴったり。
こういうイタリア人って多いんだもん。
リナがまだ見ぬ父のイメージをマリオに投影してしまうのがわかります。

そんで、黒髪+浅黒い皮膚+背は低め、のもろラテン系で、マーサがガッチリ体型の色白ゲルマン系っていうのと正反対なところも、外観からして二人の相性が悪いのがわかって笑えるのです。


ヒロインは料理は天才的だけど、柔軟性に欠けていて人間関係を構築するのが苦手、精神的に追い詰められると冷凍庫(リメイクでは卵なんかも入っていたから冷蔵庫かな?)に閉じこもるっていう精神的症状があるんだけど、ゼタ=ジョーンズは自信にあふれている感じで、「心が開けない」と悩むタイプに見えないのよね〜

だから、ただ姉が死んで、悲しくて泣く場所がないから冷蔵庫に入っているみたいに見えてしまう。
(ただしリメイクのほうが、息が白く見えて、気温が低いのがよくわかったけど・・・)

「マーサ」で印象に残った、マーサの
「イセエビを料理するとき、暑いお湯に入れるなんて残酷だ。一息に首を刺してやらなくては。」
「何を入れたかはわからないけれど、何を入れなかったかはわかるの」とか、マリオの
「太陽の輝くイタリアに残りたいはずがないさ。暗くて寒いドイツで暮らせるのだから」
なんていうセリフもなかったし・・・。

ラストにいたっては、まるで「レミーのおいしいレストラン」!!
アメリカ人ってほんとにああいう単純な終わり方が好きなのね・・・



ま、リメイクでゾーイ役のアビゲイルちゃんはさすがに演技が上手で、大きな目にうるうると涙がたまるところなんか、もらい泣き。

「かわいい女の子」のイメージじゃないんだけど、それがまたいいのよね。

それにしても、「リトル・ミス・サンシャイン」を見たのはお正月だったのに、少しの間にアビゲイルちゃんがすっかり成長しててビックリしました・・・。


でも、もし「マーサの幸せレシピ」を見てなくて、この作品をみたら、きっと全然違うレビューを書いたんだろうな〜と思いますので、未見の方にはあまり参考にならないレビューだったと思います。パンチ

posted by jester at 19:04| Comment(10) | TrackBack(1) | さ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月11日

シュレック3 Shrek the Third

どうしてアメリカのアニメは主人公が「かわいいキャラ」じゃないんだろう、と思うのだけれど、見てるうちにどんどんかわいくなっちゃうのが、「Shrek the Third シュレック3」の登場人物であります。

今回もすごく笑わせてもらいました!

特に好きなのはもちろんこの子。(といっても声はおっさんのアントニオ・バンデラスですが。)
Puss in Bootsでございます。

今回も例のウルウル顔攻撃で乙女の心をぎゅう!とつかんでくれます。(爆)
ほんとに癒されちゃいます猫


今回はかわいこちゃんも一杯出てくるし黒ハート

家に帰って家の猫を見ると、立ち上がっておしゃべりしだすんじゃないかと思っちゃいます。
あのウルウル顔、ネコはほんとにやるんですよね〜



th-S3001_new.jpgそれと、今回、シンデレラ、白雪姫、ラプンツエルなどなどお姫様軍団の活躍も楽しかった♪

シュレック2では、「プリンスチャーミングは新庄、人間になったシュレックってオスギみたい」って思ったのですが・・・・(チャーミング、声のRupert Everettにも似てますけどね)

今回は「アーサーって吉岡秀隆みたい」と思いました。(爆)パンチパンチ
声のJustin Timberlakeはハンサムすぎですわ。
posted by jester at 22:03| Comment(4) | TrackBack(0) | さ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月25日

300

そろそろファンの方のほとぼりも冷めたかな? 
それに鑑賞後2週間も経っちゃって、いい加減書かないと忘れちゃう。

というわけで、『300』です。

ジェラルド・バトラーが出るし!
デヴィッド・ウェナムだって出るし!
それにロドリゴ・サントロも!!


というわけで、去年から「炎の門―小説テルモピュライの戦い」なんかもしっかり読んで予習し、もう歴史年表なんかも読み漁って、いっぱしスパルタ博士(当社比)なんかになっていたわけですが・・・(その模様はこちら

試写会に行かれた方のレビューなどをちらちら見ると、どうもとってもバトル、とってもスプラッタらしいと分り、両方とも苦手なんで、またまたところどころ目をつぶっての鑑賞になりましたパンチ

画面の色調は抑えられていて、絵画的に綺麗。
スローモーションちょっと使いすぎかな、と思ったけど、美しい画面です。

デヴィッドさんも、久しぶりのアップ、うれしい!
ドイツ(だったかな?)のリンガーズの集いをドタキャンして鍛えたという筋肉がすごいです。
ずっと彼のナレーション、というのも素晴らしい♪

もちろん、ジェリーも素敵。想像してたよりもっとムキムキでした。伏せ目がちのまつげが長くてどきどきです。

ロドリゴはのけぞったけど・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・しくしく。

ストーリーはまあ、アメコミ(グラフィックノベルというらしいが)が元だからなのか、戦闘の派手さとかが強調されていて、人間描写なんて時代劇みたいに紋切り型であります。
(あ、時代劇だった)あせあせ(飛び散る汗)

累々たる死体の山、切られた首の断面のアップ、飛び散る血・・・

それはそういう映画なんですから仕方ないですね。
そういうのを楽しむ人のために作られた映画なんだもん。





・・・・それにしてもですね。

多分じゃあ見るな!といわれるかもしれないのですけれど・・・・。(>_<。)

(なので、あの映画をとっても楽しんで見られた方はどうぞ下の個人的ぼやきはスルーしてくださいませ。)







あの、ペルシャ軍はなんなんだ、と思うのです・・・・


仮面被ってたり、トロルだのオリファントだの、あれはサウロンに仕えるオーク軍団か???あせあせ(飛び散る汗)


R指定がついているとはいえ、あれをみたアメリカの良い子達が、次の日学校で『300ごっこ』をして、ペルシャ人の子どもやイスラム教徒の子どもをいじめないのだろうか。

Sep.11thのあと、海外に住むイスラム教徒への差別はひどいという。

尖閣諸島(魚釣島)の騒ぎのとき、jesterは中国の近くに住んでました。

領事館や日本人学校にデモ隊が押しかけて、日本の旗が燃やされたり、ブティックのウィンドーに「反日メッセージTシャツ」がずらっと並らんだり、「大丸に日本食を買いに行かないほうがいい。ミニバスに乗っているときに日本語をしゃべらないほうがいい。タクシーで乗車拒否された」なんていう噂が飛び交う中で、デモの横を通るのに、身を小さくしてびくびくして暮らしていた日々を過ごしたjesterとしては、
「どうして今、あんなペルシャなんだろう」
と胸が痛くて、もう夜眠れない・・・・たらーっ(汗)


もちっとなんとかできなかったのかなあ。
ペルシャも鬼・畜生ばかりじゃない、っていうエピソード。
(ロドリゴがクセルクセスと聞いて、ちょっと期待してたんだけど)
そのほうがストーリーも深みがでたと思うんだけどなあ・・・
それだと面白くなくなっちゃうのかしら。
でもあれじゃ、ナチの反ユダヤ・プロパガンダと同じレベルだってば。
(どんなに製作側が政治的な意図はなかったといいはっても・・・・この時期に、ちょっと信じられないぞ)



出来たら、「戦場に勝者はいない」というメッセージをこめた映画『父親たちの星条旗』と『硫黄島からの手紙』を撮った、ハリウッドの良心、クリント・イーストウッド監督に、ぜひ「ペルシャ側からみたテルモピュライの戦い」の映画を撮ってほしいな・・・・

そんでもって、キャストは、

*戦わずに交渉で占領しようと、使者を買って出たペルシャ軍の兵士で、必死で説得してる途中で、レオニダス王に「これがスパルタの返事だ!!」と切られて穴に落ちる使者
・・・・・デヴィッド・ウェナム(泣ける〜)

*ペルシャに占領された国からの傭兵だが、元は農民で家に帰りたいと思い続けて、麦に触ったりしている強いペルシャ軍の将軍
・・・・・ラッセル・クロウ

*レオニダス王・・・・・アーノルド・シュワルツネガー(知事より俳優に返り咲いて。鍛えなおさないとね。しかし強そうだ。)

*勇敢な兵士で、将軍のために必死で戦うが、スパルタ軍団についにやられて、哀れ死体の壁の一部になってしまう青年
・・・・・ロドリゴ・サントロ(こっちも泣けるぞ)

*クセルクセス大王・・・・・コリン・ファレル(アレクサンダーのときの金髪のヅラを、黒髪のヅラに変えて・・・また『悩める侵略者』だけど、今度はアジア側の王様なのだ)パンチパンチ

*ペルシャの征服を嫌って、家族と共に山を越えて逃げるスパルタの大佐・・・・・クリストファー・プラマー
(だんだん映画が混乱してきました。大体、大佐っていないだろうが)パンチ



・・・などと妄想をめらめら燃やしては、むふふ、などと笑ってやっと眠りにつけたjesterだったのでありました。
ファンの方たち、ごめんなさい!パンチパンチパンチパンチ



posted by jester at 20:15| Comment(12) | TrackBack(3) | さ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月19日

ゾディアック ZODIAC

先週末「ZODIAC(ゾディアック)」を見ました♪

面白かったです〜

実話を基にして作られた映画です。

1960年後半に実際に起こった連続殺人事件。

カップルなどが残虐に殺され、犯人からの手紙や暗号文が新聞社に送りつけられ、警察やマスコミはZODIACと名のる犯人に翻弄される。

犯人らしき人物が現れるが、物的証拠がなく、事件の解決は長引き、次第に警察も捜査を縮小していく。

しかしその中に、事件当時新聞社のカートゥニスト(風刺画家)で、いつまでもその謎を追うグレイスミス(ジェイク・ギレンホール)がいた。

彼は事件記者でもなく、もちろん警官でもないので、捜査するといっても、勘と草の根を分けるような調査で、ゆっくりとだが着実に犯人に迫っていく。
私生活を破壊してしまうほど入れ込んでまで、彼はどうしてもゾディアックの謎を解きたいのだった。


この、グレイスミスの捜査がいいんですね〜
「読書シーン+図書館+びっしり書き込まれた分厚いノート」という、jesterを落とす小道具もそろってるし(爆)


ぴかぴか(新しい)ジェイク・ギレンホールも父親役が似合うようになりました。
もうおにいちゃんじゃないのね。
演技、上手です♪

謎に取り付かれ、真実をどうしても知りたくて、最初は元同僚だったこの事件の担当記者ポール・エイブリー(ロバート・ダウニー・Jr)に本を書かせようとするけれど、断られ、自ら調べだす。
そのせいで妻や子供は離れていってしまうけれど・・・・

ちょっと控え目に、遠くから手を伸ばして握手を求めながらも、関係者に協力を求め、何かを思いつくと、一心不乱に突き進む彼の姿に、思わず感情移入してみてしまいました。


11zo.jpgぴかぴか(新しい)それと、ビル(ウィリアム)・アームストロング刑事、この声はどこかで聞いた声・・・と思ったら、ERのマーク・グリーン先生(アンソニー・エドワーズ)じゃありませんか!髪の毛がふさふさしてたので、見違えちゃいました。パンチ(殴
その上ヒゲもないと、とっても若く見えますね〜
→医者だったころの写真。(爆)



ぴかぴか(新しい)土砂降りの雨の夜の雨の音が象徴的で、印象的です。
まるで雨で冷えた空気の匂いがしてくるよう。

その雨の中、地下室の怖いシーンは本当に恐ろしくてきゃ〜〜っと逃げたくなりました。
グレイスミスが訪れる刑務所でも、外から雨の音がしてました。

また、空中から見る美しい夜景や、タクシーをロングショットで映すシーン、ビルがにょきにょき伸びて時間の経過を表すシーンなど、カメラワークも秀逸。


初めはゾディアックの起こす連続殺人がリアルに描かれるので、飛び散る血にちょっと腰が浮きかけましたが、グレイスミスが活躍する中盤からはぐいぐい引き込まれてしまいました。

エイブリーがゾディアックに狙われそうになり、ピストルの練習をしているシーンでは、エイブリーも横にいるグレイスミスも、胸にI am not Avery(私はエイブリーじゃない)っていうバッチをしていて笑えました。
このバッチ「売れてるんだ」って言ってましたね。

ブラック・ジョークというか・・・
なんでも商売のネタなんですね、アメリカ


そして映画中に2つ映画がでてきます。


事件の1つの鍵となるのは『Most Dangerouse Game』という古い映画。
「人間狩り」がテーマらしいこの映画も、とても怖そうです。


それからもうひとつはゾディアック事件を元にして作られたという『ダーティ・ハリー』。

この映画を、事件を担当していたデイブ・トースキー刑事(マーク・ラファロ)が映画館で見ているシーンがあるんですけれど、途中でつらくなってホールへでてしまいます。

ホールで一人たたずむデイブにグレイスミスがおずおずと声をかけますけれど、その後ろから「おい、ダーティ・ハリーに事件を解決してもらったらどうだ!」と残酷に声をかけていく人がいたりするのです。
確かに捜査を担当していた人には『ダーティハリー』のヒーローぶりはつらかったでしょうね。



この映画はあくまで実話ベースなので、バンバン撃ち合ってヒーローが大活躍するアクションシーンもないし、テンポもゆっくりめ。
宣伝している「暗号解読」もそれ自体はたいしたことはないです。

サイコキラーとの緊迫した対決、というシーンもあることはありますが、そのドキドキを強く求める人には、この映画は刺激は少ないかも。

それよりもどちらかというと、ドキュメンタリータッチのヒョロっとしてひ弱な外観の書物が好きな青年が、孤独にこつこつと事件を追っていく執念の姿に共感する映画だとおもわれます。

コンピューターも、CSIの科学捜査も、ファックスですら一部ではないころに、紙と鉛筆と足を使って謎を解いていく青年をジェイク・ギレンホールが好演していて、彼と一緒に考え、悩み、脳みそをぐるぐるマッサージされた感じでした。


そして、最後にすっきり!というラストではないのですが、いまだ続いている人の営みを感じさせ、絶対また見たいな黒ハートと思ってしまいました。

posted by jester at 18:06| Comment(12) | TrackBack(9) | さ行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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