2007年11月18日

4分間のピアニスト 

深い絶望の果て。
生きる力さえなくしてしまうほどの闇。
それでも、人に希望はあるのだろうか。

わずかな支えを手に立ち上がり、
一歩一歩
この寂しく荒れた道をたどっていく。

そこにはなにかが
待っていてくれるのだろうか。


このところ、音楽がテーマになっている映画を何本か見ていますが、「4分間のピアニスト」は「Once ダブリンの街角で」に続いての佳作でした。

といっても「Once」のほうが貧しい普通の人たちの心の美しさを描いているのに対して、「4分間」のほうは、底辺の人たちの心の暗闇を描き、その微かな反映が真に価値あるものを輝かせるといった描きかたで、とても対照的。

4hun2.jpgまた、ピアノの天才が主人公という点では「僕のピアノコンチェルト」と似ていますが、「僕の」が子供向けのファンタジーなら、こちらはリアリティに満ち、ものすごく重い。


囚人にピアノを教えるヴォランティアをしているクリューガー(モニカ・ブライブトロイ)は、ピアノのレッスンを希望しているジェニー(ハンナー・ヘルツシュプルング)と会うが、彼女の病的ともいえる暴力の発作に、冷たく部屋を離れる。

しかし歩き去ろうとするクリューガーの足を止めたのは、扉を閉じた部屋から流れてくる、ジェニーの弾くピアノの音だった・・・

精神的な疾患があるのでは?と思われるようなパニック発作を起こしたときのジェニーはまるで手負いの獣。

それと、彼女の紡ぎだす音楽の美しさはまるで別物のよう。


年のかけ離れた二人の無口な女が、音楽だけをその手段として危ういつながりを持つが、関係が深まるにつれお互いの傷口をこじ開けることになり、二人それぞれの悲しい過去が見えてくる・・・・

封印されていた過去の扉を開き、相手の心の琴線に触れるとき、その痛みを共感し、二人は次第にお互いを深く理解しあう。

暗い陰のなかで生きているような人々が登場するのに、見終わったあとは不思議な充実感があり、魂が美しい音楽で満たされたのを感じられます。

典雅なモーツアルトやベートーベン、シューベルトより、ジェニーの自己表現である、痛烈なこころの叫びのような演奏は、そういうものを「下劣な音楽」と言い放つクリューガーに受け止められるのか・・・

使われる音楽だけでなく、爆撃の音、ジェニーが机に刻んだ鍵盤をたたく音、サイレン、体育館のボールの音など、数々の音が、心に響く音として効果的に使われている。

4hun.jpg驚くべきなのは、ジェニーを演じたハンナー・ヘルツシュプルングの演技。
オーデションで残った新人らしいけれど、すごい迫力でした。
薄い色の瞳を怒りでぎらぎらさせて、体中から立ちのぼる激しい敵意とともに、鍵盤にたたき出す「自分」の演技にしびれました。

しかし、骨太のいかにもドイツ人らしい体格で、この人に殴られたら痛いだろうな・・・(殴

それからクリューガー役のモニカ・ブライブトロイも素晴らしかった。
寡黙で頑固で孤独な老女を見事に演じてました。


たまに「現代音楽」を聴きに行くと、正直jesterには理解不能で疲れることが多いのですが、ジェニーのコンサートは聞いてみたいです。

力あふれる4分間の演奏でした。



posted by jester at 09:53| Comment(10) | TrackBack(11) | や行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月18日

夕凪の街、桜の国

夕凪の街桜の国
 この映画の原作となったこの漫画については、jesterの別ブログでも何回かとりあえげてます。(こちらの記事など♪
物語の2部に当たる「桜の国」の舞台が、うちの近くであるというのも書きました。(こちらの記事ですだ

なので、戦後の漫画の中でも十指に入ると思われる傑作の原作については、あえてここでは語らず、映画のことだけ書こうと思います。

とまあ、jesterといたしましてはかなり思い入れのある原作ですので、原作の雰囲気をぶち壊して、お涙ちょうだいものになっていたら・・なんていう不安を抱えながら見に行きましたが、
映画もとてもよい出来でした!
日本映画もやるじゃん、と思いましたです。 

ストーリーについてはご存知の方も多いと思いますが、テーマは「原爆の後」。
投下後13年目から話は始まり、現代につながります。

テンポはゆっくりめですが、その分セリフが染み渡る感じです。

「そして確かに この二人を選んで 生まれてこようと 決めたのだ」

「わかっているのは『死ねばいい』と 
誰かに思われたということ
思われたのに生き延びているということ」


漫画の中で衝撃的だったいくつかの言葉がきっちりと生きています。

jesterは原作の漫画を読んだときにが〜〜んと来ちゃっているので、映画鑑賞時はそれほどショックを受けませんでしたが、それでも心に静かに響き渡りました。

好きな人にそっと抱かれて「生きていてくれてありがとう」といわれたとき、皆実の過去がゆっくり昇華されていくのが伝わってきて、泣けました。

この映画の(そして原作の)素晴らしいところは、原爆の悲惨さだけではなく、だからこそ、その後に命をいただいた私たちが、この平和な世の中で「生きる」ことを大切にしよう、と素直に思わせてくれることだと思います。

それは原爆被爆国だからということではなく、世界中の誰にも伝わるメッセージなのではないかしら。


漫画は漫画ならではの、真っ暗なベタの中でセリフのみの世界の強烈なイメージなどがあるのですが、映画は映画で、広島のまるで七夕飾りのような飾りがしてあるお墓とか、原爆ドームとか川が見られて、映画ならではのリアルさがよかった。
被爆者の痛みが同じ人間の等身大の痛みとして伝わってきました。
音楽がちょっと盛り上げすぎかな、と思いましたが、エンドロールの曲はよかったです。


邦画は見て月1本ぐらいですし、テレビドラマやバラエティは見ないので、日本の俳優さんの知識は全然ないjesterなのですが、演技上手の女優・男優がそろっていて、自然に映画の中に入り込めました。


Q.jpgぴかぴか(新しい)麻生久美子さんという女優さん、細面で日本的なとてもきれいな人です。

ほとんどメイクなしの涼しげな表情がゆかた姿にぴったり。
最近花火大会に向かう人を見てると、ゆかたなのにすごく暑苦しい髪型とかお化粧とかしてる若い女性を見かけますが、彼女をお手本にしてみたらどうかしら。
あれぞ「ゆかた美人」ですわ〜

最初は、原作ののんびりと見えて大きな影を抱えている皆実役には線が細すぎ?と思いましたが、現在の幸せに不安と心苦しさを抱えて苛まれている表現が上手で、見ているうちにこういう儚げな皆実もありかな?と思いました。


ぴかぴか(新しい)男性陣も地味だけどこころ温かく見える俳優さんたちでとてもよかった!

特に打越役の吉沢悠(有名な人です・・・か?)パンチ(殴)さんが素敵でした。
生涯の伴侶として頼りになりそうな爽やかな青年です。


旭の青年時代役の伊崎充則さん、子役で見たことのある人だけど、大きくなったわね〜
脇でしっかり支えてました。誠実そうで優しそうな「旭」でした。


P.jpg「桜の国」での東子役の中越典子さん。
・・・すみません、jesterは「へ〜〜、ユンソナって日本語うまいのね」なんて思って見てましたが、よおくみると違う人でした。(ぎゃああ、ファンの人、ごめんなさい!)パンチ
(だから〜〜ドラマ見ないんだってばあああ)パンチパンチ

寝顔が綺麗な女優さんですね。


田中麗奈さんも堺正章さんも演技、さすがです。
あとね、七波の子役の子も上手だったです!


そして、なんといっても皆実のお母さん役の藤村志保さんがよかったです
あのおっとりとした上品な声が、深い悲しみをちゃんと含んでいて、見るものの心の琴線に触れます。

原作はちょっと主人公の顔の書き分けが甘いのと、時代や場面が交錯して、最後にまとまるという形になっているため、わかり辛いかもしれない点があるのですが、彼女が二つの物語をつなぐようにずっと出ていることによって、映画ではとてもわかりやすくなっていました。

一見ばらばらに見えるエピソードが、何気なく書き込まれた伏線で微妙につながっていて、最後に全部の人のつながりがわかるという漫画の形式も、とても素晴らしくて好きなのですが、読解力がないと、途中で「意味わかんない・・」と投げ出したくなります。
(例;うちのスー姉)

たくさんの人、若い世代に見て欲しい!と思うので、映画でのこの辺のわかりやすさは、ある程度必要かもしれないと思います。


ただ、ラストの皆実は・・・・

原作の走り抜けていくようなスピード感がなかった分、あの、
「なあ、うれしい? 落としてから13年も経ったけど、原爆を落とした人は私を見て『やったぁ、また一人殺せた!』ってちゃんと思うてくれとる?」
というセリフにおどろおどろした『うらみ』のようなものがただよって怖かった気がしました。


佐々部清監督作品は「半落ち」ぐらいしかみていませんが、「チルソクの夏」とか「陽はまた昇る」とか、これから見てみようと思います。


jesterが見に行ったときは、周りは年輩の方が多く、(その多くが涙をぬぐっていらっしゃいましたが)あまり若い人は見られませんでした。

でも、戦後62年、戦争をしらない若い人にこそ見て欲しい!

いま当然のように平和を謳歌している日本の過去には、私たちの親や曽祖父母の悲しみの時代があったこと、この平和も気がつかないうちに失われてしまうことがあること、そして命の貴重さ・・・・

若い世代にぜひ伝えていきたいことです。


jesterも自分の周りの若い人たちをつれて、また見ようと思います。

東京ではもうすぐ終わってしまうので、急いで行きます。

こういう映画をお金を払ってみること、そして他の人に薦めることも、ちいさなきっかけになるかもしれないと信じているから・・・

う〜〜ん、全国の学校で夏休み明けにやってくれんかのお。

アメリカや、核保有国の若い世代にもぜひぜひ、強制的にでも見せたい!(をいをい)
(安倍さんにも小池さんにも、ブッシュにも、北の王子にも見せたいけど・・・あの人たちは感覚が麻痺しちゃってるからだめかしら・・・)


ちはみに、「桜の国」の舞台は、「新井薬師駅」とか「水道タンク」(原爆ドームのイマージュとして?)など、jesterの家の近くがでてくるって、上でご紹介したこちらの記事で書きましたが、映画では変わって「恋ヶ淵駅」などが舞台になっていました。

個人的にはちょっと残念でした。
posted by jester at 11:39| Comment(4) | TrackBack(1) | や行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月18日

約束の旅路 (Va, vis et deviens) その2

昨日の続きであります。

yakusoku.jpg
「その1」を読むと、未見の方は「母子のお涙ちょうだいもの」みたいに感じられちゃうかもしれませんけれど、これは前半部分。
この映画、ここからがすごいんですよね。

深く傷つき悩むシュロモの周りの人々の、愛に満ちた、さりげない、また時には激しい言葉が、見ているものの心まで癒してくれます。

シュロモを取り巻く、養い親のヤエル、ヨラム。
そのおじいちゃん。義妹、義弟。
一緒に「モーセ作戦」でイスラエルに来たもう一人の父とも言うべきケス・アスーラ。
それから、シュロモがやけになったときに受け止めてくれた警官まで。

なんて賢く年を取った人たちなんでしょう。
彼らが「守るべきもの」を包み込む大きさに激しく心を動かされました。


世の中には、いやな思い、つらい経験をすると、心の殻を硬くしてガードし、「攻撃は最大の防御」と、人の痛みを分からずに攻撃して、あとは知らん顔するような人間がいます。
自分だけ幸せならいい、と傷ついたものに冷たい人たちも。
そういう人たちに不用意に近づいて痛い思いをすることも多々ありますよね。
シュロモもそんな現実に放り出されます。

でもそんな中でシュロモは、経験を前向きにとらえてしかもオープンハートで誠実に生きている大人たちと出会います。

それも想像を絶する悲惨な体験を乗り越えてきた人たちなのに・・・・

それだからこそ、彼らの言動は研ぎ澄まされて、何が一番大事かを学んだのでしょう。
だからこそ見ているものの心に響くのですよね。

・・・なんかこの人々の言葉を一つ一つ語っちゃいたくなったjesterですけれど、
まだ6月まで岩波ホールで公開が続く映画なので、未見の方も多いと思いますし、ちょっと控えようかなと思っています。
でも煌めく言葉の数々が、まだ耳に響いています。

どんな悲惨な境遇にいても、受け止めて理解してくれる大人がいれば、子供はまっすぐに育っていくものなんですね。
そう信じたいです。


yael.jpgぴかぴか(新しい)そして、養い母のヤエルの視線! イスラエルの大女優という、ヤエル・アベカシスさんが演じてますが、知的であたたかくて、本当に美しい俳優さんです。
血のつながりがなくても、実子と分け隔てなく、子どもと同じ目線に立って育てていくその姿は、子育てのお手本といえるのでは。
これからお母さんになる人にも見て欲しいなあ・・・・


ぴかぴか(新しい)それから幼年時代のシュロモを演じた、モシュ・アサガイ君が本当に上手で、この子の演技があって、この映画が成功したのではと思うほどです。
目力のあるモシュくんの可愛らしさと切ない演技に目が潤みっぱなしでありました。


sirak.jpgぴかぴか(新しい)少年、青年時代の役の役者さんも美しいです。
とくに青年シュロモを演じるシラク・M・サバハは美しい。
細くてスタイルが良くて、ミュージシャンみたい。しかも知的でドレッドヘアがこれほど芸術的に似合っちゃうのってすごい。
そして彼は映画中のシュロモと同じ境遇のエチオピア系ユダヤ人、リアル・ファラシャなんですよね。
数千キロの道を歩き、家族を失いながら「ソロモン作戦」でイスラエルに渡ったそうです。
確かにソロモンとシバの末裔のような高貴な面影です。こうした役者さんたちが、映画にリアリティを与えている気がします。


ぴかぴか(新しい)そのほかに、養い父役のロシュディ・ゼムは抜群のスタイルでカッコよかったし、おじいちゃんのラミ・ダノンもあったかくてよかったです。


ぴかぴか(新しい)それから特筆すべきは音楽ですね〜
アルマンド・アマールが担当していますが、民族音楽の哀切を帯びた女性ボーカルや、それぞれの場面にあった音楽が映画を引き立ててました!


シュロモを囲む4人の母。(本当の母、脱出したとき手を引いてくれた母、養い母、そしてシュロモの子どもの母となる妻。)
女は強いです。

そしてそれを取り巻く男たちも、また熱いです。
重いテーマながら、笑えるようなシーンもところどころに光っていて、人間っていいな〜と思えるような、直球勝負だけど、後味の素晴らしい映画でした。
ああ、救われた・・・って思わせてくれました。


蛇足ですが、邦題「約束の旅路」なんですけれど、最後のシュロモの台詞などから取ったのかな〜と思いますけれど、微妙ですね。
原題の持つ強さが抜けちゃってる感じ。

英米での題は「Live and become 」
その他の国でも大体そんな感じで題がついているみたいです。
原題の「Va, vis et deviens」の「行け」という言葉が抜けているのが残念ですが(この言葉、シュロモの母たちが言う強い台詞で、とても大切だとjesterは思うのですが)・・・
少なくとも、邦題よりはずっといい感じだとおもいます。

しかし岩波ホール、いつもながらいい仕事してるなあ。
3月から6月までこれやってくれるんだもの。
いつ終わるかとはらはらしないで、また見にいける。
字幕はとっても読みづらかったけど、でも感謝。
ありがとう、岩波ホール。
ホールには鑑賞後用にUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の募金箱までありました。(素直なので募金したjesterです)

あとはもうちょっと客席に傾斜が着いて、背もたれが高くなって、音響が良くなって、画面が大きくなってくれて、全席指定になってくれれば言うことないです。はい。



posted by jester at 09:33| Comment(19) | TrackBack(4) | や行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月17日

約束の旅路 (Va, vis et deviens) その1

いや〜〜 2007年のjester's ベストに確実に入る作品を見ました〜

「約束の旅路」
Va, vis et deviens(原題;行け、生きよ、生まれ変われ)

です。

書きたいことが多すぎで、どうレビューを書いていいのか、ちょっと考えてしまってました。
20070216004fl00004viewrsz150x.jpgストーリーを説明すると、とても込み入っているように感じられるのですが、テーマはシンプルです。

母と子の愛。
アイデンティティーを求める青年。
人は何のために生きるのか。


普遍のテーマですよね。

それをラデュ・ミヘイレアニュ監督が「僕はこう思うんだけど」とそっと語ってくれた気がします。


1984年、「モーセ作戦」が敢行されました。エチオピアに古代からいたユダヤ人を飛行機に乗せてイスラエルに戻そうという作戦。

このとき、難民キャンプにいた一人のキリスト教徒の母親が、自分の息子をユダヤ人の列にまぎれて並ばせます。
「行くのよ!」という言葉と共に。

母親から離れる子どもの切なく不安な瞳。
子どもを手放す母親の断腸の思い。
最初からどちらの気持ちも痛いほど伝わってきます。

・・・・もうしょっぱなのこの辺から涙腺が緩みっぱなしです。たらーっ(汗)

母から離れて、異国の地で、しかも肌の色の違う人たちの間で、この子は成長していきます。
夜空に浮かぶ月を眺めながら、母を思いながら。


ユダヤ人というとjesterは「アンネの日記」のアンネの家族のように、黒髪(または濃い色の髪)で肌の白い人を思い浮かべますが、祖国の地を追われてから何千年もたって、各地の人と血が混ざり、それぞれがその外観を変えているんですね。


ちょっと整理してみますと、イスラエルに移民するにはユダヤ人であれば誰でもでき、そのためにはハラハーと呼ばれる定義、「母親がユダヤ人か、ユダヤ教に改宗したもの」をクリアしていれば良いそうです。
(しかし、アメリカに多いユダヤ教の保守派と改革派は、ユダヤ教徒としては認めていないのだそうなので、この辺は私たちには難しいですが)

そして、ファラシャと呼ばれるエチオピア系ユダヤ人は、旧約聖書に出てくるソロモン王と、古代エチオピアのシバの女王の子孫といわれている人々なのだそうです。


肌の色が黒いユダヤ人がいるということを全然知りませんでした。

エチオピアでも差別を受けてきた彼らはイスラエルに帰還しても「異分子」なんですよね。


その中で、また、実はユダヤ人と偽って難民キャンプを抜け出してきた、ユダヤ人でもない自分を抱えながら、少年はシュロモという偽りの名前をつけられて暮らし始めます。

その生活は、スーダンの難民キャンプでの生活と全く異なるもの。

初めてシャワーを浴びて、口が閉まらぬほど驚き、流れていく水を何とか止めなくてはと、泣き叫んでパニックになりながら排水口を押さえるシュロモ。
テレビの裏から人間が出てくると思って見守っているシュロモ。

そんな生活にも次第になれて、学校に通いヘブライ語やフランス語もおぼえますが、シュロモは苦しみます。

お母さんはどうして僕に「行け」といったのだろう。
僕はどう生きればいいのだろう。
僕は何人なんだろう・・・・

ご飯が食べられなくなる。
人と目が合わせられなくて、いつもうつむいて歩く。
いじめに遭い、暴力を振るってしまう。

周りの大人がどう対処していいか分からなくなったとき、そんな彼を暖かく包んでくれる養い親が迎えてくれました。


長くなったので、続きます・・・・パンチ(続き物は久しぶりだ)猫






posted by jester at 20:45| Comment(2) | TrackBack(6) | や行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月28日

善き人のためのソナタ

NZで見た映画のレビューは一休みして、最近見た映画のレビューもかかなくちゃ、というわけで、「善き人のためのソナタ」 であります。
20061221002fl00002viewrsz150x.jpgネタばれ嫌いなjesterなんで、鑑賞前はレビューは全く読まず、「ちょっと暗そうな映画?音楽が出てくるの?」ぐらいの予備知識(なのか?)だけで見に行きました。

ドイツの映画はわりと好きなんですが、ナチ時代をテーマにしたものその後の東西分断時代のものも、テーマがテーマだけに後味が重いものが多い気がします。

でもこれは全然ちがいました。

残虐さはなく、それどころかコミカルなシーンが時々あります。背景は暗くても、その中でひときわ光るものにスポットを当てていて、後味いいです。
心地よい人間愛に酔いしれました。

アカデミー賞外国語映画賞をとるものって、時にアカデミー賞作品賞を取るものより感動したりします。(今回は特に!)


ベルリンの壁崩壊直前の東ドイツが舞台です。秘密警察シュタージで働くヴィースラー大尉は、命令により脚本家のドライマンの盗聴を命じられる。

体制に疑問を感じることなく、くそ真面目だったヴィースラーが、最初はドライマンの恋人のクリスタに惹かれ、そして芸術や音楽、詩などに触れるうちにドライマンの自由な心を尊重したくなる・・・・

エレベーターに乗り合わせたボールを持った少年との小さい会話の中でも、次第に目覚めていくヴィースラーの心理が描かれます。
最初は体制を批判していると思われる親の名前を聞き出そうとしていたのに、ふと気が変わり、「そのボールの名前は?」って聞く変なおじさんになる。
この辺、上手ですね〜

体制に疑問を感じるものと、体制を守ろうとしながら悩むもの、相対する立場の二人の人間が、非常に厳しい環境の中ながら人間の尊厳を守ろうと、密やかに、しかし意思を持って動き始める。

静かな感動を味わいました。

人として生きていくのに何が大切なのか、寡黙なヴィースラーの瞳が語っていました。

人間から悪を引き出すのは何なのか。
そしてその人間を善に導くのは何なのか。


分かりきっていることなのに、時々思い出させてもらわないと、うっかり忘れて流されてしまうjesterであります。

人間性を抑圧するゆがんだ社会体制と、そんな中で殺伐としてしまう心に人間の尊厳を教える芸術というものの素晴らしさ。

私の隣にいらした白髪の男性も、しきりに目をぬぐってらっしゃいました。

赤いリボンのタイプライターを触ると、指に赤い粉がつき、それが紙についてしまう。
痛々しくも見える赤い指のあとが、触れ合うことのないはずの二人の心を通い合わせる・・・・たらーっ(汗)



ぴかぴか(新しい)ヴィースラーを演じたウルリッヒ・ニューエ↑は、台詞が少なく寡黙な役柄ながら、そのビー玉みたいな目にいっぱい感情をたたえて不器用な男を演じきりました。
クリスタに、立場を超えて酒場で声をかけてしまうとき、そして彼女を尋問するときの、精一杯切ない愛を秘めた瞳。ハートたち(複数ハート)
う〜〜役者です!

2007年度、輝くおっさん大賞はこの人だ!!


ぴかぴか(新しい)そしてもう一人の2007年度、輝くおっさん大賞はセバスチャン・コッホ揺れるハート

同じドイツ映画で、jesterが大好きな「トンネル」(ドイツではテレビシリーズだったのを、日本では短縮され映画にして公開されました)では、主人公を演じるハイノー・フェルヒと一緒に西ドイツ側からトンネルを掘る仲間で、残してきた恋人カロラへの気持ちに苦悩する男、マチス・ヒラーを好演していましたが、今回は東独の体制下にあって、才能ある自由人を伸びやかに演じてます。

時々見せる少年のような表情、大人の色香、豊かな教養と、友人の名誉を惜しんで命をかけて体制を告発する勇気・・・ 
うひ〜〜 ドライマンにもやられました・・・パンチ


ぴかぴか(新しい)そういえば途中で冗談を言ったために左遷された若者、ヴィースラーの後ろで封筒開けながらラジオ聞いてましたね(笑

逆境の芸術家と、華々しい才能がない一般人のふれあい、という点では、これまたjesterが大好きなイタリア映画「イル・ポスティーノ」に通じるところがありました。
くしくも郵便配達、というところまで似ているわ〜



見終わったあと、誰かを(誰?)愛したい、芸術に触れたい、人生捨てたモンじゃないという気持ちにさせてくれる、完成度の高い秀作でございました。
公開が続いているうちに、何度か劇場で見たいです!
(しかしシネマライズはレディスディがないのよね〜)



猫ところで、明日から花見に京都に行こうかなと思ってます。
またちょっと中断しますが、来週には帰ってきます。(今度は絶対!(殴)パンチ



posted by jester at 10:17| Comment(18) | TrackBack(14) | や行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月02日

ユナイテッド93

映画の日、ふと夕方に時間が空いて、「スーパーマンリターンズ」か「森のリトルギャング」を見ようと思いましたが、どれも時間があわなくて、見られるのは「ユナイテッド93」。だけ・・・・
 
前から見ようかなとは思っていましたが、まだまだSep.11は痛すぎて・・・たらーっ(汗)

知人が数人亡くなっているもので、感受性が耐えられるかちょっと自信がなかったのです。
で、躊躇してましたが、これもご縁と覚悟を決めて見てまいりました。


008.jpg

どうも感想を考えていると、Sep.11というテロ自体にコメントしたくなるので、ここはそれを押さえて、映画だけについて書きたいと思います。


見終わったあと感じたのは、まるでNHKのドキュメンタリー報道番組を見たような気分。
変に盛り上げることなく、起こったことを、淡々と集めています。

しかし起こったことが起こったことだけに、いやがうえにも緊迫して行くのです。
作ろうと思えばいくらでも作れるだろうに、変に泣かせ場とか感動シーンがないところが、かえってリアルで臨場感があり、なまなましい。


航空管制塔や空軍の混乱、ユナイテッド93に乗り込む乗客たちの朝、そして犯人たちの朝。

報道では分からなかった部分もクリアになっていきます。

同時多発したハイジャックに航空管制塔は大混乱に陥り、空軍は民間人が乗った民間機を迎撃してよいのかの判断に悩む・・・


その中でも一番緊迫しているのはもちろんハイジャックされた機内です。

乗客たちは、すでに2機がハイジャックされ、ツインタワーに突っ込んでいることを携帯電話などで知り、「この飛行機は犯人たちが言うように飛行場などには決して戻らない。自爆テロしようと犯人は思っている」ことを悟ります。

ならばどうしても自分たちの力で止めなくては!

ということで、乗客たちが立ち上がります。

携帯電話で家族に別れを告げた乗客たちの必死の戦いに、ラストは思わず祈り、そして「もしかして助かるのかも?」と思うほど。

あれが娯楽映画なら絶対助かるパターンですもの。

いっしょに見た家族Bも
「あれ?1機助かったのがあったんだっけ?」と思ったそうです。


でも現実は甘くない・・・



まだまだ記憶も傷も生々しい事件ですが、あの畑の中に落ちたユナイテッド93はこういうことだったのだな〜と確認する以上に、いろいろ真剣に考えさせられる映画です。

こういうものを世界の人々が見ることを考えると、映画の力というものに感服します。
「歴史的事実」としてSep.11を捉えるためにも、お金を払う価値のある映画です。


犯人側についても理解が進みます。

登場前から死を覚悟している犯人たちが、コーランを読む声で始まるこの映画、決して犯人たちを極悪非道として描いているわけではなく、犯人たちにも愛する家族があり、その家族に別れを告げた上で自分の信じている道のために命を捨てる覚悟でいるという風に描写しています。

なぜそこまでアメリカを憎むのか、その原因はなんなのだろう・・・

歳若い犯人は泣きそうになりながらも必死にタスクを完遂しようとする。
どれほど信仰に篤くても、自分の死を前に冷静にはいられません。

だからこそ、誰が悪いのかじゃなくて、誰を憎むのか、誰に復讐するのかじゃなくて、
『私たちはどうしたら平和な世界を築けるのか』
を考えるヒントになるのではないかしら。


Sep.11のとき、「カミカゼ」という報道がアメリカではありました。
日本の映画やドラマなどでは英雄扱いされることもある『カミカゼ特攻隊』や『回天』も、視点を変えてみると、同時多発・自爆テロの犯人と重なるのでしょうね。


ところで、エンドロールで「United Airline did'nt support this film.」とかなんとか流れていたと思うのですが、ユナイテッドとしては何か反論があったのでしょうか?
機長が簡単に殺されたり、スチュワーデスがパニクッたりするところが、訴訟などで不利な材料になるとか・・・?



このところ、Sep.11関係の映画が続きますよね。
この、「Remember Sep.11」の裏になにか政治的思惑があるのだったら嫌だけれど、この映画、平和ボケしている日本人はとりあえずしっかり見たほうがいいかもしれません。

明日はわが身です。


Sep.11の犠牲者に黙祷をささげつつ・・・・







posted by jester at 10:15| Comment(4) | TrackBack(2) | や行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月27日

歓びを歌に載せて その5

東京では「歓びを歌に載せて」が今週の金曜までで上映が終わります。
なので、最後に、とおもって見てきました。3回目デス。

実はこの映画、1回目に見たとき、jesterはいろいろ揉め事があって、精神的にどん底。
めちゃくちゃ参っていた時期でした。
そんなときにすがるような思いでこの映画を見て、本当に目がはれるほど泣いてしまい、映画の後もトイレに立てこもって泣き(迷惑)、でもとても勇気を貰って、頑張って生きていこう!と思いました。

今日は第一志望の試験が終わったばかりの家族Bと、受験が一段落したら行こうね、といっていたので行ってまいりました。
やっぱり素晴らしい映画でした!
繰り返してみると、また格別味わい深いです。


しかし18才の感性でみるとこの映画はどうなのだろう、と思っていました。
登場人物のほとんどが40過ぎという映画ですから。
人生のつらさ、厳しさに打ちひしがれながらも、心を開いて生きる、というのがこの映画の底に流れるテーマですよね。


18歳も一杯泣いていました。たらーっ(汗)

「今まで見た中で1番の映画かも」
「学校の友達にも、みんなに見せてあげたい」
「いろんなところで共感した」
などなど。
渋谷の唐そばで二人とも大好物のラーメンを食べながら、たくさん話しました。

中年で、口が半開きで、鼻血もあせもだらだら(爆)のミカエル・ニュクビストの魅力もわかったらしい。
うむうむ、娘よ。君も大人になったのお。

君も、愛しい人とキスできて感激の涙をこぼすような人と、いつかめぐり合えるといいね。


今回は台詞も大分覚えたので、字幕を追うことなくゆっくり画面を鑑賞できました。
なのでスゥエーデンの自然の美しさが堪能できました。

人間関係は狭苦しいコミュニティなんでしょうけれど、(jesterは苦手です・・・)
でもあんな美しい自然の中で余生がおくれたら嬉しいな。

ガブリエルが歌っているとき、後ろにいるダニエルの表情がおかしかった。
(そう、3回目にして、このシーンで涙でにじんで見えなくならずに、後ろの人まで見ることが出来ました・・・)
歌を歌うわけでもなく、ただ口をぽかんと開けて、時々ビックリしたように首を振ったりして。
ほんとに面白いキャラです黒ハート



以下超ネタばれありなので、反転文字にします。もう映画を見られた方だけ、反転させてお読みください。


jesterは、「レナがかわいそうだったね・・・・悲しむだろうね・・・・」といったのですが、家族Bは
「ダニエルは死んでないんだよ」といいます。
「でも、最後に呼吸が止まるんだよ」
「あの後すぐに人が来て、人工呼吸して、救急車で運ばれて、助かって、レナと一緒に幸せに暮らして、子供も出来るんだよ」
まっすぐな目でそういわれたら、そうなのかもと思いました。←単純。

そう信じたいですよね。

posted by jester at 21:37| Comment(8) | TrackBack(0) | や行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月06日

歓びを歌にのせて その4

女性のキャラクターのなかで好きなのは、牧師の妻のインゲです。
(以下、ネタばれあります〜)


牧師の妻って、日本で言えばお寺さんの住職の妻、って言う立場ですよね。
質素に、貞淑に、従順に、を求められるんじゃないかな、って思うのですが、彼女はちょっと目つきがいたずらっぽくて、可愛いの。
いや、外観は年相応に、というか、5歳ぐらい年さば読んでない?と思うぐらいですけど、表情がいいなと思うのです。

家の中も綺麗にしてて世話好き。
そして夫とのけんかで「動かぬ証拠」をたたきつけるシーンでも、そんな情けない夫なのに嫌悪感はなくて、愛情ある目つきでいるのが良いです。
後半のバスに乗り込むシーンでは、この愛情が冷めてるのをちゃんと目で演技してるんですよね。ダニエルへの仕打ちを見て、愛想が尽きたんでしょう。
jesterはこの牧師夫婦が離婚するに1000点賭けます(殴パンチ

あと、オルガも可愛いおばあちゃんでした。
楽しそうに歌ったり踊ったり、こんな老後はいいな〜


まあしかしなんといっても、ダニエル役のミカエル・ニュクビスト(Michael Nyqvist すごいスペル。読めないです〜)にはやられましたね。


最初、鼻血はだすし、全身がぷよぷよしてるし、髪の毛は長いのに薄くて、しかも口が半開き、ということで「このオヤジが主役なのか・・・・」と思いましたが、見ているうちにその半開きの口まで可愛く見えてきた・・・・

この人(ダニエル)ならjester、結婚します。パンチ(殴パンチ(殴パンチ(殴 ひ〜〜あせあせ(飛び散る汗)

(しかし白状すると、ダニエルの役をちょびっと北欧系の別の俳優・・・父がデンマーク人でアルゼンチン育ち・・・に脳内変換して見て、もだえてたjesterです・・・・・)(もっと殴って良いですだ〜〜ダッシュ(走り出すさま)


監督のケイ・ポラックは前作のあと、政治的なメッセージをこめて18年間メガホンを持たなかったそうですが、今回、このような傑作を作ってくれて、本当に嬉しいデス。
今までの空間を埋めるように、また元気をもらえる映画を作って欲しいな♪

スウェエーデンの映画は数は見ていませんが、ロッタちゃんとか、やかまし村シリーズとかが大好きで繰り返し見ているので、違和感がありません。スウェーデン語自体にはかなり耳が慣れてます。

傑作映画が多いという噂なので、これを機会にもっとスウェーデンの映画を見られたら嬉しいと思いました。
posted by jester at 17:43| Comment(10) | TrackBack(1) | や行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月05日

歓びを歌にのせて その3(ネタばれあります)

劇場で早速サントラのCDを買っちゃいました。今それを聞きながら書いています。

このサントラのジャケットでも、いろいろなところで使われている写真でも、ヘレン・ヒョホルムが演じたガブリエラが大きくアップになっていますが、女性の中で一番光っていたのは、レナ(フリーダ・ハルグレン)だとjesterは感じました。

北欧系の顔だちに、にっこり笑う笑顔がとても素敵。(写真が見つかりません・・・・しくしく)

パンフレットにはI田理代子が「若いのにお世辞にもすらっとした体型とはいえない」なんて書いてましたけれど、私はとっても美しいと感じました。

痩せてる女優さんは、たとえばキーラ・ナイトレーなんか、衣装を着たときとかは綺麗ですけれど、肉体としてみたとき、ちょっと貧相な感じがしてしまいます。
フリーダ・ハルグレンは、その役柄のように、包容力があって、のびのび、おっとりした感じがあふれ出ていて、とても健康的で豊かな感じ。
お肌もつるぴかです。

ああいう柔らかそうで暖かそうな体型、とっても好きなんですよ。

いつも思うのですけれど、日本の若い女の人は痩せすぎの人が多い気がします。

インドではふっくらしてるって、美人の条件なんですよ〜
まああの国では痩せてる=食べ物がない=貧乏、っていうイメージがあるかららしいんですけれど・・・

日本では太目の人はすごく恥ずかしがって、泳ぎに行かなかったりするけれど、1回しかない人生損していると思います。
周りの人の目を気にしすぎ。だれがどう思おうといいじゃありませんか、って思うんですけど・・・・
まあ、そういう調子でどこでも平気で泳いじゃうjesterです。あせあせ(飛び散る汗)

ヨーロッパなんか行くと、牝牛みたいに太った4段バラのおばあちゃんでも堂々とビキニを着て泳いだり日光浴してます。
あれをみてると、jesterなんかまだまだひよっこじゃんか、と自信を持ったりします。(持つな〜〜〜!!(殴パンチ

まあ、文化の違いと言われればそうなんでしょうけれど、年取っても太っても、心の持ちようで、お日様を浴びてのんびりしたり、海でゆっくり泳いだり、っていう気持ちの良い楽しみを味わえるのに、恥ずかしいからってそれをあきらめるなんて、ほんとにもったいないデス。


またまた閑話休題でございます。パンチ

で、体型だけでなく、レナは自分の欲求に素直で、でも芯が通っていて、jesterは友達になりたいタイプ。
男性からみたら魅力的なんじゃないかと思うんですけど。(ま、jesterは男心はわかりませんですが)

とにかくダニエルが惚れちゃう気持ちはjesterにはよおくわかります。黒ハート

惚れた男と自転車に乗ってサイクリングして、「泳ぎたい!」って裸になって泳いじゃう、なんて、あこがれてしまう・・・・・猫(爆)


だからこそ、あのラストは悲しい。たらーっ(汗)
あの後のレナの気持ちを思うとつらくなります。
でもきっと、レナなら、そっと涙を拭いて、にっこりする日が来るでしょう。


というわけで、つづきます・・・・
posted by jester at 21:52| Comment(6) | TrackBack(3) | や行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月04日

歓びを歌にのせて その2

jesterは本を読むのも漫画を読むのも大好きです。クラシックやジャズ、ポップスのコンサートやミュージカル、ストレートプレイも見に行きます。

でも、たった2時間ぐらいのあいだに、これだけ心揺り動かされ、泣き、笑い、まったく異次元の世界への旅が出来る・・・・つくづく映画って総合芸術だと思います。

そして、その醍醐味を充分味わわせてくれる秀作映画にまた出会いました黒ハート

『歓びを歌にのせて』です。

孤独を感じる人間同士が、どうやって支えあい、歓びを持って生きていけるか。
音楽が荒れた人の心をどこまで癒せるのか。
芸術が自己表現にどれほど役立つか。


おとぎばなし、といってしまえばそれまでですが、
「今日の日から最後に息を引き取る日まで、
自分の生き方で生きたい。
誰かに強制された生き方でなく、
誰かが良いと思う生き方でなく、
だれでもない、自分自身が納得のいく生き方をしたい。」

なんて思う心に、一杯元気を貰いました。

1000663_02.jpg
ル・シネマの朝一番でみたのですが、上映終了後、自然と拍手が沸き起こりました。
年も性別もばらばらな観客の中から・・・・
電気がついても席から立てず、ハンカチに顔をうずめたままの人も。

jesterもこみ上げる感動の涙で、なかなか去りがたかったデス。

(でももうそろそろでなくちゃ、と入り口までよろよろ歩いていったら、次の回の入場を待つ人だかりのど真ん中に出てしまい、そうとう注目を集めでしまった・・・
うつむいたままトイレに駆け込んで、涙が納まるのを待って、やっと帰宅しました・・・)


*******以下、ネタばれがあります*******



まず、なんと言っても主人公のダニエル・ダレウスがとってもいいデス。
ウサギや雪や自転車、川で泳ぐこと。
そんなことに感動できる少年のような感受性を持ったままで大人になった人。
芸術家だからこそでしょうか。

人との付き合いが苦手だ、という彼は、しかし、スーパーの片隅で泣く女性を静かな共感で無視してあげることの出来る、優しい男です。
しかし自らが追い求める完成された音楽への情熱は厳しく、深く、彼の心臓を攻撃するほど。
だから彼は「音楽を聴きに」昔住んでいた村へともどってきたのでした。



これに対して、他に出てくる男性は、とても子供っぽいけれど、少年のような、というよりは子供の嫌な部分、傲慢さ、わがままさ、がさつさ、暴力的なところを持っている人が多い。

ガブリラルを殴る夫、コールもそうですが、雑貨屋のアーンも。
アーンみたいな男って、ものすごくたくさんいますよね。(まあ女でもいるか・・・)
押し付けがましくて、仕切りやで、自分のいったことが相手を傷つけてもわからず、場をわきまえずに、人のいうことを聞いてなくて自分の言いたいことばかり大声でいう人。
でも、悪気はないのでしょう。
もしかして、大昔なら、部族同士の闘争で、要領よく生き残るようなタイプ。
でも一緒に暮らしたら、とっても疲れるだろうな、と思われるタイプ。
友達が出来ないけど、どうしてだか本人にはわからないし、あんまり気にしてない人。

そして牧師のスティッグ。
第一印象はすごく良くて、だれにでも愛想が良いけれど、実は自分が真ん中じゃなくちゃいやで、自分の思うとおりにならない人は裏から手を回して排除しようと攻撃する人。

世の中には、こうして、自分では気がつかずに周りを傷つけてる人がたくさんいます。
(jesterもその一人かもしれませんが・・・)

他の人とは仲良いのに、自分とはどうも相性が悪い、という人もいるでしょう。

人間が集まるところ、摩擦が生まれ、ぶつかり合い、傷つく。
でも、こころを寄せ合い、その人の持ち味(トーン)をうまくハーモニーさせれば、100倍も200倍も素晴らしいものを作り出せる力を、人間って持っているんだな〜


そんな希望を持てる、『心の栄養』を貰った感じです。


登場する女性たちがこれまた、素晴らしいの・・・・・
また続きます・・・・・パンチ
posted by jester at 10:49| Comment(18) | TrackBack(7) | や行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月03日

歓びを歌にのせて

うひゃ〜〜〜〜
また使い物にならなくなっちまいました・・・・・
(いつもは使えるみたいな言い方・・・何かご質問は?


もう途中から、涙で画面がかすんで字幕が読めず・・・・たらーっ(汗)



終わって、明かりがついても席が立てず。もうやだ〜(悲しい顔)
でも入れ替えがあるので、タオルを顔に当ててロビーに出たら、次の階を見る人たちが一杯いて、じろじろ見られて、めちゃくちゃ恥ずかしかった。

下向いたままトイレに駆け込んで、また泣いちゃいました。あせあせ(飛び散る汗)

そのあと放心状態・・・・・・

いまだに余韻に浸ってます。
今書くと、また泣いちゃいそうなんで、気持ちを落ちつけてまた書きますね。(またそれかいパンチ


しかし・・・・ほんっとにいい映画だった! なんでもっとたくさんの映画館でやらないんだろう。 これ見て救われる人がたくさんいると思うのに!!!


というわけで、続きは明日・・・・・パンチ


posted by jester at 19:24| Comment(4) | TrackBack(2) | や行の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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