2008年05月01日

つぐない Atonement その2


「つぐない」のレビュー、前回からの続きです。

劇場で買ったパンフレットが素敵だったんですよ。
表紙が白のエンボス加工で、いかにも乙女心をそそる(爆)華奢なデザイン。
中は写真いっぱいです。(右がパンフレット、左はペーパーバックの原作本です。原作はこの表紙じゃないのもありますが、そっちは少し値段が高いです)

個人的には、キーラの写真を減らして、もうちっとマカヴォイさんのをたくさん使って欲しかった・・・・パンチ
でもタキシード姿で眉根を寄せてないアップがあったので、つい買ってしまいましたが。

それとダンケルクのシーンの見開き写真も素敵です。
あのハンディカメラを使った長回し、壮大な風景やら人物を続けてとっていたのがとっても印象的でした。
まるで自分があの砂浜をさすらっているような幻覚におそわれてくらくらとしました。


そういえば、出だしの屋敷のミニチュアの人形の家と、そこから出てくる動物たちの列が広がるブライオニーの部屋、そして重なるタイプの音、少女の性格や生活を描写しているすごい上手いイントロで、あれも印象的だと思いました。

タイプの音、蜂の羽音、ロビーの母が車をたたく音などがブライオニーの心象と重なり、音楽とからまっていくところも上手だな〜と思いました。


あと、最後のインタビューのシーンのインタビュアー、どこかで見た・・・と思ったら、え? アンソニー・ミンゲラさん? 
エンドロールで確認したらやはり彼でした。
あれが映画に出た最後なんですね・・・
彼の監督した作品は好きだったので、お亡くなりになってとても残念です。


さて、前回のストーリーについての続きです。

この原作には、セリフにならない「心模様」がたくさん盛り込まれているのですが、映画はその原作に忠実につくられているため、説明されていない心模様、演技だけで表現しようとしている精神の動きがたくさんあるんですよ。

その辺、説明的にセリフにされてしまうよりずっといいのですが、原作を読むと味わいが深くなります。

なので、原作読了後にもう一回見に行ってからレビューを書こうかなと思っていたのですが、まだ2回目にいけてません(汗)



****以下、原作、映画の内容には触れてます。未見・未読の方、ご注意ください!****



噴水ドボン事件の背景ですが、まずあの花瓶はとっても大事な家宝だったらしいです。
そのいわれが原作では長々と綴られてます。

そして、花瓶が壊れてしまった時、彼はシャツのボタンをはずし始めるのです。
それをみたセシリアは、彼が破片を取りに噴水に入る気だとわかり、
「こないだはうちに来てはだしになったりしたあげくに・・・もう耐えられない!」 (使用人ぶるのはもうやめてよ!)
と思い込み、か〜〜っとして思わずサンダルを蹴り脱ぎ、洋服を脱いでドボン!と飛び込んだのでした。

(前の記事でも書きましたが、セシリアとレオンとロビーは子供のころからずっと仲の良い親友で、大学に行くまでは身分の差など感じずに楽しく過ごしていたのです。)


それを窓から見ていた夢想家のブライオニーは思います。
「おぼれて、助けられて、その後は結婚の申し込みよね。」
実は彼女が以前(10歳の時)、これをやったんですよね、ロビー相手に。
映画でもそのシーンがありました。
原作ではさらにこの救出劇のあと、ブライオニーが
「I love you」とロビーに告白しています。


さて、手紙のシーンはこうです。

ドボンのとき、いろんなところが濡れて透けて見えてしまい、それが頭から離れない状態で、謝りの手紙を書くロビーの机の上にはGray's Anatomyの本が。

これって、あの話題ドラマではなく、昔に書かれた医学書なんですけど、その1546ページのthe vagina の項目がございました。彼は医学志望の学生ですもんね。
そのページを思いながら書いているうちに、ついついcuntなんて単語をタイプしてしまいました。

この辺も映画ではGray's Anatomyが小道具として使ってあったのかもしれませんが、jesterは気がつきませんでした。
なので、突然のcunt出現はちょっと唐突な感じがしてショックを受けました。

In my dreams I kiss your cunt, your sweet wet cunt.
In my thought I make love to you all day long.

とまあ、こんなことを戯れにうって、その紙はもちろんセシリアに渡すつもりはなく、Gray's Anatomy の1546ページにはさんだ、とロビーは思っておりました。


このcuntやら、2行目の「一日中君とメイク・ラブすることを夢想している」というのを読んで、ブライオニーは生真面目に
「セックスマニア(変質者)だわ!!警察に届けなくちゃ!!」と真剣に思い込むのです。
そのうえ図書室で見てしまったもの・・・
姉を襲うロビーを変質者と思い込んでも仕方ないとjesterには思われます。
それなのに、大人にいっても信じてもらえそうもない、告発したくてもできない苛立ち。

だからのちの事件で自信満々に「わたしのこの目で見ました」といったとき、それが真実と異なるとしても、「変質者を告発しているのだ」という思い、正義を成しているのだという自負がブライオニーの中にあったのではないかと思うんですよね。
もちろん、嫉妬や怒りが綯交ぜになり、自分の中にもあるけれど否定している性への興味やらが根底にあり、混乱してはいたのでしょうけれど。


また、その手紙を読んだ瞬間に、セシリアの心に浮かんだこと。
ちょっと長いけど引用します。

Initially, a simple phrase chased round and round in Cecilia's thought: Of course, of course. How had she not seen it? Everything was explained. The whole day, the weeks before, her childhood. A lifetime. It was clear to her now. Why else take so long to choose a dress, or fight over a vase, or find everything so different, or be unable to leave? What had made her so blind, so obtuse? (p142)

いい加減ですが拙訳してみますと、
「最初に、簡単なフレーズがセシリアの頭の中をぐるぐると廻った。もちろん、もちろんだわ。
なんでいままで気がつかなかったのだろう? 
これで全部判った。
一日中、いいえ、数週間前から、いや子供のころから。
生まれてからずっとだった。今すべてがクリアになった。
なんでドレスを選ぶのにあんなに時間がかかったか、なんで花瓶の事でけんかになったのか、なんですべてが変わってしまったように感じていたのか、なんでこの屋敷を離れがたいと思っていたのか。 
何が彼女を鈍感で盲目にしていたのかが。」

この辺、映画では「ブライオニー、あんたこの手紙を読んだの??」と焦るセシリアがすぐに映ったのでセシリアの気持ちがこんなだったとはっきりとは分からず、jesterは、こんな手紙を読んでセシリアはロビーに対してもっと怒ったんじゃないかしらと思ったけれど、原作を読んで、ああ、あの手紙でセシリアは自分の、そしてロビーの恋心に初めて気がついたのだな〜と思いました。


・・・とまあ、前半部分についてだけでもざっとこんな感じで、原作を読むと、映画では映像だけでしか表現されていなかったものの背景やら、映像にもなっていなかった細かいいろいろな部分がわかるので、jesterのように鈍感なものには、なおさら味わい深くなったわけです。

後半は苦労するロビーの姿ももちろんですが、姉妹二人の深く傷ついた思いが、当時は非常に社会的に低い職業だった看護婦に身を落としてまで、家を出て働き自立する道を選ばせたことをおもうと、セシリアの少しすれた様子、それとは逆に罪悪感を背負い込んだブライオニーのかたくなで暗い表情が切なくてたまりませんでした。



Atonement: A Novel

ま、全部についてこれをやっていると、読書レビューになってしまうし、連載が果てしなく続いてしまうので(爆)、あとの部分にご興味がおありなかたは、原作をお読みになってくださいませね〜(と逃げる)あせあせ(飛び散る汗)

英語は平易で難しい単語はほとんどないけれど、すこぶる美文でリズムがあり、いい英語を読んだという満足感があります。
映画を見たあとならさらに読みやすいと思われます。

(しかし、657円?? アマゾン、安い!
jesterは紀伊国屋で買ったけど997円だったのに〜〜たらーっ(汗)
300円以上も違うってどういうことだ?パンチ

贖罪 上巻 (1)
贖罪 上巻 (1)

邦訳は新潮文庫から出ています。上下巻に分かれているみたいです。

posted by jester at 10:55| Comment(36) | TrackBack(6) | た行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月24日

つぐない Atonement

keira_knightley7.jpg

タイトルの「Atonement」の動詞形「つぐなう」は ATONE だけれど、これは
AT ONE が語源で「ひとつになること、元に戻すこと、和解すること」。


酷い結末になると予測できず、ついやってしまったこと。
ふとした不注意で起こしてしまった事故。
それは私たちが生きている日々でよく遭遇する出来事だ。

悔やんで、悔やんで、「どうしてあの時・・・」と渦巻く思いに、傷口を広げてしまうこともある。

しかしいくら悔やんでも、過去を消すことはできない。


犯した罪の深さに気づき、それを心から悔やんでつぐないたいと願う少女がいた。
贖罪の日々は報われるのか。
壊れた関係を、またひとつに戻すことはできるのだろうか・・・・


☆☆☆☆☆、でございました〜

ラブ・ストーリーのように宣伝されていますが、この映画のテーマは人間の愚かさとそれに伴う切ない胸の痛みだったと思います。

Atonement: A Novel
映画館を出て、その足で本屋によって原作を買い求め、帰りの電車で読みふけり始め、ついに昨晩は半徹夜で読みきってしまいました・・・(ここのコメント欄で「早く工事を進めて〜」と励ましをいただいたおかげもあります)(汗)

映画では語られなかったこと、映像化できない、文字でしか表現できない部分がまた深かったです。
本当は映画を見たあとにレビューを書いてから原作を読むべきだったんですけど、もう読んじまったので、どうしても原作を引き合いに出すレビューになってしまうことをお許しくださいませ。
(確信犯か、自分)パンチ


というわけで、ストーリーについては多分長くなってしまいそうなので、とりあえず俳優さんについて(はい、マカヴォイさんですが)書いておきたいと思います。

映像の美しさ、音楽の美しさ、物語の美しさはもちろんのこと、マカヴォイさんの美しさに、圧倒されてしまいました・・・・

いわゆる『イケメン俳優』としてデビューしたわけではないけれど、顔だちも整っていると思います。けれど、とにかく『表情の作り方』が美しいのです。
真摯に向けるまなざし、苦悩に満ちた顔、怒り、悲しみ、慈しむ表情・・・・
役者だわ!
もう、マカヴォイさんのプロモーションフィルムじゃないかと思えるほど、マカヴォイさんの魅力全開でございます。

最初の庭師姿やタキシード姿もいいけど、汚れまくって痩せこけて、目がぎらぎらしてる兵隊姿がまたこれ、どうしたもんでしょうか・・・やばいでしょう、実際。

ほんとにナルニア国ではフォーンだったとは信じられないですわ〜

そいえば、どこかで「ナルニアで下半身が馬だった俳優」と書いてあって「確かにそうだけどね〜〜」と笑えましたが・・・

(でも、この汚れた兵士姿が誰かを思い起こさせる・・・このワイルドさが・・・・と思って必死で頭脳内検索をかけたら・・・が〜〜〜〜ん!

・・・・ラッセル・・・クロウ・・???
やめてよ自分、そそそそんなはずはないでしょう、と思ってみていると、あれ? また!

というわけで、額から寄せた眉根の辺、さらに落ち窪んだ目にかけてかなあ・・・すんごく痩せたラッセル・クロウの若い頃(「L.A.コンフィデンシャル」からしか見た事がないから、実は若い頃を知らないの。あのときでも33歳だからね、ラッセルは。)に似ているのではと思ってしまった罪深きわたくしをどうぞお許しください・・・・) (別に「下半身が馬」とかでラッセルを思い出したわけではありません。彼の下半身は「暴れん坊将軍」でしょ?)

パンチ    パンチ    パンチ    パンチ    パンチ

すみません、このような格調高い作品を語るのに、非常に次元の低いことを書いてしまいました〜〜(汗)


気を取り直して。


猫キーラ・ナイトレイは・・・
確かに今、旬の女優さんなのかもとは思いましたが・・・

痩せすぎじゃないですか? 硬くて女性的な体の線がないんですよ。
原作ではセシリアは確かに胸が小さいと書いてありますが(爆)、とても母性的な女性なんですよね。
妹の母親代わり的なところがあり、悪夢を見た妹にやさしく語りかけてあげたりするし、親戚の双子まで風呂に入れたりこまごま世話を焼いてやったりする。

でもキーラが演じるとそういう感じがでなくて、化粧は濃いし、タバコはぶかぶか吸うし、何でだかやけにつんけんして表情きついし、どうも良家のお嬢様に見えない・・・・

彼女はボーイッシュでおてんばな、すこし蓮っ葉な役がとっても似合うと思う。
「パイレーツ・オブ・カリビアン・シリーズ」なんかほんとピッタリだったし、「ベッカムに恋して」も合っていた。
「プライドと偏見」もまああれはあれで許せた。
でもこの役は、彼女じゃないほうが良かったと思う。

監督も最初から「キーラはブライオニー役」と思っていたのを、キーラが「私が絶対セシリアをやりたい!」と言い張ってもめた、とパンフレットの中のインタビューでキーラ自身が語っていたけれど、結局キーラの意思が勝ったのね。
でも、jesterにはブライオニーが彼女だったほうが良かったかもしれないと思えます。

原作では、ロビーはセシリアの顔を「長くて、ちょっとhorsey(馬みたいな、不恰好という意味もある)だ」って思ってるって書いてあるんですよ。(まあそれがだんだん綺麗に見えてくるのですが。)

その辺も、キーラは馬顔というよりエラ張り顔(殴)なので、イメージが違うかなと。

(jesterはキーラの顔の下半分が苦手なのでした)


ぴかぴか(新しい)それから、ブライオニー役3人(シアーシャ・ローナン、ローラ・ガモイ、バネッサ・レッドグレーブ)が素晴らしかったです。

atone1.jpg特に、少女ブライオニーのシアーシャ・ローナンの目の美しさは人間離れしてました・・・・

辞書とシサーラス(同意語辞典)が友だちだったという、エキセントリックな空想しがちな少女にピッタリでした。


猫さて、ストーリーについて、すこし原作を踏まえて書きたいと思います。

原作云々で映画を語られるのは興ざめと思われる方は、どうぞ以下は読み飛ばしてくださいませ。



****以下、原作と映画の内容には触れてます。ひどいネタバレはありませんが、未見の方、どうぞご注意ください!****



もし原作を先に読んでから映画をみたら、もしかしたらjesterはがっかりしたかもしれません。

映画は原作に忠実に作られているものの、原作のほうでは圧倒的に情報量が多く(まあ13万語で書かれているのというので、仕方ない部分もありますが)、また三人称で書かれていて、今時の小説には珍しく、ほとんど会話はなくて、心理や考えていることが延々と綴られているんですよ。

なのでこの小説の映画化は、とても難しかったと思います。
何を考えているのか、俳優の表情だけで表現しなくてはいけないから。

だから、例えば私たちはセシリア(キーラ・ナイトレイ)がなんであんなにぷんぷんしてるのか、その表情から読み取らなくちゃいけないのでありました。

ところが原作を読むと判るのですが、あの噴水での出来事の前に、『はだし事件』というのがあるのです。
ロビーが館にやってくるのだけれど、玄関から入ろうとして、床を掃除しているのを見て汚れてもいない靴をぬぎ、その上靴下まで脱いだ、という。

それをみたセシリアは、「『掃除人の息子』をあくまで演じる気ね!」とイライラするのです。

というのは、ケンブリッジに彼らがいた頃、出自について意地の悪い友達に大声で聞かれたりして、ロビーはいろいろ嫌な思いをしていて、また、セシリアが一回はロビーの部屋に遊びに来たものの、その後外であってもにっこりするぐらいで、小さい頃はあんなに仲良かったのに冷たいと感じている。
そして、セシリアが友人に「ほら、あれはうちの使用人の息子よ」って言っているのではないかと疑心暗鬼に陥ったりしていて、だからロビーは屋敷に帰ってきた時に、しなくてもいいのに庭師の仕事をしたりしているのでありました。

それをまたセシリアは「距離を置いている。=自分に冷たい」と感じていたのですね。

しかもセシリアは大学をでてからやることもなく、自分でもよくわからないけれど屋敷を出ることもしないで、ロビーを見るとどうして自分がイライラするのかよくわからないままに過ごしているのでした。


なのであの噴水ドブンにいたり、そして手紙です。


・・・・続きます・・・・(ここでか!!)(殴パンチパンチ






posted by jester at 15:41| Comment(22) | TrackBack(3) | た行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月12日

地上5センチの恋心  ODETTE TOULEMONDE

大好きな作家の作品を読んでいると、いつの間にか別世界へワープ。
体が軽くなって、ふわふわ浮いている気分♪

本じゃなくても、映画でも、舞台でも、コンサートでも。

そんな気持ちを持ったことがある人なら、きっとオデットに共感しちゃうでしょう。


『アメリ』のもっと大人版といった感じ。
全体にちりばめられたジョセフィン・ベイカーのアンティークな雰囲気の歌と楽しいミュージカルのような踊り。

とにかくハッピーに笑うことが出来ました揺れるハート

☆☆☆☆でした♪


全体的に品のいい笑いがちりばめられていて、気持ちよく笑えます。
脚本の流れにちょっと問題ありなんですが、jesterはもう2回も見てしまいました〜

見終わったあと、今まで生きてきてオデットのような浮遊感を味わったのは・・・
と指を折って数えてしまった。

数えているうちに、なんとなく胸の辺りがほんのり暖かい。
幸せの記憶って、つらくなった時にいつでも取り出してつかの間暖まることが出来る、人間が生きていくのにとても重要なツールなんですよね。



以下、映画の内容に触れています。未見の方、ご注意ください!!!


リゾート   リゾート   リゾート   


jester的爆笑ポイントがたくさん。
まず最初の、張り切っておしゃれしてお出かけの道すがら、行きつけの美容師さん(これは後で、誰かがわかってくるのだけれど)にあって、
「どう?わたし。正直に言って!」
「・・・・・結婚式にでる、姑みたいだ・・・」

うぷぷぷ。もうここで爆笑でした〜

それから、寝室の壁紙!
ハーレクインロマンスみたいに、夕日の中で抱き合うカップルのシルエット! ありえないでしょう・・・・

新刊のレビュー番組で、ライバルが散々にバルザンの本をけなすところも、もう、めちゃくちゃおかしくて、一人でケタケタ笑っちゃいました!

あとね、息子の15歳の時のシッポ付きパジャマもおかしかったな〜


キスマークオデット・トゥールモンド役のカトリーヌ・フロがとっても可愛かったです。

鑑賞した映画館の銀座シネ・スイッチではこの映画の前に「譜めくりの女」の予告が流れていて、その中ではエキセントリックなピアニストの役をやっているカトリーヌなんですけど、オデット役はほんとにフェミニンで素敵。

柔らかいカーディガンとタイトスカート、ストッキングにハイヒール。
アップにした髪形やらお化粧まで、jesterとは全く「別の種類の女」なんだけど、楽天的なその性格やらおっとりした表情が、
「ああ、男性からみたらこういう女性は憧れだろうなあ・・・」と素直に認めてしまう、いかにも癒し系なんです。
ゲーテじゃないけど「永遠に女性なるもの、我らを引きて 往かしむ」に納得。

そのファッションはなんか懐かしくなるようなものばかりだけど、それがまた新鮮だったりして。
特にモヘアの綺麗な水色のや、薄赤紫の、白いシンプルなものなど、この春はカーディガンを着たいな、と思いました。

しかし、カーディガンは可愛かったけど、その下にスリップ、という姿はベルギーでは部屋着なんでしょうか・・・・?
娘の彼氏が来たとき、え、その姿でいいの?と思ったけど、その後も、スリップで料理したり、来客があっても堂々とドアにでちゃうし・・・あせあせ(飛び散る汗)

日本ではすっかり着る人もいなくなったスリップですけど、考えてみると、ヨーロッパ映画ではいまだに時々見かけるような気もします。

最初に大好きな作家、バルザンのサイン会に行ったはいいけど、緊張しすぎて自分の名前も言えず・・・後で泣く、という気持ち、すんごくよくわかります!
(それにしては2回目以降は唐突にすらすらしゃべるので違和感がありましたが・・・)


リゾート画像も華美ではなく、シックな感じ。
楚々としたベルギーの海辺。
波打ち際に面した砂浜にロウソクをたくさん置いて、長いすに座りくつろぐ星空の夜。

ある一晩の家族の姿を天井からゆっくり撮ったり、デパートの販売員たちの帰宅風景を男性の目から追ったり、カメラワークもしゃれていました。


犬後はもうちょっとバルザン(アルベール・デュポンテル)がカッコよければいいんだけど・・・なんか情けないキャラクターの男なのよね・・・・
なんでオデットがあそこまで惚れるのかが伝わってこなかった・・・


でも息子のルディ(ファブリス・ミュルジア)がよかったので許す。

身長低めで、痩せてて、おしゃれで、優しくて、美容師で、ゲイ。
でもあんな息子が欲しいです。
まるで女友達みたいに一緒にいて楽しい息子です。

しかも踊りのシーンのバ○○の腰ミノ・・・・笑いました〜!


クリスマス脇役も癖ありな人がたくさん登場します。

アパートの向かいの部屋に住む、筋トレマニアの夫婦。

恋人のドメスティクヴァイオレンスに悩む女の子。

それから謎の「イエス」という男。
オデットのアウターエゴという設定なんでしょうか。
水の上、歩いてたし??


猫しかし脚本は突然飛ぶところがあるのが残念。

オデットの同僚たちは突然全員一致して恐い人になるし・・・
どうしてバルザンは急にパリに帰ったか、それからどうして急に息子に会いに行き・・・etc.

登場人物の感情がご都合主義に突然変化したりするんですよね・・・
その辺をもうちょっと丁寧に書いて欲しかったな。

CGを使ってファンタジックになるシーンも、浮遊シーンはいいんだけど、お化粧道具なんかが踊る辺はちょっとリアルなシーンと上手く馴染めてない気もしました。

それとどうも字幕が良くなかった気がします。
字幕だけでは会話が追いきれないんですよね。
フランス語がわかったらもうちょっと深く判ったのかも。


犬「男がよそで遊ぶのをやめさせたかったら、犬を飼って鎖につないでおけばいいの」なんていうセリフには、「じゃあ男は性的モラルは犬と同じかい?」と突っ込みたくなったけど、
「みんな間違った場所で幸せを探す。幸せとは自分を受け入れること」
というとっても普遍的なメッセージはきっちり伝わった感じ。

「運命の人としか寝ないの。あなたはいつか通り過ぎる人」ときっちり胸を張るオデットは誇り高い女性で、そのメルヘンチックなフワフワキャラクターとは裏腹に、内面的にとても強いものを感じました。

突然踊りだす登場人物たちに「あれ?? インド映画・・・?」と既視感を感じつつ、「他人の幸せじゃなく、自分の幸せを生きなくちゃ黒ハート」と癒された1本でした♪



幸せを感じた時、たとえささやかなことでも、それを十二分に味わって、心にしっかりと刻み付けて、人生の冬に備えることにしましょう。

つらい吹雪の中でも、それをそっと取り出せば、凍死だけはしないですむように・・・・・


posted by jester at 10:08| Comment(8) | TrackBack(2) | た行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月31日

テラビシアにかける橋 BRIDGE TO TERABITHIA

tera01.jpg 小さい頃、一人で、または友だちと「秘密基地」を作って夢中になって遊びましたか?

本を読んだり、一人ぽっちで想像の世界で冒険して飛び回るのが好きでしたか?


もしどちらかにYESなら、そんな子供時代をすごした大人の心にしみじみとしみわたる映画に仕上がってましたよ♪

jesterは☆☆☆☆☆で、「一食抜いても」の満点。
何回も繰り返してみたくなる映画の1本となりました!


珍しく、原作を超えた、といってもいいかもしれないと思ってしまいました。

主演の二人の演技も素晴らしいし、大人が見てもいろいろ感じられるストーリーで、素直に涙しました。


Bridge To Terabithia
原作はずいぶん前に読んだのですが、感動したものの、どちらかというとファンタジーではなく、地味な印象だったと思います。

古くは『赤毛のアン』『やかまし村の子供たち』とか『小公女』、アーサー・ランサム、最近ではデイヴィッド・アーモンド、ポール・フライマンなどが書くようなファンタジーの要素は少しあっても、基本は子供の日常生活を細やかに描く物にjesterは分類してました。

とても平易な英語で書かれていて、低学年の子でもすらすら読めてしまう、わかりやすい本なのですが、・・・ほとんど内容を忘れてました。パンチ(爆)

(なので、映画を見たあと、「こんないい話だったけ」とダンボールの山の中を探し回ってしまった。で、・・・結局見つからなくて、本屋さんでもう一冊買いました・・・あせあせ(飛び散る汗)

公開前に、めちゃくちゃネタバレ(まだ見てない人は絶対見ないほうがいい!!)の予告編を映画館で見たときは、テラビシアやトロルの映像やら、「ナルニアのウォルデン・メディアが!」とすごく派手だったし、チラシも「監督はアニメ界出身のガボア・クスポ」「CG技術を駆使してロード・オブ・ザ・リングスのWETAが!」なんていううたい文句ばかり目だって、
「うむむ〜 あの原作を無理やり今流行のCGファンタジーに仕上げたってわけね・・・『光の6つのしるし』の二の舞か・・・」なんて思ってしまい、期待してなかったのでした。

その上、主人公の一人、レスリーを演じるアナソフィア・ロブが原作のレスリーとビジュアル的に全く違うので、原作とは違う話になっちゃってるのね、と思ってました。

原作ではレスリーはjaggedy brown hairで、男だか女だか名前を聞くまではわからない子なんですよ。
それが結構重要なキャラクター要素になっているんです。

アナソフィアは「チャーリーとチョコレート工場」で「ガムをくちゃくちゃかんでる嫌な女の子の役」をやったすらっとした子で、さらさらのブロンドだし、顔はキーラ・ナイトレイ系のはっきりとした美少女ですもの。
イメージは全然違う、と思いました。


たらーっ(汗)それでも、ファンタジーも好きだし、あまり期待しないで見てみようと出かけて、ほんとよかった。


最初のうちは「ジェスのうちはもっと貧乏なはず!」
「牝牛のMiss Bessieはどこにいるの?」
「あら〜出会いがちがうじゃない」
「アナソフィアはイメージやっぱり違う」とか批判的に見ていたんだけど、それもつかの間、ぐんぐん引き込まれてしまいました!
ファンタジーの要素もしっかり生きていて、それでいて細やかな心理をもちゃんと描いてくれてました。

ぴかぴか(新しい)とにかく主人公ジェスを演じたジョシュ・ハッチャーソンがいい!
(→この写真はちょっとハリポタのダニエル・ラドクリフみたいに見えますが、全然違います。 いい写真がなかなかないの・・・)

いろいろ夢はもっている優しい子なんだけど、家庭の貧しさもあって学校ではおとなしくて、心無いいじめっこにはからかわれ暴力を受けるし、心を開ける友達もいない。

絵を描くのが好きで夢に心あそばせる時もあるけれど、現実の厳しさにそんな子供らしい夢を砕かれ、生活の重さを味わう日々。

だからといって暗くみえるわけではなく、孤独だけれど誇り高く思慮深い少年。

そして、「Soul mate」ともいえるレスリーと出会ったときの、はにかんだまぶしそうなまなざし。(泣けます・・・・)

力んでいない自然な演技で、素晴らしい役者だとおもいました。
『ザスーラ』のときはあまり気にしてなかったけれど、これからの成長がすごく楽しみな一人です。
(ハリポタも彼で見てみたいかもです・・・(殴))


いつ見ても「ターミネーター2」の恐いアンドロイドを思い出しちゃうロバート・パトリックがいい味のお父さん役。
生活に疲れ、ときどき息子にあたってしまうけれど、それでも精一杯子供を愛し、家庭を守ろうとしている善き父親を好演してます。


それと妹のメイベル役のベイリー・マディソンがすごく可愛らしくて上手くて、もうビックリ。
あんな小さいのに、泣きの芝居とかちゃんとこなしてるんですよ。
すごいなあ。


ぴかぴか(新しい)気になっていたレスリー役のアナソフィア・ロブも慣れてしまえば違和感は感じませんでした。
それなりに『中性っぽさ』は感じられたし、それでいて可憐でよかった。

ちなみにレスリーの「中性っぽさ」を出そうとして、日本語字幕を男の子言葉のようにしていたけど、そこはかえって変だった気がしたのですが・・・


猫原作を読んだ時は後半のレスリーについての展開で「なんで・・・」と思い、それもあって、原作にあまり思いいれがなかったような気もしますが、映画を見たらああいう展開の必然性がよく判ったと思います。

もともと「著者の子供が実際に体験したことをもとに書かれた話」で「喪失と絶望、自責の念と、そこからの再生」がテーマのひとつなんですよね。

原作のあとがきに、レスリーの役の元になった娘さんの母親が本を読んで「やっと自分の中にあった、娘に起きたことへの『怒り』を理解した」と著者に語った話が載っていましたが、その辺も映画を見てとてもクリアになった気がしました。


ファンタジー部分のCGも邪魔になるほどではなくて、綺麗でした。
WETAらしい仕事でした。
地味な話を効果的に彩り、映画としての見場を良くしていたと思います。


ぴかぴか(新しい)ジェスが書く絵が動き出すというイントロからして、「ミス・ポター」と同じでめちゃくちゃつぼだったのですが・・・子供のころ、友だちと秘密基地を作って、空想の世界でごっこ遊びをしたり、お絵かき大好きだったjesterとしては、もうつぼに入りまくりで、一緒に遊んでいるような気分で映画に入り込めました。


黒ハート娘をつれてまた見たいし、何回か映画館に通ってしまいそうです・・・・

長く公開してくれるといいけれど!!

私が見たときは平日ということもあり、すごく空いてました・・・
ユナイテッドシネマ豊洲の小さなスクリーンでみたけれど、お客は10人ほどしかいなかったかも。(となりに座られた初老のご夫婦は二人して泣いてましたが・・・)

もし客が入らないとしたら、あの予告編のせいだ!もろにネタバレで、『もう話しわかったよ』って思わせるトレーラーだったんですもの。しくしく。


テラビシアにかける橋 (偕成社文庫 3264)

でも、やっぱり映画化すると良いですね。
原作のPBが映画タイアップで安くなってでてますし、和訳の文庫まで再版されて、本屋さんで、平積みになってました!
原作の英語も簡単で読みやすいので、原作に挑戦するのもいいかもです。
両方とも映画の二人が表紙になっている版もでておりました。

posted by jester at 12:04| Comment(16) | TrackBack(5) | た行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月28日

タロットカード殺人事件 Scoop

この映画、じつは今年のお正月にニュージーランドで見たんですよね。
でも1年経ったら細かい部分をすっかり忘れてました(爆)
なので今回再見。

軽いのりで笑えるコメディで、☆☆☆1/2 でございました。

さすがに犯人は誰かは覚えてましたが、ま、もともと犯人探しがメインのストーリーでもないし・・・・

舞台はロンドン、切り裂きジャックの再来と言われる連続殺人を、スカーレット・ヨハンソン演じるジャーナリスト志望の女学生がといていきます。

ウディ・アレンの例のおどおどしつつぶつぶつずっと言っているという(爆)話術が炸裂。
軽く笑いたいな〜というときにはお勧めです。

前作「マッチ・ポイント」は彼らしくない(?)映画だったけど、これは彼以外の人には作れない映画、というかんじ。

かといって、スリルがないかというと、そうでもなくて、隠れ部屋をさぐる辺は結構どきどきします。

スカーレット・ヨハンソンも、「マッチ・ポイント」のヒステリーを起こす毒女と全く違い、丸い眼鏡がユーモラスなちょっと抜けてる女学生の役。
ウッディ・アレンとの絡みが楽しい!
どうも彼女はこういう役のほうが似合う気がします・・・
もちろん水着シーンでファンサービスもありでした。


ヒュー・ジャックマンはオーストラリア人ながらイギリス貴族!がぴったりで、こういう役(どういうのかはネタバレになるのでいいませんが)がとってもあっていると思いました。


音楽の使い方のセンスもいいし、「洒脱」という言葉がぴったりのコメディで、適度にはらはらどきどきも出来たし、ちょっと得した気分になれる映画でございました♪
posted by jester at 08:54| Comment(7) | TrackBack(1) | た行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月04日

題名のない子守唄 (LA SCONOSCIUTA)

女に生まれた喜びと幸せ、そして悲しさ・・・・

レビューをサボってましたが、このところ、イタリア映画の秀作にあたってます。
「ミルコのひかり」、そして「題名のない子守唄」

見た順番とは前後してしまいますが、まず「題名のない子守唄」について書きたいと思います。

20070816012fl00012viewrsz150x.jpg とても上質のミステリーでした!

お勧めです!!

でもミステリーなので、ネタバレ厳禁。

何しろ一番最初に「このラストは誰にも話さないでください」なんて出るんですよ。

確かに、「何も情報をいれずに真っ白なままで見たほうが絶対面白い」とjesterは思います。

なので、未見の方は、なにも知らずに見ましょう〜

少々痛いシーンがありますが、流血苦手なjesterが大丈夫だったので、それほどでもないかも・・・。


不安な方は、とりあえず「監督が『ニュー・シネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレ。音楽がエンニオ・モリコーネ」ぐらい知っていればいいと思います。




***さて、以下は少々ネタバレありの、見た方専用のレビューです。***




イレーナを演じたクセニャ・ラポポルトがと〜〜っても綺麗でした!
ロシアの女優さんなんですね。
なんか、ケイト・ブランシェットを彷彿とさせるような繊細な美しさの持ち主ですが、とっても強いのです。

静かで暗い彼女が切ない目で手を握り締め、切望する何か・・・
その寡黙に働く横顔にフラッシュバックする残虐なシーンを見ていると、彼女の目的は復讐なのか、窃盗なのか、不慣れでどきどきしながらの彼女の行動に、観客はまたはらはらしながら引き込まれてしまいます。

そしてその予想を裏切る展開・・・・あせあせ(飛び散る汗)

巻き毛くるくるでちょっと予感がありましたが、そう来るか・・・

ヒモぐるぐる巻きのトレーニングも含め、ここまでやるか? と自問してみると、・・・彼女の立場だったら自分もするかもしれない、と思います。
それが母の子への想いだ、と。

しかしトルナトーレ監督、「マレーナ」のときも「女性をいたぶるシーン」が痛すぎだったのですが、今回もR-15でも足りないぐらい、惨い・・・・たらーっ(汗)

ヨーロッパの貧しい地域の女性の現実はああなんでしょうけれど・・・ちょっとやりすぎ?と思う過激さでございました。

それにしても、存在そのものが「商品」になる女性って、本当に悲しい・・・
人間性は無視して、その体、その子宮が、心無い男たちによって売り買いされる・・・

けれど、母の思いは強いのです。
蹴られ、殴られ、踏み潰されても、また立ち上がる人間の根源的な愛。

ラストシーンが救いがあって良かったですわ・・・


でも、まだ疑問が残っているのですよ〜 誰か助けて〜〜パンチ

1*あの枯らさないように気をつけていた鉢植えはなんか意味があったのでしょうか?
2*ゴミ置き場の死体は「黒かび」の仕業?
3*その死体ですが、どうやって見つけたのでしょう・・・あの広いゴミ置き場から・・・
4*ゴミをあさっているときに天井からお金が落ちてきたのは、彼女が隠していたの?
5*あの別荘を片付けたのは何のため? お金を隠すためなら片付けなくてもいいのに。
6*嫌な思い出のはずの赤い靴を大事にしているのはなぜ?
7*その赤い靴と免許書を車に隠したのは「黒かび」?
8*ブレーキに細工したのも「黒かび」だったの?
9*ジーナにサインさせてたのは小切手だと思うんだけど、イレーナが自分で使うため?
10*ジーナの意識が戻ってからどうなったの? ジーナに関する罪もちゃんと背負ったの?


映画「題名のない子守唄」オリジナル・サウンドトラック

ぴかぴか(新しい)あと、音楽が最高でした!さすがモリコーネです。
不安なシーンの重厚なベースの効いた響きや、エンドロールのヴァイオリンの高音の旋律に酔いしれました・・・・黒ハート
音楽だけで聴きたくて、CDを買ってしまった・・・

何回か繰り返して見ることになりそうです・・・・揺れるハート
posted by jester at 19:46| Comment(18) | TrackBack(9) | た行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月02日

天然コケッコー

原作のくらもちふさこさんの漫画が大好きなもんで(ん?最近のこのパターンが多いなあ??)見てまいりました。


原作の、今の日本の美しい農村風景と、そこでのんびり暮らす中学生たちの生活は、ちゃんと映像化されてました。

美しい田んぼやら人気のない海の美しさに堪能しました。
特に皆が泳ぎに行く海。
上のほうから取った映像がエメラルドグリーンでとても綺麗でした。


スゥエーデン映画の「やかまし村の子供たち」を思い出すような、全員が家族みたいな小さな村のお話。

(でももっともっと青い空が撮れなかったのかな?
向日葵のバックの空が、いまいち青くなくて、欲求不満。
海だってもっともっとその美しさを一杯撮って欲しかった!)


ストーリーは「そよちゃん」が中学を卒業するまでの話で、流れはほとんど漫画そのままですが、・・・いかんせんテンポが遅く、長い暗転が多すぎで、すこしいらいらした部分も。
それから村と町の距離感もわかり辛いのでは?


演技がまた、間をすごくとっているのですけれど、一部の俳優さんたちの演技力がついていってないので、みんな下向いてるというようなシーンが多くて、間延びしちゃってます。

あまりアップを使わず、遠くからカメラを回してるのが多いのですが、それもちょっと失敗かな。


ぴかぴか(新しい)右田そよを演じた夏帆というひと。(有名な人ですか?)
ミツアミが似合うし、素朴な感じが出ててなかなかかわいかったです。

でもね、そよちゃんは、単にかわいいだけじゃなくて、いろいろ考えてる賢い子なんだよね。
その辺が・・・あせあせ(飛び散る汗)


原作に思い入れが大きいだけに、キャスティングにも不満が出てしまいました・・・。

そのなかで、「おお!イメージそのまま!」だったのは、「さっちゃん」。黒ハート
かわいかったです!


天然コケッコー (1) (集英社文庫―コミック版)

「都会に生まれて都会にしか住めないネズミ」のjesterは、原作の「田舎のスローライフ」というのにあこがれちゃうんです。

そして、日常の細かい喜びや驚きや悲しみをとても細かくひろって、なんでもない少女の毎日だけれど、実はとてもファンタジーで冒険なんだよ、というのを丁寧に描いているものですから・・・

それを期待してしまったjesterは、どうしても原作とくらべてしまって、映画ではその辺がささっと流されちゃうのが、ちょっと期待はずれだったんですよね〜


でもいっしょに見た友人は、鳥取の米子出身で、撮影された場所に近いところに住んでいたせいもあって、
「とってもなつかしかった!癒された!」と申しておりました。

「でもね〜〜、ああいう狭い社会って、息つまるのよね〜」という本音もちらり。
ふむふむ。


映画だけみてがっかりした方は、ぜひ原作を読んでみてください。
ちょっと絵にくせがあるので、好き嫌いがあると思いますが、なんかしみじみ「少女の頃の自分」を思い出してしまう、切ない漫画です♪
posted by jester at 10:07| Comment(6) | TrackBack(0) | た行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月18日

敵、ある愛の物語  ENEMIES, A LOVE STORY

重婚で二人の妻に迫られ苦しむ男のコメディ、っていうと、チョウ・ユンファの香港映画、「大丈夫日記」を思い出します。
あれは笑ったけど、ユンファの情けない姿にちょっとしぼみました・・・

「ENEMIES, A LOVE STORY (敵,ある愛の物語)」は笑えるシーンもありますが、コメディではないです。

こちらはなんと三重婚。

0768.gifユダヤ人ハーマン(ロン・シルバー)はホロコースト経験者。

自分は納屋に匿ってもらって辛くも生き延びたが、妻子を強制収容所でなくし、匿ってくれたメイドのポーランド女性ヤドヴィガ(マーガレット・ゾフィ・シュタイン)と結婚し、渡米。

「君はメイドじゃないんだから」といわれつつも慎ましく尽くす妻、ヤドヴィガと幸福に暮らしているように見えたが、実は彼、アメリカで再会した、やはり強制収容所を生き延びた奔放で美しいユダヤ人女性、マーシャ(レナ・オリン、『カサノバ』でヒロインの艶っぽいお母さん役だった人)と愛人関係にもある。パンチ

マーシャは「法律的にはヤドヴィガが妻でも彼女はポーランド人だから、宗教的にはそうじゃない。私と宗教的に結婚して!!」
と迫る。
日本人ではありえない感覚だけれど、ユダヤ人としてはありえることなのかしら?

で、妊娠だ、いや想像だった、とすったもんだしているところへ、収容所で死んだはずの先妻タマラが、実は生き延びていて現われたもんですから、もう大変です。あせあせ(飛び散る汗)

狭いニューヨークのユダヤ人社会、避暑に行ってもパーティにいっても都合の悪いほうの知り合いにあってしまい、ばれそうになってこそこそ隠れたり、逆切れしてトイレに閉じこもったり。

その辺、優柔不断なハーマンの恐怖と疲労でへっぴり腰な姿に笑えるのですが、それとて、もし平和な社会に彼がいたのならこんなことにはならなかった、という真実が根底に流れています。

平和で豊かなアメリカに暮らしながらも、登場人物たちがそれぞれ、残虐な死に直面して、生き延びるために神をすて、苦しんだ経験を持つ物たちなので、ただのどたばたに終わらないんですよね。

ノーベル賞を受けたアメリカのユダヤ人作家I・B・シンガ−の原作を、P・マザースキー監督が丁寧に画像にしています。

PPP.jpgぴかぴか(新しい)特に印象的なのは、死んだはずの先妻、タマラを演じるアンジェリカ・ヒューストン。
彼女は『アダムズ・ファミリー』とかディズニー・アトラクションの「キャプテンEO」のイメージが強いですけれど、実にいい芝居をする人です。

3人の妻の間で右往左往し、どうにもならなくなったとき
「アメリカにはマネージャーっていうもんがいるじゃない? あたしがそれになってあげるわ。あんた、あたしの言うとおりにしなさい!」とタマラが宣言するのもおかしかった。

そして、この人だからこそ、ラストのショックな一言が、「男は女にはかなわない〜」というしたたかなユーモラスさとして生きてくると思いました。

1989年の作品です。

posted by jester at 19:49| Comment(0) | TrackBack(0) | た行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月26日

ツォツィ Tsotsi

去年、アカデミーで外国語映画賞を取ったときから、見たいな〜と思っていました。(アカデミーの外国映画賞ってけっこういいです)
やっと日本でも公開になり、見てきました。黒ハート

くしくも「約束の旅路」「ブラッド・ダイヤモンド」そして「ツォツィ」と、アフリカを舞台にした秀作鑑賞が続きました。

これもしみじみと胸にしみる作品。

舞台は南アフリカですが、アフリカだから、という舞台設定ではなく、スラムのあるような街ならどこでも起こりうる話です。

もちろん撤廃されたとはいえアパルトヘイトの弊害である富裕層と貧困層の格差やAIDSの問題はそこにすむ人々を疲弊させているのですが。


あらすじ:南アフリカ・ヨハネスブルク。アパルトヘイトの爪跡が今も残る社会に生きるひとりの少年がいた。本名は誰も知らない。
ツォツィ=不良と呼ばれるその少年は、仲間とつるんで窃盗やカージャックを繰り返し、怒りと憎しみだけを胸にその日を生き延びていた。
名前を捨て、辛い過去を封印し、未来から目をそらして…。

ある日、ツォツィは、奪った車の中にいた生後数ヶ月の赤ん坊と出逢う。
生まれたばかりのその小さな命は、封印していたはずのさまざまな記憶を呼び覚ました。

「生きること」の意味を見失っていたツォツィは、その小さな命と向き合うことで、はからずも命の価値に気づき、希望と償いの道を歩みはじめる。(公式サイトより)


と書くと、なんかどこかで聞いたようなストーリーだなーと思うのですが、描き方が丁寧で、視点が鋭いので、とてもリアリティがあります。


最初の数分、すごくつらかった。たらーっ(汗)
冷え切った瞳の貧しい青年たちが、いとも簡単に罪なき人を襲い、金銭を奪う。

たとえ親から離れ、絶望の中で雨に打たれ、震えながら土管のなかで育ったとしても・・・・
人間はここまで非情になれるのか、と思うほど、ツォツィは荒みきった表情をしています。

そんな彼が、泣き叫ぶ赤ちゃんを連れ去ったときには
「いったいどうするつもり?」と不安になりました。

おっかなびっくりオムツをはずして新聞紙をあてがったり、缶詰のコンデンスミルクを指でなすって飲ませたり、はらはらしどうしです。
(しかもそのコンデンスミルクに大きなありがいっぱい集まってきて・・・ぎゃあああ!!  あれってCGじゃないですよね?? 幼児虐待ですよ、あれ!!)

でも、彼は何とか赤ん坊を育てようとします。
その気持ちは、幼い頃に一人ぼっちになった自分を赤ん坊に投影し、そのトラウマを克服しようとして必死になっているようにも見えます。

わかるんですよね〜 子どもを育てるって、一つの大きな人間的な成長のステップ。大きな気付きになるんですよね。
それはやってみて初めて分かる原始的で本能的な喜びだし、いままで虫けらのように扱ってきた自分以外の命というものの尊さに開眼する一瞬なんですよね。
でもあんなチンピラでもそうだなんて、感激。


tuo.jpgそして、ミリアムとの運命的であい。

ミリアムは夫に死なれ、ひとりで生計を立てつつ自分の赤ん坊を育てている女性。
貧しいだろうに家の中を綺麗に整え、身だしなみもきちんとして、ガラスでモビールなどを作って飾ったり、生活を楽しんでいる風情。
(この辺、立派なベッドといい、水色のカーテンといい、小奇麗過ぎて全然貧しそうに見えないところが、母子家庭の生活としてはちょっと腑に落ちなかったけれど・・・)

最初はもらい乳するだけのつもりが、彼女の中に、幼い頃生き別れになった、エイズで寝たきりだった母の優しい面影を見、その暖かいささやきを聴き、だんだんに彼女に惹かれ、彼女に何かしてやりたくなってくる・・・・

彼女に値する自分に変わりたくなる。

ツォツィの表情が変わります。
まるで少年のように、純真なまっすぐな瞳に・・・・
まさに手負いの獣が心を開いていく過程を目の当たりにして、こちらの心も開かれていく感じがしました・・・・


「約束の旅路」でも感じたのですが、やっぱり「愛」なんですね、人類を救うのは。あせあせ(飛び散る汗)

それと、物乞いのモーリス(ジェリー・モフケン)との会話もよかった。

「そんなになってまで、どうして生きたいんだ?」
「お日様の暖かさを感じたいからさ・・・・」
 

生きる意味を模索しだしたツォツィの言葉が泣かせます。

「Decency(上品さ)とは、生活とは関係ない。respectを持つことなんだ」
というボストンの言葉も美しい。



いや〜〜
なんか赤ん坊を手から離した瞬間に、すごい悲惨なラストになるのじゃないかとどきどきでしたけど、じんわりと生きる希望が涌いてくる、とても軽やかなラストでした。

全編にあふれるビートの聞いたアフリカン・ミュージックと哀切を帯びた美しいメロディも、作品を立体的にしてます。



しかし、「希望の光」とかなんとか、ずっこけるような邦題がつかなくて良かった♪パンチ


posted by jester at 11:14| Comment(10) | TrackBack(11) | た行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月14日

Deja vu  デジャブ

これもちょっと前に見た映画ですが、面白かったです!黒ハート

え〜〜、そんな〜〜情報衛星から撮った画像でそんなものが見られるの??とどきどきでしたが、そうきたか。

CIS張りの科学捜査の最先端なのかと思っていたら、SFタイムスリップものだったとは。
う〜むむむ。

などとうなっている暇はなく、はらはらどきどき。あせあせ(飛び散る汗)

しかも犯人は狂気のジム・カヴィーゼル!ですものね〜〜ハートたち(複数ハート) ぜいぜい。

ストーリーもタイムスリップ物特有の、伏線っぽくて気になっていた台詞などが、
「あ、だからあの台詞か!」
「あ、だからあそこで待ってたんだね!!」
「あ、だから『2度目』か!」
とまあ、最後になってパズルがはまるようにさくさくと謎が解けていくその気持ちよさ!

これ以上はネタばれしちゃうのでいいませんけどね〜、もう一回最初から見てみたい気分です。


実はブラッカイマーがプロジュースする映画ってどうも苦手なものが多いjesterであります。

トニー・スコットと組んだ「クリムゾンタイド」は(ヴィゴが出てたからとかいうんじゃなくて・・・・ほんとか自分?)結構好きだったんですけど・・・
同じトニー・スコットと組んでても「トップガン」はだめだし。(トムクルが出てたからとかいうんじゃなくて・・・本当なのか、自分?)

いや、アルマゲドンもパールハーバーもパイレーツも・・・だめなjesterです。

お金をかけてド派手だったら喜ぶ観客ばかりじゃないよ、といいたいところだけど、まあ、彼の作ったものはアメリカを中心に日本でもヒットしてますけれどね・・・・。

これは全然客がはいってませんでしたが・・・(jesterは夜遅くに見に行ったせいか、最初開始時刻になっても私一人しかいなくて、貸切鑑賞になるかと思ってたら、少しずつ人が来て、でも結局4〜5人しかはいってませんでした)

いつもは派手派手な宣伝に釣られて映画館に行ってしまうと、すごく混んでるくせに、いつも「ああ、やっぱりこの人の関連するのはだめだわ」なんて思ってしまう。


でもね、何故か彼のプロジュースしたテレビ番組は結構好きなんです。
CISシリーズとかそのスピンオフのものとか、Without traceとか悪くないです。(爆)
低予算だといいのかな(殴パンチ
ま、あまり期待してないので、面白くない回は「今日は面白くなかった」って捨てられますものね、テレビだと。


でもって、「デジャブ」は、ブラッカイマーがプロジュースで監督がトニー、主演がデンゼルだからね〜
だけどひょっとして「クリムゾンタイド」ぐらいは楽しめるかも??

しかもジム・カヴィーゼルが悪役で出てるし!!!!

・・・という曲がった動機もあって、見てまいりました。(殴パンチ


しかし警官役の役者さんたちに、超オデブさんがおおいこと!
そしてヴァル・キルマー・・・・・首がないし。

「外観の美しさなんか変わる」ってデンゼルにいわれて、よく殴りかからず我慢したなあ・・・・(殴パンチ


「インサイド・マン」ではちょっと緩んでる気がしたデンゼル・ワシントンなんですけど、今回は彼のイメージぴったりの、寂しげでストイックな正義の味方、を演じていて、安心感がありました。
いつも同じ感じの役といわれればそれまでですが、やっぱり似合うものは似合うのだ。

しかし・・・・・

もしクレアがあれほど美しくなかったら・・・中年のおばさんとかおっさんだったら・・・・
ダグはあれほど命をかけて必死に助けようとしたんだろうか・・・(爆)

「外観の美しさなんか、変わる」のにさ!パンチパンチパンチ





posted by jester at 09:49| Comment(4) | TrackBack(6) | た行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月19日

The Departed(邦題;ディパーテッド)

NZで見た映画第3弾はThe Departed(邦題;ディパーテッド)
でございます。

皆さんご存知、傑作の香港映画、インファナル・アフェアーズのハリウッドリメイク。

で、きっと腹立つから比べちゃだめ〜と思いつつ、トニー・レオンファンのわたくしはもちろん最初から最後まで比べまくってました。(爆)



で、比べまくった結果ですが。


どの俳優さんも、だめ。
ラストも、だめ。なんなの、あの終わり方は。

音楽はまあまあ。

(え〜〜、元の映画と比べまくった結果です〜)
(俳優さん一人一人についていちいち書いていると怒りがこみ上げてきてまた何ページも書いてしまうので、やめておこう)

どうしてこれがアカデミー賞とるんだろう・・・たらーっ(汗)

審査員はインファナル・アフェアーズを見てないのね。
私が審査員なら、絶対インファナルに1票いれてます。(だから、インファナルは審査対象じゃないんだって!パンチ
posted by jester at 08:29| Comment(7) | TrackBack(5) | た行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月14日

Dream Girls ドリームガールズ

とにかくジェニファー・ハドソンの歌声にお疲れ様・・・・(汗)

実話ベースの話らしいですが、その辺jesterは詳しくありません。
しってたらもっと楽しんだろうな猫

エディ・マーフィの髪型にはのけぞりましたが、歌はうまかったですね。

これ、実際の舞台でみたらパワーをもらえそうですが、映画館で見るとバービー人形のくねくねダンス(爆)とこぶしの聞いた熱唱に、はいりこめずに押し捲られ(?)

もうちょっと「引く」部分があったら疲れなかったかもしれないです。(虚弱体質)

最後のほうでは、登場人物が歌いそうになると「もういいです、はい」と密かに思っていた。(殴

古くは『コーラスライン』、最近では『シカゴ』『オペラ座の怪人』『RENT』のときも思ったけど、やっぱり舞台は生・・・。
生の歌声やダンスの持つパワーはすごいです。

あれを期待しちゃうと、ミュージカルの映画でパワーをもらうのはなかなか難しいのかな、と思うjesterです。
『プロジューサーズ』ぐらい笑わせてくれないとだめなのかなあ?
やっぱり銀幕越しでは少し醒めてみてる部分があるのね。


ビヨンセは綺麗でしたハートたち(複数ハート)
posted by jester at 09:25| Comment(6) | TrackBack(0) | た行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月04日

トゥモローワールド Children Of Men

予告編を見た感じでは、かなり暗そうな内容・・・?と覚悟して見に行きました。
(実は先々週に見に行ったので、007より前に鑑賞してたのですが、記事が前後してしまった・・・)
これがjester的にはヒットでした。
ぐんぐん引き込まれて、自分が映画の中にいるように錯覚してしまい、ピシュウウ!!チョイ〜ン!!と弾丸が飛んできたときには思わず首をすくめるほど。

戦闘シーンでもカメラがずっと長回しで追い続けるので、自分の視点で見ているような臨場感と迫力があるんですね〜

画面もそうですが、音が迫力があっていい映画なので、ぜひぜひ音響のいい映画館で見て欲しいです。


人類に子どもが生まれなくなってしまった西暦2027年のイギリス、という設定で、なんで子供が生まれなくなったかとかそういう細かい説明はなしに、ど〜んとそのワールドに放り込まれて、クライブ・オーウェンと一緒に「なぜじゃ〜〜」と叫びつつ、母子を助けるのに思わず必死になっちゃいます。←単純猫


クライブ・オーウェンさん、キング・アーサーで見たときは、首の線がたぷたぷしててだめかも・・・と思ったけど、なんかそれから見るたびに「結構いい!」とおもい、この作品では「かなりいいじゃないですか、はい!」に変化しました。黒ハート

あのよろよろさ、ぼろぼろさ、酒臭さ、小汚さ・・・
でもなんか誠実そうな感じがにじみ出てて、ジュリアン・ムーアが「この人なら信頼できる」って言ってるせいだけじゃなくて、信頼できちゃうんですよ・・・ 


ジュリアン・ムーアは昔は、目から鼻の辺の線が気になるし、よろめく人妻みたいな湿っぽいイメージがあったのであまり好きじゃなかったけれど、「ハンニバル」からどんどんタフな女が似合うようになってきて、今回もカッコよかったです。


それと、マイケル・ケインさん。
いや〜彼が出てるとは聞いてましたけど、聞いてたのに、見ながら「それでどこに??」(今画面にでてるよ!)「でないね、ケインさん」(今出てるってば!!)状態。←ソファの上の猫とか、犬とかばかり見てるからだ・・・・

さすがに途中で「あ〜〜! このヒッピーのおじちゃん、ケインさんだあああ」と確認して、ビックリしました。
すごいいい味だしてます。
バットマンビギンズなんかの上品なバトラーもお似合いだけど、実生活はこういう人なのかな?なんて思ったり。

音楽もつぼでした。
ジョン・レノンの歌声が切なかった・・・たらーっ(汗)


以下、ネタばれあります**********




音がいい、って上に書いたのですが、最後のほうでの赤ちゃんの泣き声がなんとも印象的でしたね。
「戦場のピアニスト」で瓦礫の町に響くベートーベンの「月光」のように。

あのぐらいの生まれたての赤ちゃんって、jesterはどんなときでも目が釘付けになっちゃうし、「きゃ〜〜可愛い」とかいうんじゃなくて、もっと本能的な「この子を守らねば!」みたいなオーラが胸の辺からどわ〜〜っとあふれてきちうんですよ。最近は特にそうです。
どこかで泣き声がしたら、たとえ遠くで泣いていても、絶対「何で泣いてるんだろう?」ってすごく気になっちゃうし。

ま、それは皆さんそうなのかもしれませんが、映画を見ていてそういう気持ちが映画の中の人たちと共感できて、感動しました。
猛々しい戦場の狂気の兵士ですら、正気に引き戻す無垢な泣き声です・・・

(しかしあの赤ちゃんはCG?ですよね、もちろん。 生まれたてほやほやであんな埃っぽい撮影現場に持ち込めないよねえ・・・・)

設定では日本もアメリカも香港も、イギリス以外はみんな荒廃しきっちゃって人間が住めない状態になっているんですよ。
でもそういうイギリスですら、強制収容所はそれはそれはひどい状態。
すごいお金をかけたと聞きましたが、それはこの辺のセットに使われたのでしょうか。
とてもリアルでした。もうすぐあんな世界が来るのかも、と緊迫感があって・・・

「何百億円かけた豪華なセット!」が売りの娯楽映画を見ると、時々は「金の使い道は他にあるだろ?」なんて心のどこかにちくちくしちゃうもんがある貧乏人jesterでありますが、これは「お金をかけただけの意味ありかも」なんてうなずいたりしておりました。

ラストシーンもjester的には良かった。

霧の中で、これからどうなるのか不安だけど、とりあえず明日への扉は開かれた・・・という暗示で、救われました。

posted by jester at 09:34| Comment(8) | TrackBack(8) | た行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月18日

父親たちの星条旗

1001031_01.jpgクリント・イーストウッド監督の映画って、結構好きです。
「ミリオンダラー・ベイビー」も賛否分かれてますが、私は泣いちゃったし。

でも重いのが多いので、体調なんかがいいとき行かなくちゃ、とおもいつつ、前の夜ほとんど寝てなくて、精神的にも落ち込みのどん底、という中で「父親たちの星条旗」を見てしまいました。

もともと戦争物は苦手で、なるべくDVDになってから見るようにしてます。
映画館で見ると音と迫力ありすぎで・・・・
(家なら画面小さいし、音は小さくできるし、トイレとかに避難したり早送りしたりできますもん)

それなのに〜〜何故かふらふらと映画館へ・・・猫

だもんで、開始早々の戦闘シーンで滂沱の涙・・・・
身体がぶるぶる震えちゃうほどで、
「なんで戦争なんかするんだろ・・・・あんたらあほや・・・・」と落ち込み・・・・

そのうち、体調不良も伴って、手足が冷たくなってきて、貧血状態、吐き気まで←あほなのはあんたや・・・・あせあせ(飛び散る汗)

それほど戦場のシーンがリアルです。
 
といっても従軍経験があるわけでもなく(あたりまえですが)、他に戦争映画をたくさん見ているわけじゃないので、比較ができないのですが、いかに戦場が残虐で、戦争が不毛で狂気の沙汰かというのが苦しいほどにじわじわ伝わってきます。

jesterがあの場にいたら、早く撃たれて死んでしまいたい、と思ったかもしれない・・・・

映画の後半は、「勝利」のシンボルとして帰国した兵士が、内面の苦しみと裏腹に「英雄扱い」されて苦しむ姿が淡々と描写されます。

「戦争には勝者はいない」のです。

兵士も苦しむけれど、送り出した息子が戦死してしまった母親の悲しみも描かれます。
「(兵士の)母親たちの星条旗」でもあるんですよね。

とてもメッセージが伝わりやすい映画です。
ラストの辺がもうちょっと編集したらすっきりするかな、と思いましたが、実話ベースなので仕方ないでしょうか。


ぴかぴか(新しい)ドグを演じたライアン・フィリップはクラッシュに続き好演してます。
憤慨すると鼻の穴が広がりますが(殴)、見るからに善良そうで、正義感強そうに見えるんですよね、この人。
最近、私生活では離婚したりしてますが、映画では活躍してますね。

一番共感した役は、重圧のあまりアルコール依存症になってしまうネイティブ・アメリカンの兵士、アイラ・ヘイズだったのですが、アダム・ビーチさんというカナダの役者さんがやっています。
どこかで見たと思ったら、ドラマの「デッド・ゾーン」にでてましたね、この人。


ぴかぴか(新しい)映画を見たあと、NHKのクローズアップ現代にクリント・イーストウッド監督がでていましたが、とてもストイックで清潔な印象。
セレブになりちやほやされてスポイルされて傲慢になっている様子もなく、静かに謙虚に、考え考えしゃべる姿がとてもいい印象でした。


ぴかぴか(新しい)実はjesterが見る前に、家族Aもこの映画を見たのです。

家族Aは戦記物のドキュメンタリーや小説が好きですし、自衛隊の航空ショーとか好き。
ニュース見てて、「あんな拉致なんかする国、ミサイル打ち込んでぶっ潰せばいい! アメリカならとっくに攻撃して拉致被害者を奪還しているのに!!」
などと過激発言を繰り返す人なので、そういう人があの反戦メッセージ一杯の映画を見たらどう思うのか、聞いてみました。

なんだか久しぶりに結構真剣に会話ができたという感じです。(詳細は省略)(爆)


彼は「硫黄島からの手紙」も見に行くっていってますが、私は予告編を見ただけで呼吸困難になるほど悲しかったので、DVDになるまで待つかな・・・とおもったり、また行ってしまうかも・・・?と思ってます。


ま、jesterは映画を「作り事」と思って見られない共感・単純体質なんで、ホラーなんかも入り込みすぎて夢見ちゃうし、それで目が覚めてもトイレに行けなくなっちゃうんですよ。

もっと冷静に大人に鑑賞ができる方なら、jesterみたいに貧血状態になることもないと思いますです。
posted by jester at 11:23| Comment(11) | TrackBack(2) | た行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月09日

Death Note デスノート the Last name

death.jpgデス・ノートを見てきました。

あまり日本映画は見ない(見ても年に6〜7本です)のですが、こないだテレビで1をみて、先が気になったので・・・・

で、ふと気がつくと、日本映画は見てもレビューを書かないことが多いです。(書かなくちゃ・・・・)

なのに今回なぜレビューを書こうと思ったかというと、映画の中のワンシーンが、見ていた映画館のすぐ近くだったので、驚いて・・・・
 それがこれ。

ユナイテッドシネマ豊島園で見てたんですが、ラストの鹿賀丈史が出てくる改札口、どっかでみた??
あれ?さっき通った西武線の豊島園の改札にそっくり!

で、映画が終わった後、徒歩7秒の駅(ここは駅からすごく近いの!)にいって確認。
「やっぱりここだよ〜〜!」

携帯で写真を撮って、駅員さんに
「ここで映画、とりませんでしたか?」と聞いたら

「ああ、そうだよ〜 7月ね」(嬉しそう)

「え〜でも雪降ってましたよね」

「あれ、偽物の雪。終電の後に降らせたんだよ」(得意そう)

なんて教えてもらいました。
うふふふふ。なんだか嬉しかったです。←相変わらず単純・・・・


映画のほうですが、『3日間で観客動員数約97万5000人、興行収入約12億円』というヒット作だけあって、いつも空いてる(当日でもど真ん中に座れる〜)ユナイテッド・シネマ豊島園なのに、結構人が入っていましたです。

藤原竜也くんは男とも女ともつかない、なんともいえない妖気(?)がありますね。声も好きです。
これ以上安売りして欲しくない、年取って欲しくない、太って欲しくない、たるんで欲しくない(人にいえた義理かっ)パンチ 美しさです。

あと、Lを演じた松本ケンイチくん、すごい怪演!
漫画のLにそっくりという噂です。
かなり笑えます。
あまりおいしそうにお菓子を食べるので、こっちまで板チョコバリバリしたくなりました・・・・


非人間的な犯罪を犯して被害者が殺されても犯人はぬくぬくと生きているという現実を目の前にしたとき、警察の限界を感じ、
「魔法かなんか使って、悪いやつを懲らしめたい! そういう組織があれば、きっと犯罪は減るだろうな〜」 
なんて空想をしたこと、jesterにもあります。猫

この原作はそんな発想から作られたのかな、なんて思います。

そういう発想からできた小説とか映画は他にもたくさんありますが、どう現実感をだし、どうまとめていくか、っていうところにプロの技があるわけで・・・


映画のラストは「ふ〜〜ん、こうなるのね〜」と一応納得しましたが、全体の流れがアニメっぽい(「ハイジ」のレビューで書きましたが、jesterはアニメがだめです)というか、間に1枚ガラスがあるようで、残念ながらjesterにはその世界に浸ることができませんでした。

いろんな「穴」を、「Death Noteの使い方」で無理やり説明しているって言うか、つじつま合わせてるって言うか。
「こういうルールなんだからね。質問しないで!」って言うところが多すぎ・・・

ま、こういう映画で「穴」を見つけて追求しても切がないと思うので書きませんが、どんな荒唐無稽な話でも大人の鑑賞に耐えられるぐらいのリアリティがないと、登場人物に感情移入できなくて、泣き叫んでいるシーンとか「いいからさ、もう」と早送りしたくなっちゃいます・・・・(殴パンチ


幸い原作の漫画を友人が貸してくれたので、これからその「穴埋め」作業に入ろうかとおもっております。(汗)




posted by jester at 09:48| Comment(4) | TrackBack(1) | た行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月12日

Tristan + Isolde (トリスタンとイゾルデ)

001t.jpg
やっと日本公開が近づいてきた「トリスタンとイゾルデ」の試写会に行ってきました。
それほど期待せずにでかけて、夜の歌舞伎町のぎらぎらと、シアターアップルのかび臭くてシャビイな座席に始まる前はうんざり気味でしたが・・・

映画は良かったです♪ハートたち(複数ハート)

1500年前のイギリスとアイルランドが舞台。
ローマの支配が終わって、混乱する国土のなかで、歴史の波にもまれ、運命のいたずらに苛まれる人間たち。

「トリスタンとイゾルデ」というと、ワグナーの美しいオペラが有名ですが、もともとケルトの伝承にあった「トリスタンとイズー」が数々の作家の手を経て形を変え、この映画では、単なる「媚薬をのんじゃった男女の狂おしい愛」から、残酷な境遇の中で必死で生きていく人間劇に完成されています。

宣伝では「ロミオとジュリエット」の原作とも言うべき恋愛物、とあおってますけれど、歴史物としても立派なできですし、ただ甘いだけの話じゃないです。

見ていて恥ずかしくなるようなべたつく甘さがなくて、それぞれが心に秘める切ない思いが胸を刺します。

戦闘シーンもかなり迫力あり。
お金をかけた大規模なものではないですけれど、上手な演出で臨場感があります。
それもそのはず。
「グラディエイター」のリドリー・スコットが製作総指揮、「モンテ・クリスト伯」のケヴィン・レイノルズが監督をしているのですよね〜。

恋愛物を見るぞ〜と期待していくのではなくて、古い時代にあった物語に浸りに行く、と思っていったのが正解でした。


ぴかぴか(新しい)アイルランドの王女でありながら、政略結婚のコマとして使われ、海辺にたたずんで、外の世界にあこがれるイゾルデ。

ハーブを熟知し、看護法なども良く知っている彼女は、負傷して流れ着いたコーンウォールの騎士、トリスタンを助けます。

この辺、二人が恋に落ちる過程が丁寧に書かれていて、無理がありません。
トリスタンはそりゃあイゾルデに惚れるわねえ〜〜
見ていて、「そうならなきゃ嘘だわ・・・」と思いました。
看護婦さんに恋する入院患者ですよね〜

イゾルデだって、ブルドックみたいな婚約者より、若くてつるぴかのトリスタンのほうがなんぼかいいでしょう。

しかし今両国は戦争状態にあり、お互いの国民の間には憎しみと恨みが渦巻いている。
海辺で泣きながら分かれる二人。

強力で残忍な王を抱くアイルランドに対して、イギリス内部では、いくつかの領主が裏切ったり裏切られたりしながら勢力争いをして、まとまりがない。

そして次に二人が出会うのは皮肉な場所。

喜びと驚きと、深い悲しみが瞬時にして二人を襲い、混乱した気持ちのまま、二人の立場は大きく交差して・・・・・たらーっ(汗)


という展開です。


001ttttt.jpgぴかぴか(新しい)なんといってもマーク王役のルーファス・シーウェルが良かったです!!

主役、トリスタンのジェームズ・ブランコをくっちゃってました・・・
(ジェームズも頑張ってましたが、決めのシーンでいまいち表情に華がないんですよね〜) 

ギョロッとしたオメメに坊主頭で、「渡辺謙に似てるかも」とおもっていたら、同行した友人も「あたしもそう思った!!」といってました。

心優しい王で、政略結婚のために嫁いで来た妻を精一杯幸せにしようとする切ない、得な役柄でした。
いままで悪役が多かったけど、やっと役にめぐまれましたね〜

この話、マーク王の物語といってもいいのでは?(またまた)


001tt.jpgぴかぴか(新しい)それから、ヒロインのソフィア・マイルズもかなり好き。
婚礼のシーンの美しさといったらなかったです。


しかしな〜〜
トリスタンなんか、さっさと忘れて、マークのことだけ考えてればいいのに!!
わたくしは、そう忠告したくなりましたね〜

もしどうしても忘れられないなら、せめてトリスタンをちらちら見て切ない顔なんかしないで、公共の場ではしゃんとしてなさいよ、あなた・・・

そしてこっそり逢引するなら許すよ。うん。


001h.jpgぴかぴか(新しい)あと出色だったのはメロート役のヘンリー・カヴィルかな。
ヘナチョコな役柄ですが、なかなかかっこいいのですよ。
ジェームズと一緒に写ってるシーンではついついヘンリーー・カヴィルを見ちゃいました。
ジム・カヴィーゼルと共演した「モンテクリスト伯」では可愛い男の子だったんですよね〜〜 最初あの子だとは気がつきませんでした。
立派になっちゃって〜〜♪

jester的にはこの人がトリスタンだったら嬉しかったかも。
それで、ジェームズ・フランコがメロート。
うんうん、そのほうがいいぞ!!イメージぴったりじゃんか。(殴パンチ(ひ〜〜ジェームズファンの方、ごめんなさい〜〜)


001ttt.jpgぴかぴか(新しい)全体的に暗くて地味な画像なんですが、幻想的で美しいんですよ。


それから衣装も素敵でした。
普通の人たちはごくごく粗末な洋服なのですが、王族のドレスは派手ではないけれど、とっても美しい。
マーク王の毛皮を使った衣装もカッコよかったです。


それから、邪魔にならず、心に残る音楽は、アン・ダッドリーが担当しています。

話の流れが自然で、分かりやすいので、余計な頭を使わずに、物語にしっとり浸って帰ってきました。


しかし、あのあと、残されたものはどうなるのかしら。
結構幸せに暮らしたりして・・・(殴パンチ
なんて思ってしまったjesterであります。
posted by jester at 10:38| Comment(16) | TrackBack(3) | た行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月09日

3:10 トゥ・ユマ

 ??.jpgクリスチャン・ベイルが『3:10 トゥ・ユマ』への出演交渉最終段階にあるそそうです〜

ラッセル・クロウが主演で悪名高い大強盗団のボス、それを護送するダン・エヴァンス役がベイルさんだとか。(くわしくはこちら

この配役ね、なんだかつぼにはまりすぎて、見る前から興奮状態のjesterであります。


theprestige.gifところで先日、ヒュー・ジャックマンとベイルが共演するという
The Prestigeの話題が出ました。
(dimさんとDDさんにいろいろ教えてもらいました♪)

このトレーラーのリンクが切れちゃってたので新しく張っておきますね。
こちらです。

監督はクリストファー・ノーラン。
(主演は最初はジュード・ロウとガイ・ピアーズとかいってたけど、ヒューとベイルに変わりました!ラッキ〜黒ハート


Michael Caine(バットマン・ビギンズの執事さん♪)とかDavid BowieとかAndy Serkis(ゴラム!)とか気になる役者さんが盛りだくさんで、映像としてはとっても期待してしまうのです!

でもって、この原作を読んでみました・・・

途中ちょっとだれましたが、映像にするのにはおいしいシーンがたくさん!
期待できます♪



原作のほうのレビューはゆきてかえりしひびのほうにあげましたので、よろしかったら読んでみてください♪
posted by jester at 11:42| Comment(6) | TrackBack(1) | た行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月02日

トランスアメリカ

これ、よかったです! jester的には今年の5本に入りますだ〜黒ハート

お金がかかってないインディーズムービーだけど、愛情はいっぱいこもってます♪

脚本にも無理がなくて、奇妙な設定ながら、その世界に引き込まれます。
元気をいっぱいもらいました!


1000957_02.jpg有名な俳優はほとんど出てません。

ぴかぴか(新しい)フェリシティ・ハフマンは『デスパレートな妻たち』で人気が出ましたが、日本では知っている人のほうが少ないと思います。

演技力はあるけれど地味な顔だちで、主役を張って男性のファンを呼べる女優さんではありません。

(だから、日本での公開も遅くって・・・あせあせ(飛び散る汗)

彼女は日本で言うと、室井滋さんみたいな女優さん。

そんな彼女が「低予算のインディーズムービーだから、せいぜい私の母と友達にビデオで見せておしまいだと思っていた」映画が、世界の映画の賞を総なめする結果に。


彼女の役どころは「女性になりたいと思っている男性」。

もうすぐ身体を手術して、完全に女性になる!!と意気込んでいるトランスジェンダー、ブリーです。


そんなある日、『息子が警察に捕まった』という電話がかかります。

「え、わたし、息子なんかいないわ・・・」といいつつも、そういえば昔、まだ外観が男だった頃に1回だけ身におぼえが。

その話をセラピストにしたら

「息子さんと和解しない限り、あなたが精神的に手術のために成熟できたとはいえない。だから手術の同意書にサインしない」

といわれてしまい、どうしても手術したいブリーの、「息子を何とかするため」のアメリカ横断のロードムービーが始まります。


こう書いてしまうと陳腐な始まり方に聞こえますが、フェリシティがどうみても女装している男性にしか見えないので(ほめてます!!)、彼女の振る舞いを見ているだけで笑いの発作が来ます。


女装をする男性は傍目には滑稽で時には悲壮、自虐的に見えます。「プルートで朝食を」のキトゥンもそうでした。

でも、ブリーは前向き。女性になって、自分にとって自然な形で人生を真っ当に生きていきたいと思っている。
その真摯な生き方が胸を打ちます。

彼女が演じるブリーは、『過剰に女性らしくしている男性』であり、厚化粧、ピンクのスーツに身を包み、虫や蛇を嫌い、ぴらぴらしたナイトガウンが大好き、というステレオタイプの女性像。

それはそれでとても滑稽だけれど、ああいうのを見ていると「男性のあこがれる女性像」が分かるような気がします。

柔らかくて優しくて綺麗で可愛くて・・・




1000957_01.jpgぴかぴか(新しい)そして息子役、 ケヴィン・ゼガーズの可愛いこと!
いや、20歳の男性(撮影時)を捕まえて「可愛い」も何もないでしょうけれど、リヴァー・フェニックスとガエル・ガルシア・ベルナルを足して割ったような・・・・ううう、ハンサムです!

jesterの苦手なペコちゃん系のダニエル・ブリュールに似てるかな?と写真を見て思っていたのですが、ワイルドな雰囲気もあり、これから上手に作品を選べば(汗)、大スターになるかも、という美形でした。


悲惨な幼児期をおくり、売春、麻薬、盗み、と荒れた生活のなかでもがく青年。

でも心は清らかで、愛に飢え、まだ真っ当な人生を送れる望みがある。

それをケヴィンが演じたら、そりゃあだれだって手を差し伸べたくなりますわ〜

しかもめちゃくちゃいろっぽい! そ、そんな目で迫られたら、困るう〜(殴パンチ

ぜいぜい。あせあせ(飛び散る汗)

ちなみに彼が扮するトビーが「知ってる? ロード・オブ・ザ・リングスは『ゲイムービー』なんだぜ」なんて言い出して、とうとうとこの説を述べたりします。
この、LOTRがゲイムービーって、アメリカではかなりしつこく言われているみたいですね。
jesterはそうは思いませんけど。



というわけで、「留置場から出してあげよう」→ 
「少しお金をあげよう」→
「継父に押し付けて面倒見させよう」→ → →

・・・ともがいているうちに、ブリーは父性愛に目覚め(というか母性愛に近い)、ブリー自身も親として成長していくのです。


ぴかぴか(新しい)脇役では『ダンス ウィズ ウルブス』の「蹴る鳥」を演じたグレアム・グリーンがいい味を出してます。



ぴかぴか(新しい)ハリウッドが巨額をかけて(その元を取ろうと宣伝もしっかりして)人気俳優をたくさん集めて作る「金儲け映画」に乗るのも・・・時にはいいけれど・・・

こういう、貧乏だけど(爆)のんびりしてて、好きな人に見てもらえればいいや、と愛いっぱいハートたち(複数ハート)で作った映画のほうをもっともっとたくさん見たいな、とおもうjesterでありました。
posted by jester at 08:56| Comment(18) | TrackBack(17) | た行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月24日

ダ・ヴィンチ・コード

いや〜〜すごい宣伝ですね〜〜
ケーブルテレビでも特集番組の多いこと。

六本木で見たのですが、さすがに混んでました。
あれだけの話をどうやってまとめるのかなと思ったけれど、映像ってすごいなと思いました。
特に古代のローマの映像なんかが実写で見られるのが感動です。

とはいえ、基本的には謎解き物なので、ねたがばれていると、それほどはらはらしません。
原作が出てすぐに読んじゃったjesterはところどころストーリーを忘れかけていて(爆)とってもお得だったのですが、それにしても
「ああ、そうだったね〜」
と確認しながら見ているって感じ。

原作を読んでなくてはじめてみたら、いろいろビックリするかもしれないですけど・・・・


個人的には、ラングドンのイメージがトム・ハンクスではちょっと線が太すぎるかんじ。
あのおでこはなんなんだろう・・・・あせあせ(飛び散る汗)
jesterはもうちょっと学者っぽい感じで原作を読んでましたがな。


ソフィのオドレイ・トトゥは期待してましたけど、あの髪型、変〜〜
鬘かと思うような暑苦しさ。
アメリのおしゃれで可愛い髪形と全然違うし・・・・・たらーっ(汗)
足が細くて、痛々しかった・・・ 
女刑事というより女子学生みたい。

英語で台詞が言えるのだろうか、という不安があったのですが、かなり早口で流暢に話してました。
Hとかも発音できてたけど・・・・ 
でもなんか変ななまりなんですよね。
フランス人じゃないみたいな感じ。
もっとフランス語なまりを強く出して、フランスっぽい雰囲気を出したほうがかえってよかったかな?


あと、サー・イアン・マッケランも「ガン爺・・・あんなになっちゃって・・・・」とちょっと寂しかった。(違パンチ


その中で輝いてたのが「シラス」のポール・ベタニーでしたね〜〜

まあ、もともとベタニーさんが好きで、友達とも「『シラス』見に行こうよ」といって出かけたほどでしたから、当然といえば当然なんですが、
もう痛そうだし、かわいそうだし、綺麗だし(爆)この人見るためだけにお金払っても損はなし。

それにしても「悪いことする前に、痛い思いをして、罪悪をチャラにしよう」なんて事考え付くなんて、教会の欺瞞を感じました・・・
ライラ・シリーズでもこういう神父が出てきたなあ・・・

右の頬を打たれたら左をだすんじゃなかったの?
posted by jester at 08:19| Comment(8) | TrackBack(5) | た行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月02日

「灯台守の恋」、まだ行けます!

「灯台守の恋」飯田橋のギンレイホールでやってます!(理想の女、と二本立て)

去年の12月中旬に書いた記事で、jesterがお勧めしていた、切ない友情と恋の物語。

このところのヴィゴの来日とジョンハウさん原画展でうっかりしてましたが、2月25日から始まって、3月10日までですよん。
見逃した方、ぜひぜひいってくださいまし。
わたくしも行くつもりです!


詳しくはこちら

double face-dさんに教えていただきました。double face-dさん、ありがとう!

ちなみに「歓びを歌にのせて」は渋谷文化村ル・シネマで明日までですたらーっ(汗)
posted by jester at 21:12| Comment(10) | TrackBack(1) | た行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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